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【一問一答】高校倫理のよく出る問題|共通テスト・センター試験過去問類似問題

類似過去問に挑戦

最大10年分の公立高校入試類似過去問70,487件収録

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単元
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大学入学共通テスト・センター試験の過去問を分析し、倫理でよく出るポイントを一問一答形式でまとめました。本ページでは 青年期と現代社会・源流思想と宗教・日本の思想・西洋の近現代思想 の頻出問題(全500問)を収録しています。選択肢から答えを選び、解説で知識を定着させましょう。共通テスト・定期テスト対策にご活用ください。

目次

倫理の一問一答(共通テスト・センター過去問)

青年期と現代社会(126問)の一問一答問題

センター試験(2006年)類似

インターネット普及に伴う個人情報漏洩のリスク

Q1 コンピュータやネットワークの急速な普及に伴い、氏名や生年月日、連絡先などのデータが本人の意図しない形で第三者に渡る危険性が高まった。これに対処するため、個人の権利と利益を保護することを目的に、民間事業者などが遵守すべき義務などを定めて2003年に制定された法律は何か。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
個人情報保護法
インターネットの普及により、大量の個人データが容易に収集・処理されるようになり、情報漏洩の危険性が増大した。これを受けて、個人のプライバシーや権利を守るために2003年に制定されたのが個人情報保護法(個人情報の保護に関する法律)である。この法律は、事業者が個人情報を適切に取り扱うための義務を定めている。
共通テスト(2023年)類似

合理化

Q2 欲求不満に対する防衛機制のうち、志望校の入試に失敗した受験生が「あの学校は通学に不便だから、不合格になってかえって良かった」と自分に都合の良い理由をつけて納得しようとする心の働きを何というか。
★★ 基本 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
合理化
自分の思い通りにならない現実に対して、もっともらしい理由をつけて正当化し、自尊心を保とうとする心の働きを「合理化」と呼ぶ。提示された事例では、不合格という不都合な現実に対し、通学の不便さという理由をつけて自分を納得させようとしている。
共通テスト(2024年)類似

同一視

Q3 自分が憧れているスポーツ選手や映画の主人公などの優れた特質や魅力を自分自身に重ね合わせ、まるで自分がその人物であるかのように感じたり振る舞ったりすることで、自らの価値を高めたり、直面している不安や不満を解消しようとする防衛機制を何というか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
同一視
憧れの対象や尊敬する他者と自分を重ね合わせることで、現実の自己の未熟さや直面する問題を克服したかのような満足感を得ようとする無意識の心理的防衛機制を同一視(取り入れ)と呼ぶ。例えば、好きな芸能人の服装や言動を真似ることで、自分もその人物のように魅力的であると感じる心理がこれに該当する。これに対し、自分の弱みや嫌な部分を他人のものと思い込むのは「投射(投影)」、もっともらしい理由をつけて自分を正当化するのは「合理化」である。
共通テスト(2025年)類似

アドラーの劣等感の克服

Q4 人間が抱く、他者と比較して自分が劣っているという感覚を克服し、より優れた状態を目指そうとする向上への欲求こそが、個人の努力や人格的な成長を促す重要な原動力になると主張し、個人心理学を創始したオーストリアの精神医学者は誰か。
★★ 基本 V1 (基礎) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
アドラー
人間が誰しも抱く劣等感を克服しようとする意志(補償)や「優越への追求」が、自己の成長や努力の原動力になると捉える心理学の立場を提唱したのはアドラーである。彼はフロイトの無意識の性欲動(リビドー)重視の立場や、マズローの欲求階層説とは異なり、人間の主体的な意思や目的論的な行動を重視した。
共通テスト(2025年)類似

神谷美恵子の生きがい論

Q5 精神医学者であり、岡山県の長島愛生園などでハンセン病患者の医療とケアに携わった。その臨床経験に基づき、人間が生きる意味を見出すためには、自分にしか果たせない独自の使命や役割を自覚することが不可欠であると説き、著書『生きがいについて』を著した人物は誰か。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
神谷美恵子
精神医学者である彼女は、ハンセン病療養所での患者たちとの深い関わりを通じて、過酷な状況下でも人間が生きる喜びを見出すための条件を思索した。自分を必要とする存在や、自分にしか果たせない独自の使命感を持つことが「生きがい」の中核であると論じ、その思想は著書『生きがいについて』にまとめられている。
センター試験(2007年)類似

1960年代の若者文化

Q6 1960年代の欧米における若者文化の代表例であり、既成の物質文明や社会的規範を否定し、自然への回帰や平和、人間性の回復を訴えて、共同生活などを営んだ人々やその運動を何というか。
★★ 基本 V2 (具体例) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ヒッピー
1960年代のカウンターカルチャーの代表的な動きとして、物質主義的な社会から離脱し、自然回帰や平和、愛を掲げて独自のライフスタイルを実践した若者たちの運動がある。彼らはヒッピーと呼ばれ、音楽やファッションなど後世の文化にも大きな影響を与えた。
センター試験(2009年)類似

エリクソンの発達段階説

Q7 エリクソンが提唱した生涯発達理論において、成人中期(成人期)の発達課題とされ、自らの子供を育てたり、仕事や社会活動を通じて次世代の育成や社会の維持・発展に貢献したりすることを目指す心理社会的態度を何というか。
★★★ 標準 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
世代継承性
エリクソンは生涯を8つの発達段階に区分し、それぞれの段階における発達課題を示した。成人中期(成人期)における発達課題は、次世代を育成し、社会の維持・発展に貢献しようとする「世代継承性(生殖性)」である。なお、青年期は「アイデンティティの確立」、成人前期は他者との「親密性」、老年期は自らの人生を肯定的に受け入れる「自己統合」が課題となる。
センター試験(2011年)類似

ソフトウェアの共同開発と著作権侵害

Q8 インターネットの普及に伴い、世界中のプログラマーが共同で開発を進め、ソースコードを無償で公開することで、誰でも自由に改良や再配布を行うことができるようにしたソフトウェアの仕組みやそのものを何と呼ぶか。
★★ 基本 V1 (基礎) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
オープンソースソフトウェア
ネットワークを通じた共同開発の文化から生まれた、ソースコードを公開して自由な改良・再配布を認めるソフトウェアをオープンソースソフトウェア(OSS)と呼ぶ。これにより技術の共有と発展が促される一方で、有料ソフトウェアの違法な配布や著作権侵害といった知的財産権の保護に関する問題も顕在化している。
センター試験(2018年)類似

アンケートとインタビュー

Q9 社会調査において、対象者個人の具体的な経験や意識の背景などを深く掘り下げて直接聞き取るために、対話を通じて詳細な情報を収集する調査手法を何というか。
★ やさしい 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
インタビュー調査
個別のイメージや利用経験などをより詳しく掘り下げて聞き取るためには、対話を通じて対象者の生の声を収集する手法が適している。これにより、数値化しにくい詳細な背景や文脈を把握することができる。
共通テスト(2024年)類似

ソーシャル・メディア

Q10 現代の情報社会において、従来のテレビや新聞などの一方向的な情報伝達とは異なり、インターネットなどの高度な情報技術を基盤として、利用者同士が双方向的なコミュニケーションを行うことを特色とするメディアの総称を何というか。
★ やさしい V1 (基礎) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ソーシャル・メディア
従来のテレビや新聞などのマスメディアが一方向的な情報伝達を行うのに対し、インターネットの普及に伴い登場したこのメディアは、個人が発信者となり、利用者間で双方向的なコミュニケーションを行う点に特徴がある。これにより、情報の拡散速度が飛躍的に向上した一方で、デマの拡散や誹謗中傷などの課題も生じている。
センター試験(2010年)類似

自由と安全のトレードオフ

Q11 19世紀の自由主義的な国家観において、国家の役割を国防や治安維持などの最小限に限定し、経済活動への介入や社会保障政策を排除すべきだとした国家のあり方を、ドイツの社会主義者ラッサールは批判を込めて何と呼んだか。
★★ 基本 V1 (基礎) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
夜警国家
自由放任主義(レッセ・フェール)に基づく近代初期の国家観では、個人の自由な経済活動を最優先し、政府の役割を最小限に抑えることが求められた。社会主義者ラッサールは、このような治安維持と国防のみを行う国家を、私有財産を守るだけの存在として批判的に「夜警国家」と呼んだ。これに対し、20世紀には社会保障や福祉を重視して政府が積極的に介入する「福祉国家」が台頭することとなった。
センター試験(2010年)類似

キャリアとインターンシップ

Q12 職業生活を中核としながらも、生涯にわたって築かれる個人の経歴や経験の連鎖のこと。これには仕事だけでなく、余暇や家庭生活などの私生活における活動も含まれる、この概念を何というか。
★★ 基本 V1 (基礎) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
キャリア
職業生活を中心としつつ、生涯にわたる生き方や余暇などの生活全体を含む経歴の連鎖をキャリアと呼ぶ。これは単なる在職期間や職歴にとどまらず、個人の人生設計全体に関わる概念である。
共通テスト(2023年)類似

情報リテラシー

Q13 インターネットやSNSの普及によって誰もが容易に情報を発信・受信できるようになった現代社会において、溢れる情報の中から必要なものを取捨選択し、その真偽や信頼性を批判的に吟味した上で、主体的に活用・発信するために求められる能力を何というか。
★★ 基本 V1 (基礎) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
情報リテラシー
インターネットの普及に伴い、デマや誤情報が拡散しやすい環境が生まれている。このような情報社会において、受け取った情報をうのみにせず、信頼できる情報かどうかを批判的に見極め、適切に活用・発信する態度や能力が強く求められている。メディアリテラシーやデジタルリテラシーなどと並び、現代の市民に不可欠なリテラシーの一つである。
センター試験(2010年)類似

近代科学の可能性と限界

Q14 近代科学は人類に豊かな生活という多大な恩恵をもたらした一方で、自然環境の破壊という負の遺産も生み出した。このような近代科学の思考法の源流となり、「知は力なり」という言葉に代表されるように、自然の法則を解明し、それを人間に役立てるために自然を支配・利用することを肯定したイギリスの哲学者は誰か。
★★ 基本 V2 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
フランシス・ベーコン
近代科学の基礎を築いた経験論の祖であり、観察や実験を通じて自然の法則を明らかにする帰納法を提唱した。彼は、自然を支配し人類の福祉に役立てることを目指し、科学技術の可能性を肯定的に捉えたが、この主客二元論的な自然観は、のちに自然環境の破壊という負の側面をもたらす要因ともなった。
共通テスト(2025年)類似

類型論

Q15 ユングによる「内向型・外向型」の分類や、クレッチマーによる体型と精神疾患の関連性に基づく分類のように、人間の性格をいくつかの典型的なパターンに当てはめて理解しようとする心理学上のアプローチを何というか。
★★ 基本 V2 (具体例) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
類型論
ユングの関心の方向性(内向・外向)による分類や、クレッチマーの体型(肥満型、細長型、闘士型など)による分類は、いずれも性格をいくつかの典型的なパターンに分類して捉える類型論の具体例である。直感的に理解しやすい反面、個人の多様な側面を無視して一面的に型にはめてしまう危険性がある。
センター試験(2012年)類似

児童虐待相談対応件数の推移

Q16 子どもに対する身体的な暴力、性的な行為、育児放棄(ネグレクト)、著しい心理的外傷を与える言動などを禁止し、それらの早期発見や通告義務、保護措置などを定めた、2000年に制定された法律は何か。
★★★ 標準 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
児童虐待防止法
2000年に制定された法律(正式名称は「児童虐待の防止等に関する法律」)であり、児童に対する虐待の定義や、それを発見した者の通告義務、児童相談所長による一時保護などの措置を定めている。近年、相談対応件数が増加傾向にある中、法改正を重ねて対策の強化が図られている。
センター試験(2007年)類似

怒りの倫理的評価

Q17 人間の情念について、怒りそのものはそれ自体で善悪を決定できるものではなく、理性的「分別」の有無によって評価されるべきであり、時には社会の不正をただす契機となるような適切な怒りも必要であるとして、感情と理性の調和による中庸の徳を説いた古代ギリシアの哲学者は誰か。
★★ 基本 V2 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
アリストテレス
アリストテレスは『ニコマコス倫理学』において、喜びや怒りなどの情念それ自体は善悪の評価対象ではなく、それらが理性的分別(思慮)に従って、適切な状況で適切な程度に発揮されること(中庸)が徳であると説いた。怒りについても、不当な事態に対して適切に怒ることは、社会の不正をただす契機ともなり得るため、温厚という徳の一部として肯定的に評価される。
共通テスト(2025年)類似

ボランティア元年

Q18 1995年に発生した阪神・淡路大震災では、全国から多くの市民が自主的に被災地へ赴き、救護や復興の支援活動を行った。この出来事を契機に、市民による自主的な社会貢献活動への認知と参加が日本社会で飛躍的に進んだことから、この年は一般に何と呼ばれるか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ボランティア元年
1995年の阪神・淡路大震災において、延べ100万人を超える市民が自主的に被災地支援に駆けつけた。この出来事は、日本において市民による自主的な社会貢献活動が広く定着する契機となり、同年に特定非営利活動(NPO)への関心が高まるなど、市民社会の形成に大きな影響を与えた。このことから、1995年は「ボランティア元年」と称されている。
センター試験(2020年)類似

友情と自己形成

Q19 互いの自立を前提とし、単なる実用や快楽のためではなく、相手の善そのものを願って切磋琢磨し合う「友愛(フィリア)」を、人間にとって不可欠な徳であり、国家の結合の基礎となるものとして重視した古代ギリシアの哲学者は誰か。
★★ 基本 V2 (具体例) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
アリストテレス
『ニコマコス倫理学』において、友愛(フィリア)を分類し、互いの徳を高め合う「善に基づく友愛」を最高のものとした。これは、互いの自立と人格の尊重を前提とし、切磋琢磨しながら共に善を追求する関係であり、共同体を維持するためにも不可欠なものであるとされた。
共通テスト(2026年)類似

土地倫理

Q20 人間は自然の征服者ではなく、土壌、水、植物、動物からなる生物共同体の一員にすぎないとし、それら全体を道徳的配慮の対象とする倫理思想を著書『野生のうたが聞こえる』などで提唱した、アメリカの森林官・生態学者は誰か。
★★ 基本 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
アルド・レオポルド
『野生のうたが聞こえる(砂郡の暦)』の著者であり、従来の人間中心主義的な自然観を批判し、生態系全体(土地)に道徳的価値を認める「土地倫理」を提唱した。これはディープ・エコロジーなど、後の環境倫理思想に大きな影響を与えた。
センター試験(2010年)類似

防災・防犯における個人情報共有の意識

Q21 災害対策や犯罪防止といった社会安全の目的と、個人の私生活上の自由との調和が現代社会の課題となっている。世論調査において、高齢者や障害者等の名簿を防災・防犯目的で共有することに対し、プライバシー保護の観点から「必要最小限の範囲」での活用にとどめるべきだとする慎重な意見が根強い。このような、個人の尊厳を守るために私生活上の情報をみだりに公開されない権利の保障や、IT社会における適正な情報取扱いのルールを定めた、2003年に制定された日本の法律は何か。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
個人情報保護法
高度情報社会において、個人の尊厳を守りつつ情報の有用性に配慮するために制定されたのが個人情報保護法(個人情報の保護に関する法律)である。防災や防犯といった公共の利益のために個人情報を活用する場合であっても、世論調査等ではプライバシーへの配慮から「必要最小限の範囲」での共有を求める慎重な姿勢が主流を占めており、法運用においても個人情報の有用性と個人の権利利益の保護とのバランスが重視されている。
共通テスト(2025年)類似

リプロダクティブ・ヘルス/ライツ

Q22 1994年にカイロで開催された国際人口開発会議において提唱された、女性の権利や健康に関する重要な概念がある。これは、妊娠や出産、避妊といった性と生殖に関する事柄について、すべての人が身体的・精神的・社会的に良好な状態にあり、他者から強制されることなく自ら決定する権利を持つという考え方を何というか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
リプロダクティブ・ヘルス/ライツ
1994年の国際人口開発会議(カイロ会議)や1995年の第4回世界女性会議(北京会議)を通じて国際的に広く認知されるようになった概念である。従来の人口政策が国家主導の人口抑制に偏りがちであったことへの反省から、女性が自らの身体や人生設計について主体的に選択・決定する権利(自己決定権)を保障し、生涯にわたる健康を包括的に支援することを目指している。
センター試験(2019年)類似

他人指向型

Q23 アメリカの社会学者が著書『孤独な群衆』の中で提唱した概念で、他者の期待や行動を敏感に察知し、それを自らの行動基準として周囲に同調しようとする、現代の大衆社会に特徴的な社会的性格を何というか。
★★ 基本 V1 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
他人指向型
社会の発展段階や人口動態の変化に伴い、人間の社会的性格が「伝統指向型」「内部指向型」「他人指向型」へと移行すると分析された。現代の消費社会・大衆社会においては、他者の動向や期待を敏感に察知し、それに合わせようとする同調傾向が顕著になるとされる。
共通テスト(2021年)類似

合理化

Q24 青年期において、欲求が阻止されて葛藤や欲求不満が生じたとき、私たちは無意識のうちに心の安定を保とうとする心の働き(防衛機制)を示すことがある。このうち、手に入らないものを価値の低いものとみなす「酸っぱいブドウ」の例に代表されるように、満たされない欲求に対して、もっともらしい理由をつけて自分を納得させ、自尊心を保とうとする心の働きを何というか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
合理化
欲求不満(フラストレーション)に直面した際、無意識に自我を守ろうとする心の働きを防衛機制という。このうち、自分の失敗や満たされない欲求に対して、もっともらしい理由や言い訳をつけて自分を納得させ、自尊心を保とうとする働きを合理化と呼ぶ。イソップ寓話の「酸っぱいブドウ」は、高いところにあるブドウが手に入らないキツネが「どうせあのブドウは酸っぱくて不味いのだ」と負け惜しみを言う例であり、合理化の典型例として知られる。これに対し、本心とは裏腹の態度をとることを反動形成、欲求を無意識のうちに抑え込むことを抑圧、欲求の対象を別のものに置き換えて解消することを置き換えという。
センター試験(2012年)類似

標本調査と円グラフ

Q25 世論調査などの統計調査において、調査対象となる母集団から一部の調査対象(サンプル)を選び出す際、調査員の主観や偏りを排除し、母集団の縮図となるように確率的な手法を用いて偏りなく取り出す操作を何というか。
★★ 基本 V1 (基礎) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
無作為抽出
標本調査において、得られた結果から母集団の性質を正しく推計するためには、標本が母集団の縮図となっている必要がある。そのため、作為を排除し、確率的に等しい条件でサンプルを選び出す無作為抽出(ランダム・サンプリング)が行われる。
共通テスト(2026年)類似

文化の序列化

Q26 世界遺産登録制度などは、人類共通の遺産を保護する上で重要な役割を果たしている。しかし、こうした特定の制度や基準がもつ権威に依拠して、各地の多様な伝統や営みの価値を評価し、登録の有無などによって優劣をつけてしまう現象が懸念されている。このような、特定の基準によって人々の営みの価値に格差や優劣を生じさせてしまう現象を何と呼ぶか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
文化の序列化
世界遺産などの国際的な登録制度は、保護活動を促進する一方で、その選定基準や権威が絶対視されることで、登録されたものを優れ、登録されなかったものを劣っているとみなすような価値の格差を生み出す危険性がある。このように、特定の基準に依拠して多様な営みに優劣をつけてしまう現象を「文化の序列化」と呼ぶ。これは、多様な文化を対等なものとして認める多文化主義や文化相対主義の観点からも批判的に議論されることが多い。
共通テスト(2025年)類似

神谷美恵子の生きがい論

Q27 ハンセン病療養所である長島愛生園での患者のケアや交流を通じて、人間にとって自分にしか果たせない独自の使命や役割があるという自覚が生きがいを強く支える要因になると説き、著作『生きがいについて』を著した精神科医・思想家は誰か。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
神谷美恵子
精神科医である彼女は、岡山県のハンセン病療養所「長島愛生園」での精神医療や患者との交流を通じて、人間の生きがいについて深く洞察した。著書『生きがいについて』において、生存目標や使命感、自己の存在意義に対する確信が人間の生きがいを支える中核的な要素であると論じた。
共通テスト(2022年)類似

多様性の尊重

Q28 障害の有無や年齢、性別、国籍などにかかわらず、最初からすべての人が利用しやすいように製品や建物、環境を設計するという考え方を何というか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ユニバーサルデザイン
対象を障害者や高齢者に限定して後から障壁を取り除く「バリアフリー」の考え方をさらに進め、最初から誰もが使いやすいように設計する思想である。多様な人々が排除されることなく社会に参画できる「社会的包摂」を実現するための具体的なアプローチとして位置づけられている。
センター試験(2011年)類似

青年期および保護者の生き方観の変遷

Q29 1982年から2002年にかけての中学生・高校生およびその保護者を対象とした意識調査では、自分の意見を強く主張する生き方よりも、周囲の人々と調和を図る生き方を望む割合が常に高く、他者と競い合う生き方を望む割合は減少傾向にあることが示されている。このような、同時代の人々の期待や行動に敏感に同調しようとする現代人の社会的性格を、アメリカの社会学者リースマンは何と呼んだか。
★★ 基本 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
他人指向型
アメリカの社会学者リースマンは、社会の発展段階に応じて人々の社会的性格が変化すると分析した。伝統的な慣習に従う「伝統指向型」、内面化された目標や良心に従う「内部指向型」に対し、大衆消費社会である現代社会では、同時代の人々やマスメディアの動向に敏感に同調しようとする「他人指向型」(他者指向型)が支配的になると指摘した。1982年から2002年にかけての日本の青年や保護者の意識調査において、自己主張よりも他者との協調を重んじ、競争を避ける傾向が優勢であることは、この社会的性格の特徴と深く結びついている。
センター試験(2014年)類似

ステレオタイプによる他者認識

Q30 異なる文化や背景を持つ人々と接する際、相手が所属する特定の集団に対して抱いている固定化された先入観や決まり切ったイメージを当てはめ、その人自身の個性や特性を無視して判断してしまう認知の傾向を何というか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ステレオタイプ
人間は複雑な情報を処理する際、対象を単純化して分類する傾向がある。しかし、これが異文化理解の場面において、特定の国籍やエスニック・グループに対する固定的なイメージの枠組みを個人にそのまま適用することにつながると、偏見や差別の原因となる。このような固定観念に基づく他者認識のあり方を指す。
センター試験(2017年)類似

ホイジンガの遊び

Q31 オランダの歴史家ホイジンガは、人間は生存のための実利的な活動にとどまらず、ルールに従って自発的に楽しむ活動を通じて文化を形成してきたと主張した。このような、文化の根源を「遊び」に求め、人間を「遊ぶ人」として捉える人間観を指すラテン語の用語は何か。
★★ 基本 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ホモ・ルーデンス
オランダの歴史家ホイジンガは、人間を「遊ぶ人」と名付け、文化は遊びの中で、遊びとして発達したと主張した。これは、知性を持つ「ホモ・サピエンス(英知人)」や、道具を作る「ホモ・ファーベル(工作人)」などと対比される人間観である。
共通テスト(2025年)類似

ICTを活用した公共空間における関わりのタイプ

Q32 情報通信技術(ICT)の発展に伴い、従来の対面による議論だけでなく、オンラインでの意見表明や投票など、非対面的な関わり方を組み合わせた意思決定の仕組みが模索されている。このように、情報技術を活用して市民の政治参加や合意形成を促進しようとする民主主義の形態を何というか。
★★ 基本 V1 (基礎) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
電子民主主義
情報通信技術(ICT)の普及により、時間や場所の制約を超えて市民が公共的な議論に参加することが可能となった。これにより、対面での集会だけでなく、インターネットを通じた非対面的な関わりを組み合わせることで、より広範な合意形成を目指す試みが進められている。
センター試験(2016年)類似

ボランティア活動の定義と特徴

Q33 1995年に発生した大災害では、多くの市民が自主的に被災地へ赴き支援活動を行ったことから、この年は日本における「ボランティア元年」と呼ばれるようになった。この契機となった、兵庫県南部を震源とする大規模な地震災害を何というか。
★★ 基本 V2 (具体例) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
阪神・淡路大震災
1995年1月に発生した阪神・淡路大震災では、全国から多くの市民が自発的に被災地へ駆けつけ、救助や復興支援の活動に従事した。この出来事は、日本において市民による自主的な支援活動の重要性が広く認識される契機となり、1995年は「ボランティア元年」と称されるようになった。
センター試験(2012年)類似

シュプランガーの性格類型

Q34 人間が生活の中でどのような価値を重視し、追求するかという関心の方向性に基づいて、パーソナリティを理論型、経済型、審美型、社会型、権力型、宗教型の6つのタイプに分類する類型論を提唱したドイツの哲学者は誰か。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
シュプランガー
人間が追求する価値(価値観)の置き方に基づいてパーソナリティを分類した。理論型は真理、経済型は有用性、審美型は美、社会型は愛や他者への奉仕、権力型は支配、宗教型は神や絶対的なものを追求するタイプとされる。
共通テスト(2022年)類似

リプロダクティブ・ヘルス/ライツ

Q35 1990年代以降の国際会議において、従来の国家主導による人口抑制政策に対する批判から、女性の自己決定権を重視する姿勢が明確に打ち出された。1994年の国際人口開発会議(カイロ会議)や1995年の世界女性会議(北京会議)で広く認知されるようになった、性と生殖に関する健康と権利を指す概念は何か。
★★★ 標準 V2 (具体例) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
リプロダクティブ・ヘルス/ライツ
1990年代の国際社会では、人口問題を単なる数の管理ではなく、個人の人権や健康の観点から捉え直す動きが活発化した。その中で、女性が自らの身体や出産について自己決定を行う権利が重要視され、この概念が国際的な合意として確立された。
共通テスト(2024年)類似

臓器移植法改正による意思不明時の対応

Q36 生命倫理(バイオエシックス)をめぐる議論において、1997年制定の法律により、移植を行う場合に限って人間の「死」として認められるようになった、脳幹を含む全脳の機能が不可逆的に喪失した状態を何というか。
★★ 基本 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
脳死
日本では1997年の法律制定により、移植を行う場合に限り、従来の「心臓死(三徴候説)」とは別に、この状態を個体死として認めることとなった。2009年の法改正では、本人の意思が不明であっても家族の書面による承諾があれば、この状態からの提供が可能となり、年齢制限も撤廃された。なお、自発呼吸は失われるが人工呼吸器によって心臓の拍動が維持されている点で、大脳の機能のみが失われた「植物状態」とは区別される。
センター試験(2014年)類似

マージナル・マン

Q37 青年期は子どもから大人への過渡期であり、どちらの集団にも完全に属しきれず、不安定な心理状態に置かれやすい。このような青年を「マージナル・マン(境界人)」と名付け、その心理的特徴を分析したドイツ出身の心理学者は誰か。
★★ 基本 V2 (具体例) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
レヴィン
子どもと大人の境界に位置し、精神的に不安定な状態にある青年を「マージナル・マン(境界人・周辺人)」と名付けたのは、ドイツ出身の心理学者レヴィンである。彼は、青年が社会的な所属意識の曖昧さから葛藤や不安を抱えやすいことを明らかにした。
共通テスト(2022年)類似

デジタル・デバイド

Q38 現代の情報社会において、インターネットなどの情報通信技術を十分に活用できる人と、技術的・経済的・地理的な要因などから活用できない人の間で、就職や教育、行政サービスの利用といった様々な機会や得られる情報に格差が生じる問題を何というか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
デジタル・デバイド
情報通信技術(ICT)の急速な普及に伴い、パソコンやスマートフォンの所有状況、操作能力(情報リテラシー)、あるいは通信インフラの整備状況の違いによって、個人間や地域間、国間で経済的・社会的な格差が生じる現象を指す。この格差は、就職活動での不利や教育機会の不平等、災害時の情報入手遅れなど、生活の質や生存に関わる重大な不利益に直結するため、公共の課題として是正が求められている。
センター試験(2018年)類似

遊びの価値

Q39 フランスの思想家であり、遊びを「競争(アゴン)」「運(アレ)」「模倣(ミミクリ)」「目眩(イリンクス)」の4つの要素に分類し、遊びが社会の秩序や文化の形成に深く関わっていることを分析した人物は誰か。
★★★ 標準 V2 (具体例) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
カイヨワ
カイヨワは著書『遊びと人間』において、遊びを規則の有無や性質に基づいて4つのカテゴリーに分類し、それぞれの要素が社会構造や文化の特質とどのように結びついているかを考察した。これにより、遊びが単なる気晴らしではなく、人間の精神や社会秩序の形成において重要な役割を果たしていることを示した。
センター試験(2012年)類似

通過儀礼(イニシエーション)

Q40 青年期をはじめとする人生の節目において、それまでの立場を捨てて新しい段階へと移行する際、子供から大人へと社会的な立場や役割の変化を周囲に認めさせるために行われる、特別な儀式や手続きを何というか。
★★ 基本 V1 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
通過儀礼
人間が成長する過程で、それまでの立場から新しい段階へと移行する際、共同体の中で新たな社会的役割や立場を獲得したことを承認するために行われる儀式を指す。伝統的社会における元服や成人式、あるいは特定の試練などがこれに該当する。青年期の心理的な猶予期間を指す「モラトリアム」や、複数の社会の境界に位置する「マージナル・マン(境界人)」などの心理・行動概念と区別して理解する必要がある。
センター試験(2011年)類似

