一次方程式の文章題は、「何をxにするか」と「等しい2つの量」を決めれば解けます。この記事では、表で整理する5ステップの型を、過不足・代金・速さ・割合・年れい・連続する整数の6つの例題で見せます。問題文の合図から式を選ぶ表、答えがマイナスになる場合、文字のおき方の使い分けもまとめました。ページの下には、印刷して配れる解説プリントもあります。
文章題が苦手な人は、「等しい2つの量」を見つけることだけ意識してください。式をたてるまでできれば、あとは、習った方程式の解き方で解きます。
目次
一次方程式の利用・文章題とは?(中1)
問題文の数量の関係を、xを使った方程式で表して、答えを求める問題です。文章題は、数学の計算力より、「何をxにして、何と何が等しいか」を決める力が大切です。
x=求めたいもの(橙)問題の数(青)太字=答え
文部科学省の中学校学習指導要領解説(数学編)では、一元一次方程式の活用は、求めたい数量を文字で表し、二通りに表される数量を見つけて等号でむすんで方程式をつくり、解いた解を問題に即して解釈する、という活動として示されています。この記事の5ステップは、この趣旨に沿っています。
一次方程式の利用(文章題)の解き方は5ステップ
①求めたいものをxとおく
②二通りに表せる数量を見つけて、表で整理する
③等号でむすんで方程式をつくる
④方程式を解く(移項→両辺を割る)
⑤解を問題にもどして確かめ、答える
ステップ②の「二通りに表せる数量」が、文章題のかぎです。同じものを2つの言い方で表せたとき、それを=でむすびます。
一次方程式の文章題・例題(6つの型)
例題1|あまる・たりない(配る問題)
生徒にみかんを配ります。1人に5個ずつ配ると8個あまり、1人に6個ずつ配ると4個たりません。生徒は何人ですか。また、みかんは全部で何個ですか。
STEP1
求めたいものをxとおく
生徒の人数をx人とする。
求めたいのは人数。人数をxにする。
STEP2
二通りに表せる数量を見つけ、表で整理する
| 配り方 | 1人にくばる数 | くばった数 | あまり・たりない | みかん全部 |
|---|
| 5個ずつ | 5個 | 5x個 | 8個あまる | 5x+8個 |
| 6個ずつ | 6個 | 6x個 | 4個たりない | 6x−4個 |
どちらの配り方でも、みかんの全部の数は同じ。「あまる」なら配った数にたし、「たりない」なら配った数からひく。
STEP3
等号でむすんで方程式をつくる
みかんの全部の数が、どちらの配り方でも等しい
5x+8=6x−4
問題の中の「等しい」関係を、式にして=でむすぶ。これが方程式です。
STEP4
方程式を解く
5x−6x=−4−8
−x=−12
x=12
6xを左へ、数の項を右へうつす(移項)。これは「両辺から6xをひく」「両辺から8をひく」と同じことなので、うつすと符号が変わる。両辺を−1でわる。
STEP5
解を問題にもどして確かめ、答える
5×12+8=68、6×12−4=68
生徒は12人、みかんは68個
みかんの全部の数が、どちらも68で等しい。また、人数が正の整数かも確かめる。
答え:生徒は12人、みかんは68個
例題2|2つの品物の代金(合計から個数を出す)
1個120円のりんごと、1個80円のみかんを、合わせて15個買ったら、代金は1400円でした。りんごは何個買いましたか。
STEP1
求めたいものをxとおく
りんごをx個買ったとする。
求めたいのはりんごの個数。みかんは(15−x)個になる。
STEP2
二通りに表せる数量を見つけ、表で整理する
| 1個の値段 | 個数 | 代金 |
|---|
| りんご | 120円 | x個 | 120x円 |
| みかん | 80円 | (15−x)個 | 80(15−x)円 |
| 合計 | | 15個 | 1400円 |
個数の合計が15個なので、みかんは15からxをひく。代金の合計が1400円、というのが等しい量。
STEP3
等号でむすんで方程式をつくる
代金の合計が1400円
120x+80(15−x)=1400
問題の中の「等しい」関係を、式にして=でむすぶ。これが方程式です。
STEP4
方程式を解く
120x+1200−80x=1400
40x+1200=1400
40x=200
x=5
かっこをはずして(分配法則)、xの項をまとめる。数の項1200を右へうつす(移項)。両辺を40でわる。
STEP5
解を問題にもどして確かめ、答える
120×5+80(15−5)=1400(問題の1400と同じ)
りんごは5個(みかんは10個)
代金の合計が問題の数と合う。また、りんごの個数が0以上15以下の整数かも確かめる。
