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算数の文章題が苦手な子へ|原因の見分け方と家でできる声かけ・練習のしかた

計算はできるのに、文章題になると手が止まる。そんなときは、文章を読んでから式を書くまでのどこかで、止まっているのかもしれません。この記事では、止まっている場所を家で見分ける方法と、その場所に合った声かけ・練習をまとめました。

目次

文章題でつまずく4つの場所

文章題は、おおまかに、文を読む、場面を思い浮かべる、式にする、計算する、と進みます。保護者が家で見分けやすいよう、つまずく場所を編集部が4つに整理しました。専門的な分類とは一致しない部分があり、2つ以上が重なる子もいます。止まる場所によって、効く手当てが違います。

文を読むところ

漢字が読めない、知らない言葉がある、文を目で追うだけで疲れてしまう。問題を読み上げてもらうと解ける子は、ここで止まっています。

場面を思い浮かべるところ

文字は読めても、何がどうなった話なのかが頭に浮かばない。登場人物や場所、時間の移り変わりが入ると、とくに混乱します。絵や図にかくと進む子は、ここで止まっています。

式にするところ

場面はわかっているのに、たすのかひくのかが決まらない。「ぜんぶで」「のこり」のような言葉だけで決めてしまったり、文に出てくる数を全部使ってしまったりすることがあります。答えが合っていても、なぜその式なのかを言えないときも、ここが気になります。

覚えておくところ

文の後半を読むころには、前半を忘れてしまう。読みながら大事な数や条件を頭にとどめておく力が追いつかないと、途中で手が止まります。

もうひとつ、計算そのものに時間がかかり、そちらで力を使い切ってしまう場合もあります。その場合は、文章題より先に計算の練習を足すほうが近道です。

家でできる3つの確かめ方

止まっている場所の手がかりは、次の3つで得られます。診断ではなく、編集部がまとめた目安です。1回で決めつけず、数日かけて様子を見てください。使う問題は、いま解けずにいる教科書や問題集の文章題で大丈夫です。手元になければ、文章題プリントの1枚目でもためせます。

1. 問題文を読み聞かせて、解けるか見る

保護者が声に出して読み、そのあと子どもに解かせます。読み聞かせると解ける場合は、文字を読むこと自体か、読んでいる途中で内容を覚えておくことに、負担がかかっているのかもしれません。見分けるには、文を「。」で区切って1文ずつ読み聞かせてみます。区切ると解けるなら覚えておく負担、区切っても読み聞かせでないと進まないなら読む負担が大きいと考えられます。問題を読み上げてから取り組ませる方法は、発達障害教育推進センター(NISE)の事例でも、支援の例としてあげられています。

2. 数を小さくするか、絵にかかせてみる

「18こ」を「3こ」に置きかえて式を立てさせ、そのあと元の数に戻します。小さい数で式が立つなら、式の立て方は分かっていて、大きな数に戸惑っているのかもしれません。一方、絵や図にかいたとたんに進むなら、「場面を思い浮かべるところ」が手がかりです。

3. 答えが出たら「どうしてその式にしたの?」と聞く

答えが合っていても、理由を説明できないことがあります。NISEの事例では、担任の先生が「答えが出ていても、立式の理由を理解していない」ことを確かめています。「ぜんぶでって書いてあったから」のように言葉だけが理由なら、「式にするところ」の練習が向いています。理由そのものが出てこないときは、場面がつかめていないこともあります。責める調子にならないよう、興味をもって聞く気持ちで。

つまずき別の声かけと練習

止まる場所が見えたら、その場所に合う声かけと練習をひとつ選びます。全部を一度にやる必要はありません。

言葉だけで決めてしまうとき

式を書く前に、場面を言葉にさせます。「この話は、ふえた?へった?くらべてる?」。たとえば「みかんを3こ食べて、のこりは5こ。はじめは何こ?」は、「のこり」があってもたし算です。食べたあとの5こに、食べた3こをたすと、はじめの数になるからです。練習はたし算かひき算かを選ぶ文章題プリントで。言葉と場面がずれる文や、逆向きの文もまぜて練習できます。

場面が浮かばないとき

わからない数を「?」にして、テープの絵にかいてみます。「?はどこにあたるかな」。最初は保護者がかいて見せて、少しずつ子どもにかかせていきます。練習はテープ図をかいてから式を立てる文章題プリントで。図の枠が印刷ずみの紙から、図を自分で引く紙まで、段階を踏みます。

数を全部使ってしまうとき

式を書く前に、「この数は、聞かれていることに使うかな?」と確かめます。ほかの人の数や時刻が入っていても、見えた数を順に式へ入れてしまうくせがあるときに有効です。練習は使わない数に×をつける文章題プリントで。

文を読むところで止まるとき

紙の練習より先に、声かけと印です。保護者が声に出して読み、次に親子で一緒に読みます。数字に○をつけ、聞かれていることには下線を引きます。NISEの事例では「要点や鍵になることば」に印をつける支援があげられていて、数字に○、下線を引くのは、その考え方を家で試しやすくした編集部のやり方です。

覚えておくところで止まるとき

文を「。」で区切り、1文ずつ分かったことを図やメモに残して、頭で覚える量を紙に逃がします。文部科学省の学習指導要領解説(算数編)にも、文章を読み取って数量の関係を式に表すことが難しい場合の配慮の例として、解決に必要な情報に注目できるよう文章を一部分ごとに示したり、図式化したりする工夫があげられています。

上の3種類のプリントは、「式にするところ」と「場面を思い浮かべるところ」の練習です。読むところと覚えておくところは、紙よりも声かけと印のほうが先です。

続けるコツ

  • 1問できたら、そこで終わりにする。「できた」で閉じると、次の日もやる気が残ります。
  • 最初はやさしい問題を少しだけ。量は、できるようになってから増やします。
  • 題材を、子どもが好きなものや経験した場面に置きかえる。NISEの事例でも、題材の工夫が支援にあげられています。
  • まちがえても、まず「どうしてそう考えたの?」と聞く。式の理由を言えるようになることが、次の一歩です。

発達の特性が心配なとき

家で試しても手応えがなく、困りごとが続くときは、背景に学習面の特性があることもあります。NISEの事例は、計算は学年相応にできるのに、文章題で式を立てることが難しい一人の子についての紹介で、推測される要因として、記憶力が弱い、論理的に考えることが苦手、自分の状況をつかむ力(セルフモニタリング)が弱い、があげられています。あくまで一例で、お子さんに当てはまるかどうかは、この記事では判断できません。

この記事とプリントは、診断や判定のためのものではありません。家で試しても手応えがないとき、学校でも気になる様子があるときは、担任の先生や学校の特別支援教育コーディネーター、自治体の教育相談に、早めに相談してください。

この記事で参考にした資料

掲載の資料は2026年10月1日に確認しました。ここに書いた4つの場所の整理と確かめ方は、資料をもとに編集部がまとめた目安です。

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