児童相談所

Q41 現代の日本において、子どもの人権擁護や福祉の向上は重要な課題である。児童福祉法に基づき、児童虐待に関する相談への対応や、虐待を受けた子どもの安全を確保するための一時的な保護などの業務を専門的に行う、都道府県や指定都市等に設置されている行政機関は何か。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
児童相談所
児童福祉法に基づき設置される専門機関であり、児童虐待への対応や一時保護、児童や家庭に関する相談・指導を行う。少年法に基づく審判を行う家庭裁判所や、配偶者からの暴力を扱う配偶者暴力相談支援センターなどとは役割が異なる。
共通テスト(2025年)類似

マララ・ユスフザイの教育への権利

Q42 パキスタン出身の女性活動家で、武装勢力による女子校の閉鎖や教育の制限に抗議し、男女を問わずすべての子どもが質の高い教育を受ける権利を主張した。2014年には、学ぶことの重要性を世界に訴え続けた功績により、史上最年少でノーベル平和賞を受賞した人物は誰か。
★★ 基本 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
マララ・ユスフザイ
パキスタンにおいて女子教育の権利を抑圧する武装勢力に命を狙われながらも、すべての子どもが質の高い教育を受けられるよう、学ぶことの重要性を男女を問わず世界に訴え続けた。この功績が評価され、2014年にノーベル平和賞を受賞した。
共通テスト(2026年)類似

ブレイン・マシン・インターフェイスと生活の質

Q43 先端技術を医療や福祉に応用する際、単に生命を維持するだけでなく、患者が人間らしく満足のいく生活を送れるようにすることが重視される。脳と外部機器を接続する技術の導入において、外部からのハッキングを防ぐ安全確保や、経済的格差によらない公平なアクセスが求められるのは、利用者のどのような価値を維持・向上させるためか。アルファベット3文字の略称で答えよ。
★★ 基本 V1 (基礎) 正答率 —
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✅ 正解
QOL
医療技術の進歩に伴い、単に生命を維持すること(SOL:生命の尊厳)だけでなく、患者が人間らしく満足のいく生活を送ることを重視する「QOL(生活の質)」の考え方が普及した。脳と外部機器を接続する技術(BMI)の応用においても、ハッキングの防止による安全確保や、経済的・社会的な格差に関わらず必要な人々が技術を利用できる公平なアクセスの確保は、利用者のQOLを維持・向上させるために不可欠な要素である。
共通テスト(2026年)類似

宗教の内面的機能

Q44 現代社会における宗教の役割をめぐって、社会秩序の維持や集団の統合といった外面的に観察できる働きとは異なり、個人の人生に究極的な意味を与えたり、苦難に直面した際に新たな生き方への転換をもたらしたりする、当事者にとっての精神的な救済や意味づけを重視する捉え方を何というか。
★★ 基本 V1 (基礎) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
宗教の内面的機能
宗教が果たす役割は大きく二つに大別される。一つは社会の秩序維持や人々の連帯を強める「社会的機能」であり、もう一つは個人の苦難や死への不安に対して究極的な意味を与え、生き方の転換を促す「内面的機能」である。後者は、客観的に観察可能な社会制度としての側面ではなく、当事者の主観的な体験や精神的な救済に焦点を当てたものである。
共通テスト(2024年)類似

フロムの「持つ」ことと「ある」ことにおける対話

Q45 人間が事物を独占・消費しようとする生存様式と、あるがままの自己を表現し他者と深く関わろうとする生存様式を対比し、真の対話や生き方のあり方を追究した、フロムの著書は何か。
★★★ 標準 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
所有か存在か
フロムは本書において、現代社会における人間の生存様式を「持つ(所有)」と「ある(存在)」の二つに大別した。所有に縛られた対話は自己の意見を所有物のように固執する討論に陥るのに対し、存在の次元における対話は、自己を抑制せず他者と深く関わり合う豊かな自己表現の場となると主張した。
共通テスト(2024年)類似

ビッグファイブ

Q46 人間のパーソナリティを記述する心理学のアプローチのうち、個人の性格をいくつかの共通する因子の組み合わせやその強弱によって捉える立場を特性論という。この特性論の代表例であり、人間の性格を『開放性』『誠実性』『外向性』『協調性』『神経質傾向』という5つの主要な因子の測定値によって記述する性格理論を何というか。
★★ 基本 V1 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ビッグファイブ
人間のパーソナリティを捉える方法には、シュプランガーやユングに代表される、人間をいくつかの典型的なタイプに当てはめる「類型論」と、個人の性格を複数の共通する特性の測定値の組み合わせとして記述する「特性論」がある。後者の代表的なアプローチがビッグファイブ(五大因子モデル)であり、人間の性格を開放性、誠実性、外向性、協調性、神経質傾向という5つの因子で捉える。これらは連続的な数値として測定されるため、類型論のように「どれか一つのタイプに完全に分類される」という捉え方はしない。
センター試験(2011年)類似

自己実現

Q47 青年期における自己形成のあり方について、看護師として勤務しながら、将来は医療の恩恵を受けにくい離島や発展途上国で働くために、必要な技術や知識の研鑽を主体的に積もうとする姿勢は、どのような心理的プロセスの具体例として最も適当か。
★★ 基本 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
自己実現
自らの目標や理想に向かって主体的に努力し、自己を高めていくプロセスは「自己実現」と呼ばれる。与えられた役割をこなすだけでなく、自らの潜在的な可能性や能力を最大限に発揮して社会に貢献しようとする姿勢は、その典型的な具体例である。
センター試験(2012年)類似

児童虐待相談対応件数の推移

Q48 近年、子どもに対する身体的・心理的な不適切極まりない扱い(虐待)やネグレクトなどの問題が深刻化しており、その相談対応件数は増加傾向にある。こうした問題に対処するため、都道府県や指定都市などに設置され、原則として18歳未満の児童を対象に、専門的な見地から相談・指導や一時保護などを行う行政機関を何というか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
児童相談所
児童福祉法に基づき、都道府県や指定都市などに設置されている行政機関である。近年、児童虐待に関する相談対応件数は増加傾向にあり、同機関の役割や負担の増大が社会的な課題となっている。
センター試験(2014年)類似

インフォームド・コンセント

Q49 現代の医療現場では、従来の医師主導の医療から、患者の自己決定権を尊重する医療への転換が進んでいる。この考え方に基づき、医師が患者に対して病状や治療方法などを十分に説明し、患者がそれを理解した上で自らの意思で同意し、治療を選択する手続きや理念を何というか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
インフォームド・コンセント
患者の自己決定権を尊重し、医師の十分な説明と患者の同意に基づく医療のあり方をインフォームド・コンセント(説明と同意)と呼ぶ。これに対し、回復の見込みのない末期患者が、延命治療を拒否し自然な死を望む意思をあらかじめ書面などで表明しておくことはリビング・ウィルと呼ばれる。
共通テスト(2025年)類似

高齢者の近所付き合いに関する国際比較

Q50 内閣府の国際比較調査によると、日本の高齢者は他国と比較して「病気の時に助け合う」や「相談ごとがあった時に相談し合う」といった近所付き合いの割合が最も低い。このような地域社会におけるつながりの希薄化や単身高齢者世帯の増加を背景に、誰にも看取られることなく自宅で亡くなり、相当期間が経過した後に発見される深刻な社会問題を何というか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
孤立死
内閣府の「高齢者の生活と意識に関する国際比較調査」では、日本の高齢者が他国(アメリカ、ドイツ、スウェーデンなど)に比べて近所付き合いの度合いが低く、地域社会で孤立しやすい傾向にあることが示されている。この地域的な孤立や家族形態の変化(単身世帯の増加)は、誰にも看取られずに亡くなる「孤立死(孤独死)」の増加という深刻な社会問題を引き起こしている。
センター試験(2008年)類似

エリクソン

Q51 人間の生涯を発達段階ごとに区分した「人生周期(ライフサイクル)」という概念を提示し、それぞれの段階に特有の発達課題と心理社会的危機が存在すると主張した。特に青年期における最重要課題として「自我同一性(アイデンティティ)」の確立を挙げ、これが揺らぐ状態を同一性拡散と呼んだ、アメリカの精神分析学者は誰か。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
エリクソン
人間の生涯を8つの発達段階に区分し、それぞれの段階における心理社会的危機とそれを乗り越えることで獲得される徳(強さ)を体系化した。青年期においては、自分は何者であり、社会の中でどのような役割を果たすべきかという問いに対する確信である「自我同一性(アイデンティティ)」の確立が最重要課題であると位置づけた。
センター試験(2014年)類似

統計グラフの選択基準

Q52 現代社会の諸課題を追究する際、収集したデータを適切に表現することが求められる。例えば、ある国におけるエネルギー源別の発電電力量の割合など、全体に対する各内訳の構成比率を視覚的にわかりやすく表現するのに最も適したグラフの名称を答えよ。
★ やさしい V1 (基礎) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
帯グラフ
全体に対する各項目の割合(構成比率)を視覚的に示すためには、1本の帯をパーセンテージで分割して表すグラフが最も適している。時系列の変化を示すには折れ線グラフ、複数の評価項目を比較するにはレーダーチャートが用いられる。
センター試験(2018年)類似

情報社会におけるデータの収集と活用

Q53 現代の情報社会において、ICチップなどを通じた情報の自動収集や蓄積が進む中、客観的な数値を整理・分析して合理的な意思決定を行う重要性が高まっている。このような状況下で、国や地方公共団体が作成する公的な統計を「国民の意思決定のための重要な基盤」かつ「国民の共有の財産」と位置づけ、その体系的な整備や信頼性の確保、個人や法人の秘密保護などを定めている日本の法律は何か。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
統計法
現代社会では、情報技術の進展に伴い、膨大なデータの自動収集と分析が容易になっている。これに伴い、公的統計の重要性も増しており、2007年に全面改正された統計法において、公的統計は「国民の共有の財産」として位置づけられた。同法は、行政機関などが実施する統計調査の適正化や、収集されたデータの適切な管理・活用を促進し、国民の合理的な意思決定を支える社会基盤を整備することを目的としている。
センター試験(2007年)類似

フロイトの無意識

Q54 オーストリアの精神医学者は、人間の精神構造を意識、前意識、そして本人が自覚していない領域の3つに区分した。このうち、日常の言い間違いや忘れ物、夢などを通じてその存在が垣間見えるとされる、抑圧された欲求や葛藤が潜む領域を何というか。
★★ 基本 V1 (基礎) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
無意識
オーストリアの精神医学者フロイトは、人間の心には自覚されていない領域が存在し、それが日常の言い間違いや忘れ物、夢といった形で現れると考え、これを「無意識」と呼んだ。これに対し、朝日が昇るのを見て誰もが荘厳な感じを抱くといった普遍的な心の働きは、ユングの提唱した「集合的無意識」に関連するものであり、フロイトの個人的な抑圧に基づく無意識の現れとはみなされない。
センター試験(2012年)類似

日本の臓器移植法における脳死臓器提供の要件

Q55 1997年に制定された臓器移植法において、本人の書面による意思表示と家族の同意がある場合に限り、この状態にある身体からの臓器提供が認められるようになった。2009年の同法改正により、本人の意思が不明であっても家族の同意があれば提供可能となった、全脳の機能が不可逆的に喪失した状態を何というか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
脳死
脳死は、大脳、小脳、脳幹を含む全脳の機能が不可逆的に喪失した状態を指す。従来の心臓死(呼吸停止、心停止、瞳孔散大)とは異なる新しい死の基準として議論されてきた。1997年制定の臓器移植法により、臓器移植を行う場合に限り、脳死が法律上の「人の死」として認められるようになった。2009年の法改正では、本人の意思が不明な場合でも家族の同意があれば脳死下での臓器提供が可能となった。
共通テスト(2025年)類似

心理・社会的モラトリアム

Q56 現代社会において、青年が社会的な一人前としての責任や義務を一時的に猶予され、自己同一性を模索・確立するための期間を、アメリカの心理学者エリクソンは何と呼んだか。
★ やさしい 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
心理・社会的モラトリアム
エリクソンは、青年期を子どもから大人への移行期と捉え、社会的な責任や義務が一時的に猶予される期間を心理・社会的モラトリアムと呼んだ。青年はこの期間に様々な社会的役割を試行錯誤しながら、自己同一性(アイデンティティ)を確立することが求められる。現代社会の複雑化に伴い、この期間は長期化する傾向にある。
共通テスト(2025年)類似

シュプランガーの性格類型

Q57 ドイツの哲学者・心理学者が提唱した性格類型において、他者への愛や奉仕、社会的な貢献を最も重要な価値として追求するタイプは、6つの類型のうち何型と呼ばれるか。
★★ 基本 V2 (具体例) 正答率 —
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✅ 正解
社会型
シュプランガーは価値の志向性に基づいて性格を6つに分類した。そのうち、他者への同情や愛、社会への奉仕を重んじるタイプは「社会型」と呼ばれる。なお、真理の探究を重んじるのは「理論型」、実用性や経済的利益を重んじるのは「経済型」、美的な調和や表現を重んじるのは「審美型」、権力や支配を重んじるのは「権力型」、神や絶対者への帰依を重んじるのは「宗教型」である。
センター試験(2017年)類似

課題探究活動の手法

Q58 現代社会の諸課題について探究活動を行う際、グループで新しいアイデアや解決策を創出するために用いられる共同作業の手法がある。この手法では、他者の意見に対する批判を禁止し、自由奔放な発想を促し、質よりも量を重視して、互いのアイデアを結合・改善していくことが原則とされる。このような特徴を持つ活動手法を何というか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ブレインストーミング
批判の禁止、自由奔放、質より量、結合・改善(アイデアの便乗)の4つの原則(オスボーンの4ルール)に基づき、グループで自由にアイデアを出し合う手法をブレインストーミングと呼ぶ。これにより、既成概念にとらわれない多様な意見を引き出すことができる。
センター試験(2020年)類似

マズローの欲求段階説

Q59 人間の欲求は、生命維持に関わる低次の欲求から、個人の持つ潜在的な可能性を発揮しようとする高次の欲求へと、段階的に発展していくという階層説を唱えたアメリカの心理学者は誰か。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
マズロー
人間の欲求を5つの階層に分類し、生理的欲求や安全の欲求などの低次の欲求が満たされることで、社会的欲求、承認の欲求、そして最上位の自己実現の欲求へと向かうとする欲求段階説を提唱した。
共通テスト(2025年)類似

改正臓器移植法

Q60 1997年に制定された法律では、脳死下での臓器提供に本人の書面による意思表示と家族の同意が必要とされ、実質的に15歳未満からの提供は認められていなかった。しかし、移植医療の進展やドナー不足を背景に、2009年に大きな見直しが行われた。本人の拒否の意思表示がない限り、家族の承諾があれば15歳未満の小児からも脳死下での臓器提供を可能とした、この2009年に成立した法律を何というか。
★★ 基本 V1 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
改正臓器移植法
1997年に制定された臓器移植法では、脳死下での臓器提供に本人の書面による意思表示と家族の同意が必要であり、意思表示能力の観点から15歳未満からの提供はできなかった。2009年の法改正(2010年全面施行)により、本人が臓器提供を拒否する意思表示をしていない限り、家族の承諾があれば、15歳未満の小児も含めて脳死判定および臓器提供が可能となった。
センター試験(2010年)類似

自由と安全のトレードオフ

Q61 自然状態を「万人の万人に対する闘争」と捉え、人々が自己の安全を確保するために自然権を主権者に譲渡・委託することで強力な国家が形成されると説き、近代的な社会契約説の基礎を築いたイギリスの思想家は誰か。
★★ 基本 V2 (具体例) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ホッブズ
自然状態における自己保存の危機(安全の欠如)を解決するため、個人が自己の権利(自由)を全面的に譲渡して強力な共通の権力を樹立すべきだと主張した。この思想は、個人の自由と国家による安全・秩序の確保というトレードオフの関係を古典的に定式化したものと言える。
共通テスト(2022年)類似

若者の社会意識

Q62 意識調査によると、日本の若者は他国の若者と比較して、自国の将来を明るいと捉える割合が低く、社会問題の解決に自ら関与したいと考える割合も低い傾向にある。このような若者の社会や政治への関与を促し、主権者としての意識を高める契機とするため、2015年に改正され、選挙権年齢が「18歳以上」に引き下げられた日本の法律は何か。
★★ 基本 V2 (具体例) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
公職選挙法
日本の若者の政治や社会への関与を促すため、2015年に公職選挙法が改正され、選挙権年齢が従来の「20歳以上」から「18歳以上」に引き下げられた。これは、若者の声を政治に反映させるとともに、主権者としての意識を高めることを目的としている。
共通テスト(2025年)類似

キテイの依存労働

Q63 育児や介護のように、自己の力だけでは生存できない他者の生活を維持するための営みを「依存労働」と呼び、ケアする側とされる側の非対称的な関係性や、援助の要求を拒むことが極めて困難であるという特徴を指摘した、アメリカの哲学者は誰か。
★★★ 標準 V1 (基礎) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
キテイ
エヴァ・フェダー・キテイは、自立した個人間の契約を前提とする従来の正義論を批判し、他者に依存せざるを得ない存在をケアする労働の重要性を唱えた。この労働は、ケアを必要とする側とそれを提供する側の非対称的な関係性を伴い、要請を拒絶することが困難であるという倫理的特徴を持つ。
センター試験(2011年)類似

境界人(マージナル・マン)

Q64 ドイツの心理学者レヴィンは、青年期の特徴として、それまで属していた子どもの世界から離れつつも、まだ大人の世界には十分に受け入れられていない、双方の狭間に位置する中間的な存在であることを指摘した。このような青年期にある人間を指す概念として最も適当なものを答えよ。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
境界人(マージナル・マン)
レヴィン(レヴィン, K.)は、青年が子どもと大人の二つの集団の間にあって、どちらの集団にも完全に属しきれない中間的な存在として捉え、これを「境界人(マージナル・マン、周辺人)」と名づけた。青年期における身体的変化である第二次性徴や、エリクソンが提唱した「心理・社会的モラトリアム」など、他の青年期の発達課題や特徴に関する概念と区別して理解することが求められる。
センター試験(2013年)類似

マズローの欲求階層説

Q65 マズローが提唱した欲求の階層構造において、生理的欲求や安全の欲求、社会的欲求、承認の欲求といった欠乏欲求が満たされた後に現れる、自己の持つ可能性を最大限に発揮して創造的な活動を行おうとする最上位の欲求を何というか。
★★ 基本 V1 (基礎) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
自己実現の欲求
マズローの欲求階層説において、欲求は下位の欠乏欲求(生理的、安全、社会的、承認)と、最上位の成長欲求に分けられる。最上位に位置するこの欲求は、他者からの評価や物質的な充足を超えて、自己の能力や可能性を最大限に開発・発揮し、自分らしく生きたいと願う欲求である。
共通テスト(2026年)類似

倫理的・法的・社会的課題

Q66 ゲノム解析技術や人工知能(AI)などの先端科学技術を社会に導入する際、技術的な安全性だけでなく、プライバシー保護や人権配慮、社会的合意形成といった多角的な観点から生じる諸課題への対応が求められる。このような、科学技術の発展に伴って生じる倫理的・法的・社会的な課題を総称して、アルファベット4文字の略称で何というか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ELSI
先端科学技術が社会に実装される際、単に技術が機能するかどうかだけでなく、個人のプライバシー、法的な責任の所在、社会的な格差や差別の助長といった多面的な問題が生じる。これらはEthical(倫理的)、Legal(法的)、Social(社会的) Implications(課題/影響)の頭文字をとってELSIと呼ばれる。ヒトゲノム計画の推進に伴い、その研究が社会に与える影響を評価・予防するために提唱された概念であり、現代の科学技術ガバナンスにおいて極めて重要な視点となっている。
共通テスト(2025年)類似

地域社会における住民の協働

Q67 行政の支援だけでは対応が困難な地域課題に対し、住民が主体的に組織を作り、営利を目的とせずに社会貢献活動を行う市民活動団体がある。1998年に制定された法律によって法人格の取得が容易になり、福祉や環境保全、まちづくりなど多様な分野で地域社会の協働を支えている、これらの組織の一般的な略称は何か。
★★ 基本 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
NPO
地域社会の多様な課題に対して、行政だけでなく住民自身が主体的に取り組むための組織として、特定非営利活動法人(NPO)がある。1995年の阪神・淡路大震災でのボランティア活動の活発化を契機として、1998年に特定非営利活動促進法(NPO法)が成立し、簡易な手続きで法人格を取得できるようになり、地域社会における協働の担い手として定着した。
センター試験(2019年)類似

ヒポクラテスの誓いにおける守秘義務

Q68 古代ギリシアにおいて、医師が職務上知り得た患者の秘密を他人に漏らさないことや、患者に危害を加えないことなどを神々に誓った、現代の医療倫理の源流とされる宣誓文を何というか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ヒポクラテスの誓い
古代ギリシアの医学者に由来するこの宣誓文は、医師としての倫理的責任や患者に対する義務を定めたものである。その中には、治療の過程やそれ以外で人々の生活に関して見聞きした秘密を口外しないという「守秘義務」の精神が含まれており、現代の医療倫理や個人情報保護の考え方に大きな影響を与えている。
センター試験(2009年)類似

男女の役割分担意識

Q69 「男は外で働き、女は家庭を守るべきだ」といった性別に基づく固定的な意識を見直し、男女が互いにその人権を尊重しつつ責任も分かち合い、性別にかかわりなくその個性と能力を十分に発揮できる社会の実現を目指して、1999年に制定された法律は何か。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
男女共同参画社会基本法
1990年代後半、固定的な性別役割分担意識の変化や国際的なジェンダー平等の潮流を背景に、男女が対等な共同参画者としてあらゆる分野で活躍できる社会づくりを目指す基本法として、1999年に制定された。この法律に基づき、男女共同参画計画の策定などが進められている。
センター試験(2006年)類似

エスノセントリズム

Q70 自らの属する民族や文化の価値観を絶対的な基準とし、それに基づいて他民族や異文化を評価・判断しようとする態度を何というか。
★★ 基本 V1 (基礎) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
エスノセントリズム
自らの属する民族や文化の価値観を絶対的な基準とし、それに基づいて他民族や異文化を低く評価したり判断したりする態度をエスノセントリズム(自民族中心主義)と呼ぶ。これに対し、それぞれの文化に優劣はなく、独自の価値があるとする態度を文化相対主義という。
センター試験(2010年)類似

囚われからの解放

Q71 人間が客観的な真理に到達し、より良き生き方を実現するためには、伝統的な権威や主観的な偏見といった「囚われ」から自己を解放して客観的に相対化しなければならないとし、人間の認識を歪める4つの先入観(イドラ)を排除して、観察と実験を重視する経験論の方法を提唱したイギリスの哲学者は誰か。
★★ 基本 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
フランシス・ベーコン
フランシス・ベーコンは、人間が正しい知識を得るためには、心に潜む先入観や偏見(イドラ)という「囚われ」を自覚し、それらを排除して客観的に自然を観察する必要があると考えた。この自己の相対化と客観的なアプローチこそが、自然を支配し人類の生活を向上させる「知は力なり」を実現するための第一歩であるとした。
共通テスト(2025年)類似

長期記憶と符号化における記憶の変容

Q72 人間の記憶のプロセスは、情報を脳内に取り込んで登録する段階、それを保存する段階、そして必要なときに引き出す段階の3つに大別される。このうち、すでに頭の中にある知識や言葉の意味が影響を及ぼし、新しく提示された情報を保存可能な形に変換して登録する最初の段階を何というか。
★★ 基本 V1 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
符号化
記憶のプロセスは、情報を登録する「符号化(記銘)」、情報を保存する「貯蔵(保持)」、情報を引き出す「検索(想起)」の3段階からなる。新しく提示された情報を覚える「符号化」の段階において、すでに長期記憶に存在する知識や言葉の意味が影響を与えることで、記憶がその知識に沿うように変容して保存される現象が知られている。
センター試験(2015年)類似

マズローの欲求階層説

Q73 人間の欲求が5つの階層をなして発達するという理論において、飢えや睡眠などの生命維持に直結する欲求が満たされた後に現れる、病気や事故などの危険を避けて、秩序ある安定した環境で暮らしたいと望む欲求を何というか。
★★ 基本 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
安全の欲求
欲求階層説において、最下位の生理的欲求が満たされると、次に現れるのが脅威や危険から身を守り、安定した生活を求める段階である。この段階を過ぎると、他者との関わりを求める社会的欲求、他者からの評価を求める承認の欲求、そして自己実現の欲求へと移行していく。
センター試験(2009年)類似

エリクソンの発達段階説

Q74 人生を8つの発達段階に区分し、それぞれの段階における心理社会的危機や発達課題を整理した。例えば、青年期における「アイデンティティ(自己同一性)の確立」や、成人中期における「世代継承性(生殖性)」、老年期における「自己統合」などを提唱した、アメリカの心理学者は誰か。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
エリクソン
人生を8つの発達段階に区分し、各段階に特有の発達課題や心理社会的危機を設定した心理学者はエリクソンである。彼は、青年期の発達課題をアイデンティティ(自己同一性)の確立とし、成人前期には他者との親密性、成人中期には次世代を育成する世代継承性、老年期には自らの人生を肯定的に受け入れる自己統合が必要であると説いた。
共通テスト(2024年)類似

ホスピスとリヴィング・ウィル

Q75 終末期医療において、治癒を目指す治療が困難となった患者に対して、延命を主目的とするのではなく、肉体的・精神的な苦痛を和らげる緩和ケアを専門的に提供する施設やケアの仕組みを何というか。
★★ 基本 V1 (基礎) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ホスピス
治癒が困難な末期患者に対し、身体的・精神的苦痛を和らげてQOL(生の質)を高める緩和ケアを提供する施設や活動をホスピスと呼ぶ。これに対し、延命治療の差し控えなどの希望をあらかじめ文書で表明しておくことはリヴィング・ウィルと呼ばれる。いずれも患者の尊厳を守るための終末期医療のあり方として重視されている。
センター試験(2020年)類似

人生の旅と他者との出会い

Q76 「月日は百代の過客にして、行きかふ年もまた旅人なり」という言葉で知られ、旅を人生そのものと捉え、自然や他者との出会いを通じて、変化する流行の中に不変の真理を見出す「不易流行」の境地を追求した、江戸時代の俳諧師は誰か。
★★ 基本 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
松尾芭蕉
芭蕉は『奥の細道』の冒頭で人生を旅に譬え、漂泊の旅の中で自然や人々との出会いを重ね、俳諧における芸術的真理(風雅)を追求した。彼は、変化する「流行」の中にこそ不変の「不易」の本質があるという「不易流行」を説き、自己の芸術を高めた。
センター試験(2015年)類似

マージナル・マン

Q77 青年期は、子どもから大人へと移行する過渡期であり、心理的に不安定な時期とされる。ドイツ出身の心理学者レヴィンは、このような時期にある青年が、子どもの集団にも大人の集団にも完全に所属できず、両者の境界に位置している状態を指して何と呼んだか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
マージナル・マン
ドイツ出身の心理学者レヴィンは、青年期を子どもから大人への過渡期として捉えた。この時期の青年は、子どもの世界から離脱しつつも、まだ大人の世界に十分に受け入れられておらず、どちらの集団にも完全に帰属できない不安定な心理状態にある。このような境界的な存在を「マージナル・マン(境界人・周辺人)」と名付けた。
センター試験(2020年)類似

パーソナリティの形成

Q78 人間のパーソナリティや知能の形成に関して、生まれ持った遺伝的要因(資質)と、育った環境的要因の双方が合流し、相互に作用し合うことで発達が遂げられるとする「輻輳説」を提唱したドイツの心理学者は誰か。
★★ 基本 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
シュテルン
遺伝と環境の相互作用を説明する「輻輳説」を提唱した人物はシュテルンである。彼は、発達は遺伝的資質と環境的影響の単純な足し算ではなく、双方が複雑に絡み合うプロセスであると考え、個人のパーソナリティ形成における両要因の重要性を指摘した。
共通テスト(2022年)類似

リプロダクティブ・ヘルス/ライツ

Q79 1994年の国際人口開発会議(カイロ会議)などで提唱され、子どもを産むか産まないか、産むとすればいつ、何人産むかといった、性と生殖に関する事柄を女性自身が自らの意思で決定する権利を何と呼ぶか。
★★ 基本 V1 (基礎) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
リプロダクティブ・ヘルス/ライツ
1994年にカイロで開催された国際人口開発会議において提唱された概念であり、女性の自己決定権や健康の権利を尊重する立場から、性と生殖に関する事柄を自ら決定する権利を指す。従来の人口抑制政策から、個人の人権尊重への転換を示す重要な概念である。
センター試験(2018年)類似

ハヴィガーストの青年期の発達課題

Q80 青年期における課題を整理し、同世代の男女との洗練された人間関係の構築や、両親や他の大人からの情緒的独立、経済的独立の準備などを達成すべき目標として提示した、アメリカの教育学者・心理学者は誰か。
★★ 基本 V1 (基礎) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ハヴィガースト
青年期の発達課題を整理し、両親からの情緒的独立や同世代との人間関係の構築、職業選択の準備などを挙げたのはアメリカの教育学者・心理学者である。エリクソンはアイデンティティの確立を唱え、レヴィンソンは成人期の移行を論じた。
センター試験(2018年)類似

インフォームド・コンセント

Q81 現代社会における生命倫理(バイオエシックス)の進展に伴い、従来の医師主導の医療から、患者の主体性を尊重する医療への転換が進んでいる。医療従事者が治療内容やそのリスクについて十分な説明を行い、患者がそれを理解・納得した上で自らの治療方針を選択・同意する手続きを何というか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
インフォームド・コンセント
医療の現場では、専門知識を持つ医師と患者との間に情報の非対称性が存在する。患者の自己決定権を保障するため、医師が適切な情報提供と説明を行い、患者が納得した上で治療に同意する手続きが求められるようになった。これは日本語で「説明と同意」とも訳される。
センター試験(2020年)類似