答え:りんごは5個(みかんは10個)
例題3|おいかける(速さの問題)
兄が分速60mで家を出発しました。その10分後に、弟が分速180mで自転車に乗って追いかけました。弟が出発してから何分後に、兄に追いつきますか。
STEP1
求めたいものをxとおく
弟が出発してからx分後に追いつくとする。
求めたいのは「弟が走った時間」。兄はそれより10分長く歩いている。
STEP2
二通りに表せる数量を見つけ、表で整理する
| 速さ(m/分) | 時間(分) | 道のり(m)=速さ×時間 |
|---|
| 兄 | 60 | (x+10) | 60(x+10) |
| 弟 | 180 | x | 180x |
追いついた場所は同じなので、家からの道のりは兄と弟で等しい。道のり=速さ×時間。
STEP3
等号でむすんで方程式をつくる
追いついた地点までの道のりが、兄と弟で等しい
60(x+10)=180x
問題の中の「等しい」関係を、式にして=でむすぶ。これが方程式です。
STEP4
方程式を解く
60x+600=180x
60x−180x=−600
−120x=−600
x=5
かっこをはずす。180xを左へ、600を右へうつす(移項)。両辺を−120でわる。
STEP5
解を問題にもどして確かめ、答える
60(5+10)=900、180×5=900
5分後(家から900mの地点)
家からの道のりが、どちらも900で等しい。また、時間が正の数かも確かめる。
答え:5分後(家から900mの地点)
例題4|割引(割合の問題)
ある商品を、定価の2割引で売ったら、売り値が1600円になりました。定価は何円ですか。
STEP1
求めたいものをxとおく
定価をx円とする。
求めたいのは定価。もとになる量(定価)をxにする。
STEP2
二通りに表せる数量を見つけ、表で整理する
| 式 | 金額 |
|---|
| 定価 | x | x円 |
| 2割引の額 | 0.2をかける | 0.2x円 |
| 売り値 | x−0.2x=0.8x | 1600円 |
2割引=定価の(1−0.2)倍=0.8倍。売り値が1600円だから、0.8x=1600。
STEP3
等号でむすんで方程式をつくる
売り値が1600円
0.8x=1600
問題の中の「等しい」関係を、式にして=でむすぶ。これが方程式です。
STEP4
方程式を解く
8x=16000
x=2000
両辺を10倍して、小数を整数にする。両辺を8でわる。
STEP5
解を問題にもどして確かめ、答える
0.8×2000=1600(問題の1600と同じ)
定価は2000円
売り値が問題の数と合う。また、定価が正の数かも確かめる。
答え:定価は2000円
例題5|何年後?(年れいの問題)
いま、母は40歳、子は12歳です。母の年れいが子の年れいの3倍になるのは、何年後ですか。
STEP1
求めたいものをxとおく
x年後に3倍になるとする。
求めたいのは「何年後」。その年数をxにする。
STEP2
二通りに表せる数量を見つけ、表で整理する
| いま | x年後 |
|---|
| 母 | 40歳 | (40+x)歳 |
| 子 | 12歳 | (12+x)歳 |
x年たつと、2人とも同じだけ年をとる。x年後に、母の年れい=子の年れい×3。
STEP3
等号でむすんで方程式をつくる
x年後の母の年れいが、子の年れいの3倍
40+x=3(12+x)
問題の中の「等しい」関係を、式にして=でむすぶ。これが方程式です。
STEP4
方程式を解く
40+x=36+3x
x−3x=36−40
−2x=−4
x=2
かっこをはずす。xの項を左、数の項を右へうつす(移項)。両辺を−2でわる。
STEP5
解を問題にもどして確かめ、答える
40+2=42、3(12+2)=42
2年後(母42歳・子14歳)
母の年れいが、どちらも42で等しい。また、年数が0以上(これから先のこと)かも確かめる。
答え:2年後(母42歳・子14歳)
例題6|連続する3つの整数
連続する3つの整数があり、その和が78です。3つの整数を求めなさい。
STEP1
求めたいものをxとおく
いちばん小さい整数をxとする。
連続する整数は、1ずつ大きくなる。小さいほうから、x、x+1、x+2。
STEP2
二通りに表せる数量を見つけ、表で整理する
3つの整数をたした和が78。
STEP3
等号でむすんで方程式をつくる
3つの整数の和が78
x+(x+1)+(x+2)=78
問題の中の「等しい」関係を、式にして=でむすぶ。これが方程式です。
STEP4
方程式を解く
3x+3=78
3x=75
x=25