AIの普及に対する意識と就業者の対応(日米比較)

Q82 情報技術の進展に伴い、労働環境や個人の意識にも変化が生じている。日米の意識調査によると、日本の就業者の約7割が人工知能の普及によって自身の仕事が代替されると懸念しているものの、具体的な対応や準備を「特に行わない」とする割合は半数を超え、アメリカの2倍以上となっている。このような、新しい技術への適応や活用能力の差が、将来的に個人の雇用や所得における不平等を固定化・拡大させる要因となることが懸念されている。この、情報通信技術の利用機会や活用能力の違いによって生じる社会的・経済的な格差を何というか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
デジタル・デバイド
日本の就業者は人工知能(AI)の普及に対して「仕事を奪われる」という懸念を抱きつつも、具体的な準備や対応を行わない割合がアメリカに比べて非常に高い(2倍以上)。このような技術変化への対応の遅れや能力の差は、将来的に労働市場における格差を生み出す要因となる。情報通信技術(ICT)を使いこなせる者とそうでない者の間に生じる、雇用や収入などの社会的・経済的な格差は「デジタル・デバイド(情報格差)」と呼ばれる。
センター試験(2013年)類似

葛藤の類型

Q83 「大学に進学して勉強したいが、学費を払うためにアルバイトばかりして勉強時間が削られるのは嫌だ」というように、一つの対象に対して魅力的な側面と、避けたい側面の両方が存在し、選択に苦悩する心理状態を指す、レヴィン(レビン)が分類した心理的状況の名称として最も適当なものを答えよ。
★★ 基本 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
接近-回避型
レヴィン(レビン)は、同時に満たすことのできない複数の欲求の間で板挟みになる心理状態(コンフリクト)を、欲求の方向性(接近・回避)に基づいて分類した。一つの対象に対して、望ましい側面(接近)と避けたい側面(回避)が同時に存在して悩むパターンは「接近-回避型」と呼ばれる。
共通テスト(2022年)類似

コールバーグの道徳性発達理論

Q84 青年期における自己の確立や他者との関係性を考える上で、道徳性の発達は重要な課題である。人間の道徳的判断の発達について、周囲からの罰の回避や自己の利益を基準とするレベル、社会の規則や他者の期待への同調を基準とするレベル、そして普遍的な倫理や個人の尊厳といった自律的な良心を基準とするレベルの3つに区分した人物は誰か。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
コールバーグ
道徳性の発達段階を「前慣習的」「慣習的」「脱慣習的」の3レベルに区分した。最上位の脱慣習的レベルでは、社会の法律や規則を絶対視するのではなく、人間の尊厳や正義といった普遍的な倫理原則に基づいて自律的に判断する。例えば、「盗みは所有者を人間として尊重しない行為だから許されない」といった判断がこれに該当する。これに対し、罰の回避や自己の利益を基準とするのは前慣習的レベル、社会秩序の維持や他者の期待を基準とするのは慣習的レベルである。
共通テスト(2023年)類似

シュプランガーの青年期論

Q85 青年期を「自我の目覚め」の時期と位置づけ、青年が自己の内面を見つめることで深い孤独を感じる一方で、他者と精神的に深く触れ合い、相互に理解し合うことを強く渇望する存在であると論じた、ドイツの精神科学的心理学者は誰か。
★★ 基本 V1 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
シュプランガー
青年期における自我の目覚めを重視し、青年特有の孤独感と、他者への強い思慕や理解への渇望を指摘したのはシュプランガーである。彼はまた、人間が追求する価値のタイプによって人間を「理論型」「経済型」「審美型」「社会型」「権力型」「宗教型」の6つに分類する価値類型論を提唱したことでも知られている。
センター試験(2012年)類似

クレッチマーの性格類型

Q86 ドイツの精神医学者クレッチマーが提唱した性格類型論において、細長型の体型に多く見られ、内向的で静か、非社交的といった特徴を持つ気質を何というか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
分裂気質
クレッチマーは体型と気質の関係を分析し、細長型の体型には内向的で非社交的な「分裂気質」が対応するとした。また、肥満型には社交的で感情の起伏が激しい「循環気質」、闘士型には頑固で几帳面な「粘着気質」が対応すると主張した。
センター試験(2005年)類似

自由と社会の関係

Q87 人間が自らの欲望や衝動の赴くままに行動する自由を無制限に追求すると、他者との衝突が生じて社会の維持が困難になる。このような、国家や社会が成立する前の『万人の万人に対する闘争』と呼ばれる無秩序な状態を想定し、そこから脱却するために人々が契約を結んで国家をつくるべきだと主張した、17世紀イギリスの思想家は誰か。
★★ 基本 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ホッブズ
ホッブズは著書『リヴァイアサン』において、自然状態では人間が自己保存の欲望のままに行動するため『万人の万人に対する闘争』という悲惨な状態になると説いた。この状態を避けるため、人々は自然権を主権者に譲渡し、社会契約を結んで強力な国家を形成する必要があると主張した。
共通テスト(2026年)類似

感情の二要因理論

Q88 感情の発生には生理的な覚醒とそれに対する認知的解釈の二つが必要であるとする理論を提唱し、アドレナリンを用いた実験によって、生理的変化の原因が説明されていない状況下では周囲の環境に合わせて感情がラベリングされることを実証した心理学者は誰か。
★★★ 標準 V2 (具体例) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
シャクター
ジェローム・シンガーとともに感情の二要因理論を提唱した心理学者である。実験では、アドレナリンを注射された被験者のうち、薬の効果について正しい説明を受けなかったグループが、周囲にいるサクラの陽気な振る舞いに同調して楽しい感情を抱くことが示され、生理的変化への認知的解釈が感情の決定に重要であることが実証された。
センター試験(2011年)類似

ソフトウェアの共同開発と著作権侵害

Q89 情報社会において、デジタルコンテンツのコピーやネットワークを介した配布が容易になったことで、創作活動の保護と情報の円滑な利用とのバランスが議論されている。特許権や著作権など、人間の知的創造活動によって生み出された成果に対して認められる、法律上の権利の総称を何というか。
★★ 基本 V1 (基礎) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
知的財産権
人間の知的な創作活動やアイデアから生み出された成果を保護するための権利を知的財産権(知的所有権)と呼ぶ。インターネットの普及により、ソフトウェアや音楽などのデジタルコンテンツが違法にアップロード・配布される事例が増加しており、著作権をはじめとする知的財産権の適切な保護と、社会全体での情報の有効活用との調和が課題となっている。
センター試験(2006年)類似

神谷美恵子の生きがい論

Q90 ハンセン病療養所での医療活動にも携わった神谷美恵子が、自己の存在意義と生きがいの密接な関係を考察し、他者や社会に必要とされる自覚がもたらす精神的な「張り合い」の重要性を説いた著書は何か。
★★ 基本 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
生きがいについて
神谷美恵子は、ハンセン病患者の治療やケアに携わる中で、極限状態における人間の尊厳や生きる意味について深く考察した。その思索をまとめた本書は、人間が生きがいを感じる精神的メカニズムを分析し、自己の存在が他者から必要とされることで生じる「張り合い」が、生きる上での大きな支えになることを指摘している。
センター試験(2015年)類似

マズローの欲求階層説

Q91 人間の欲求は、生命維持に関わる低次の欲求から、自己の可能性を最大限に発揮しようとする高次の欲求まで、5つの階層をなして発達していくとする「欲求階層説」を提唱したアメリカの心理学者は誰か。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
マズロー
人間の欲求が階層的に発達すると捉える「欲求階層説」を唱えたのはアメリカの心理学者である。彼は、生理的欲求、安全の欲求、社会的欲求(所属と愛の欲求)、承認の欲求(尊重の欲求)、自己実現の欲求という5段階のピラミッドモデルを提示した。
センター試験(2007年)類似

フロイトの無意識

Q92 人間の精神には本人が自覚していない領域が存在し、それが日常の言い間違いや忘れ物、夢などを通じて行動に影響を与えていると考え、精神分析の基礎を築いたオーストリアの精神医学者は誰か。
★★ 基本 V2 (具体例) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
フロイト
人間の心における無意識の領域を重視し、抑圧された欲求や葛藤が言い間違いや忘れ物、夢などの日常行動に現れることを明らかにして精神分析を創始したのはフロイトである。なお、人類共通の普遍的な無意識(集合的無意識)を唱えたのはユングである。
共通テスト(2025年)類似

文化相対主義

Q93 未開とされる社会の婚姻規則や神話を分析する構造主義の手法を用い、西洋中心的な進歩史観を批判して、それぞれの文化が固有の価値を持ち、文化の間に優劣はないとする考え方の基礎を築いたフランスの文化人類学者は誰か。
★★ 基本 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
レヴィ=ストロース
構造主義の立場から、未開社会の親族関係や神話を分析し、西洋近代の理性を絶対視する歴史観を批判した。彼は、すべての文化が独自の論理と価値を持つことを示し、文化の多様性を認める姿勢を強調した。
センター試験(2005年)類似

性別役割分担の解消論

Q94 1979年の国連総会で採択され、固定的な性別役割分担の解消を求め、政治的、社会的、経済的、文化的なあらゆる分野における女性に対する差別の撤廃を締約国に義務づけた国際条約は何か。この条約は、固定的な役割分担が個人の人生の可能性に対する重大な侵害であるという認識に基づいている。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
女子差別撤廃条約
女子差別撤廃条約は、固定的な性別役割分担が個人の自由な選択や自己実現の機会を奪い、個人の人生の可能性を不当に狭める重大な侵害であるという認識に基づき、その解消を求めている。単に形式的な平等にとどまらず、実質的な平等の達成を目指して、締約国に対して差別撤廃のための積極的な措置を講じることを義務づけており、日本における男女雇用機会均等法の制定など国内法整備の契機となった。
共通テスト(2025年)類似

レヴィンのマージナル・マン

Q95 子どもと大人の二つの集団の境目に位置し、どちらの集団にも完全に所属しきれないために不安定な精神状態に置かれている青年期の人々を「マージナル・マン(境界人)」と名付け、その心理的特徴を分析したドイツ出身の心理学者は誰か。
★★ 基本 V2 (具体例) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
レヴィン
青年期を「マージナル・マン(境界人・周辺人)」と名付けたのはレヴィンである。彼は、青年が子どもから大人へと移行する過渡期において、二つの異なる社会集団の境界に位置することから生じる心理的な不安定さを指摘した。エリクソン(アイデンティティの提唱者)やホリングワース(心理的離乳の提唱者)など、他の心理学者との区別が求められる。
センター試験(2018年)類似

レイチェル・カーソンの環境警告

Q96 DDTなどの化学農薬や殺虫剤の大量使用が生態系を破壊し、鳥たちのさえずりが聞こえなくなった不気味な世界を提示することで、科学技術の濫用がもたらす環境破壊に警鐘を鳴らした、1962年に出版された著作は何か。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
沈黙の春
1962年に出版されたこの著作は、殺虫剤や除草剤などの化学物質が食物連鎖を通じて生態系を破壊し、野生生物だけでなく人間にも深刻な被害をもたらすことを告発した。書名は、農薬の被害によって鳥たちが死に絶え、春が来てもその鳴き声が聞こえなくなった様子に由来している。この警告は、世界的な環境保護運動の契機となった。
センター試験(2006年)類似

神谷美恵子の生きがい論

Q97 ハンセン病療養所での医療活動に従事する傍ら、人間の精神的営みを探究し、他者や社会から必要とされる自覚がもたらす生の「張り合い」や、自己の存在意義と生きがいの関係を深く考察した、著書『生きがいについて』で知られる日本の精神科医・思想家は誰か。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
神谷美恵子
ハンセン病療養所である長島愛生園での精神科医としての勤務経験などを通じて、人間の生きがいについて深く思索した。著書『生きがいについて』では、自分の存在が他者や社会にとって必要とされているという自覚が、人間に精神的な「張り合い」をもたらし、生きる力を与えるというメカニズムを明らかにした。
センター試験(2004年)類似

国民生活に関する世論調査

Q98 現代日本の社会において、人々の価値観が「物の豊かさ」から「心の豊かさ」へと変化していく様子などを捉える「国民生活に関する世論調査」を実施している、内閣の重要政策に関する企画立案や総合調整を担う国の行政機関はどこか。
★★ 基本 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
内閣府
「国民生活に関する世論調査」は、国民の生活意識や要望を把握し、行政施策に反映させるために実施されている。この調査の実施主体は、内閣総理大臣を長とし、内閣の重要政策に関する企画立案や総合調整を担う内閣府(旧総理府など)である。1970年代後半以降、同調査において「心の豊かさ」を重視する割合が「物の豊かさ」を上回るなど、国民の価値観の変遷を示す重要な指標となっている。
センター試験(2009年)類似

周辺人

Q99 子どもから大人へと移行する過渡期にあり、双方の集団の境界に位置しながらも、いずれの集団にも完全に属していない青年期の人間の状態を「周辺人(マージナル・マン)」と名付けた、ドイツの心理学者は誰か。
★★ 基本 V2 (具体例) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
レヴィン
青年期における「周辺人(マージナル・マン)」の概念を提唱したのは、ドイツの心理学者レヴィンである。彼は青年が子どもと大人の境界に位置する不安定な存在であることを示した。なお、欲求階層説を唱えたのはマズローであり、各発達段階における課題を整理した発達課題を提唱したのはハヴィガーストである。
共通テスト(2025年)類似

リヴィング・ウィル

Q100 現代の生命倫理(バイオエシックス)において、自己決定権の尊重が重視されている。患者が将来、不慮の事故や病気の進行によって自らの意思を表明できなくなった場合に備えて、過剰な延命治療の拒否など、望む医療や死のあり方に関する意向を事前に文書等で示しておくことを何というか。
★★ 基本 V1 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
リヴィング・ウィル
医療技術の進歩に伴い、単に生命を維持するだけでなく、人間としての尊厳を保った死(尊厳死)を選択する権利が議論されるようになった。本人が意識を失った後でもその自己決定を尊重するため、事前に文書等で延命治療の拒否などの意思を表明しておく仕組みをリヴィング・ウィル(生前の意思表明)と呼ぶ。これに対し、女性が妊娠や出産について自己決定する権利はリプロダクティブ・ヘルス/ライツと呼ばれる。
センター試験(2008年)類似

孤独感

Q101 青年期において、自己意識の高まりとともに、周囲の人々とのコミュニケーションが十分に取れていないと感じたり、他者からの理解や承認が得られていないと感じたりすることで生じる、自己の孤立を意識する精神的状態を何というか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
孤独感
青年期には自己意識が急速に発達するため、他者との関係性に敏感になります。この時期に、周囲とのコミュニケーションが不十分であると感じたり、他者からの理解や承認が得られていないと感じたりすることで、自己の孤立を意識する精神的状態が生じます。これは自己の内面を見つめ直し、より深い人間関係を築く契機にもなります。
共通テスト(2024年)類似

接近・回避型の葛藤

Q102 「大学に進学して専門的な勉強をしたいが、受験勉強の苦労や経済的な負担からは逃れたい」というように、同一の対象や状況に対して、それを望む欲求と、それから逃れたいという欲求が同時に生じることで起こる心理的葛藤を何というか。
★★ 基本 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
接近・回避型の葛藤
レヴィン(レビン)は、複数の欲求が同時に対立する状態を葛藤(コンフリクト)と呼び、それを3つの型に分類した。同一の対象に対して、望ましい側面(接近)と望ましくない側面(回避)が同時に存在し、その間で板挟みになる状態を「接近・回避型の葛藤」と呼ぶ。他の分類には、魅力的な2つの選択肢の間で悩む「接近・接近型の葛藤」や、嫌な2つの選択肢の間で悩む「回避・回避型の葛藤」がある。
センター試験(2020年)類似

大学入学者数における男女比の学科別特徴

Q103 日本の大学進学において、人文学や教育、保健などの分野では女性の入学者が多い一方、理学や工学などの分野では男性の入学者が圧倒的に多いという、専攻分野における男女比の偏りが存在する。こうした社会的に形成された性差(ジェンダー)による制約をなくし、男女が互いにその人権を尊重しつつ責任も分かち合い、性別にかかわりなく、その個性と能力を十分に発揮できる社会の実現を目指して、1999年に制定された基本法は何か。
★★ 基本 V1 (基礎) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
男女共同参画社会基本法
1999年に制定されたこの法律は、男女が社会の対等な構成員として、自らの意思によって社会のあらゆる分野の活動に参画する機会が確保される社会の実現を目指している。大学の専攻分野における男女比の偏りは、固定的な性別役割分担意識や社会的・文化的に形成された性差(ジェンダー)が影響していると考えられており、本法の基本理念に基づき、進路選択におけるジェンダー・バイアスの解消や、理工系分野への女性の進出支援などの取り組みが進められている。
共通テスト(2025年)類似

労働の多様性

Q104 現代社会において、労働は賃金を得るための経済活動に限定されない。家事、育児、介護、ボランティア活動など、市場で金銭的な対価が支払われないものの、社会の維持や他者のケアに不可欠な活動を総称して何と呼ぶか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
アンペイド・ワーク
家事や育児、介護、ボランティア活動などは、直接的な金銭的報酬を伴わないものの、社会や家庭を維持するために極めて重要な役割を果たしている。このような市場取引を経ない、賃金が支払われない労働は「アンペイド・ワーク(無償労働)」と呼ばれ、従来の賃金労働(ペイド・ワーク)を中心とした労働観を見直す契機となっている。
共通テスト(2024年)類似

ホスピスとリヴィング・ウィル

Q105 現代の医療現場では、患者の自己決定権や尊厳死の観点が重視されるようになっている。このうち、自分が不治の病などで終末期を迎えた際に、延命治療の差し控えや中止などの希望を、あらかじめ書面などの形で表明しておく意思表示(生前の意思)のことを何と呼ぶか。
★★ 基本 V1 (基礎) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
リヴィング・ウィル
終末期医療において、患者が自らの意思で延命治療の拒否などをあらかじめ文書で示しておくことをリヴィング・ウィル(生前の意思)と呼ぶ。これに対し、肉体的・精神的苦痛を和らげる緩和ケアを行う施設はホスピスと呼ばれる。自己決定権の尊重やQOL(生の質)の維持という観点から、現代の生命倫理において重要な概念となっている。
共通テスト(2022年)類似

ヨナスの責任論

Q106 科学技術の巨大な影響力が地球環境や遠い未来にまで及ぶことを踏まえ、人類の存続を保証するために、未来世代に対する非対称的な義務を果たすべきだと説いたハンス・ヨナスの主著は何か。
★★★ 標準 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
『責任という原理』
ハンス・ヨナスは、科学技術の進歩が人類の存続そのものを脅かす可能性を指摘し、従来の相互的な契約に基づく倫理ではなく、未来世代に対する一方的な義務を果たすべきだと主張した。この思想は、環境倫理や生命倫理の分野に大きな影響を与えた。
センター試験(2013年)類似

プライバシーの侵害

Q107 情報技術の進展によって、企業や行政機関による大量の個人データの収集・利用が容易になった。これに伴い、個人の私生活や秘密が侵害される危険性が高まったことから、個人の権利と利益を保護することを目的に、民間事業者などが遵守すべき義務などを定めて2003年に制定された法律は何か。
★★ 基本 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
個人情報保護法
情報技術の発達に伴い、大量の個人データがデジタル化されて流通するようになった。これにより、個人の私生活や秘密が脅かされる危険性が高まったため、個人情報の適正な取り扱いを求め、個人の権利利益を保護するために2003年に「個人情報保護法(個人情報の保護に関する法律)」が制定された。
センター試験(2005年)類似

他者の性格に対する推論とかかわり方

Q108 人間関係において、私たちは他者の特徴を捉え、それに応じた行動をとることがある。ある人が、相手を「気難しそうな人だ」と判断して慎重に言葉を選ぶ行動と、電車内で目の前に立つ高齢者に席を譲る行動を比較したとき、前者の行動にのみ見られる、相手の内面的な特徴を主観的に推測し、それに基づいて自身の態度や行動を変化させる心理的プロセスを何というか。
★★ 基本 V2 (具体例) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
他者の性格に対する推論とかかわり方
相手の性格を「気難しそう」「気が弱そう」などと主観的に推測(推論)し、その推測に基づいて自分の接し方(かかわり方)を変える心理的プロセスを指す。これに対し、目の前の高齢者に席を譲る行動は、相手の性格を推測した結果ではなく、「お年寄りには席を譲るべきだ」という社会的規範や状況に対する直接的な反応であるため、このプロセスには該当しない。
共通テスト(2025年)類似

役割実験

Q109 アメリカの心理学者が提唱した概念で、青年期において社会的な責任や義務が一時的に猶予される期間に、青年が自らの適性や生き方を模索するために、多様な社会的役割や活動を試行錯誤しながら体験することを何と呼ぶか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
役割実験
エリクソンは、青年期を「心理社会的モラトリアム(社会的猶予期間)」と位置づけ、この時期に青年が様々な社会的役割を試行錯誤しながら体験するプロセスを「役割実験」と呼んだ。これは、自己理解を深め、独自のアイデンティティ(自己同一性)を確立するために不可欠な活動である。ただし、これは青年の社会的責任を完全に免除し、自己中心的な行動を正当化するものではない。
センター試験(2004年)類似

生命への畏敬

Q110 人間は、自己の生存を維持するために他の生命を犠牲にせざるを得ないという倫理的矛盾(葛藤)を抱えている。この事実を直視した上で、すべての生命ある存在を尊び、生命を維持し高めることを善、生命を破壊し阻害することを悪とする「生命への畏敬」の思想を提唱し、アフリカでの医療奉仕活動に生涯を捧げた人物は誰か。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
シュヴァイツァー
人間が生きるために他の生命を傷つけざるをえないという現実的な葛藤を認めつつも、すべての生命を愛し、その維持と向上に努めることが人間の倫理的義務であると説いた。この思想に基づき、アフリカのランバレーネで医療活動に従事し、ノーベル平和賞を受賞した。
センター試験(2010年)類似

防衛機制

Q111 青年期において、欲求不満や葛藤に直面した際、それによって生じる不安や苦痛を無意識のうちに回避し、自己の心の安定や適応を図ろうとする心の保護の仕組みを何というか。
★★ 基本 V1 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
防衛機制
欲求不満(フラストレーション)や葛藤(コンフリクト)による不安や苦痛から、無意識のうちに自己を守り、環境に適応しようとする心の働きを「防衛機制」と呼ぶ。これはオーストリアの精神分析学者フロイトによって見出され、その娘アンナ・フロイトらによって体系化された。抑圧、合理化、同一視、投射、昇華などの様々なタイプがあり、これらは一時的に心の安定を保つために機能するが、意志の力による根本的な問題解決(合理的解決)には至らないという特徴がある。
センター試験(2013年)類似

マーガレット・ミードのサモア島調査

Q112 人間のパーソナリティや個性の形成において、生物学的な遺伝要因だけでなく、その個人が育つ社会の歴史的・地域的な文化的状況が決定的な影響を与えることを、南太平洋の島々におけるフィールドワークを通じて実証的に示した、アメリカの女性文化人類学者は誰か。
★★ 基本 V1 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
マーガレット・ミード
文化人類学者のマーガレット・ミードは、サモア島などでのフィールドワークに基づき、思春期の葛藤や個性の形成が普遍的な生物学的要因のみによるものではなく、その社会が持つ歴史的・地域的な文化的状況に深く影響されることを明らかにした。これにより、人間の行動や心理を生物学的決定論だけで説明することに異議を唱え、文化がパーソナリティ形成に果たす役割の重要性を提示した。
共通テスト(2024年)類似

関係人口が地域にもたらす効果

Q113 近年、地域活性化の文脈において、特定の地域に継続的に多様な形で関わる人々が注目されている。この人々が地域社会に関わることで、地域住民が古民家や家庭料理などの価値に気付く「地域資源の再発見」、外部のノウハウが持ち込まれる「専門的な能力の移転」、自治体や商店街などの新たな連携が生まれる「地域社会の運営体制の変化」という3つの相乗的な効果がもたらされる。このような、移住した「定住人口」でも観光に来た「交流人口」でもない、地域と多様に関わる人々を総称して何というか、答えなさい。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
関係人口
移住した「定住人口」でもなく、観光目的で一時的に訪れた「交流人口」でもない、特定の地域に継続的かつ多様な形で関わる人々を指す。彼らが地域社会に関わることで、地域資源の再発見、専門的な能力の移転、地域社会の運営体制の変化という3つの相乗的な効果が生まれ、地域活性化に寄与することが期待されている。
共通テスト(2022年)類似

アイデンティティ・ステイタス

Q114 青年期における自己同一性の確立過程において、自分自身の生き方について深く悩んだり葛藤したりする経験を経ないまま、親の勧める進路や周囲の価値観をそのまま受け入れて、特定の選択肢に深く関わっている状態を、心理学の用語で何というか。
★★★ 標準 V1 (基礎) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
早期完了
自ら葛藤を経験(危機)することなく、親や他者の価値観をそのまま受け入れて特定の役割や進路にコミット(関与)している状態を指す。フォークロージャーとも呼ばれ、一見すると安定しているように見えるが、主体的な選択を経ていないため、後に危機に直面した際にもろさを示すことがある。
センター試験(2014年)類似

青年期のモラトリアム

Q115 青年期において、一人前の社会人としての責任や義務を果たすことが一時的に猶予されている期間を、エリクソンは何と呼んだか。
★★ 基本 V1 (基礎) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
モラトリアム
エリクソンは、青年期を大人としての社会的責任や義務が猶予される期間として捉え、これを「社会的モラトリアム」と呼んだ。この期間は、自己を見つめ直し、アイデンティティを確立するための重要な準備期間とされる。
センター試験(2012年)類似

日本の臓器移植法における脳死臓器提供の要件

Q116 1997年に制定され、2009年に改正された日本の法律である。この改正により、本人の意思表示が書面で確認できない場合であっても、家族の同意があれば脳死下での臓器提供が可能となり、15歳未満の子供からの提供にも道が開かれた。この法律の名称を何というか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
臓器移植法
1997年に成立した臓器移植法は、2009年に改正された。改正前は、脳死下での臓器提供には本人の書面による意思表示と家族の同意の双方が必要であり、意思表示能力のない15歳未満からの提供は事実上不可能であった。しかし、2009年の改正により、本人の拒否の意思がない限り、家族の同意のみで脳死下での臓器提供が可能となり、15歳未満からの提供も認められるようになった。ただし、本人が生前に提供を拒否する意思を示していた場合は、家族の同意があっても提供することはできない。
共通テスト(2025年)類似

リスクコミュニケーション

Q117 現代の科学技術社会においては、環境問題や感染症対策、食品の安全性など、不確実性を伴う課題が多く存在する。これらの課題に対し、専門家が一方的に情報を発信するだけでなく、市民、行政、事業者などの多様な関係者が、相互に情報や意見を交換し、理解を深め合うことで合意形成や信頼構築を目指す活動を何というか。
★★ 基本 V1 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
リスクコミュニケーション
科学技術の進歩に伴う不確実なリスクに対しては、専門家による客観的な分析(リスク評価)や、それに基づく政策決定(リスク管理)だけでは不十分であり、市民やメディアを含む多様な関係者が双方向で情報や意見を交換し、相互理解を深めるプロセスが重要視される。これにより、社会的な合意形成や信頼関係の構築が図られる。
センター試験(2015年)類似

ソーシャルメディアの利用目的

Q118 現代の情報社会において、個人が情報を発信し、相互にやり取りできるソーシャルメディアが広く普及している。このメディアの年齢層別の利用目的を調査したデータによると、すべての年齢層において「同じ趣味・嗜好をもつ人を探したり交流関係を広げるため」とする割合よりも、「従来からの知人とのコミュニケーションのため」とする割合の方が大きい。このような、インターネット上で登録メンバー同士が交流を深めることができるコミュニティ型のWebサービスを何というか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ソーシャル・ネットワーキング・サービス
ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)は、インターネット上で社会的ネットワークを構築するサービスである。総務省の調査などによると、年齢層別の利用目的において、「同じ趣味・嗜好をもつ人を探したり交流関係を広げるため」という新たな関係構築を目的とする割合は、すべての年齢層において「従来からの知人とのコミュニケーションのため」という既存の関係維持を目的とする割合を下回っている。このことから、日本の利用においては、未知の他者との交流よりも、既知の知人との連絡手段としての役割が重視されている傾向が読み取れる。
センター試験(2006年)類似

ルソーの青年期論

Q119 青年期を「第二の誕生」と位置づけ、「私たちは、いわば二度生まれる。一度目は生存するために、二度目は生活するために」という一節が記されている、フランスの思想家ルソーが著した教育論の古典は何か。
★★ 基本 V2 (具体例) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
エミール
フランスの思想家ルソーが著した『エミール』は、主人公エミールの成長を描いた教育論の古典である。その中でルソーは、青年期を「第二の誕生」と呼び、「私たちは、いわば二度生まれる。一度目は生存するために、二度目は生活するために」と述べ、青年期における精神的・社会的な自己の誕生の重要性を説いた。
センター試験(2017年)類似

ボーヴォワールのジェンダー論

Q120 「人は女に生まれるのではない、女になるのだ」という有名な一節を含み、男性を主体(自己)とし、女性を客体(他者)として位置づける社会構造を批判することで、近代以降のフェミニズム運動やジェンダー研究の出発点となった、フランスの女性思想家による著書は何か。
★★ 基本 V2 (具体例) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
第二の性
ボーヴォワールによって1949年に発表されたこの著作は、実存主義の立場から女性の状況を分析したものである。男性中心主義的な社会において、女性が本質的な存在ではなく「他者」として構築されていることを明らかにし、女性の自己実現と解放を訴えた。
センター試験(2011年)類似

接近-接近の葛藤

Q121 青年期における葛藤(コンフリクト)の具体例として、「条件の良い企業の採用面接と、本当に挑戦したかった劇団のオーディションが同日同時間帯に重なってしまい、どちらか一方しか選べない状況」のように、魅力的な二つの選択肢のどちらも選びたいが、同時に選択できないために生じる葛藤を何というか。
★★ 基本 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
接近-接近の葛藤
レヴィンが提唱した葛藤の類型において、プラスの価値を持つ二つの対象(接近したい対象)が同時に現れ、その両方を選択することが不可能な場合に生じる葛藤である。これに対し、マイナスの価値を持つ二つの対象からどちらかを選ばなければならない状況は「回避-回避の葛藤」、一つの対象に対してプラスとマイナスの両方の感情を抱く状況は「接近-回避の葛藤」と呼ばれる。
共通テスト(2025年)類似

キテイの依存労働

Q122 現代のケアの倫理において、育児や介護のように、社会的に弱い立場にある他者の生存や生活を維持するための労働を指す言葉であり、援助を求められた際にそれを拒むことが極めて難しいという、ケアする側とされる側の非対称的な関係性を伴うものを何というか。
★★★ 標準 V2 (具体例) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
依存労働
アメリカの哲学者キテイが提唱した概念である。自立できない他者を支えるこの営みは、対等な個人間の契約に基づく労働とは異なり、要請を拒むことが困難な非対称的関係において行われる点に特徴がある。
共通テスト(2023年)類似

高齢者の一人暮らしと生きがい感

Q123 近年、日本では単身世帯の増加に伴い、高齢者の一人暮らしが一般化しつつある。内閣府の調査によると、アメリカでは一人暮らしの有無にかかわらず高い割合で生きがい感を持っているのに対し、日本では一人暮らしの高齢者はそれ以外の高齢者に比べて生きがい感を感じている割合が著しく低下する傾向にある。このような、単なる物質的な豊かさや生命の維持にとどまらず、精神的な満足感や生きがい、自己実現などを含めた、個人の生活の価値や満足度を総合的に捉える概念を何というか、アルファベット3文字で答えよ。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
QOL
高齢者の一人暮らしにおける生きがい感の低下は、精神的な満足度や自己実現の度合いを示すQOL(Quality of Life:生活の質)の維持・向上が現代社会の重要な課題であることを示している。QOLは、医療や福祉の分野において、単に生命を維持する(SOL:生命の尊厳)だけでなく、患者や高齢者が人間らしく満足のいく生活を送れているかを評価する指標として重視される。
共通テスト(2023年)類似

孤立と孤独の区別

Q124 現代社会において、他者とのつながりを失い、自ら望まずに社会から取り残される「孤立」は、人間の尊厳を脅かす問題として対策が求められている。一方で、自ら望んで社会から一歩引き、自己と向き合って思考を深める「孤独」は、個人の自律や精神的成長にとって有意義な営みとされる。しかし、現代の大衆社会では、他者の動向に過剰に同調しながらも、内面では他者と深く結びつけずに精神的な取り残され感を抱く人々がみられる。このような、他者の期待や行動を基準に行動する「他人指向型」の人間が、内面的な寂しさを抱える状況を「孤独な群衆」と評したアメリカの社会学者は誰か。
★★★ 標準 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
リースマン
現代社会における「孤立」と「孤独」は区別されるべき概念である。自ら望まずに社会から排除される「孤立」が問題視される一方で、自己と向き合う「孤独」は精神的自律に不可欠とされる。アメリカの社会学者リースマンは、著書『孤独な群衆』において、現代の大衆社会を生きる人々が、他者の動向や期待に過剰に同調する「他人指向型(他人決定型)」の特徴を持ちながらも、内面では他者との深い結びつきを欠いて精神的な孤立感を深めている状況を鋭く分析した。
センター試験(2011年)類似

自己実現

Q125 アメリカの心理学者マズローは、人間の欲求を階層的に捉えた。このうち、生理的欲求や安全の欲求などが満たされた先に現れる、自己の持つ潜在的な可能性や能力を最大限に開発・発揮し、自分がなり得る最高の自分になろうとする欲求を何というか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
自己実現
マズローは人間の欲求を5段階の階層として捉え、低次の欲求(生理的欲求、安全の欲求、所属と愛の欲求、承認の欲求)が満たされることで、最上位の欲求である「自己実現の欲求」が現れるとした。これは自らの可能性を最大限に発揮し、創造的な活動や自己の成長を求める欲求である。
共通テスト(2026年)類似

エスノセントリズム

Q126 自らの文化の基準を絶対的なものとし、自分たちの文化が他よりも優れていると考えて他者の文化を評価・判断しようとする態度や心情を何というか。
★★ 基本 V1 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
エスノセントリズム
自分たちの文化が他よりも優れているとみなす態度は、日本語で「自民族中心主義」とも呼ばれる。この態度に陥ると、他文化の独自の価値を理解することが困難になり、偏見や摩擦を生む原因となる。これに対比される概念として、各文化をその文脈において理解しようとする「文化相対主義」がある。

源流思想と宗教(133問)の一問一答問題

共通テスト(2025年)類似

ブッダの執着と憂いに関する思想

Q1 初期仏教において、人生の苦しみの原因が執着(渇愛)にあり、その執着を断ち切ることで苦しみを滅した境地に至ることができるという、ブッダが説いた4つの真理を総称して何というか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
四諦
ブッダは、人生の真理を4つのステップで捉える「四諦(苦諦・集諦・滅諦・道諦)」を説いた。このうち、苦しみの原因が執着(渇愛)にあるとする真理を「集諦」、執着を滅ぼすことで苦しみのない境地(涅槃)に至るという真理を「滅諦」と呼び、これらはブッダの執着と憂いに関する思想の根幹をなしている。
センター試験(2012年)類似

ソクラテスの問答法

Q2 ソクラテスは、デルフォイの神託「ソクラテス以上の知者はいない」の真意を確かめるため、知者と評判の人々と対話を行った。その結果、彼らは善美の事柄について何も知らないのに知っていると思い込んでいるのに対し、自分は「知らないということを自覚している」という点で彼らよりわずかに優れていると確信した。この、自らの無知を自覚している状態を指す概念は何か。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
無知の知
ソクラテスは、神託の真意を探る中で、人々が実際には知らないことを知っていると思い込んでいるのに対し、自分は知らないということを自覚しているという点において、他者よりも知恵があると考えた。この自覚を「無知の知(不知の自覚)」と呼ぶ。
共通テスト(2024年)類似

韓非子の法治主義

Q3 儒家の荀子から学び、人間の本性を悪とする見方を受け継ぎながらも、道徳や礼による教化を否定し、君主が「二柄」と呼ばれる褒賞と刑罰の権限を握って客観的なルールにより臣下や人民を統制すべきだと説いた、中国戦国時代の思想家は誰か。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
韓非子
荀子の性悪説の影響を受け、人間の利己的な本性を前提として、道徳ではなく客観的な法律(法)と君主の統治技術(術)、権力(勢)による統治を主張した。この思想は秦の始皇帝による天下統一の理論的支柱となった。
共通テスト(2025年)類似

プラトンの美とエロース

Q4 師であるソクラテスの死をきっかけに、現実の民主政に絶望し、感覚を超えた永遠不変の真理の領域を想定した。そして、現実世界の美しいものに憧れる知的・精神的な衝動を通じて、究極の「美そのもの」を認識することを目指す思想を展開した人物は誰か。
★★ 基本 背景・理由 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
プラトン
ソクラテスの刑死に衝撃を受けたこの哲学者は、不完全な現実世界(現象界)を超えた、永遠不変の真理の領域であるイデア界を想定した。そして、現実の美しいものへの憧れ(エロース)を媒介として、魂がイデアを想起し、認識へと向かうプロセスを説いた。
共通テスト(2024年)類似

ソフィストの弁論術

Q5 古代ギリシアのアテネにおいて、民主政の発展に伴い、民会や法廷で自らの主張を通すための技術が重視されるようになった。ソフィストと呼ばれる職業教師たちが、客観的な真理の探究ではなく、個々の状況に応じて聴衆を説得し議論に勝利することを目的に市民へ教えた、この知識や技術を何というか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
弁論術
アテネの民主政下では、市民が政治や裁判に直接参加したため、人々の前で自らの意見を述べ、説得する技術が極めて重要であった。ソフィストたちは、このような社会的要請に応えて、議論に勝つための技術を教えた。これは客観的な真理を追究する哲学とは異なり、主観的な説得力を重視するものであった。
センター試験(2019年)類似

先哲における癒しと共同体・自然との調和

Q6 キリスト教の隣人愛の精神に基づき、アフリカでの医療奉仕活動に従事する中で、人間だけでなく生きているすべてのものに対する「生命への畏敬」を倫理の根本思想として提唱し、自然や他者との調和ある共生を説いた思想家は誰か。
★★ 基本 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
シュバイツァー
キリスト教の隣人愛をすべての生命へと拡張し、自己の生命を肯定すると同時に、他者や自然界のあらゆる生命を等しく敬い、助け合う「生命への畏敬」を唱えた。これは、人間が自然という大きな全体の一部として調和して生き、他者との絆を回復・構築することによって、生や病の苦しみを乗り越えるという癒しの思想を実践的に示したものである。
共通テスト(2024年)類似

ムハンマドへの啓示

Q7 7世紀初め、メッカ近郊の洞窟で瞑想していた人物が、天使を通じて唯一神の言葉を授かったとされる。このとき授けられた啓示をアラビア語で記録した、イスラームにおいて最高の権威をもつ聖典を何というか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
クルアーン
イスラームにおいて、預言者ムハンマドが天使ガブリエルを介して授かった唯一神アッラーの啓示(神の言葉)をまとめた聖典はクルアーン(コーラン)である。クルアーンは神の言葉そのものであるため、他言語への翻訳は認められず、アラビア語のまま読誦される。預言者の言行録であるハディースや、それらに基づく慣行であるスンナとは区別される。
センター試験(2015年)類似

クルアーンとシャリーア

Q8 イスラーム教では、神と信徒を仲介する聖職者制度が存在せず、すべての信徒が平等に規律を実践することが求められる。この万民平等の原則のもと、聖典を根本典拠として、信徒の信仰生活から社会生活全般に至るまでを包括的に律するイスラーム法を何というか。
★★ 基本 V1 (基礎) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
シャリーア
イスラーム教にはキリスト教のような聖職者制度がなく、神の前ではすべての信徒が平等であるとされる。そのため、特定の特権階級ではなく全信徒が等しく、聖典クルアーン(コーラン)などを根拠とするイスラーム法(シャリーア)に従って日常生活や社会活動を行う。これにより、宗教生活と世俗生活が一体となった社会秩序が形成されている。
センター試験(2015年)類似

ユダヤ教の契約思想

Q9 唯一神ヤハウェを信仰し、神から与えられた聖なる規範を遵守することで救済されるという思想をもつ、古代のイスラエル人によって形成された民族宗教を何というか。
★ やさしい V2 (具体例) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ユダヤ教
古代のイスラエル人の間で形成された一神教はユダヤ教である。ユダヤ教では、唯一神ヤハウェが与えた律法を守ることで、神から救いと繁栄が約束されるという契約思想が中心的な教義となっている。
共通テスト(2022年)類似

孔子の克己復礼

Q10 中国の春秋時代に活躍した思想家は、身勝手な欲望を抑えて社会規範に従うことによって、内面的な道徳である「仁」が実現されると説いた。この、自己を克服して社会規範に立ち返ることを表す思想を何というか。
★★ 基本 V1 (基礎) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
克己復礼
孔子は、内面的な愛の徳である「仁」を重視し、それを社会的に表現した外的な規範を「礼」とした。自らの利己的な欲望を抑えてこの「礼」に従うこと(克己復礼)によって、道徳的完成である「仁」が実現されると考えた。
センター試験(2017年)類似

イスラーム教におけるイエスとムハンマドの位置づけ

Q11 イスラーム教における他宗教の先達に対する位置づけに関する説明文として、空欄( )に入る人物として最も適当なものを、選べ。 イスラーム教は、ユダヤ教やキリスト教と同じ一神教の伝統に立ち、それらの宗教の聖典や人物を尊重する。特に、キリスト教において神の子として信仰される( )について、イスラーム教では神の子であることを否定し、ムハンマドに先行する重要な預言者(人間)の一人として位置づけている。
★★★ 標準 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
イエス
イスラーム教では、キリスト教において神の子とされるイエスを、神の子ではなく、ムハンマドに先立つ重要な預言者(人間)の一人として位置づける。イスラーム教はユダヤ教やキリスト教の啓示の歴史を受け継ぎつつ、ムハンマドを最後の預言者として位置づけるため、先行する預言者たちの存在を認めている。
センター試験(2017年)類似

アウグスティヌスの恩寵説と教会観

Q12 ローマ帝国の衰退期において、異教徒からの「キリスト教の国教化が帝国の混乱を招いた」という非難に対し、歴史を神を愛する人々の集まりと自己を愛する人々の集まりの闘争として描き、キリスト教を擁護した、教父アウグスティヌスの主著は何か。
★★★ 標準 V1 (基礎) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
『神の国』
アウグスティヌスは、西ゴート族によるローマ略奪を契機に高まった異教徒からの非難に対し、キリスト教を擁護するために本書を執筆した。彼は歴史を「神の国(天上の国)」と「地上の国」の対立と発展のプロセスとして捉え、最終的には神の国が勝利すると説いた。
共通テスト(2025年)類似

マザー・テレサの奉仕活動

Q13 キリスト教の教えに基づき、インドのカルカッタ(現コルカタ)で「死を待つ人々の家」などの施設を設立し、病者や孤児など、社会から見捨てられた人々に寄り添う無私の奉仕活動に生涯を捧げ、1979年にノーベル平和賞を受賞した修道女は誰か。
★★ 基本 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
マザー・テレサ
キリスト教の隣人愛の精神を実践に移し、インドのカルカッタで最も貧しい人々や病者のために尽くした人物である。彼女の活動は国境や宗教を超えて高く評価され、ノーベル平和賞が授与された。
共通テスト(2023年)類似

魂の三分説

Q14 人間の魂を理性・気概・欲望の三つの部分に分け、理性が他の部分を統御して調和が保たれるときに「正義」の徳が実現すると説き、この個人の魂のあり方を国家の階級構成(統治者・防衛者・生産者)にも適用して理想国家のあり方を構想した古代ギリシアの哲学者は誰か。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
プラトン
人間の行為を導く魂を、頭部に宿る理性、胸部に宿る気概、腹部に宿る欲望の三つの部分に分ける「魂の三分説」を唱えた。理性が気概の助けを借りて欲望をコントロールし、魂全体に調和がもたらされるとき、個人における正義の徳が実現するとした。この個人の魂のあり方を、統治者・防衛者・生産者という国家の三つの階級に適用し、知恵を持つ哲学者が統治する「哲人政治」を理想とした。
センター試験(2005年)類似

五倫

Q15 儒学において、人間関係を律する基本的な五つの道徳規範を指す言葉は何か。これらは、父子には親しみ、君臣には道義、夫婦には役割の区別、長幼には順序、朋友には信頼があるべきだとする教えから構成されている。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
五倫
儒学では、社会や家族の秩序を維持するために守るべき人間関係の基本として、父子の親、君臣の義、夫婦の別、長幼の序、朋友の信の五つを定めており、これを「五倫」と呼ぶ。これらはそれぞれの関係において発揮されるべき固有の徳目を示している。
センター試験(2018年)類似

喜捨

Q16 イスラーム教において、信仰告白や礼拝などと並び、信徒が果たすべき「五行」と呼ばれる義務の一つであり、富者が貧困層の救済などのために自らの財産の一部を拠出する義務的な施しを、アラビア語で何と呼ぶか。
★★ 基本 V1 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ザカート
イスラーム教では、信徒が果たすべき基本的な義務として「五行」が定められている。その中の一つであるザカート(喜捨)は、富裕な信徒が貧しい人々を助けるために、自らの財産から一定割合を拠出する義務的な施しである。これは単なる個人の慈善活動にとどまらず、社会的な相互扶助の仕組みとして制度化されている。
共通テスト(2025年)類似

老子の美醜の逆説

Q17 「天下みな美の美たるを知る、これ悪(醜)のみ」という言葉に代表されるように、人々がある特定の価値を美しいと認識することは、同時にそれ以外のものを醜いと規定することになり、美と醜は互いに対立しながら依存し合う相対的な関係にあると説き、人為的な価値判断を批判した中国古代の思想家は誰か。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
老子
世間の人々が一方的にあるものを美しいと崇めることで、必然的に他方を醜いとする差別や偏見が生まれると指摘した。美と醜は固定された絶対的な価値ではなく、互いに対立しながら依存し合う逆説的な関係にあるとし、人為的な価値判断を批判して「無為自然」を説いた。
センター試験(2019年)類似

イエスの律法批判と隣人愛

Q18 ユダヤ教において一切の労働が禁じられている聖なる日であり、イエスがその形式的な遵守を批判し、病人を救う行為などを通じて律法の本来の精神である愛を実践すべきだと主張した対象となった日を何というか。
★★ 基本 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
安息日
ユダヤ教では十戒に基づき、週の第7日を労働を休む聖なる日として厳格に定めていた。しかし、イエスは病人の治療すら禁じるような形式的な解釈を批判し、この日に善を行うことの正当性を訴え、律法は人間の救いのためにあるべきだと主張した。
共通テスト(2024年)類似

墨子の兼愛

Q19 儒教が説く家族愛的な「仁」を、身内を優先して他者を差別する偏った愛であると批判し、自他を区別せずにすべての人々を等しく愛する思想や、武力による侵略戦争を否定する非攻の思想を唱えた、春秋戦国時代の思想家は誰か。
★★ 基本 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
墨子
儒教の家族愛的な「仁」を、身内に偏った「別愛」であると批判し、すべての他者を区別なく愛する「兼愛」や、非戦・平和を訴える「非攻」を説いたのは墨子である。
共通テスト(2022年)類似

旧約聖書の呼称の歴史的背景

Q20 キリスト教において、イエスによる新しい神との約束に対して、それ以前のモーセの律法などに代表される古い約束を意味する言葉で呼ばれ、他宗教の聖典でもある書物の、キリスト教における呼称として最も適当なものを答えよ。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
旧約聖書
キリスト教徒は、イエス・キリストを介した神との新たな合意を「新約」と捉え、それに対してモーセの十戒などに代表される従来の合意を「古い契約」と位置づけた。この歴史的背景から、他宗教の聖典がキリスト教側においてこのように呼称されるようになった。したがって、その宗教の信徒自身が自らの聖典をこの名で呼ぶことはない。
センター試験(2014年)類似

荘子の万物斉同

Q21 中国古代の思想において、人為的な道徳を重視する儒家への批判から生まれた考え方がある。この思想では、人間が設けた善悪や美醜、大小などの区別は絶対的なものではなく相対的なものにすぎないとされ、一切の対立や差別を超えてすべての存在を等しいものとみなす境地が理想とされた。この荘子が説いた思想を何というか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
万物斉同
人間が人為的に作り出した道徳的な判断や、美醜・大小などの区別は相対的なものにすぎず、それらに囚われずに自然のありのままを受け入れることを説く思想である。荘子は、親への孝や兄への悌といった人為的な道徳を重視する儒家を批判し、すべての存在を差別なく同一のものとして観照するこの境地を理想とした。
共通テスト(2021年)類似

イスラームの経済活動とシャリーア

Q22 イスラームにおいて、聖典である『クルアーン』や預言者ムハンマドの慣行(スンナ)などを法源とし、信仰生活から社会秩序、経済活動における利子の禁止に至るまでを規定する、ムスリムが従うべき法体系を何というか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
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✅ 正解
シャリーア
イスラームにおける法体系はシャリーア(イスラーム法)と呼ばれる。これは神の啓示である『クルアーン』や、預言者ムハンマドの言行・慣行である「スンナ」などを基礎として体系化されたものであり、信仰のあり方だけでなく、利子の禁止といった経済活動を含む社会生活全般を規律している。
共通テスト(2021年)類似

初期キリスト教団の形成

Q23 初期の教団を形成した弟子たちは、十字架刑に処されたイエスが死の後に蘇ったという出来事を信じた。彼らがイエスに対して抱いた、ヘブライ語の「メシア(救世主)」のギリシア語訳にあたる、油を注がれた者という意味の称号は何か。
★★ 基本 具体例 正答率 —
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✅ 正解
キリスト
イエスの死後、弟子たちはイエスの復活を確信し、彼を救世主と仰いで初期の教団を形成した。ヘブライ語で「油を注がれた者」を意味する「メシア(救世主)」は、ギリシア語で「キリスト」と訳され、イエスに対する尊称となった。これがのちにキリスト教という宗教の名称の由来となった。
センター試験(2017年)類似

アウグスティヌスの神・教会観

Q24 古代キリスト教の教父アウグスティヌスは、人間はアダム以来の原罪を背負っているため、自らの意志や善行によって救われることはなく、ただ神から一方的に与えられる無償の愛によってのみ救われると説いた。この無償の愛を指すキリスト教思想上の言葉は何か。
★★ 基本 V1 (基礎) 正答率 —
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✅ 正解
神の恩寵
アウグスティヌスは、人間の自由意志や善行による救済を主張するペラギウス派を異端として退け、人間は原罪ゆえに自力では救われず、ただ神の無償の愛(恩寵)によってのみ救済されるという恩寵論を唱えた。
共通テスト(2023年)類似

大乗仏教の利他行

Q25 すべての生きとし生けるものの救済を目指す仏教の潮流において、自己の悟りを開くだけでなく、布施などの修行を通じて他者の救済(利他)に尽くす、理想的な修行者像を何というか。
★★ 基本 具体例 正答率 —
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✅ 正解
菩薩
自らの悟りを求める「自利」と、他者を救済する「利他」を一体のものとして実践する存在である。大乗仏教において、出家・在家を問わず、すべての信者が目指すべき理想像とされた。
共通テスト(2024年)類似

アウグスティヌスの神の国と地上の国

Q26 ローマ帝国の衰退期に、キリスト教に対する批判へ反論する形で著され、自己を忘れるほどの神への愛に満ちた永遠の共同体と、神を忘れるほどの自己愛に満ちた地上の共同体との対立と葛藤を通じて歴史が展開するという、キリスト教的な歴史哲学が展開された、教父アウグスティヌスの代表的な著作は何か。
★★ 基本 V1 正答率 —
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✅ 正解
神の国
ゲルマン人のローマ侵入を契機に高まったキリスト教への批判に対し、アウグスティヌスが執筆した弁証書である。本書において彼は、神への愛に基づく「神の国」と、自己愛に基づく「地上の国」を対比させ、歴史はこれら二つの国の闘争の歴史であり、最終的には神の国が勝利するというキリスト教的歴史観(歴史哲学)を提示した。
センター試験(2008年)類似

旧約聖書における神との契約

Q27 古代ヘブライ人が唯一の創造主として崇拝し、モーセを通じて十戒などの律法を授け、自らの民族との間に守るべき約束を結んだとされる絶対神の呼称は何か。
★ やさしい 基礎 正答率 —
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✅ 正解
ヤハウェ
ヘブライ人(ユダヤ人)の信仰する唯一神であり、彼らと「契約」を結び、その戒律を守ることを求めた。この神は偶像崇拝を厳しく禁じ、歴史を支配する絶対的な存在として捉えられた。この唯一神信仰は、のちのキリスト教やイスラームにおける神観の源流となった。
共通テスト(2025年)類似

イスラームにおける「啓典の民」との共存

Q28 イスラーム社会において、ユダヤ教徒やキリスト教徒は、独自の宗教伝統や共同体を維持して共存することが認められていた。彼らが信仰の自由や生命・財産の安全を保障される代償として、イスラーム国家に対して支払うことが義務づけられた人頭税を何というか。
★★ 基本 V2 (具体例) 正答率 —
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✅ 正解
ジズヤ
イスラーム国家の支配下に入った非ムスリム(主にユダヤ教徒やキリスト教徒などの啓典の民)は、生命や財産の安全、信仰の自由を保障される代わりに、人頭税であるジズヤを支払う義務を負った。これにより、イスラーム社会における他宗教との緩やかな共存体制が維持された。
センター試験(2016年)類似

キケロの自然法思想

Q29 「国家の最高法は、人間の合意や多数決によって作られるものではなく、宇宙を支配する理性に基づかなければならない。この理性に従って定められた法こそが、善悪や正邪を正しく区別する基準となる。」と主張し、のちの法思想に大きな影響を与えた、共和政ローマ末期の政治家・哲学者は誰か。
★★ 基本 V2 (具体例) 正答率 —
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✅ 正解
キケロ
宇宙を貫く理性(ロゴス)としての自然の理法に基づき、人間の制定する法律は「自然」を模範として定められるべきであると主張した。彼は、自然に従って定められた法こそが、人間の主観や合意に左右されず、善悪や正邪を誤りなく区別する基準となると説いた。
共通テスト(2024年)類似

ブッダの涅槃の比喩

Q30 初期仏教の最古の経典の一つとされる『スッタニパータ』において、ゴータマ=シッダールタは、老いや死という恐ろしい激流(輪廻)に打ちひしがれる人々に対し、執着や所有をなくした安らぎの境地を、激流から身を守る安全な「洲(中州)」に例えて説明した。この、煩悩の吹き消された安らぎの境地を指す、仏教における究極の理想を何というか。
★★ 基本 V1 正答率 —
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✅ 正解
涅槃
初期仏教において、生老病死の苦しみが渦巻く輪廻の激流の中で、執着を捨て去った「無所有・無執着」の境地は「涅槃(ニルヴァーナ)」と呼ばれる。ブッダはこれを、激流の中に浮かぶ安全な陸地である「洲」に例えて、身近なイメージで人々に教えを説いた。なお、涅槃は煩悩の火が吹き消された状態を意味し、ウパニシャッド哲学における「梵我一如」などの境地とは区別される。
センター試験(2012年)類似

老子の無為自然

Q31 春秋戦国時代の混乱期において、儒家が説く仁義などの人為的な道徳や制度こそが社会の虚偽や争いを生む原因であると批判し、作為を捨てて自然のあり方に従い、欲望を抑えて素朴な生活を送ることを説いた、道家の祖とされる思想家は誰か。
★ やさしい 基礎 正答率 —
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✅ 正解
老子
儒家の人為的な道徳を排し、あるがままの素朴な生活を理想とする「無為自然」を唱えた。また、国家の理想像として、国が小さく民が少ない「小国寡民」を提示したことで知られる。
センター試験(2020年)類似

孟子の王道政治と易姓革命

Q32 中国の戦国時代の儒家が主張した政治観で、武力や法による強制力(覇道)に頼るのではなく、君主が仁義の徳をもって民衆を感化し、自発的な従属を促す理想的な統治のあり方を何というか。
★★★ 標準 V2 (具体例) 正答率 —
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✅ 正解
王道政治
孟子は、力による支配である「覇道」を批判し、徳治主義に基づくこの政治観を唱えた。民衆の支持を得られない君主は天命を失うという易姓革命の思想とも深く結びついている。
センター試験(2017年)類似

プロティノスの新プラトン主義

Q33 3世紀に展開されたある思想は、プラトンのイデア論を継承しつつ、万物の根源である「一者」からすべてが流出するという独自の宇宙観を展開した。のちにキリスト教の教父アウグスティヌスらに受容され、キリスト教神学の理論的基礎となった、プロティノスを祖とするこの思想の名称として最も適当なものは何か。
★★ 基本 V2 正答率 —
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✅ 正解
新プラトン主義
プロティノスが創始した思想は新プラトン主義(ネオ・プラトニズム)と呼ばれる。プラトンの哲学を神秘主義的に再解釈し、万物の根源である「一者」から知性、魂、そして物質世界が段階的に流出するという流出説を唱えた。この思想は、キリスト教の教義を体系化する教父たちに深く受容された。
共通テスト(2024年)類似

からし種のたとえ

Q34 イエスが新約聖書の中で、最初は極めて小さく目立たない形で始まるが、やがて多くの人々を包み込む大きな救いへと成長する様子を「からし種」にたとえて説明した、神の支配と救いが実現される状態を指す、キリスト教思想における中心的な概念は何か。
★★ 基本 V1 (基礎) 正答率 —
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✅ 正解
神の国
イエスは、神の愛による支配が実現する「神の国」が近づいたと宣教した。彼はその目立たない始まりと大いなる完成(福音)を、極めて小さな「からし種」が成長して鳥が巣を作るほどの大木になる様子にたとえて表現した。
センター試験(2005年)類似

信仰義認

Q35 ユダヤ教のファリサイ派に属していたが、復活したイエスとの出会いを契機に回心し、異邦人への伝道に生涯を捧げた人物は誰か。彼は、人間は律法の行いではなく、イエス=キリストによる贖罪を信じることによってのみ神から義と認められ救済されるという思想を唱え、キリスト教の世界宗教化に決定的な役割を果たした。
★★ 基本 V2 正答率 —
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✅ 正解
パウロ
パウロは当初、キリスト教徒を迫害する立場にあったが、ダマスコへの途上で復活したイエスの声を聞いて回心した。彼は、人間は律法の遵守という自己の行いによってではなく、キリストの贖罪を信じることによってのみ救われると説き、ユダヤ人以外の異邦人に対しても広く伝道を行った。
センター試験(2012年)類似