同類項をまとめる。3を右へうつす(移項)。両辺を3でわる。
STEP5
解を問題にもどして確かめ、答える
25+(25+1)+(25+2)=78(問題の78と同じ)
25、26、27
3つの和が問題の数と合う。また、3つとも整数かも確かめる。
答え:25、26、27
一次方程式の文章題は問題文の合図から等しい量を見つける
文章題には、よく出る型があります。合図の言葉を見たら、どの量が等しいかを思いうかべます。
| 問題文の合図 | 等しくなる量 | 式の形 |
|---|
| あまる・たりない | 全部の数(配り方2通りで同じ) | 5x+8=6x−4 |
| 合わせて○個・代金○円 | 代金の合計 | 120x+80(15−x)=1400 |
| 追いつく | 追いついた地点までの道のり | 60(x+10)=180x |
| 向かい合って進んで出会う | 2人の道のりの和=はなれた距離 | (速さの和)×時間=距離 |
| ○割引・○割増し | 売り値(定価×割合) | 0.8x=1600 |
| ○年後に○倍 | そのときの年れい | 40+x=3(12+x) |
| 連続する整数の和 | 3つの和(1ずつ大きくなる) | x+(x+1)+(x+2)=78 |
一次方程式の文章題で答えがマイナスになるとき
方程式が正しく解けても、答えが問題に合わないことがあります。年れいの問題では、こうなることがあります。
特別な場合|答えがマイナスになるとき
いま、母は42歳、子は12歳です。母の年れいが子の年れいの4倍になるのは、何年後ですか。
STEP1
方程式をつくって解く
42+x=4(12+x)
42+x=48+4x
x−4x=48−42
−3x=6
x=−2
x年後に4倍、として立てて、そのまま解く。
STEP2
解を問題にもどす
x=−2は「−2年後」。−2年後は2年前のこと。
2年前は、母40歳・子10歳で、40=4×10。
計算はまちがっていません。ただ、「何年後」ときかれているので、答えは合いません。
答え:これから先には、4倍になる時はありません(4倍だったのは、2年前)。
一次方程式の文章題は文字のおき方で計算が楽になる
xは、求めたいものにおくのが基本です。でも、連続する整数のように、おき方を選べる問題もあります。同じ問題を2通りで解いて、くらべます。
いちばん小さい整数をxにする
x+(x+1)+(x+2)=78
3x+3=78
3x=75
x=25
まん中の整数をxにする
(x−1)+x+(x+1)=78
3x=78
x=26
どちらも、3つの整数は25、26、27で同じです。まん中をxにすると、+1と−1が消えて計算が楽になります。
一次方程式の文章題でまちがえる!ミス4選
○正しい
8を右へうつすと符号が変わる
5x−6x=−4
−8×まちがい
40+x=3(12+x)
40+x=
36+x
○正しい
かっこの中のxにも3をかける
40+x=36
+3x×まちがい
追いつく問題で、兄の時間を
x分にしてしまう
×まちがい
x=12を求めて
「みかんは
12個」と答える
○正しい
xは人数だった。みかんは5×12+8=
68個
一次方程式の文章題のコツ(覚え方)
文章題は3つの部品で組み立てます。
①xの置き方:たずねられているものをxにする
②表:数量を表にならべて、2通りに表せる量を見つける
③等号:その2つを=でむすぶ
式が立てられないときは、表がうまっていないだけです。まず表をかいてみましょう。
一次方程式の文章題・練習問題6問(中1数学・答えは折りたたみ)
例題と同じ6つの型です。表をノートにかいてから式を立てて、答えを開いて確かめましょう。
①ノートを子どもに配ります。1人に3冊ずつ配ると10冊あまり、1人に5冊ずつ配ると4冊たりません。子どもは何人ですか。
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式:3x+10=5x−4
x=7
答え:7人(ノートは31冊)
②1本90円のペンと1本50円の鉛筆を、合わせて13本買ったら、代金は850円でした。ペンは何本買いましたか。
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式:90x+50(13−x)=850
x=5
答え:ペン5本(鉛筆8本)
③A町とB町は2100m離れています。太郎さんが分速70mでA町からB町へ、花子さんが分速80mでB町からA町へ、同時に出発しました。2人は何分後に出会いますか。
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式:70x+80x=2100