竜樹の空の思想

Q36 2〜3世紀のインドの仏教思想家で、すべての存在は相互に依存し合って成り立っており、それ自体で独立して存在する固定的な実体(自性)をもたないという思想を論理的に体系化し、大乗仏教の基礎を築いた人物は誰か。
★★ 基本 V1 (基礎) 正答率 —
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✅ 正解
竜樹
すべての存在は相互に依存し合って成り立っている(縁起)ため、それ自体で独立して存在する固定的な実体(自性)はないという「空」の思想を論理的に体系化したのは、2〜3世紀の大乗仏教の思想家である竜樹(ナーガールジュナ)である。彼は『中論』などを著し、のちの中観派の祖となった。
共通テスト(2021年)類似

ペテロ

Q37 イエスが十字架刑に処された後、その弟子たちは一時散り散りになったが、やがてイエスが死後に甦ったという体験・信仰を得るに至った。この信仰に基づき、イエスを救世主(キリスト)と告白する最初の教団をエルサレムに形成し、初期の伝道活動を主導した、イエスの筆頭弟子とされる人物は誰か。
★★ 基本 V1 (基礎) 正答率 —
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✅ 正解
ペテロ
イエスの死後、その復活を確信した弟子たちはエルサレムに集まり、イエスを救世主(キリスト)と信じる最初の教団を形成した。この教団の形成において中心的な役割を果たし、初代の指導者となったのが、イエスの筆頭弟子であるペテロ(ペトロ)である。彼は後にローマで殉教したと伝えられている。
センター試験(2013年)類似

兼愛交利

Q38 中国の春秋戦国時代において、儒家が重視する親族への愛を差別的なものであると批判し、自他の区別なくすべての人を平等に愛し、互いに利益をもたらし合うべきであるとする思想を唱えた、墨家の始祖となった思想家は誰か。
★★ 基本 基礎 正答率 —
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✅ 正解
墨子
儒家が親への愛(孝)から始まる段階的な愛(別愛)を重視したのに対し、この思想家は自他を区別しない平等な愛(兼愛)と、互いに利益をもたらし合うこと(交利)を説いた。この立場は儒家から親子の秩序を乱すものとして批判された。
センター試験(2008年)類似

ゴータマ・ブッダにおける業と境遇

Q39 初期仏教において、人間の尊さや賤しさは生まれの身分によって決まるのではなく、個人の意志的な行いによって決まるとされた。この、現世および来世での境遇を決定する行為や、その行為が残す影響力を表す仏教用語は何か。
★★ 基本 V1 (基礎) 正答率 —
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✅ 正解
ブッダは、カースト制度のような生まれによる身分差別を否定し、人間の価値を決定するのはその人の行為であると説いた。この行為やそれによって蓄積される潜在的な力を「業(カルマ)」と呼び、これが現世での評価だけでなく、来世における境遇をも決定すると考えた。
センター試験(2015年)類似

十戒

Q40 旧約聖書の「出エジプト記」において、預言者モーセがシナイ山で神から授かったとされる、唯一神への信仰や偶像崇拝の禁止、殺人・姦淫・盗みの禁止などを定めた、ユダヤ教およびキリスト教の根本的な戒律を何というか。
★★ 基本 V1 (基礎) 正答率 —
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✅ 正解
十戒
旧約聖書の「出エジプト記」に記されている、神が預言者モーセに授けたとされる10の戒律。神への忠誠や偶像崇拝の禁止、殺人や盗みの禁止など、ユダヤ教およびキリスト教における道徳の根本的な規範である。新約聖書におけるイエスの「山上の説教」などと比較される。
センター試験(2019年)類似

荘子の心斎坐忘と逍遥遊

Q41 中国の春秋戦国時代において、人為を排して天地自然の根源である「道(タオ)」に従って生きることを説いた思想家のうち、自己の身体や知性を忘れ去って自然と一体化する「坐忘」などの修養を通じて、何ものにも束縛されない絶対的な精神の自由な境地(逍遥遊)に至ることを理想とした人物は誰か。
★★ 基本 基礎 正答率 —
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✅ 正解
荘子
儒家の人為的な道徳を批判し、無為自然を説いた道家の代表的な思想家である。彼は、自己の心身への執着や知的な分別を捨て去って天地自然のあり方(道)と一体化する「心斎坐忘」を説き、あらゆる束縛から解放された絶対的な精神の自由な境地である「逍遥遊」を理想とした。
共通テスト(2022年)類似

ブッダの論争否定と執着の克服

Q42 古代インドにおいて、自説への固執や他者との議論が勝利への驕りや敗北による落胆を生み、自己の心を害すると考えて論争を避けることを説き、自己や事物への執着を克服することによってのみ真の心の平穏が得られると主張した、仏教の開祖は誰か。
★★ 基本 具体例 正答率 —
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✅ 正解
ゴータマ=シッダールタ
彼は、他者との論争が自己の教えへの固執や他者からの称賛への渇望を生み出し、かえって心を乱す原因になると考えた。そのため、不毛な論争を避け、苦しみの根本原因である自己への執着を克服することに専念すべきだと説いた。
センター試験(2005年)類似

信仰義認

Q43 初期のキリスト教において、異邦人への伝道に尽力した人物は、人間は厳格な律法の遵守(行い)によって救われるのではなく、イエス=キリストの十字架による贖罪を信じることによってのみ、神から義と認められて救済されると説いた。この思想を何と呼ぶか。
★★ 基本 V1 正答率 —
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✅ 正解
信仰義認
パウロは、ユダヤ教の厳格な律法主義を批判し、人間は自らの力(律法の行い)によって義とされるのではなく、イエスの十字架の死による贖罪を信じることによってのみ、神から義と認められ救済されると主張した。この思想は、後にルターなどの宗教改革者にも大きな影響を与えた。
センター試験(2004年)類似

テオリア

Q44 アリストテレスは『ニコマコス倫理学』において、人間の魂の働きを分析し、知性的徳の最高のものとして、事物の根本原理を直観的に把握する理性の働きを挙げた。人間にとって最高の幸福をもたらす、この真理を純粋に観照する理性の働きを何というか。
★★ 基本 V1 (基礎) 正答率 —
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✅ 正解
テオリア
アリストテレスは、人間にとっての最高善(幸福)は、人間固有の機能である理性を十分に発揮することにあると考えた。彼は、事物の根本原理を直観的に把握する理性の働きを重視し、この理性を用いて真理を純粋に観照する生活(観照生活)を最高の幸福と位置づけた。この観照の働きをテオリアと呼ぶ。
センター試験(2015年)類似

先哲における言葉と真理の探究

Q45 真理そのものを言葉で完全に表現することには限界があると考え、書かれた文字による教えよりも、生きた人間同士の共同の探究を重視した古代ギリシアの哲学者は誰か。彼は、師の対話の姿勢を継承し、魂と魂の触れ合いを通じて真理(イデア)を想起することを目指した。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
プラトン
プラトンは、真理(イデア)を言葉で固定化して記述することの限界を意識し、著書『第七書簡』などでも文字による伝達の不完全さを指摘している。しかし、言葉を否定するのではなく、他者との生きた対話(ディアロゴス)を通じて、魂の中に真理の光を点火させる共同の探究を重視した。これは、師であるソクラテスの対話の精神を継承・発展させたものである。
センター試験(2004年)類似

ストア派のゼノン

Q46 ヘレニズム期に興ったストア派の創始者であり、人間の理性を妨げる情念を克服し、外部の何ものにも煩わされない魂の状態であるアパテイアを善と捉え、「自然に従って生きる」ことを理想としたギリシアの思想家は誰か。
★★ 基本 V1 (基礎) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ゼノン
ヘレニズム哲学において、ストア派を創始したゼノンは、宇宙を支配する理性(ロゴス)と人間の理性を同一視し、情念(パトス)に支配されない不動の心(アパテイア)を魂の理想的な状態とした。この立場から、自然の理法(ロゴス)に合致して生きる「自然に従って生きる」ことを説いた。
センター試験(2020年)類似

イスラーム教の五行

Q47 イスラーム教において、信徒が日常生活や生涯を通じて果たすべきとされる5つの実践的義務の総称を何というか。これらには、ラマダーン月における日中の飲食の制限や、聖地メッカへの赴きなどが含まれており、信ずべき6つの対象と対比される。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
五行
イスラーム教徒が実践すべき5つの義務は「五行」と呼ばれる。具体的には、信仰告白(シャハーダ)、礼拝(サラート)、喜捨(ザカート)、断食(サウム)、巡礼(ハッジ)からなる。これらは、神や天使、啓典、預言者、来世、天命を信じる「六信」とあわせて、イスラームの信仰の根幹をなす。
共通テスト(2024年)類似

孔子の克己復礼

Q48 儒教の祖は、他者への思いやりである内面的な徳と、社会的な規範である外的な行動様式を深く結び付けた。自らの私欲に打ち勝ち、この社会的な規範に従うことを何と呼ぶか。
★★ 基本 V1 (基礎) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
克己復礼
儒教の祖である孔子は、内面的な愛や思いやりである「仁」と、それを社会的に表現する客観的な行動規範である「礼」を重視した。自らの私的な欲望を抑え、社会規範である「礼」に立ち返ることを「克己復礼」と呼び、これが「仁」の実践において極めて重要であると説いた。
共通テスト(2021年)類似

慚と愧

Q49 5世紀の仏教思想家ブッダゴーサは、悪行を遠ざける道徳的な恥の感情を二つに大別した。このうち、自らの良心や自己の尊厳に由来し、自分自身に対する省察によって生じる内的な恥を指す言葉として最も適当なものは何か。
★★★ 標準 基礎 正答率 —
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✅ 正解
ブッダゴーサの思想において、道徳的な恥は自己に由来するものと他者に由来するものに区別される。自己の尊厳や内面的な省察に由来し、自らを引き締める内的な恥は「慚」と呼ばれる。これに対して、他者からの非難や世間の目を恐れることに由来する外的な恥は「愧」と呼ばれる。
共通テスト(2023年)類似

朱子の性即理と修養論

Q50 宇宙の根本原理である「理」と、万物を構成する物質的素材である「気」の二元論に基づき、人間の本性は「理」そのものであるとする「性即理」の立場を唱えて、宋代の儒教を大成した思想家は誰か。
★ やさしい V2 (具体例) 正答率 —
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✅ 正解
朱熹
万物の根源である「理」と「気」の関係から宇宙と人間を説明する「理気二元論」を唱え、人間の本性を天理そのものであるとする「性即理」を主張して宋学(朱子学)を大成したのは朱熹(朱子)である。
センター試験(2018年)類似

プラトンと朱熹の欲望観

Q51 魂を「理性」「気概」「欲望」の3つの部分に分け、理性が気概を従えて欲望をコントロールし、それぞれが調和を保つことで「正義」の徳が実現すると説いた、古代ギリシャの哲学者は誰か。
★★ 基本 基礎 正答率 —
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✅ 正解
プラトン
魂の三分説を唱え、理性的部分が気概的部分の協力を得て欲望的部分を支配し、全体として調和が取れている状態を「正義」とした。この思想を説いたのは、ソクラテスの弟子であるプラトンである。
センター試験(2017年)類似

孔子の孝と祭祀観

Q52 春秋時代の中国において、家族道徳である親への思慕や敬愛を道徳の根本とし、さらに祖先を祀る葬儀や祭祀などの伝統的な儀式を重視して、これらを敬意をもって実践すべきだと説いた思想家は誰か。
★★ 基本 基礎 正答率 —
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✅ 正解
孔子
親に対する自然な愛情である「孝」や兄弟の情愛である「悌」を道徳の根本(仁の根元)とし、それを社会的な規範として外面的に整えた「礼」を重視した。祖先への祭祀や葬礼を軽視せず、むしろ敬意をもって行うべき重要な儀礼と位置づけた。
センター試験(2018年)類似

模範による善き生の学習

Q53 自己の欲望に囚われやすい人間の弱さを自覚し、私欲を克服して社会規範にかなった行動をとるなど、理想的な生き方を体現した存在を具体的な模範として倣うことで、善き生き方を学ぼうとする思想がある。このような、儒教において人々が模範とすべき、徳を身につけた理想的な人間像を何というか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
君子
儒教においては、人間は放っておくと欲望に流されやすい弱い存在であると考えられ、自己を修める(修己)ことの重要性が説かれた。その中で、私欲を抑えて礼に復する(克己復礼)など、徳を体現した存在が具体的な模範とされ、人々はその生き方に倣うことで善き生き方を学ぼうとした。これに対し、道家が理想としたのは「真人」や「至人」であり、儒教の作為的な道徳を否定した。
センター試験(2020年)類似

朱子の修己治人

Q54 自己の道徳的修養に努めることが、そのまま家庭を整え、国家を治め、天下を平和にすることにつながるという政治・道徳思想を内包し、のちに日本の江戸幕府において官学として重んじられた儒教の学派は何か。
★★ 基本 V2 (具体例) 正答率 —
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✅ 正解
朱子学
自己の道徳的修養(修己)が天下の平定(治人)につながるという思想は、朱熹が大成した朱子学の根幹をなす政治・道徳観である。この学問は、道徳的秩序を重視する姿勢から、日本の江戸幕府によって官学(公認の学問)として採用され、武士の道徳規範となった。
共通テスト(2025年)類似

荘子の美と自由

Q55 世俗的な美醜や善悪、あるいは生と死といった対立する価値基準はすべて相対的なものにすぎず、自然の観点から見ればあらゆるものは等しく一体であるとする、道家の思想家が説いた考え方を何というか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
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✅ 正解
万物斉同
荘子は、人間が作り出した美醜や善悪などの価値基準は相対的なものにすぎず、絶対的なものではないとした。この立場から、すべての差別や区別を否定し、万物を等しいものとして一体に見る境地を「万物斉同」と呼んだ。
センター試験(2017年)類似

アリストテレスの政治思想

Q56 「人間は本性的にポリス的動物である」と規定し、極端な富裕層と貧困層の対立を避けるために、その中間に位置する層が多数派を占めて国政を担う共和政を、現実的に最も安定した望ましい国制として評価した古代ギリシャの哲学者は誰か。
★★ 基本 V1 (基礎) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
アリストテレス
人間を「ポリス的動物」と規定したアリストテレスは、倫理面において過不足のない「中庸」を重視した。この思想を政治体制にも適用し、極端な貧富の差がない「中産市民」が多数を占めて支配する共和政(ポリティア)を、現実的に最善で安定した国制であると論じた。
センター試験(2009年)類似

調整的正義

Q57 古代ギリシアの哲学者アリストテレスが分類した特殊正義のうち、裁判や取引などにおいて生じた当事者間の不均衡を、罰や補償によって是正し、公平にすることを目的とする正義を何というか。
★★ 基本 V1 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
調整的正義
アリストテレスは、法を守るという広義の「全体的正義」に対し、人々を公平に扱うべき狭義の「特殊正義」を定義した。特殊正義のうち、能力や功績に応じて富や名誉を配分する「配分的正義」に対し、裁判などを通じて加害者に罰を与え、被害者に補償を与えることで不均衡を是正するものを「調整的正義(矯正的正義)」と呼ぶ。
センター試験(2007年)類似

キリスト教の救済観

Q58 ユダヤ教の厳格な律法主義を批判し、神の絶対的な愛と隣人愛を説いた人物である。キリスト教において、人間は神によって創られた被造物であり、自らの力のみでは救われないが、神が人類の罪を贖うために遣わしたこの救世主(メシア)を信じることによって救済されるとされる。この人物は誰か。
★★ 基本 V1 (基礎) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
イエス
ユダヤ教の律法主義を批判し、神の無条件の愛(アガペー)と隣人愛を説いた。キリスト教では、彼は神の子であり、人類の罪を贖うために十字架にかけられた救世主(メシア)であるとされ、彼への信仰を通じて人間は救済されると捉えられている。
共通テスト(2026年)類似

宗教の内面的機能

Q59 16世紀のドイツにおいて、ローマ・カトリック教会の制度的な権威や贖宥状(免罪符)の販売を批判し、人間は善行などの外面的行為ではなく、神の恵みに対する内面的な信仰のみによって義とされるという「信仰義認説」を唱えて宗教改革を開始した人物は誰か。
★★ 基本 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ルター
ローマ・カトリック教会が提示する贖宥状の購入といった外面的・制度的な行為による救済を否定し、聖書の言葉に基づく個人の内面的な信仰を重視した。この思想は、個人の生き方や価値観に根本的な変革をもたらし、近代的な個人主義の成立にも大きな影響を与えた。
センター試験(2009年)類似

喜捨

Q60 イスラームにおいて、信徒が果たすべき基本的な実践徳目である五行の一つで、自らの財産に応じて貧困層の救済などのために行う義務的な施しを何というか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
喜捨
イスラームにおける五行(信仰告白、礼拝、喜捨、断食、巡礼)の一つ。信徒が自らの財産に応じて行う義務的な施しであり、社会的な弱者や貧困層を救済することを目的としている。これは単なる任意的な慈善活動や為政者への献金ではなく、神に対する義務としての性格を持つ。
センター試験(2008年)類似

四諦

Q61 初期仏教の開祖であるゴータマ・シッダールタは、人生の根本にある「苦」を直視し、その原因を解明して苦しみのない理想の境地へ至るための実践的な教えを説いた。この教えにおいて、苦しみの実相、苦の原因、苦の消滅、および消滅に至る修行方法として体系化された、4つの真理を何というか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
四諦
初期仏教では、現実の人生を思い通りにならない「苦」と捉え、その原因(執着や煩悩)を分析し、苦しみを消滅させた安らぎの境地(涅槃寂静)に至るための実践的な道(八正道)を説いた。この「苦諦・集諦・滅諦・道諦」からなる4つの真理を四諦と呼ぶ。
センター試験(2010年)類似

世界三大宗教のアジアにおける分布

Q62 神の絶対的な愛(アガペー)や隣人愛を説く宗教が、大航海時代以降のスペインによる支配などの歴史的背景を経て受容され、現在も人口の多数派を占めている東南アジアの国として最も適当なものを、次のうちから一つ選べ。
★★ 基本 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
フィリピン
キリスト教は神の愛(アガペー)や隣人愛を教義の根幹とし、大航海時代にスペインの植民地となったフィリピンにおいて広く受容された。現在でも同国では人口の大部分をキリスト教徒(主にカトリック)が占めている。
共通テスト(2025年)類似

エピクロス派の「隠れて生きよ」

Q63 快楽を最高善とするヘレニズム哲学の学派は、政治活動などの公的生活から退き、親しい友人と静かに暮らす「隠れて生きよ」という信条を掲げた。この学派が理想とした、肉体的な苦痛や精神的な煩わしさのない、永続的で静かな心の平安を何と呼ぶか。
★★ 基本 V2 (具体例) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
アタラクシア
エピクロス派は、感覚的な一時的快楽ではなく、苦痛や不安のない永続的な精神の安定を重視した。この魂の平安な状態をアタラクシアと呼び、これを実現するために、政治的な名声や公的生活から離れて「隠れて生きよ」と説いた。なお、ストア派が理想とした情念のない不動の心の状態はアパテイアと呼ばれる。
共通テスト(2024年)類似

牟子『理惑論』における仏教の受容

Q64 バラモン教が想定した固定不変の自己(アートマン)を否定し、あらゆる存在や現象には固定的な実体(我)がないとする、仏教の根本的な思想(四法印の一つ)は何か。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
諸法無我
仏教は、バラモン教が重視した固定不変の自己である「アートマン」の存在を否定し、すべての事象は因縁によって生じるものであり、それ自体で独立して存在する固定的な実体はないとする「諸法無我」を説いた。しかし、中国に仏教が受容される初期の段階(『理惑論』など)では、この思想がありながらも、中国伝統の魂の不滅(神不滅)の観念と結びつけて理解された。
センター試験(2004年)類似

エピクロスの快楽主義

Q65 ポリス社会が崩壊し、個人が孤立していくヘレニズム時代において、身体に苦痛がなく魂に動揺がない状態を真の快楽とし、公共の政治活動から離れて「隠れて生きよ」と説いた思想家は誰か。
★★ 基本 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
エピクロス
ポリスの市民共同体が衰退したヘレニズム時代には、国家の枠組みを超えて個人の心の平穏を求める哲学が流行した。その代表的存在である彼は、政治的な名誉や肉体的な享楽を避け、友人たちと「庭園」に集い、静かに生きることを理想とした。
共通テスト(2026年)類似

宗教の内面的機能

Q66 鎌倉時代において、従来の仏教が重視した学問や戒律といった外面的・制度的な修行を否定し、自らの煩悩の深さを自覚する内面的な省察を通じて、阿弥陀仏の本願を信じる他力念仏の教えを徹底し、悪人こそが救済の対象であるとする「悪人正機」を説いた僧侶は誰か。
★★ 基本 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
親鸞
形式的な修行や寺院組織といった外面的要素にとらわれず、自己の罪悪深重の自覚という内面的な意味を深く掘り下げ、阿弥陀仏の慈悲に全面的に依拠する生き方への転換を説いた。これは、宗教が個人の内面に究極的な意味をもたらす機能を示す、日本思想における代表的な事例である。
センター試験(2005年)類似

哲人政治

Q67 師であるソクラテスの死をきっかけに民主政の限界を感じ、魂の三部分説に基づいて国家のあり方を構想した古代ギリシアの哲学者は誰か。彼は、知恵を備えた統治者が防衛者や生産者を導き、国家全体に調和と正義がもたらされる理想社会の実現を説いた。
★★ 基本 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
プラトン
ソクラテスの弟子であり、アテナイの民主政が衆愚政治に陥り師を死刑にしたことに失望した。彼は、魂の理性・気概・欲望という三部分に対応して、国家にも統治者・防衛者・生産者の三階級があり、それぞれが知恵・勇気・節制の徳を備えて調和することで正義が実現すると説いた。
センター試験(2015年)類似

先哲における言葉と真理の探究

Q68 言葉は真理(道)を捉えるための道具にすぎず、真理を得たならば言葉は忘れるべきであると説きながらも、寓話や比喩といった独特の言語表現を駆使して、固定観念から解放された自由な生き方を提示した、中国戦国時代の道家の思想家は誰か。
★★★ 標準 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
荘子
荘子は、言葉が事物を区別し固定化することで、万物の一体性である「道(タオ)」という究極の真理を損なってしまうという言葉の限界を強く意識していた。しかし、言葉を完全に放棄するのではなく、寓話(ぐうわ)や重言(じゅうげん)といった文学的・逆説的な表現を用いることで、人々の固定的な言語認識を揺さぶり、無為自然の境地へと導こうとした。
共通テスト(2024年)類似

逍遥遊

Q69 中国の戦国時代の思想家である荘子は、世俗的な価値観や利害関心から完全に自由になり、何ものにも縛られずに大自然の流れに身を任せてのびのびと遊ぶことを理想とした。このような、人為を排して自然のままに生きることで到達できる、彼が理想とした精神的境地を何というか。
★★ 基本 V1 (基礎) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
逍遥遊
荘子は、世俗の「有用・無用」といった相対的な価値観を超越し、大自然の流れに身を任せて自由に生きる精神的境地を重視した。これを「逍遥遊」と呼ぶ。彼は、大工に役に立たないと見捨てられた大木を、何もない広大な野原に植え、その傍らで何もしない(無為)ままのびのびと過ごせばよいという寓話(無用の用)などを通じて、この境地を説明した。なお、万物の差異を否定して同一視する「万物斉同」や、感覚や知恵を忘れて自然と一体化する「心斎坐忘」は、この境地に至るための方法や態度である。
センター試験(2015年)類似

老子の無為自然

Q70 老子が主張した、人間の作為的な知恵や知識を働かせることを否定し、宇宙の根源である「道(タオ)」のあり方に従って、あるがままに生きるべきだとする思想を何というか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
無為自然
人為的な道徳や制度を否定し、作為を交えずに自然の理に従って生きることを表す言葉である。老子や荘子ら道家思想の根本的な立場を示しており、儒家の説く人為的な「礼」や「仁」に対抗する概念として提示された。
共通テスト(2023年)類似

最後の審判

Q71 イスラームの教義において、世界の終末に唯一神がすべての人間を現世での信仰や善悪の行いに基づいて裁き、天国か地獄への行き先を決定するという出来事を何というか。なお、この裁きを行うのは預言者ムハンマドではなく、唯一神自身であるとされる。
★★ 基本 V1 (基礎) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
最後の審判
イスラームでは、世界の終末に唯一神アッラーによってすべての人間が裁かれるという教義が信じられている。この裁きは預言者ムハンマドではなく、唯一神アッラー自身が行うものであり、人間は現世での信仰や善悪の行いが記録された書物に基づいて厳格に裁かれ、天国か地獄へ送られる。これはイスラームの信仰の根幹である「六信」の一つとして位置づけられている。
共通テスト(2024年)類似

老子の道と無

Q72 天地万物の根源である根本原理は、人間の感覚や言葉では捉えきれず、名付けることもできないため、便宜的に「無」とも表現されると説き、作為を排した生き方を重視した中国の思想家は誰か。
★★ 基本 V1 (基礎) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
老子
天地万物の根源を「道(タオ)」とし、それが人間の言語や感覚を超越していることから「無」とも表現した思想家は老子である。彼は、人間的な知恵や作為を捨てて、自然のあり方に従う「無為自然」の生き方を理想とした。
共通テスト(2022年)類似

旧約聖書の呼称の由来

Q73 神との間に結ばれた律法(契約)を重視し、ヘブライ語聖典を唯一の聖典とするが、後に現れた別の宗教の信徒から、その聖典を「古い契約」を意味する名で呼ばれることになった宗教は何か。
★★ 基本 V2 (具体例) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ユダヤ教
キリスト教徒は、イエスによる新しい契約(新約)に対して、それ以前のヘブライ語聖典を古い契約(旧約)と位置づけた。この「旧約聖書」を自らの唯一の聖典として信仰しているのがユダヤ教である。
センター試験(2017年)類似

パルメニデス

Q74 感覚が捉える変化や多様性を否定し、論理的思考に基づいて「在るものは在り、在らぬものは在らぬ」と説いた。世界における変化や生成は見かけだけの現象にすぎず、真に存在するものは唯一不変であり、生成も消滅もしないと主張した、南イタリアのエレア出身の古代ギリシア哲学者は誰か。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
パルメニデス
エレア派の祖とされるこの哲学者は、感覚が捉える変化や多様性を否定し、理性(ロゴス)による論理的思考を重視した。彼は「在るものは在り、在らぬものは在らぬ」という命題から出発し、真に存在するものは不生不滅・唯一不動のものであると主張した。
共通テスト(2024年)類似

三毒

Q75 仏教の根本教理において、人間の苦しみや迷いを生み出す原因となる煩悩のうち、むさぼり求める心(貪)、怒り憎む心(瞋)、真理に対する無知や愚かさ(癡)の3つは、人間の善心を損なう最も根本的なものとして、ある言葉にたとえて呼ばれる。この言葉を何というか。
★★ 基本 V1 (基礎) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
三毒
仏教では、現実の人生における苦しみの原因を自己の執着や煩悩に求める。人間の善心を害する最も根本的な3つの煩悩として、貪(むさぼり)、瞋(いかり)、癡(おろかさ)が挙げられ、これらは克服すべきものとして「毒」にたとえられ、このように呼ばれる。
センター試験(2020年)類似

般若経の空

Q76 紀元前1世紀頃からインドで編纂が始まった大乗仏教の初期経典群であり、すべての存在には固定不変の実体がないとする思想を説き、のちの竜樹(ナーガールジュナ)による中観思想の基盤となった聖典群を何というか。
★★★ 標準 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
般若経
『般若経』は、大乗仏教の最初期に成立した経典群であり、すべての存在に固定不変の実体がないとする「空」の思想を説いた。この思想は、のちに竜樹(ナーガールジュナ)によって『中論』などで理論化され、大乗仏教の哲学的な基礎となった。
共通テスト(2025年)類似

ブッダの執着と憂いに関する思想

Q77 人間が抱く喜びや憂いはすべて執着から生じるため、子や牛などの所有物や愛する人に対する執着そのものを断ち切ることで、あらゆる憂いから解放されると説いた、古代インドの思想家は誰か。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ゴータマ=シッダールタ
初期仏教において、人間が経験する苦しみの原因は、事物や人間関係に対する執着(渇愛)にあるとされた。執着を残したまま憂いのみを断とうとするのではなく、執着そのものを断ち切ることで、すべての苦しみから解放された安らぎの境地(涅槃寂静)に達することができると説かれた。この思想を提唱したのが、仏教の開祖であるゴータマ=シッダールタ(ブッダ)である。
センター試験(2020年)類似

アリストテレスの中庸

Q78 プラトンの弟子であり、師のイデア論を批判して現実主義的な哲学を展開した人物は、人間の魂の卓越性(徳)を、知性的徳と習性的徳に分類した。そして、後者の習性的徳においては、過度と不足の両極端を避けた適切な状態を理性的判断によって選択し、習慣づけることが重要であると説いた。この哲学者は誰か。
★★ 基本 V2 (具体例) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
アリストテレス
プラトンの弟子であるアリストテレスは、事物の本質(形相)は個々の事物(質料)のなかに内在するという現実主義的な立場をとった。彼は、人間の魂の活動における徳(アレテー)を、知恵や思慮などの「知性的徳」と、勇気や節制などの「習性的徳(倫理的徳)」に分け、後者においては過度と不足の両極端を避ける「中庸」を理性的判断(思慮)によって選択し、習慣化することが必要であると説いた。
センター試験(2004年)類似

仁と兼愛の相違

Q79 儒教が説く「仁」は、身近な親族への愛から段階的に広がるという親疎の区別を前提とした愛である。これに対して、自他を区別することなく、すべての人を等しく愛する「無差別の愛」を主張し、儒教の家族道徳を「別愛(差別的な愛)」として批判した、戦国時代の思想家は誰か。
★★ 基本 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
墨子
儒教の「仁」は親族への愛から段階的に広がる親疎の区別がある愛である。これに対し、墨家を創始した思想家は、自他を区別せず等しく愛する「無差別の愛」である兼愛を主張し、儒教の愛を差別的な愛(別愛)であるとして批判した。この思想家は、互いに利益をもたらし合う「交利」や、侵略戦争を否定する「非攻」などもあわせて説いた。
センター試験(2016年)類似

孔子の思想(仁・忠・君子)

Q80 春秋時代の中国において、身近な親愛の情に由来する内面的な道徳心と、それが社会的な規範として外面に現れたものを兼ね備え、自己を欺かない誠実さをもって社会秩序の維持を担うべきとされた、儒家が目指した理想的な人間像を何と呼ぶか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
君子
孔子は、他者を愛する内面的な道徳心である「仁」と、それが具体的な立ち居振る舞いや社会規範として外面に現れた「礼」を重視した。自分を欺かない誠実さである「忠」や、他者への思いやりである「恕」を実践し、これらを通じて「礼」を体得した理想的な人物を「君子」と呼び、社会秩序を維持する指導者層のあるべき姿とした。
共通テスト(2023年)類似

イエスの隣人愛と墨子の兼愛交利

Q81 儒家が説く家族愛などの区別のある愛を「別愛」として批判し、自他を区別せず等しく愛することと、互いに利益を与え合うことを結びつけて、平和な共存社会の実現を説いた、中国の戦国時代の思想家は誰か。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
墨子
儒家が主張する親愛(仁)には親疎の区別があるとしてこれを「別愛」と批判し、自他を区別なく等しく愛する「兼愛」と、互いに利益をもたらし合う「交利」を主張した。この思想を提唱したのは墨子である。なお、仏教では固定的な自己であるアートマンの存在を否定する無我を説くため、アートマンの尊重を説く記述は誤りである。
センター試験(2011年)類似

想起説(アナムネーシス)

Q82 プラトンの認識論において、人間の魂は誕生する前に真の実在を観照していたが、肉体に宿って現世に生まれた後、不完全な感覚的事物を手がかりにして、かつて見ていた真の実在を思い出すことができるとする説を何というか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
想起説
プラトンは、人間の魂が肉体に宿る前の「生まれる以前」に、真の実在であるイデアを観照していたと考えた。現世において不完全な感覚的事物を見ることを契機として、かつて見ていたイデアを思い出すプロセスを想起(アナムネーシス)と呼び、この認識のあり方を想起説という。死後に初めてイデアを見るのではなく、現世において思い出すことができるとする点が特徴である。
センター試験(2014年)類似

パウロの信仰観

Q83 律法を遵守しようと努めながらも、自らの内なる欲望に抗えず悪を行ってしまう人間の罪深さに苦悩した人物は、人間が救われるのは律法の実行によるのではなく、イエスの十字架による贖いと神の恵みを信じることによってのみであると説き、異邦人への伝道に尽力した。この人物は誰か。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
パウロ
ユダヤ教の厳格な律法主義に対し、人間は自らの意志や律法の実行によっては救われず、イエス・キリストの福音を信じることによってのみ義とされる(信仰義認)と主張した。この思想は、キリスト教がユダヤ教の枠組みを超えて世界宗教へと発展する基盤となった。
センター試験(2006年)類似

荘子

Q84 儒家が主張する仁や礼などの人為的な道徳や社会規範を否定し、宇宙の根本原理に従って自然のままに生きることを説いた、古代中国の学派は何か。この学派に属する思想家は、万物は等価であるとする「万物斉同」を唱え、天地自然と一体化した「真人」を理想とした。
★★ 基本 V2 (具体例) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
道家
儒家の人為的な道徳や社会規範を批判し、宇宙の根本原理である「道(タオ)」に従う生き方を主張した学派は道家である。老子や、万物斉同を説いて「真人」を理想とした荘子がその代表的な思想家である。
共通テスト(2025年)類似

コスモポリタニズム

Q85 古代ギリシアのヘレニズム時代に起源を持ち、国家や民族といった従来の枠組みにとらわれず、全人類を同じ同胞として捉えて互いに配慮し合うべきだとする、世界市民主義とも訳される倫理思想を何というか。
★★ 基本 V1 (基礎) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
コスモポリタニズム
ヘレニズム時代、ポリス(都市国家)の衰退に伴い、人々は従来のポリス市民としてのアイデンティティを失う一方で、より広い世界に目を向けるようになった。この背景から、国家や民族の境界を越えて、全人類をロゴス(理性)を共有する同胞とみなす世界市民主義の思想が誕生した。これは現代の地球規模の課題に対する倫理的態度の源流ともなっている。
共通テスト(2023年)類似

クルアーンにおける相互扶助

Q86 イスラームにおいて、不確かな根拠に基づいて他者を嘲笑したり悪口を言ったりすることを禁じる一方で、信者同士が仲間として貧者を救済し、強い連帯を保つことを説いている、預言者ムハンマドに下された神の言葉をまとめた聖典は何か。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
クルアーン
唯一神アッラーが預言者ムハンマドに授けた啓示を記録したものである。その中では、他者を嘲笑することや不確かな憶測で悪口を言うことが厳しく戒められており、信者同士が共同体の中で貧者救済や相互扶助を行うことで強い連帯を保つことが義務づけられている。
センター試験(2010年)類似

イスラームの平等思想

Q87 7世紀初めのアラビア半島において、唯一神アッラーの前での万人の平等を説き、従来の血縁や部族の枠組みを超えた信仰共同体の形成を促した、イスラームの創始者は誰か。
★ やさしい V2 (具体例) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ムハンマド
メッカの商人であった人物は、唯一神アッラーからの啓示を受け、万人の平等を説くイスラームを創始した。この教えは、従来の多神教信仰や部族ごとの身分秩序と対立したものの、部族の枠組みを超えた信仰共同体(ウンマ)の成立へとつながった。
共通テスト(2025年)類似

コスモポリタニズム

Q88 万人に共通する理性(ロゴス)に従って生きることを説き、国家や民族の境界を越えて全人類を同胞とみなす世界市民主義の源流となった、ゼノンによって創始された古代ギリシアの哲学学派は何か。
★★ 基本 V2 (具体例) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ストア派
ゼノンがアテネの彩色柱廊(ストアー)で講義を行ったことに由来するこの学派は、情念(パトス)に支配されない不動の心(アパテイア)を理想とした。彼らは、宇宙を支配する理性(ロゴス)がすべての人間に宿っていると考え、この理性を共有する全人類は平等であり、国家や民族の枠組みを超えて結びつくべきだという世界市民主義(コスモポリタニズム)を唱えた。
センター試験(2009年)類似

西方極楽浄土

Q89 平安時代中期以降、末法思想の緊迫感の中で広く受容された浄土教の信仰において、人々が往生を願い、日没の方向にあると信じられた阿弥陀仏の主宰する清らかな他界を何というか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
西方極楽浄土
浄土教の信仰において、阿弥陀仏が治める極楽浄土は、現世から遥か西の彼方にあると信じられていた。春分・秋分の日(お彼岸)に真西に沈む太陽を夕日の中に拝む「日想観」の修行なども、この西方の他界観に基づいている。これに対し、薬師如来の東方浄瑠璃世界など、他の方角に位置する浄土も仏教思想内には存在するが、日本で最も広く庶民にまで浸透したのは西方の浄土であった。
センター試験(2014年)類似

荘子の万物斉同

Q90 中国古代の諸子百家の一人で、仁や礼といった人為的な道徳を重視する儒家を厳しく批判した思想家は誰か。彼は、人間が設けた善悪や美醜などの区別は相対的なものにすぎないと主張し、一切の対立や区別を否定して万物を等しいものとみなす思想や、作為を捨てて自然のありのままに生きる「無為自然」を説いた。
★★ 基本 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
荘子
老子とともに老荘思想を大成した思想家である。彼は、人間が設けた区別は絶対的なものではなく相対的なものにすぎないと主張し、すべての存在を差別なく同一のものとして観照する「万物斉同」の境地を理想とした。また、心身を縛る人為的な知識や欲望を忘れる「心斎坐忘」などを通じて、自然と一体となる生き方を追求した。
センター試験(2012年)類似

イエスの罪の観念と神の愛

Q91 ユダヤ教の律法主義を批判した思想家は、外面的な行為の遵守だけでなく、心の中で他者を憎むといった内面的な悪しき思いそのものを罪とみなした。彼は、自らの罪深さを自覚して悔い改める者に対し、神から無条件の愛が注がれると説いた。この、神が人間に対して一方的に注ぐ無条件・無限の愛を指すキリスト教の重要な概念は何か。
★★ 基本 V1 (基礎) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
アガペー
イエスは、外面的な律法の遵守を重視するファリサイ派などの律法主義を批判し、心の中で他者を憎むこと自体も罪であると捉えた。そして、自らの罪を自覚して悔い改める者に対し、神は無条件の愛を注いで救済すると説いた。この神の無条件・無限の愛は、ギリシア語でアガペーと呼ばれる。
共通テスト(2023年)類似

大乗仏教の利他実践

Q92 紀元前後にインドで興り、従来の仏教が自己の解脱のみを重視する傾向にあったことを批判して、出家信者と在家信者の区別を超えて、ともに他者の救済を目指し、布施などの修行徳目を実践すべきであると主張した仏教の潮流を何というか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
大乗仏教
紀元前後に興ったこの潮流は、従来の部派仏教が自己の解脱のみを追求する「小乗」であると批判し、すべての生きとし生けるものを救う大きな乗り物(大乗)であることを標榜した。出家・在家の区別なく、他者の救済(利他)を目指して布施などの修行に励むことが重視された。
共通テスト(2025年)類似

孟子の礼楽観

Q93 人間の本性は善であるとし、内面における善の充実こそが美であると考えた。そして、外的な規範や音楽である礼楽を、人間の内なる道徳性に根ざしたものとして位置づけ、道徳的実践を重視した中国戦国時代の思想家は誰か。
★★ 基本 V1 (基礎) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
孟子
人間の本性を善とする性善説を唱え、四端(惻隠・羞悪・辞譲・是非の心)を育てることで四徳(仁・義・礼・智)を実現できるとした。彼は外的な規範である礼楽も、人間の内なる道徳的本性に由来するものと捉え、武力による覇道政治を退けて徳治による王道政治を主張した。これに対し、人間の本性を悪とし、礼による矯正を重視する性悪説を唱えたのは荀子である。
センター試験(2015年)類似

孝悌

Q94 孔子の言行録である『論語』において、その実践の基礎として、父母への愛敬である「孝」や、兄・年長者への従順さである「悌」が位置づけられている、儒家が最も重視する人間愛の根本となる徳目は何か。
★★ 基本 V2 (具体例) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
孔子は、身近な親愛の情である「孝」や「悌」を基礎として、他者への思いやりや人間愛の根本である「仁」へと広げていくことを説いた。
センター試験(2010年)類似

万物斉同

Q95 荘子によって提唱された、人間が社会的な基準で設ける是非や善悪の対立は相対的なものにすぎず、人為的な価値判断を離れてすべての存在が差別なく等しく一体となっている絶対的な世界のあり方を何というか。
★★ 基本 V1 (基礎) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
万物斉同
荘子は、人間が自己の立場から生み出す是非や善悪などの区別を相対的なものにすぎないと批判した。そして、このような人為的な対立や価値判断を超越し、万物が「道(タオ)」において等しく一体となっている絶対的なあり方を万物斉同と呼んだ。これに対し、無為自然の境地で自由に遊ぶことを逍遥遊、そのために心身を清めることを心斎坐忘という。
センター試験(2011年)類似

ヴァルダマーナの思想

Q96 仏教の開祖であるゴータマ・シッダールタと同時代に活躍した思想家で、徹底した不殺生(アヒンサー)の遵守や、厳しい肉体的苦行の実践を通じて、魂を業の束縛から解放し輪廻からの脱出を説いた、ジャイナ教の開祖は誰か。
★★ 基本 V2 (具体例) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ヴァルダマーナ
マハーヴィーラ(偉大な英雄)とも呼ばれるこの人物は、クシャトリヤ(武士階級)の出身であり、バラモン教の権威やカースト制度を否定した。彼は、人間は自らの行為(業)によって輪廻を繰り返すが、不殺生などの厳しい戒律を守り、苦行を重ねて悪業を避けることで輪廻からの解放(解脱)に至ることができると主張した。
センター試験(2010年)類似

徳治主義

Q97 春秋戦国時代の中国において、孔子が唱えた政治思想であり、支配者が自らの道徳性を高めることによって人民を教化・感化し、刑罰や法による強制力に頼ることなく社会の秩序を維持しようとする統治方法を何というか。
★★ 基本 V1 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
徳治主義
孔子は、力や刑罰による支配を否定し、道徳的な人格を備えた統治者が自らの道徳性によって人民を感化し、自然に社会秩序を保つべきであるとする思想を主張した。これに対して、荀子は「礼」による秩序維持(礼治主義)を、韓非子らは法による支配(法治主義)を唱えた。
センター試験(2013年)類似

恩寵

Q98 人間はアダム以来の罪を背負った不完全な存在であり、自らの意志や善行といった自力によって救われることはなく、ただ神の無償の愛(恩寵)によってのみ救済されると主張し、カトリック教会の教義を大成するとともに、のちの宗教改革者たちにも決定的な影響を与えた古代の教父は誰か。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
アウグスティヌス
アウグスティヌスは、マニ教や新プラトン主義を経てキリスト教に回帰し、人間の自由意志の限界と神の絶対的な恩寵の必要性を説いた。彼は、人間はアダムの堕落以来、自力では善をなすことができない「原罪」を負っているとし、救いはただ神の無償の愛(恩寵)によってのみもたらされると主張した。この思想は、中世の神学のみならず、後に「信仰義認」を唱えたルターなどのプロテスタント宗教改革にも深く受け継がれた。
センター試験(2016年)類似

仏教の五蘊盛苦

Q99 初期仏教において、人間の心身を構成する物質的要素(色)と、感受・表象・意志・認識といった精神的要素(受・想・行・識)の集まりに対する執着から生じる苦しみのことで、生老病死の四苦に、愛別離苦、怨憎会苦、求得苦を加えた「八苦」の一つに数えられるものは何か。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
五蘊盛苦
仏教では、人間の心身を構成する物質的・肉体的な要素である「色」と、精神的な働きである「受・想・行・識」の5つの集まり(五蘊)が、執着を通じて苦しみをもたらすことを「五蘊盛苦」と呼ぶ。これは、生・老・病・死の四苦に、愛するものと別れる苦しみ(愛別離苦)、怨み憎む者と会う苦しみ(怨憎会苦)、求めるものが得られない苦しみ(求得苦)を加えた「八苦」の最後の一つに位置づけられている。
センター試験(2012年)類似

イスラーム教とユダヤ教の倫理規範の共通性

Q100 預言者ムハンマドが授かった唯一神アッラーの啓示をまとめた聖典であり、唯一神への信仰を前提としつつ、両親を敬うことや、殺人・盗みの禁止など、社会生活における他者との関わり方や倫理的な振る舞い方を規定する戒律が示されている書物を何というか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
クルアーン
イスラーム教の聖典であるクルアーンには、唯一神アッラーへの絶対的帰依だけでなく、親孝行(両親を敬うこと)の義務や、殺人・窃盗の禁止など、社会秩序を維持するための具体的な行動規範が定められている。これはユダヤ教の「モーセの十戒」とも共通する倫理的特徴である。
センター試験(2006年)類似

洞窟の比喩

Q101 感覚で捉えられる現実世界は真の実在の模像にすぎず、人間はあたかも縛られた囚人が壁に投影された影を本物と思い込んでいるような状態にあると説き、理性によって真の実在を認識することの重要性を主張した古代ギリシアの哲学者は誰か。
★ やさしい 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
プラトン
感覚で捉えられる現象世界は真の実在(イデア)の模像にすぎないとする思想を、洞窟の壁に映る影を実物と思い込んでいる囚人の姿に例えて説明した。この「洞窟の比喩」を提示し、感覚を超えた理性による真理の認識を重視したのは、古代ギリシアの哲学者プラトンである。
センター試験(2014年)類似

パウロの信仰義認と人間の罪深さ

Q102 キリスト教の成立において決定的な役割を果たした人物の思想について。彼は、正しいことを行おうと望みながらも、内なる欲望に引きずられて悪を行ってしまう人間の根源的な罪深さに直面した。この自己矛盾から人間が救われるためには、自力による律法の遵守ではなく、神がイエスを通じて示した救いの知らせ(福音)を信じることによってのみ、神から義とされると説いた。この思想を唱え、異邦人への伝道に尽力した人物は誰か。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
パウロ
人間が自力で律法を完全に守ることは不可能であり、内なる欲望によって悪を行ってしまう罪深い存在であると考えた。彼は、人間が救われるのは律法の遵守(自力)ではなく、イエス・キリストの十字架と復活による救いの知らせ(福音)を信じることによってのみ、神から義(正しい者)と認められるという思想を唱え、キリスト教の世界宗教化の基礎を築いた。
センター試験(2020年)類似

パウロの原罪観

Q103 ユダヤ教の厳格な律法主義を批判し、人間は生まれながらに祖アダムの犯した罪を引き継ぐ罪深い存在であるが、律法の遵守ではなく、イエスの十字架による贖いと神の恵みを信じることによってのみ義とされるという「信仰義認」を唱えて、キリスト教の教義の基礎を築いた伝道者は誰か。
★★ 基本 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
パウロ
パウロは、人間は生まれながらにアダムの犯した罪(原罪)を引き継いでおり、自らの力や律法の遵守だけでは救われない罪深い存在であると考えた。そして、神の恵みとイエス・キリストの十字架による贖いを信じることによってのみ、人間は義とされると説き、キリスト教が世界宗教へと発展する基盤を作った。
センター試験(2010年)類似

礼治主義

Q104 中国の戦国時代の思想家である荀子は、人間の本性を悪とし、放任すれば社会の混乱を招くと考えた。彼は、この利己的な本性を矯正し、社会秩序を維持するために、先王が定めた客観的な社会規範や儀礼を後天的に身に付けさせるべきだと主張した。このような、客観的な規範による統治を重視する思想を何というか。
★★ 基本 V1 (基礎) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
礼治主義
荀子は、人間の本性を利己的なものと捉える性悪説を唱えた。人間が本能のままに行動すると争いが生じるため、後天的な努力(偽)によって、先王が定めた客観的な社会規範である「礼」を学び、身に付けることで社会秩序を維持すべきだと主張した。この思想は、徳による感化を重視する孔子の徳治主義や、法律による強制を重視する法家(韓非子など)の法治主義と区別される。
共通テスト(2023年)類似

イエスの律法批判と隣人愛

Q105 外面的な律法の遵守を重視する当時のユダヤ教のあり方を批判し、神の無条件の愛に基づく隣人愛を説くとともに、社会的に疎外されていた徴税人や罪人たちと積極的に食卓を共にするなど、内面的な精神の実践を重視した古代パレスチナの人物は誰か。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
イエス
ユダヤ教の律法主義を批判し、神の絶対的な愛(アガペー)とそれに応える隣人愛を説いた。彼は、律法を遵守できないために社会的に排除されていた徴税人や病者、罪人たちを包摂し、彼らと食事を共にするなどの実践を行ったことで知られる。
共通テスト(2025年)類似

キリスト教の原罪思想

Q106 人間は生まれながらに根源的な罪を背負っており、自らの行いや律法の遵守によって救われることはないとし、イエス・キリストの十字架による贖いを信じることによってのみ神から義とされるという思想を説いた、初期キリスト教の伝道者は誰か。
★★ 基本 V2 (具体例) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
パウロ
アダムの不従順に由来する全人類の根源的な罪(原罪)を重視し、人間は自らの力で律法を完全に守ることはできないと考えた。そして、キリストの十字架による贖いを信じることによってのみ義とされるという「信仰義認」を唱え、世界宗教としてのキリスト教の教義の基礎を築いた。
共通テスト(2026年)類似

荀子の性悪説

Q107 人間の本性は悪であり、欲望のままに行動すれば必ず争いが生じるため、聖人が定めた「礼」などの客観的な社会規範を後天的に学習・習得することによって、その本性を矯正すべきであると主張し、のちの韓非子などの法家思想にも大きな影響を与えた儒家の思想家は誰か。
★★ 基本 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
荀子
人間の本性を悪とする「性悪説」を唱え、後天的な「礼」の習得による本性の矯正(礼治主義)を重視した。彼の門下からは、法による統治を主張した韓非や李斯といった法家の代表的文人が輩出されており、儒家でありながら法家思想の先駆的な役割を果たした。
共通テスト(2022年)類似

ポリス的動物

Q108 古代ギリシャの哲学者が著書『政治学』の中で唱えた、人間は孤立して生きるのではなく、国家や社会といった共同体の中で他者と関わり合いながら自己を完成させる存在であるという人間観を表す言葉として、最も適当なものを答えよ。
★★ 基本 V1 (基礎) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ポリス的動物
古代ギリシャの哲学者アリストテレスは、人間は本質的に共同体(ポリス)を形成して生きる存在であるとして、人間をこのように定義した。これは、人間が孤立しては生きられず、共同体の中で善き生(最高善)を実現することを目指す存在であることを示している。のちに「社会的動物」とも訳された。
センター試験(2015年)類似

荘子の道

Q109 儒家が重視する仁義や礼などの道徳を人為的な偽り(作為)であると批判し、自己の肉体や知恵を忘れる「坐忘」や、心を空っぽにする「心斎」といった修養を通じて、天地自然の「道」と一体になって自由に生きる境地を理想とした、古代中国の思想家は誰か。
★★ 基本 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
荘子
儒家の作為的な道徳を批判し、老子の思想を発展させた思想家である。万物を等しいものとみなす「万物斉同」の立場から、作為を捨てて天地自然の「道」と一体になる「逍遥遊」の境地を理想とした。
センター試験(2017年)類似

ストア派の世界市民主義

Q110 ゼノンによって創始され、情念に支配されない「不動心(アパテイア)」を理想とした哲学の一派は、宇宙を支配する理性(ロゴス)に従う人間はポリスの枠組みを越えてみな同胞であるとする思想を唱え、のちの自然法思想に大きな影響を与えた。この学派を何というか。
★★ 基本 V2 (具体例) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ストア派
アテネの「ストア(彩色柱廊)」で講義を行ったゼノンを祖とする学派は、情念に惑わされない理性の状態(アパテイア)を追求した。彼らは、宇宙の理法(ロゴス)を共有する人間はすべて平等な同胞であるという世界市民主義(コスモポリタニズム)を主張し、この普遍的な理法の思想はローマ帝国期の法思想や近代の自然法思想へと受け継がれた。
共通テスト(2021年)類似

慚と愧

Q111 仏教の心理学的な分析において、恥の概念は細分化されて理解された。自己に由来し内的な本性に根ざす恥である「慚」と、他者への恐れなど外的な原因に由来する恥である「愧」を明確に区別し、仏教の戒律や倫理の基礎づけを行った、5世紀のスリランカで活躍した上座部仏教の学僧は誰か。
★★★ 標準 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ブッダゴーサ
5世紀にスリランカの大寺で活躍し、上座部仏教の教義を体系化した学僧ブッダゴーサは、その著作において心のはたらきを精緻に分析した。彼は、自己の内省に根ざす恥である「慚」と、他者や世間の目を恐れることに由来する恥である「愧」を区別し、これらが悪行を防ぐための重要な心理的障壁になると説いた。
センター試験(2011年)類似

君子

Q112 古代中国の思想家である孔子は、人間が目指すべき道徳的な理想像を提示した。彼は、死後の世界について思索を巡らせるよりも、現世において学び上達することに喜びを見出し、自己の徳を高めるために生涯にわたって修養に努める人物を理想とした。このような、儒家において社会の秩序に貢献する理想的な人間像を何と呼ぶか。
★★ 基本 V1 (基礎) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
君子
孔子は、死後の世界や怪力乱神について語ることを避け、現世における道徳的実践と自己修養を重視した。彼が理想とした人間像は、学びを継続し、徳を磨いて社会の秩序に貢献する人物であり、これを「君子」と呼ぶ。これに対し、荘子などの道家が理想とした人間像には「真人」や「至人」などがある。
共通テスト(2023年)類似

イエスの律法観と隣人愛

Q113 ナザレのイエスは、神の無条件・無差別の愛(アガペー)を説き、当時の社会で排除されていた徴税人や罪人などの弱者とも食卓を共にした。この神の愛に応え、自らも他者を自分のように愛し、その精神を実践することを何と呼ぶか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
隣人愛
イエスは、外面的な律法の遵守よりも、神の愛や他者への愛といった内面的な精神の実践を重視した。そのため、当時の社会で律法を守れないとされ排除されていた徴税人や罪人たちとも積極的に食卓を共にするなど、無条件の愛を実践した。この態度は、キリスト教における倫理の根幹をなすものである。
共通テスト(2024年)類似

ソフィストの弁論術

Q114 古代ギリシアの民主政下では、民会や裁判の場で自らの主張を通すための技術が求められた。このような社会的背景から登場し、市民に対して弁論の技術を教えた職業教師たちを何と呼ぶか。彼らは客観的な真理の探究よりも、言葉を駆使して聴衆を説得し、自説を有利に進めることを重視した。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ソフィスト
古代ギリシアのアテネなどで民主政が発達すると、民会や裁判で自らの主張を有利に展開するための技術が必要とされた。これに応じて、弁論術などの知識を謝礼を取って教える職業教師たちが現れた。彼らは客観的な真理を探究することよりも、状況に応じて言葉を駆使し、他者を説得して自説を通すことを重視した。
共通テスト(2024年)類似

魂の馬車のたとえ

Q115 古代ギリシャの哲学者が、人間の魂を「理性を表す御者」と「気概と欲望を表す2頭の馬」からなる乗り物にたとえ、理性がこれらをコントロールして天上の真理を目指す様子を描いた比喩表現を何というか。
★★ 基本 V1 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
魂の馬車のたとえ
プラトンは著作『パイドロス』の中で、人間の魂を翼を持った馬車にたとえた。理性を表す御者が、気概と欲望を表す2頭の馬をコントロールして天上の真理(イデア)を目指す様子を描き、魂の調和や理性の重要性を視覚的に説明した。
共通テスト(2023年)類似

プラトンの魂の三分説

Q116 古代ギリシアの哲学者プラトンは、人間が正しい行為を行えない原因を、精神を構成する諸要素の不調和に求めた。彼が、真理を認識する部分が意志や肉体的欲求を統御できなくなった状態として説明した、人間の精神を3つの領域に分ける説を何というか。
★★ 基本 V1 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
魂の三分説
プラトンは人間の魂を、真理を認識する「理性」、意志や勇気の源となる「気概」、肉体的な欲求である「欲望」の3つに分けた。彼は、理性が他の2つの部分を統御し、全体として調和が保たれている状態において「正義」の徳が実現されると考え、過ちや悪徳は理性が他を統御できず調和が崩れた状態であると説明した。
共通テスト(2021年)類似

慚と愧

Q117 仏教思想において、心のあり方や倫理的な反省に関する概念が議論されてきた。5世紀の学僧が分類した恥の概念のうち、他者への恐れや世間の目といった外的な原因に由来する恥と対比され、自己の良心や内面的な本性に照らし合わせて生じる、内的な原因に由来する恥を何というか。
★★★ 標準 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
5世紀の学僧ブッダゴーサは、恥の概念を「慚」と「愧」に区別した。自己の良心や内面的な本性に由来する恥を「慚」と呼び、他者への恐れや世間の目など外的な原因に由来する恥を「愧」と呼んだ。したがって、内的な原因に由来する恥は「慚」である。
センター試験(2006年)類似

モーセ

Q118 旧約聖書に記されたヘブライ人の歴史において、エジプトで奴隷の境遇にあった同胞を率いて脱出させ、その途上のシナイ山で神から十戒などの掟を授かったとされる、ユダヤ教の形成において決定的な役割を果たした指導者は誰か。
★★ 基本 V2 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
モーセ
エジプトで奴隷状態にあったヘブライ人を率いて脱出(出エジプト)させ、シナイ山において唯一神ヤハウェから十戒(掟)を授かったとされる人物はモーセである。彼はヘブライ人を約束の地へと導き、一神教としてのユダヤ教の基礎を築いた。なお、山の洞窟で啓示を受け礼拝や喜捨を説いたのはイスラームの開祖ムハンマドであり、王子として生まれ四門出遊を経て出家したのは仏教の開祖ゴータマ・シッダールタ(ブッダ)である。
共通テスト(2024年)類似

涅槃と洲のたとえ

Q119 初期仏教において、老いや死という苦しみの激流に直面する人々に対し、執着や所有欲を捨てることで到達できる安全な避難所としての「洲」にたとえられた、煩悩の火が消え去った一切の苦しみから解放された安らぎの境地を何というか。
★★ 基本 V1 (基礎) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
涅槃
初期仏教において、ブッダは人生の苦しみを激流にたとえ、そこから逃れるための安全な避難所(洲)として、煩悩の火が消え去った安らぎの境地を説いた。この境地は、無所有や無執着によって実現されるものであり、サンスクリット語のニルヴァーナに由来する。
センター試験(2010年)類似