x=14
答え:14分後
④ある商品を、定価の3割引で売ったら、売り値が1050円になりました。定価は何円ですか。
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式:0.7x=1050
x=1500
答え:1500円
⑤いま、父は45歳、子は15歳です。父の年れいが子の年れいの2倍になるのは、何年後ですか。
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式:45+x=2(15+x)
x=15
答え:15年後
⑥連続する3つの偶数があり、その和が84です。3つの偶数を求めなさい。(偶数は2ずつ大きくなります。)
答えを見る
式:x+(x+2)+(x+4)=84
x=26
答え:26、28、30
💡方程式の計算そのものを確かめたいときは、
一次方程式の計算機を使います。式を入れるだけで、途中式つきで解きます。
一次方程式の文章題の解説プリント(先生が配る用・5面)
左が1面(5ステップ・例題1)、右が答え面(練習6問の答えと先生への使い方)のサンプルです。PDFは2種類。「問題PDF」は1〜5面(例題6つ・特別な場合・合図の表・ミス4選・練習6問)、「問題+答えPDF」は1〜5面に答え面をつけた6面です。答え面は赤で、考え方つきです。
一次方程式の文章題プリント|あまる・たりない(基本から応用まで5枚・答えつき)
あまる・たりないの型を、やさしい順に5枚で練習します。1枚目は表つきで型をなぞり、2枚目は表なし、3枚目は聞かれ方がちがう問題、4枚目は答えの吟味が決め手の問題、5枚目は条件がふえた問題です。1枚3問で、答えは別の答え面にあります。
一次方程式の文章題プリント|代金(基本から応用まで5枚・答えつき)
代金の型を、やさしい順に5枚で練習します。1枚目は表つきで型をなぞり、2枚目は表なし、3枚目は聞かれ方がちがう問題、4枚目は答えの吟味が決め手の問題、5枚目は条件がふえた問題です。1枚3問で、答えは別の答え面にあります。
一次方程式の文章題プリント|速さ(基本から応用まで5枚・答えつき)
速さの型を、やさしい順に5枚で練習します。1枚目は表つきで型をなぞり、2枚目は表なし、3枚目は聞かれ方がちがう問題、4枚目は答えの吟味が決め手の問題、5枚目は条件がふえた問題です。1枚3問で、答えは別の答え面にあります。
一次方程式の文章題プリント|割合(基本から応用まで5枚・答えつき)
割合の型を、やさしい順に5枚で練習します。1枚目は表つきで型をなぞり、2枚目は表なし、3枚目は聞かれ方がちがう問題、4枚目は答えの吟味が決め手の問題、5枚目は条件がふえた問題です。1枚3問で、答えは別の答え面にあります。
一次方程式の文章題プリント|年れい(基本から応用まで5枚・答えつき)
年れいの型を、やさしい順に5枚で練習します。1枚目は表つきで型をなぞり、2枚目は表なし、3枚目は聞かれ方がちがう問題、4枚目は答えの吟味が決め手の問題、5枚目は条件がふえた問題です。1枚3問で、答えは別の答え面にあります。
一次方程式の文章題プリント|連続する整数(基本から応用まで5枚・答えつき)
連続する整数の型を、やさしい順に5枚で練習します。1枚目は表つきで型をなぞり、2枚目は表なし、3枚目は聞かれ方がちがう問題、4枚目は答えの吟味が決め手の問題、5枚目は条件がふえた問題です。1枚3問で、答えは別の答え面にあります。
一次方程式の利用・文章題のよくある質問
- 方程式の文章題はいつ習いますか?
-
中学1年で習います。一次方程式の解き方を学んだあと、単元の最後に「具体的な場面で活用する」問題として出てきます。
- xには何をおけばいいですか?
-
基本は、問題でたずねられているものをxにします。連続する整数のように、まん中をxにしたほうが計算が楽になる問題もあります。
- 答えが分数や小数、マイナスになったらどうしますか?
-
計算がまちがっていないか確かめたうえで、問題に合うかを調べます。人数や個数は整数、時間や長さは正の数です。年れいの「何年後」でマイナスになったら、それは「何年前」のことです。年れい以外の問題では、マイナスになったら「条件に合う答えはない」と考えます。
- 連立方程式とはどう使い分けますか?
-
1つの文字で、すべての数量が表せるなら、一次方程式です。2つの文字を使って式を2本立てたほうが楽なときは、中学2年で習う連立方程式を使います。
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