イデア

Q120 古代ギリシアの哲学者プラトンは、私たちが肉体の感覚で捉える現象世界は絶えず変化し消滅する不完全なものであると考えた。これに対し、現象世界を超えたところにあり、生成消滅することのない永遠不変の真の存在を何と呼ぶか。これは魂の知性によってのみ認識されるとされる。
★★ 基本 V1 (基礎) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
イデア
プラトンは、現実世界の個々の事物は変化し消滅するが、それらの原型となる永遠不変の真の実在は感覚を超えた世界に存在すると主張した。この真の実在は、肉体的な感覚ではなく、魂の知性(理性)の働きによってのみ捉えることができる。アリストテレスが主張した「個物に内在する本質(形相)」などとの区別が重要である。
センター試験(2019年)類似

仏教における慈悲(与楽抜苦)

Q121 仏教における利他行の基本概念の具体的な内容を示す言葉で、他者に楽しみを与えることと、他者の苦しみを取り除くことを意味する四字熟語は何か。
★★ 基本 V1 (基礎) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
与楽抜苦
「慈」は他者に楽を与えること(与楽)、「悲」は他者の苦しみを取り除くこと(抜苦)を意味する。この二つを合わせた言葉は、仏教における慈悲の実践的な本質を表す言葉として用いられる。
センター試験(2016年)類似

ユダヤ教の律法と契約

Q122 古代イスラエル人を率いてエジプトを脱出し、シナイ山において神ヤハウェから十戒をはじめとする生活規範を授かったとされる、ユダヤ教における指導者・預言者は誰か。
★★ 基本 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
モーセ
エジプトで苦役に服していたイスラエル人を率いて脱出し(出エジプト)、シナイ山で神との契約を結んで律法を授かった指導者はモーセである。彼はユダヤ教において最も重要な預言者の一人とされ、彼を通じて与えられた律法はユダヤ教徒の生活規範となった。
共通テスト(2026年)類似

初期仏教と大乗仏教の煩悩観の違い

Q123 世俗の生活を送りながらも、煩悩に汚されることなく、他者救済の菩薩道を実践できることを説き、出家者中心の仏教を批判して在家の立場から真の仏教のあり方を示した、大乗仏教を代表する経典は何か。
★★★ 標準 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
維摩経
大乗仏教では、出家して世俗を離れることだけが仏道ではなく、煩悩に満ちた現実世界(輪廻)にとどまりながらもそれに染まらず、他者救済(利他)に努めることが重視された。この思想を、在家の信者である維摩(ヴィマラキールティ)を主人公として劇的に描いたのがこの経典である。泥の中に咲きながらも泥に染まらない蓮華に例えて、世俗における菩薩のあり方が説かれている。
センター試験(2018年)類似

アリストテレスの自然観

Q124 プラトンのイデア論を批判し、事物の本質は天上界にあるのではなく個々の事物の中に宿っていると考えた。万物は素材である質料(ヒュレー)と本質である形相(エイドス)から成り、形相の実現という目的に向かって生成・発展するという目的論的自然観を提示した、古代ギリシアの哲学者は誰か。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
アリストテレス
プラトンの超越的なイデア論に対し、本質(形相)は個々の事物(個物)の中に内在していると主張した。事物は、素材である質料がその本質である形相を実現しようとする目的に向かって発展するという「目的論的自然観」を唱えた。
センター試験(2014年)類似

大乗仏教における菩薩の実践と空の思想

Q125 大乗仏教において、すべての存在には固定的な実体がないという真理を指し、救う自己や救われる対象といった区別への執着を排して、純粋な慈悲を実践するための思想的基盤となった概念は何か。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
大乗仏教では、すべての存在は相互に依存して成り立っており、それ自体で固定的に存在する実体はない(これを「空」という)とされる。この真理を体得することにより、救済を行う自己や救済される衆生という対立的な区別への執着から離れ、無条件の慈悲(利他行)を実践することが可能となる。
センター試験(2007年)類似

ゴータマ=ブッダの解脱観

Q126 初期仏教において、人生における苦の原因が自己の執着や煩悩にあることを正しく認識し、それらを消し去ることによって到達できるとされる、すべての苦しみから解放された安らかな境地を何と呼ぶか。
★★ 基本 V1 (基礎) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
涅槃
ゴータマ=ブッダは、人生の苦しみの根本原因を無明や執着(渇愛)であると捉え、正しい修行によって執着を消し去ることで、苦しみを克服した解脱の境地に至ることを説いた。この、煩悩の火が消え去った静かな安らぎの境地を涅槃(ニルヴァーナ)と呼ぶ。
共通テスト(2023年)類似

イエスの隣人愛と墨子の兼愛交利

Q127 神による無条件・無差別の愛(アガペー)を受け止めた人間が、同胞や友人に限定せず、敵をも含めたすべての他者を愛し、迫害する者のために祈るべきであるとする、キリスト教の根本的な倫理観を何というか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
隣人愛
イエスは、同胞だけでなく敵をも愛する無条件の隣人愛を説いた。神の無条件の愛(アガペー)を模範とし、自分と共に生きている同胞に限定せず、すべての他者を愛することを求めた。これに対して、墨子は儒家の差別的な愛を批判し、自他を区別せず等しく愛する兼愛と、互いに利益を与え合う交利を主張した。
センター試験(2008年)類似

イスラームにおける他宗教の聖典の扱い

Q128 イスラームでは、ユダヤ教やキリスト教の聖典もアッラーが預言者たちを通じて授けた啓示として認める一方で、それらは後に人間によって改変されたとする。これに対し、預言者ムハンマドを通じて授けられた、最終的かつ完全な啓示とされるイスラームの聖典は何か。
★ やさしい V1 (基礎) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
クルアーン
イスラームにおいては、ユダヤ教やキリスト教の聖典もアッラーの啓示として認められるが、それらは不完全な形で伝わったとされる。これに対し、唯一神アッラーが最後の預言者ムハンマドに下した、改変のない最終的かつ完全な啓示がクルアーン(コーラン)である。
センター試験(2015年)類似

四諦

Q129 初期仏教において、ブッダが最初の説法(初転法輪)で説いたとされる、人生の苦しみとその克服に関する4つの真理を何というか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
四諦
ブッダは最初の説法において、人生の現実とそれを克服する道筋を4つの真理として整理して示した。これが四諦であり、人生が苦であるという「苦諦」、苦の原因は執着(煩悩)であるという「集諦」、煩悩を滅ぼした涅槃の境地が存在するという「滅諦」、その境地に至る修行法があるという「道諦」からなる。
センター試験(2013年)類似

ブッダの教え(四諦・十二因縁・無明)

Q130 ブッダは、快楽に溺れる生活と、肉体を痛めつける極端な苦行の双方を退ける「中道」の立場を重視した。この中道の実践として示された、正見や正思惟などからなる、苦しみを滅して解脱に至るための正しい修行方法を何というか。
★★ 基本 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
八正道
ブッダは、出家前の快楽に満ちた生活と、出家後の過酷な苦行の双方を経験した上で、どちらの極端にも偏らない「中道」こそが悟りへの道であると悟った。この中道を具体的に実践するための方法として示されたのが「八正道」であり、これは四諦における「道諦」(苦を滅するための道)の具体的な内容にあたる。
センター試験(2009年)類似

Q131 古代中国の思想家である孔子は、人間関係の基本として様々な徳目を提示した。そのうち、「己の欲せざる所、人に施すこと勿れ」という言葉に代表される、他者に対する思いやりの道徳的態度を何と呼ぶか。
★★ 基本 V1 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
孔子は、人間が社会の中で生きていく上での根本的な道徳として「仁」を重視した。その「仁」を実践する上での具体的な心のあり方として、自分が望まないことを他人に強制しないという他者への思いやりを「恕」と位置づけた。これは『論語』において「一言にして以て終身これを行うべきもの」として挙げられている。
共通テスト(2023年)類似

孔子の忠と恕

Q132 古代中国の思想家が説いた、道徳の根本である「仁」を実践するための心のあり方のうち、自分自身の心に偽りがないことと、他人の立場に立ってその心を思いやることを合わせて何と呼ぶか。
★★ 基本 V1 (基礎) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
忠恕
自己の良心に誠実である「忠」と、他人の立場を思いやる「恕」を合わせた概念であり、孔子が「仁」を実践する具体的なあり方として重視したものである。
センター試験(2014年)類似

イスラーム教における信徒の平等

Q133 絶対的な唯一神の前では、民族や人種、社会的地位に関係なく、すべての信徒が平等であり、互いに兄弟であるとする社会倫理をもつ宗教において、その教えに従う信徒を指す呼称として最も適当なものを、次のうちから一つ選べ。
★ やさしい 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ムスリム
イスラーム教では、絶対的な唯一神アッラーのもとで、すべての信徒が平等な存在として位置づけられる。「すべての信徒はみな兄弟である」という教えに基づき、民族や言語、身分の違いを超えた強い共同体意識と、相互の連帯や平等の精神が社会生活において重視される。この教えに従う信徒は「ムスリム」(絶対帰依者)と呼ばれる。

日本の思想(90問)の一問一答問題

センター試験(2018年)類似

空海

Q1 平安時代初期に真言宗を開いた空海は、当時の官立学校が貴族の子弟に限定されていたのに対し、身分や貧富の差に関わらず広く教育の機会を提供することを目指した。彼が京都に設立した、日本最初の庶民向けの私立学校(教育機関)の名称は何か。
★★★ 標準 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
綜芸種智院
空海は、仏教だけでなく儒教や道教なども含めた総合的な教育を、身分に関係なく誰もが受けられるようにすることを目指して綜芸種智院を設立した。これは日本における庶民教育の先駆的な試みであったが、空海の没後に財政的な維持が困難となり、やがて廃絶した。
センター試験(2004年)類似

修証一等

Q2 鎌倉仏教の思想家の一人は、ひたすら坐禅に打ち込むことを重視した。彼は、坐禅を悟りを開くための単なる手段とは見なさず、修行することそのものがそのまま悟りの現れであると説いた。また、洗面や清掃といった日常的な行為もすべて修行であると捉えた。このような、修行と悟りは一体であるとする彼の思想を何と呼ぶか。
★★ 基本 V1 (基礎) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
修証一等
道元は、悟りを得るための手段として修行(坐禅)を行うのではなく、修行そのものが悟りの実践であるとする「修証一等」を唱えた。彼は、ただひたすらに坐禅する「只管打坐」を重視し、日常生活におけるあらゆる行為(洗面、食事、清掃など)もすべて修行であり、悟りの現れであると位置づけた。
共通テスト(2025年)類似

島崎藤村

Q3 明治期から昭和期にかけて活躍した文学者で、初期には『若菜集』などの新体詩を通じて近代的な自我や恋愛感情を生き生きと表現し、のちに人間の醜さや内面の葛藤を赤裸々に告白する自然主義文学の代表的作家として『新生』などを著した人物として最も適当なものを、次のうちから一つ選べ。
★★ 基本 V2 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
島崎藤村
初期にロマン主義的な新体詩集『若菜集』を発表して近代的な自我の目覚めを歌い、のちに自己の赤裸々な告白を含む『新生』などを著して自然主義文学の代表的作家となったのは島崎藤村である。北村透谷らとともに『文学界』の創刊にも関わった。
共通テスト(2025年)類似

柳田国男の共食とハレの思想

Q4 日本の民俗学において、年中行事や祭礼などの非日常の機会に、神に供えたものを人々が共に食べる行為が、共同体の連帯感を強める重要な役割を果たしていると指摘された。このような「共食」の慣習や、日常(ケ)と非日常(ハレ)の区別を通じて、日本人の基底にある信仰や生活様式を明らかにしようとした民俗学者は誰か。
★★ 基本 V1 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
柳田国男
日本の民俗学の創始者である柳田国男は、名もない一般の庶民である「常民」の生活や信仰に着目した。彼は、祭礼などの非日常である「ハレ」の日に、神に捧げた供物を人々が共に食べる「神人共食」の儀礼(共食)が、共同体の連帯を強め、神と人、あるいは人と人との結びつきを確認する重要な契機であったと説明した。
共通テスト(2025年)類似

西村茂樹の『日本道徳論』における道徳の確立

Q5 明治初期に明六社に参加して啓蒙思想を広める一方、急速な欧化主義による道徳的混乱を懸念し、儒教の道徳観と西洋哲学の精髄が一致する「天地の真理」を基礎とした独自の道徳論を提唱して、国民道徳の確立を訴えた思想家は誰か。
★★ 基本 V2 (具体例) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
西村茂樹
明治期の思想家である彼は、当初は明六社の結成に参加するなど啓蒙思想の普及に努めたが、のちに極端な欧化政策による伝統的道徳の衰退を危惧するようになった。著書『日本道徳論』において、儒教の教えと西洋哲学の精髄が一致する「天地の真理」を日本の道徳の基礎に据えるべきだと主張し、国民道徳の確立を提唱した。
センター試験(2018年)類似

日本の神話や伝承における神

Q6 古代日本における神の観念について、元来は特定の形をもつものではなく、人間に畏怖の念を抱かせるものや、人知を超えた不可思議な現象そのものが神のあらわれであったと説明し、著書『古事記伝』において、神を「尋常(よのつね)ならずすぐれたる徳(こと)ありて、かしこきもの」と定義した江戸時代の国学者は誰か。
★★ 基本 V2 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
本居宣長
古代日本の神話や伝承において、神は特定の形をもつものではなく、自然の驚異や人知を超えた現象そのものが神のあらわれとされ、人々はそこに畏怖の念を抱いた。江戸時代の国学者である本居宣長は、こうした古代の精神を解明しようとし、『古事記伝』の中で、神(カミ)とは「尋常ならずすぐれたる徳ありて、かしこきもの」であり、善悪にかかわらず人間に畏怖の念を抱かせる不可思議な威力をもつ存在であると定義した。
センター試験(2010年)類似

法然の専修念仏

Q7 鎌倉時代初期に登場した新しい仏教の動きにおいて、従来の難解な学問や厳しい戒律・修行を不要とし、ただ一心に口で仏の名を称えることのみによって、誰もが等しく極楽に生まれることができると説いた思想を何というか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
専修念仏
平安末期から鎌倉初期にかけての社会不安(末法思想)を背景に、従来の貴族仏教に対して、民衆の救済を目指す新しい仏教が興った。その中で、阿弥陀仏の誓いを信じて「南無阿弥陀仏」の名号を称えること以外の修行をすべて排し、これのみによって極楽往生が遂げられるとする教えが説かれた。この平易な実践法は広く民衆に受け入れられたが、従来の修行や戒律を重視する天台宗などの旧仏教側からは激しい反発と迫害を受けることとなった。
センター試験(2015年)類似

柳田国男の常民と民俗学

Q8 近代日本の思想において、文字による歴史記録に残されなかった無名の庶民の生活様式や伝承、信仰などを調査・分析し、日本人の精神文化の基底を明らかにしようとする独自の学問を創始した人物は誰か。
★★ 基本 V1 (基礎) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
柳田国男
明治から昭和にかけて活動した官僚出身の思想家であり、日本独自の民俗学を確立した。彼は、歴史の表舞台に現れない無名の農民や庶民を「常民」と呼び、彼らの年中行事や口承文芸、祖霊信仰などをフィールドワークを通じて研究することで、日本人の固有の信仰や精神構造を解明しようとした。
センター試験(2010年)類似

新渡戸稲造の武士道

Q9 札幌農学校で学び、のちに国際連盟の事務局次長としても活躍した人物である。彼は、キリスト教徒としての立場から、日本の伝統的な道徳精神を西洋の騎士道やキリスト教的倫理観と対比・融合させ、英文の著書を通じて広く世界に紹介した。この人物は誰か。
★★ 基本 V2 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
新渡戸稲造
札幌農学校でクラークらの影響を受けてキリスト教徒となった新渡戸稲造は、日本の伝統的な道徳精神である武士道を、西洋のキリスト教的倫理観や騎士道精神と対比させながら英文の著書『武士道』として発表した。彼は、日本人にキリスト教そのものを植え付けるのではなく、日本独自の伝統的精神の中に西洋の倫理観に通じる高潔な道徳的土台があることを国際社会に示そうとした。のちに国際連盟の事務局次長を務めるなど、国際親善にも尽力した。
センター試験(2017年)類似

栄西の禅思想

Q10 鎌倉仏教の展開において、宋に渡って禅を学び、帰国後に臨済宗の開祖となった人物は、悟りを得るためには坐禅の修行だけでなく、戒律を遵守することが不可欠であると主張した。また、禅の教えが国家の安寧や護国に寄与するものであると説き、旧仏教勢力からの批判に対して自らの立場を弁明する著作を著した。この人物は誰か。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
栄西
宋から帰国して臨済宗を伝えた栄西は、戒律を重視し、坐禅の修行とともに戒律を守ることを説いた。また、禅は国家を護るものであるとして『興禅護国論』を著し、比叡山などの旧仏教勢力からの排斥に対抗した。これに対し、後に曹洞宗を開いた道元は、ひたすら坐禅に打ち込む「只管打坐」を唱え、国家権力とは距離を置いた。
センター試験(2012年)類似

本居宣長の死生観

Q11 江戸時代の思想において、死を人間にとって如何ともし難い不可避の出来事であり、死後は善悪の区別なく黄泉国へ赴くほかはないと考えた人物は誰か。彼は、儒教や仏教などの理屈によって死の悲しみを無理に克服しようとするのではなく、死を悲しいものとしてありのままに受け入れ、そのように心得ることに安心があるとした。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
本居宣長
儒教や仏教などの外来思想(漢意)を排し、日本古来の精神(古道)を追究する中で、死生観についても独自の考察を行った。死を人間にとって避けることのできない悲しい出来事としてありのままに受け入れ、死後は善悪にかかわらず黄泉国へ赴くという事実をそのまま認めることに安心を見出した。
センター試験(2018年)類似

日本の先人たちにおける教えと自己のあり方

Q12 商業活動を営む人々の社会的役割を模索し、商人の利益追求を正当なものとして肯定する一方で、正直と倹約を重んじる独自の道徳・倫理を唱えて、よりよい社会の実現を目指した江戸中期の思想家は誰か。
★★ 基本 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
石田梅岩
石田梅岩は、士農工商の身分秩序の中で商人の存在意義を問い直し、商人の利益を「天下の御用の報い」として肯定した。彼は、自己の心を磨き、正直と倹約を実践することによって、誰もがよりよい生を送り、調和のとれた社会を実現できると説く「心学(石門心学)」を創始した。
センター試験(2020年)類似

徳富蘇峰の平民主義

Q13 明治期に民友社を設立して雑誌『国民之友』を創刊し、鹿鳴館に象徴される政府主体の極端な欧化主義を批判して、一般民衆の自主性を重んじる近代化を主張した。しかし、日清戦争や三国干渉を契機として、後年に対外膨張を肯定する国家主義へと転向した人物は誰か。
★★ 基本 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
徳富蘇峰
明治政府が進めた極端な欧化主義を「貴族主義的欧化」として批判し、一般民衆の生活向上と自主性を重んじる平民主義を唱えて言論界をリードした。しかし、日清戦争や三国干渉を契機として、後年は対外膨張を肯定する国家主義の立場へと転じた。なお、幸徳秋水らとともに平民社を設立したのは堺利彦らであり、明六社で活躍し初代文部大臣となったのは森有礼である。
センター試験(2012年)類似

阿弥陀仏の本願

Q14 阿弥陀仏が立てた四十八の誓願が説かれており、その名号を称える衆生を一人残らず極楽浄土へ往生させるという救済の約束が記されている、浄土教において最も重視される経典は何か。
★★ 基本 V2 (具体例) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
無量寿経
浄土教の根本聖典である浄土三部経(『無量寿経』『観無量寿経』『阿弥陀経』)のうち、阿弥陀仏がかつて法蔵菩薩であった修行時代に立てた四十八の誓願(本願)を説いているのが『無量寿経』である。この経典に説かれる本願に基づき、名号を称えることで極楽往生ができるという専修念仏の思想が展開した。
センター試験(2014年)類似

二宮尊徳の報徳思想

Q15 江戸時代後期の農政家で、自然の営みである「天道」に対し、人間が主体的に働きかける「人道」の重要性を説き、自らの生活を分相応に抑える「分度」や、それによって生じた余剰を他者や社会に還元する「推譲」を実践・指導した人物は誰か。
★★ 基本 V1 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
二宮尊徳
自然の恵み(天道)に感謝しつつも、人間は人為的な努力(人道)によって生活を営むべきだと考えた。彼は、自己の生活の限度を定める「分度」を確立し、それによって生じた余力を他者や社会のために譲る「推譲」を説き、農村の復興に尽力した。
センター試験(2005年)類似

伊邪那岐命・伊邪那美命

Q16 『古事記』などの日本神話において、男女の結びつきによって日本の国土や諸神を生み出したとされる、古代日本人の世界観や生命観を象徴する男女二神は誰か。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
伊邪那岐命・伊邪那美命
『古事記』において、男女二神が互いに交わることで日本の国土(国生み)や様々な神々(神生み)を誕生させたとされる。これは、超越的な絶対神が宇宙や万物を無から創造したとする一神教的な世界観とは異なり、男女の関わりや自然な生成(生む・成る)を世界の根源的な力とする、古代日本独特の思考を反映している。
センター試験(2016年)類似

武者小路実篤の思想

Q17 白樺派を代表する作家・思想家である武者小路実篤は、個人の生命や個性の尊重を重視し、各自が自己の人間性を最大限に成長させることが人類全体の発展に貢献すると考えた。彼がその理想的な共同生活を実践する場として、1918年に宮崎県に創設した共同体の名称は何か。
★★ 基本 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
新しき村
武者小路実篤は、階級対立や搾取のない、誰もが自己の個性を発揮して人間らしく生きられる理想社会の実現を目指した。その実践の場として、1918年に宮崎県児湯郡木城村に『新しき村』を創設し、自らも移住して共同生活を送った。その後、ダム建設に伴い、埼玉県にも新たな村が建設された。
センター試験(2009年)類似

黄泉国

Q18 古代日本の他界観において、死は忌むべき汚れ(穢れ)としても捉えられていた。『古事記』の神話において、火の神を生んで命を落とした伊邪那美命が赴き、彼女を追ってきた伊邪那岐命がその変わり果てた姿に恐れをなして逃げ帰ったとされる、地下にある死後の世界を何というか。
★★ 基本 V1 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
黄泉国
『古事記』などの日本神話において、死者が赴く地下の死後の世界は黄泉国と呼ばれる。伊邪那美命が火の神を生んで亡くなった後にこの世界へ赴き、夫の伊邪那岐命が彼女を連れ戻すために訪れるが、変わり果てた姿を見て逃げ帰った。この神話は、古代日本人が死を「穢れ(けがれ)」として忌み嫌い、生者の世界と死者の世界を明確に区別しようとした他界観を示している。なお、海の彼方にあるとされる「常世国」や、天上にある神々の世界である「高天原」など、古代日本には多様な他界観が存在した。
センター試験(2019年)類似

中世・近世の武士の死生観

Q19 中世の武士は、仏教的な無常観を抱きつつも、戦場での武勇や名誉を重んじた。これに対し、戦乱が収まった近世には、武士の死生観や奉公のあり方が問い直された。佐賀藩の山本常朝の談話を筆記したとされる書物で、「武士道と云ふは、死ぬ事と見付けたり」という一節に代表される、生への執着を捨てて主君に一途に仕える覚悟を説いた著作は何か。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
葉隠
山本常朝の談話を田代陣基が筆記した『葉隠』は、佐賀藩(鍋島藩)で成立した書物である。本書は「武士道と云ふは、死ぬ事と見付けたり」という一節で広く知られ、生への執着を離れて主君への奉公に徹する覚悟を説き、近世武士の死生観を象徴する書物となった。
センター試験(2015年)類似

上下定分の理

Q20 江戸初期の儒学者である林羅山は、幕府の正学となった朱子学の立場から、天と地のように上下の別がある自然界の秩序と同様に、人間社会における身分秩序も不変の理に基づいていると主張し、封建的な支配体制を正当化した。このような、自然の秩序と社会の身分秩序を同一視する思想を何というか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
上下定分の理
林羅山は、宇宙の根本原理である「理」が自然界だけでなく人間社会にも貫かれていると考えた。天が高く地が低いように、君臣や父子などの身分秩序(上下の別)も自然の理に従った不変のものであるとするこの思想は、江戸幕府の封建的支配を正当化する理論的支柱となった。
センター試験(2013年)類似

西田幾多郎の哲学(純粋経験・場所の論理・絶対無)

Q21 明治から昭和にかけて活躍した日本の哲学者は、西洋哲学の論理を用いながら東洋的な思索を体系化しようと試みた。彼は著書『善の研究』において、主観と客観が分かれる前の直接的な意識状態を重視し、のちに主客を包み込む根底としての「場所」や、万物を生み出す根源としての「絶対無」の思想へと発展させた。この哲学者は誰か。
★★ 基本 V2 (具体例) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
西田幾多郎
『善の研究』を著した西田幾多郎は、主観と客観が未分化な状態である「純粋経験」を出発点とし、のちにそれを発展させて「場所の論理」や「絶対無」の哲学を構築した。これは西洋の近代哲学(主客二元論など)を乗り越え、東洋的な「無」の思想を論理化しようとする試みであった。
センター試験(2009年)類似

荻生徂徠

Q22 朱子学などの後世の注釈を排し、古代中国の聖人が定めた制度や言葉を直接研究する学問を提唱した江戸中期の儒学者は誰か。彼は、政治や制度によって社会を治め人々を救う「経世済民」を儒学の本質とし、その文献学的なアプローチはのちの本居宣長らの国学にも大きな影響を与えた。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
荻生徂徠
朱子学などの後世の解釈を介さずに、古代中国の聖人が著した経典の言葉を直接理解しようとする「古文辞学」を確立した。彼は、個人の内面的な修養よりも、政治や制度によって人々を救う「経世済民」を重視した。この文献学的な研究方法は、のちに本居宣長が『古事記伝』などを著す国学の方法論にも大きな影響を与えた。
センター試験(2019年)類似

内村鑑三の非戦論

Q23 明治期のキリスト教思想家であり、日清戦争については「義戦」として支持・肯定したものの、その後の日露戦争に際してはキリスト教の信仰に基づき、いかなる戦争にも反対する絶対的な立場を唱えた人物は誰か。
★★ 基本 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
内村鑑三
日清戦争を東洋の平和と朝鮮の独立のための「義戦」として支持したものの、戦後の現実を見て失望し、日露戦争の際にはキリスト教の立場から絶対的な戦争反対を主張しました。彼は『万朝報』などのメディアを通じてこの立場を表明しました。
共通テスト(2025年)類似

蕃神(仏教伝来当初の仏の受容)

Q24 6世紀に百済から日本に仏教が伝来した当初、人々は仏を在来の神々とは異なる「異国の神」として認識し、神の一種として受け止めた。このような、伝来初期における仏の呼び名として最も適当な用語を答えよ。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
蕃神
仏教が日本に伝来した当初、人々は仏を在来の神々とは異なる異国の神として認識し、これを「となりのくにのかみ」あるいは「あだしくにのかみ」などと呼び、漢字では「蕃神」と表記した。これは、仏教を既存の神祇信仰の枠組みの中で理解しようとした初期の受容形態を示している。その後、神と仏を融合させる神仏習合の動きへと発展していった。
センター試験(2019年)類似

坂口安吾の堕落論

Q25 第二次世界大戦後の混乱期において、戦時中の美徳や天皇制などの旧来の道徳的枠組みに依存することを批判し、人間が自らの弱さやありのままの自己を見つめ直して主体的に生きるために「生きよ、堕ちよ」と説いた、『堕落論』の著者である文学者は誰か。
★★ 基本 V1 (基礎) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
坂口安吾
敗戦直後の日本において、それまでの価値観が崩壊する中で、虚飾の道徳を排して人間本来の姿に立ち返ることを主張した。著書『堕落論』において「生きよ、堕ちよ」と提唱し、既成の秩序や道徳に安易にすがるのではなく、自らの意志で主体的に生きることを求めた。この人物は、太宰治らとともに「無頼派」と呼ばれた。
共通テスト(2021年)類似

小林秀雄の近代批評と様々なる意匠

Q26 大正から昭和期にかけて活躍したある文芸批評家は、処女作において、当時の日本の知識人が西洋から輸入された様々な思想や理論を、自らの実感に基づかない借り物の「飾り」として安易に消費している状況を批判した。対象に対する直接的な批評眼と自己の感覚の重要性を主張し、日本の近代批評を確立したこの人物は誰か。
★★ 基本 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
小林秀雄
大正から昭和期にかけて活躍した小林秀雄は、1929年の処女作『様々なる意匠』において、当時の文壇や知識人が西洋の思想や理論を自らの血肉とせず、流行の「意匠(飾り)」として弄んでいる状況を批判した。彼は、借り物の理論に依存するのではなく、対象に対する直接的な批評眼と自己の実感の重要性を説き、日本の近代批評の基礎を築いた。
センター試験(2015年)類似

福沢諭吉の文明観

Q27 近代日本の思想において、西洋文明の受容をめぐり、既存の知識や習慣を疑って真実を追究する「懐疑の精神」こそが文明の進歩の原動力であると主張した。その一方で、自国の伝統を深く考えずに捨て去り、西洋の事物を盲信する軽薄な態度を戒め、主体的・合理的な判断力をもつ「独立自尊」の個人を育成しようとした、著書『文明論之概略』で知られる思想家は誰か。
★★ 基本 V2 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
福沢諭吉
西洋文明の進歩の原動力を、既存の知識を疑い真実を追究する懐疑の精神に見いだした。日本人もこの精神を学ぶべきであると主張する一方で、自国の伝統や習慣を深く考えずに軽々しく捨て去り、西洋の事物を盲目的に受け入れるだけの軽薄な態度を厳しく批判した。彼は「独立自尊」を説き、個人の独立が国の独立につながると主張した。
センター試験(2010年)類似

法然の専修念仏

Q28 平安末期から鎌倉初期にかけて、従来の仏教が重視した学問や戒律、多様な修行を退け、ひたすら仏の名を称えることのみによって救われるという教えを説き、のちに浄土宗の開祖となった僧侶は誰か。
★★ 基本 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
法然
比叡山で修行を積んだこの僧侶は、末法思想が広まる社会不安の中で、誰もが救われる道を模索した。そして、善導の著作などを通じて、ひたすら念仏を称えることのみによって極楽往生ができるという確信に至り、独自の宗派を開いた。この平易で実践しやすい教えは広く民衆や武士に受け入れられたが、同時に旧仏教側からの強い反発を招き、流罪に処されるなどの迫害を受けることとなった。
センター試験(2020年)類似

伝統の連続性と非連続性

Q29 日本の伝統的な信仰や年中行事は、時代や生活様式の変化に伴ってその形態を変えながらも、人々の生活の基底において受け継がれてきた。このような、固定不変ではないが変容しつつ維持される伝承(伝統)に着目し、文字に残されない庶民の生活史を明らかにする日本独自の民俗学を確立した人物は誰か。
★★ 基本 V2 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
柳田国男
柳田国男は、日本の農村などに残る信仰や行事などの伝承を調査し、それらが時代とともに変容しつつも、庶民の生活のなかで連続性を保って受け継がれてきたことを明らかにした。彼はこの伝承の担い手を「常民」と呼び、文献史学では捉えきれない伝統の動的な維持プロセスを解明しようとした。
共通テスト(2021年)類似

福沢諭吉の実学思想

Q30 明治初期の啓蒙思想において、従来の儒学などの観念的な学問を「虚学」として批判し、日常生活や産業の発展に直接役立つ実用的な学問を重視する考え方が示された。個人の独立自尊を支える基盤として、福沢諭吉らが推奨したこの学問のあり方を何というか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
実学
福沢諭吉は『学問のすすめ』において、実生活に役立たない学問を排し、地理、物理、歴史、経済など、実用に適した学問を学ぶべきだと主張した。
センター試験(2017年)類似

日本思想における外来思想の受容と再創造

Q31 明治期において、フランスの思想家ルソーの『社会契約論』を翻訳・紹介する際、単なる直訳にとどまらず、東洋の伝統的な概念を用いて日本の文脈に適合するよう主体的な再解釈を施した『民約訳解』を著し、自由民権運動に多大な影響を与えた思想家は誰か。
★★★ 標準 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
中江兆民
西洋思想の受容において、単なる模倣にとどまらず、漢文の素養を用いて日本の知識層に理解しやすい形で翻訳・紹介した。この主体的な受容と再解釈のプロセスを通じて、日本の自由民権運動における独自の民主主義思想の発展に貢献した。
センター試験(2015年)類似

『弁道』

Q32 江戸時代中期、朱子学の解釈を批判し、古代中国の言葉を当時の意味で直接理解しようとする学問を提唱した儒学者がいる。彼は著書『弁道』において、社会を治めるための具体的な制度や礼楽である「先王の道」を明らかにしたが、この人物は誰か。
★★ 基本 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
荻生徂徠
古代の言葉を直接読み解く古文辞学を提唱し、政治や制度による社会秩序の安定(経世済民)を重視した儒学者は荻生徂徠である。彼は『弁道』や『政談』などの著作を残し、徳川吉宗の政治顧問としても活躍した。朱子学の道徳主義を批判し、聖人が定めた制度である「先王の道」を重んじる彼の思想は、のちの経世論に大きな影響を与えた。
センター試験(2015年)類似

林羅山の居敬窮理

Q33 林羅山は、自己の欲望を抑えて身を慎むことと万物の理を極めることを重視した。彼がこの実践を通じて明らかにしようとした、天地の自然な秩序と同様に、人間社会にも固定的な身分秩序が存在するべきであるとする儒学上の主張を何というか。
★★★ 標準 V2 (具体例) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
上下定分の理
林羅山は朱子学の「居敬窮理」を説き、天と地、上と下という自然界の秩序を人間社会に適用することで、武士を頂点とする幕藩体制の身分秩序(上下定分の理)を道徳的に正当化した。
センター試験(2008年)類似

夏目漱石の個人主義

Q34 英文学研究のためにイギリスへ留学したものの、東洋と西洋の価値観の相違に直面して神経衰弱に陥るほどの苦悩を経験した。帰国後、他者の個性や自由を尊重しつつ、自己の個性を発揮して義務と責任を自覚する立場を提唱し、自己の価値基準に従って生きる「自己本位」の重要性を説いた、近代日本を代表する作家・思想家は誰か。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
夏目漱石
イギリス留学中に東洋と西洋の文化のギャップに苦しんだ経験から、他人の意見に惑わされず自己の価値基準を確立する「自己本位」の思想に到達した。彼は、自己の自由や個性を重んじる一方で、他者の自由や個性をも同様に尊重し、自己の行動に伴う義務や責任を自覚する態度を提唱した。
センター試験(2017年)類似

雪舟

Q35 室町時代には禅宗の精神が日本の芸術に深い影響を与え、独自の美意識が形成された。坐禅によって得られる寂静の境地を、墨の濃淡だけで表現する山水図などを描き、枯淡や幽玄の美を表現して日本の水墨画を大成させた、明への渡航経験を持つ画僧は誰か。
★★ 基本 V2 (具体例) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
雪舟
禅宗の精神世界と深く結びついた水墨画は、室町時代に全盛期を迎えた。この画僧は中国(明)に渡って本場の画法を学び、帰国後に独自の力強い筆致と空間構成による山水図を数多く残した。墨の濃淡のみで表現される枯淡や幽玄の美は、後の日本の美意識に大きな影響を与えた。
センター試験(2013年)類似

山片蟠桃の思想

Q36 大坂の町人学者であり、学問所である懐徳堂に学んだ。西洋の自然科学の知見を取り入れて地動説を支持し、著書『夢の代』において、神仏や幽霊などの超自然的な存在を否定する「無鬼論」を唱えて徹底した合理主義的態度を示した、江戸時代後期の思想家は誰か。
★★ 基本 V1 (基礎) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
山片蟠桃
懐徳堂で学んだ大坂の商人・思想家である。著書『夢の代』において、西洋の天文学に基づく地動説を紹介するとともに、霊魂や鬼神などの超自然的な存在を否定する「無鬼論」を主張し、合理主義的な世界観を提示した。
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本居宣長の真心

Q37 本居宣長が提唱した思想において、儒教や仏教などの外来の教えや、それに基づく作為的な理知・道徳観を指し、人間本来の自然な感情を歪めるものとして批判された概念を何というか。
★★★ 標準 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
漢意
本居宣長は、中国伝来の儒教や仏教などの教えや、それによって形成された作為的な思考様式を「漢意(からごころ)」と呼んで批判した。これに対し、日本古来のありのままの自然な心のあり方を「真心(まごころ)」として対比させた。
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純粋経験

Q38 日本独自の哲学を打ち立てた西田幾多郎は、主観と客観が対立する前の「主客未分」の直接的な経験(純粋経験)を基礎に据え、宗教や道徳の統一的理解を試みた。この思想が提示され、日本の近代哲学の出発点となった彼の主著は何か。
★★ 基本 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
善の研究
西田幾多郎は、主観と客観が分かれる前の直接的な経験である「純粋経験」を唯一の現実とし、そこから知・情・意や宗教・道徳を統一的に説明しようとした。この思想は、1911年に刊行された彼の主著『善の研究』において体系的に展開され、日本の近代哲学に大きな影響を与えた。
共通テスト(2023年)類似

中江藤樹

Q39 江戸時代初期の儒学において、固定化された道徳規範を批判し、個人の内なる良知に基づき、状況や立場(時・処・位)に応じた適切な道徳を実践することを重視して、日本における陽明学の祖となった人物は誰か。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
中江藤樹
江戸時代初期、幕府の正学とされた朱子学が形式化していく中で、内面的な道徳実践を重視する陽明学が受容された。この人物は、時(時間)、処(場所)、位(立場)という具体的な状況に応じて、心の中の「良知」に従って行動すべきであると説き、日本陽明学の祖と称された。
センター試験(2013年)類似

江戸時代の自然哲学・実証主義思想

Q40 江戸時代の思想家で、自然界のあらゆる事物が対立しつつ調和しているという独自の自然哲学(条理学)を提唱し、主著『玄語』などで独自の論理体系を展開した人物は誰か。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
三浦梅園
豊後国(現在の大分県)の医師であり、朱子学的な自然観にとどまらず、自然界の法則を客観的に探究しようとした。万物を陰陽などの対立する二要素の組み合わせとして捉える「条理学」を構築し、その思想は『玄語』などにまとめられている。
センター試験(2016年)類似

新島襄の良心教育

Q41 幕末に渡米してキリスト教を学んだ新島襄は、帰国後に同志社を創立した。彼は、単なる知識の伝達に偏る教育を批判し、キリスト教精神に基づき、個人の内面における道徳的自己規律を重んじるどのような教育を実践・提唱したか。
★★ 基本 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
良心教育
新島襄は、欧米の近代文明の根底にキリスト教道徳があることを見出し、知識のみに偏る教育を批判した。キリスト教精神に基づき、個人の内なる道徳的自律を促す人格教育を重視した。
センター試験(2008年)類似

清き明き心

Q42 古代の日本人は、自然の恵みや災いをもたらす神々を畏敬し、共同体の秩序を維持することを重視した。その中で、神々の前で自らを省みる際、私心がなく、偽りや汚れのない、純粋で明朗な心のあり方が尊ばれた。このような、古代日本における伝統的な道徳観・倫理観を何というか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
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✅ 正解
清き明き心
古代日本のアニミズム的な信仰や共同体生活を背景に生まれた倫理観である。神々の前で偽りのない、純粋で明朗な心情を尊ぶ態度を指し、のちに「清明心」とも表現された。この観念は、中世の伊勢神道における「正直」や、近世の思想における「誠」など、日本思想史における誠実さの倫理の源流となった。
センター試験(2015年)類似

悪人正機

Q43 鎌倉時代に展開された仏教思想において、自力で善行を積むことのできない凡夫こそが、阿弥陀仏の慈悲による他力救済の真の対象であるとする、浄土真宗の根本的な教えを何というか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
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✅ 正解
悪人正機
阿弥陀仏の誓願は、自力で修行や善行を行うことのできない迷える凡夫(悪人)を救うためにこそ立てられたものであるという考え方。自力で往生しようとする「善人」よりも、自らの無力を自覚して阿弥陀仏に全面的にすがる「悪人」こそが救済の主客(正機)であると説く。
センター試験(2019年)類似

日本思想における心と行為の結び付き

Q44 孟子の「至誠」の思想や陽明学の実践重視の姿勢を受け継ぎ、国を思う純粋な心は必ず具体的な行動として現れるべきであると主張して、主宰する私塾から多くの変革の担い手を輩出した思想家は誰か。
★★★ 標準 V2 (具体例) 正答率 —
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✅ 正解
吉田松陰
心の中の誠意(至誠)を行動によって示すことを重んじ、自らも国を憂う行動を貫いた。主宰した松下村塾からは、高杉晋作や伊藤博文など、幕末から明治にかけて活躍した多くの志士が輩出され、彼の思想は明治維新の精神的支柱となった。
センター試験(2013年)類似

江戸時代の自然哲学・実証主義思想

Q45 江戸時代後期の商人であり、儒学や蘭学を学び、地動説を支持するとともに、神仏や幽霊などの超自然的な存在を否定する「無鬼論」を唱えて合理主義的な思想を展開した人物は誰か。
★★ 基本 具体例 正答率 —
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✅ 正解
山片蟠桃
大坂の商人でありながら学問に励み、西洋の科学的知識を取り入れて合理的な世界観を構築した。主著『夢の代』において、無鬼論(無神論的・無霊魂的な立場)や地動説を主張し、迷信を排した実証的な態度を示したことで知られる。
センター試験(2011年)類似

悪人正機説における善人と悪人

Q46 親鸞が唱えた思想で、自力で善を行えると思い込んでいる「善人」よりも、自らの煩悩の深さを自覚し自力では救われないと自覚している「悪人」こそが、阿弥陀仏の他力救済の対象(正機)であるとする考え方を何というか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
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✅ 正解
悪人正機説
親鸞は、自力で善を修めようとする「善人」は阿弥陀仏の他力を頼む心が薄いのに対し、自らの煩悩の深さを自覚して自力では救われないと自覚している「悪人」こそが、他力にすがるほかないため、阿弥陀仏の救済の主たる対象(正機)であると説いた。この思想を悪人正機説と呼ぶ。
センター試験(2012年)類似

古代日本の明き清き心

Q47 古代の日本人が神々の前で理想とした、嘘偽りや汚れがなく、包み隠さず純粋で正直な心のあり方を何というか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
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✅ 正解
明き清き心
古代の日本人は、神々の前で包み隠さず、清らかで濁りのない正直な心で生きることを重んじた。この純粋な心のあり方は「明き清き心(明浄直き心)」や、嘘偽りのない心を示す「赤心(せきしん)」などと表現され、古代の道徳観の根幹をなした。
共通テスト(2023年)類似

森有礼の婚姻論

Q48 1873年、アメリカから帰国した外交官の提唱により、西周、津田真道、中村正直、福沢諭吉らが結成した学術団体は何か。機関誌を発行して西洋の近代思想や学術を紹介し、一夫多妻制の批判や夫婦平等の提唱など、日本の近代化・啓蒙活動に大きな役割を果たした。
★★ 基本 具体例 正答率 —
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✅ 正解
明六社
森有礼の提唱によって結成された日本最初の学術団体。機関誌『明六雑誌』を発行し、啓蒙思想の普及に努めた。一夫多妻制の批判や夫婦平等の提唱など、社会制度の近代化に向けた議論を活発に行い、日本の近代化に多大な影響を与えた。
センター試験(2004年)類似

複数宗教の受容

Q49 日本人の多くは、日常生活において特定の単一の信仰に縛られることなく、仏教の行事である葬儀や法要を行いながら、神道の行事である初詣や七五三に赴くなど、異なる系統の信仰に由来する儀礼や慣習を状況に応じて受け入れている。このような、日本において外来の信仰である仏教と、在来の神々への信仰が融合し、一つの信仰体系として再構成された歴史的現象を何というか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
神仏習合
日本では古来、在来の神々への信仰(神道)と、大陸から伝来した仏教が結びつき、互いに調和・融合する現象が見られた。この歴史的背景により、現代の日本でも、一つの家庭や個人が複数の異なる信仰の儀礼や慣習を同時に、あるいは状況に応じて受容する独特の宗教観が形成された。
共通テスト(2025年)類似

荻生徂徠の先王の道

Q50 江戸時代の儒学者である人物が提唱した思想において、古代中国の聖人たちが天下を安泰にするために知恵や工夫を尽くして人為的に創造した、礼楽刑政などの政治的・制度的な規範や制度を何と呼ぶか。
★★★ 標準 基礎 正答率 —
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✅ 正解
先王の道
道とは天地自然の法則や個人の内面的な道徳ではなく、古代の聖人が社会を治めるために人為的に制作した具体的な政治・社会制度(礼楽刑政)であると考えられた。これを遵守し実践することによって、天下を安泰に導くことができると主張された。
センター試験(2009年)類似

神仏習合

Q51 日本固有の神々への信仰と、伝来した仏教が結びつき、一つの信仰体系として再構成された現象を何というか。この過程では、神社の中に神宮寺が建てられたり、神は仏が人々を救うために仮の姿で現れたものとする説が唱えられたりしたが、近代の神仏分離令によって強制的に区別されることとなった。
★★ 基本 基礎 正答率 —
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✅ 正解
神仏習合
日本固有の神々への信仰(神道)と、伝来した仏教が結びついた現象を神仏習合と呼ぶ。奈良時代以降、神社に神宮寺が建てられるなどの動きが見られ、平安時代には神は仏が人々を救うために仮の姿で現れたものとする本地垂迹説が広く受け入れられた。しかし、明治政府による神仏分離令によって、これらは強制的に切り離されることとなった。
共通テスト(2023年)類似

西田幾多郎の絶対矛盾的自己同一

Q52 近代日本の哲学者である西田幾多郎は、東洋的な「無」の思想を西洋哲学の枠組みを用いて論理化しようとした。彼が思索の末に到達した、互いに対立し矛盾する個と個が、その矛盾を維持したまま結びつき、全体として一つの動的な世界を構成しているという世界の根源的なあり方を示す概念を何というか。
★★★ 標準 基礎 正答率 —
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✅ 正解
絶対矛盾的自己同一
西田幾多郎が提唱した、対立するものが矛盾をはらんだまま一つの同一性を保って存在しているという世界のあり方を示す概念は、絶対矛盾的自己同一である。主客未分の「純粋経験」から出発し、独自の思索を深めた結果としてこの概念に達した。
センター試験(2020年)類似

中江兆民

Q53 フランスの共和主義の影響を受け、市民が道徳的な主体となることを重視した思想家の中江兆民が著した書物で、民主主義や平和主義を主張する洋学紳士、対外進出を唱える豪傑君、現実的な立場から調停を試みる南海先生の3人の対話を通じて、日本の進むべき針路を論じた作品は何か。
★★ 基本 V2 (具体例) 正答率 —
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✅ 正解
三酔人経綸問答
1887年に刊行された中江兆民の代表作である。本書では、西洋の民主主義・平和主義を理想とする「洋学紳士」、武力による大陸進出を主張する「豪傑君」、そして現実的な漸進主義の立場から両者の意見を調停する「南海先生」の3人の対話形式を用いて、当時の日本が直面していた外交や内政の課題、民主平等の制度のあり方を多角的に論じている。
センター試験(2016年)類似

室鳩巣の仏教批判

Q54 江戸幕府の将軍徳川家宣・家継に仕えた新井白石の推薦により、幕府の儒官となった朱子学者である。著書において、親や主君といった人倫の義務を放棄して自己の極楽往生を願う仏教の姿勢を、自己の安楽を優先する私心であると批判し、儒教的な道徳の重要性を説いた人物は誰か。
★★★ 標準 V2 正答率 —
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✅ 正解
室鳩巣
新井白石の推薦で幕府に仕えた朱子学者。著書『駿台雑話』において、仏教の出家や極楽往生を願う姿勢を、親や主君に対する義務を怠る利己的な「私心」であると厳しく批判し、儒教的な人倫の道こそが真の安楽をもたらすと主張した。
センター試験(2014年)類似

片山潜の社会主義運動

Q55 明治期にアメリカでキリスト教の洗礼を受け、帰国後にセツルメントハウスであるキングスレー館を設立して社会事業を行い、労働組合期成会の結成や日本初の社会主義政党の結成に関わるなど、キリスト教人道主義の立場から労働者の地位向上や貧困層支援に尽力した社会主義運動家は誰か。
★★ 基本 基礎 正答率 —
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✅ 正解
片山潜
キリスト教人道主義に基づき、労働者の地位向上や貧困層支援のための社会主義運動を展開した人物は片山潜である。彼の思想的背景はキリスト教精神に根ざしたものであり、仏教の慈悲の精神に基づくものではない。帰国後はキングスレー館を設立してセツルメント活動を行い、労働運動や社会主義運動を指導した。
センター試験(2015年)類似

高く直き心

Q56 江戸時代の国学者である賀茂真淵は、儒教や仏教などの外来思想が流入する前の古代日本人の精神を重んじた。彼が『万葉集』の歌風から見いだした、素朴で雄大かつおおらかな古代の人々の心の有り様を何と呼ぶか。
★★ 基本 V1 (基礎) 正答率 —
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✅ 正解
高く直き心
賀茂真淵は、儒教や仏教などの外来思想(「漢意」)に染まる前の古代日本人の精神を『万葉集』の探究を通じて明らかにしようとした。彼は、万葉の歌風に現れている、素朴で雄大かつおおらかな古代人の心の有り様を「高く直き心」と呼び、これを理想とした。なお、本居宣長が『古事記』などから見いだした「真心」や、古代神道における「清き明き心」などとの区別が重要である。
共通テスト(2024年)類似

石田梅岩の心学

Q57 江戸時代中期、儒教・仏教・神道を融合させ、商人や庶民に向けて日常生活の道徳をわかりやすく説く実践的な倫理思想を創始した人物は誰か。彼は、商人の営利活動を肯定し、正直や倹約を重んじることで、士農工商の身分秩序を前提としつつも、それぞれの家業に励むことの道徳的価値を主張した。
★★★ 標準 V2 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
石田梅岩
石田梅岩は、京都で町人として働きながら独自の思想を形成し、儒教・仏教・神道を融合させた「心学(石門心学)」を唱えた。彼は、武士の禄(給与)と同様に、商人の得る利益も正当な報酬であると主張し、商人の営利活動を肯定した。また、日常生活における「正直」や「倹約」を重視し、身分秩序を肯定しつつも、それぞれの職業に励むことが道徳的に等価であることを説いた。
センター試験(2017年)類似

柳宗悦の民芸運動

Q58 大正から昭和期にかけて、名もなき職人の手仕事による日常的な雑器や日用品の中に、作為のない実用的な美を見いだし、それらを「民衆的工芸」と呼んでその価値を広く紹介する運動を展開した思想家は誰か。
★★ 基本 V1 (基礎) 正答率 —
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✅ 正解
柳宗悦
大正から昭和期にかけて活躍した柳宗悦は、無名の職人が作った日常の雑器の中に、飾らない本質的な美しさ(用の美)を見いだした。彼はこれを「民衆的工芸」を略して「民芸」と名付け、各地の民芸品を収集・紹介する民芸運動を展開した。折口信夫の「まれびと」や九鬼周造の「いき」の美学など、他の近代日本の思想家による独自の美意識や文化論との混同に注意する必要がある。
センター試験(2015年)類似

福沢諭吉の文明観

Q59 「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」という一節で広く知られるが、単なる平等主義の表明にとどまらず、既存の知識を疑い真実を探求する精神の重要性を説き、同時に西洋文明を盲信して旧来の習慣を軽率に捨てる態度を戒めた、明治初期に刊行された啓蒙書は何か。
★★ 基本 V1 正答率 —
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✅ 正解
学問のすすめ
本書は、実学(日常生活に役立つ学問)の重要性を説いたことで有名であるが、同時に西洋文明の進歩の原動力を「懐疑の精神」に見いだし、既存の知識や習慣を疑うことの重要性を説いている。また、西洋の事物を盲目的に受け入れるだけの軽薄な態度を厳しく批判し、主体的な学問のあり方を提示した。
共通テスト(2025年)類似

夏目漱石の開化論(皮相上滑りの開化)

Q60 明治期の日本において、西洋文明の急速な受容に伴う近代化のあり方を批判的に考察した文学者・思想家がいる。彼は、日本の近代化が自己の内面から自然に湧き出るような発展(内発的開化)ではなく、西洋からの外圧や影響によって急激に引き起こされた発展(外発的開化)であるため、中身の伴わない「皮相上滑りの開化」にならざるを得ないと指摘した。この指摘を行った人物は誰か。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
夏目漱石
日本の近代化が西洋からの外発的な力によって急激に推進されたため、自己の内面から湧き出る内発的な発展を欠いた「皮相上滑りの開化」になっていると指摘し、近代化に伴う知識人の自己喪失や苦悩を表現した。
共通テスト(2023年)類似

最澄の一乗思想

Q61 平安初期に比叡山に延暦寺を建立して天台宗を開いた人物は、すべての人が仏になれるという教えを説き、悟りの能力によって成仏できる者とできない者を区別する徳一らの主張を厳しく批判した。この人物は誰か。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
最澄
比叡山延暦寺を拠点に天台宗を広めた人物に関する問い。彼は、すべての人が成仏できるという教え(一乗思想)を重視し、人間の素質によって成仏の可否が分かれるとする法相宗の徳一と激しい論争(三一権実論争)を展開した。
共通テスト(2025年)類似

荻生徂徠の先王の道

Q62 朱子学のように個人の内面的な道徳修養を重視する姿勢を批判し、古代中国の聖人たちが天下を安泰にするために人為的に創造した、礼楽刑政などの政治的・制度的な規範こそが従うべき規範であると説いた、江戸中期の儒学者は誰か。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
荻生徂徠
朱子学が説く、万物に内在する理(道)を個人の修養によって認識するという立場に対し、古代の聖人(先王)が天下を治めるために人為的に制作した制度や規範(礼楽刑政)こそが「道」であると主張した。この思想は、政治や制度による社会秩序の安定(安天下)を重視する経世済民の学問へとつながった。
センター試験(2008年)類似

夏目漱石の個人主義

Q63 明治から大正期にかけて活躍した作家の夏目漱石は、イギリス留学での苦悩を経て、自己の価値基準に従って生きる「自己本位」の立場に達した。彼が講演などで提唱した、自己の個性を発揮して自由を享受する一方で、他者の個性や自由をも尊重し、自己の行動に伴う義務と責任を自覚すべきであるとする思想を何というか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
個人主義
夏目漱石が提唱したこの思想は、単なる利己主義(エゴイズム)とは異なり、自己の個性を重んじる「自己本位」を主張する一方で、他者の個性や自由をも同様に尊重し、自己の行動に伴う義務や責任を自覚する態度を求めた。
センター試験(2009年)類似

日本の伝統的な他界観

Q64 伝統的な他界観に関連して、海の彼方などにある他界(常世)から、定期的に現世を訪れて人々に祝福や霊力を与える神聖な存在を「マレビト」と呼び、日本の信仰や芸能の起源を説明した民俗学者は誰か。
★★★ 標準 V2 (具体例) 正答率 —
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✅ 正解
折口信夫
折口信夫は、柳田国男の他界観とは異なり、海の彼方の常世国(とこよのくに)から時を定めて現世を訪れる「マレビト(稀人・客人)」の信仰に着目した。このマレビトが日本の伝統的な芸能や文学、信仰の基盤にあると主張した。
共通テスト(2021年)類似

吉本隆明の共同幻想論

Q65 戦後日本の思想家が著した代表作で、国家や法、社会組織などの共同の観念を、人間が作り出した幻想の一種として捉え直し、大衆の実生活や感覚に根ざした自立的な思想のあり方を提示した理論書は何か。
★★ 基本 V2 (具体例) 正答率 —
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✅ 正解
共同幻想論
個人の「自己幻想」、家族などの「対幻想」に対して、国家や法などの社会制度を「共同幻想」と位置づけ、その本質を分析した。国家の権威を絶対視せず、大衆の日常生活や実生活の感覚を思想の根底に置くことで、国家や組織から自立した個人の思想のあり方を追求した。
センター試験(2009年)類似

林羅山

Q66 江戸幕府の初代将軍徳川家康らに仕えた儒学者であり、朱子学の立場から、天と地のように人間社会にも固定的な身分の上下関係が存在することは自然の理であるとする「上下定分の理」を唱え、幕藩体制の身分秩序を正当化した人物は誰か。
★★ 基本 V1 (基礎) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
林羅山
朱子学は、宇宙の根本原理である「理」を重視し、道徳や秩序を重んじる学問である。この人物は、自然界の天尊地卑の秩序と同様に、人間社会にも固定的な身分の上下関係が存在することは当然であるとする「上下定分の理」を唱えた。これにより、江戸幕府の支配体制や身分秩序を思想的に正当化し、幕藩体制の確立に大きく貢献した。
センター試験(2009年)類似

神仏習合

Q67 神仏習合の進展に伴い、日本の神々は、本来の姿である仏が人々を救うために仮の姿となって現れたものであるとする考え方が現れた。この、平安時代中期以降に広く浸透した思想を何というか。
★★★ 標準 具体例 正答率 —
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✅ 正解
本地垂迹説
神仏習合の思想的展開において、仏や菩薩を「本地(本来の姿)」とし、日本の神々を「垂迹(仮の現れ)」とする本地垂迹説が唱えられた。これに対し、鎌倉時代末期から室町時代にかけては、神を主、仏を従とする反本地垂迹説(伊勢神道など)も現れた。
センター試験(2018年)類似

日蓮の思想

Q68 個人の救済にとどまらず、正しい仏法に基づく政治の実現によって現実社会を仏国土とすることを目指した。また、『法華経』に依拠し、釈迦が永遠に存在し続けることや、人々の救済に献身する菩薩の姿に着目して独自の教えを説いた、鎌倉新仏教の開祖は誰か。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
日蓮
日蓮は、正しい仏法に基づく政治の実現が重要であると考え、現実社会を仏国土とすることを目指した。また、『法華経』に依拠し、釈迦が永遠に存在し続けることや、人々の救済に献身する菩薩の姿に着目して教えを説いた。他宗への激しい排斥・批判を行ったことでも知られ、宗派間での融和を図ったわけではない。
共通テスト(2024年)類似

内村鑑三の無教会主義と日本的キリスト教

Q69 内村鑑三が提唱した、教会の組織や儀式に依存せず、聖書のみを信仰の拠り所とする立場を何というか。彼は、西洋の教会制度をそのまま受け入れるのではなく、日本独自の精神的伝統である武士道精神を土壌とすることで、キリスト教が真に日本に根付くと考えた。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
無教会主義
内村鑑三は、西洋の教会制度や儀式を重視するあり方を批判し、聖書のみを信仰の拠り所とするこの立場を提唱した。彼は、日本独自の精神的伝統である武士道精神とキリスト教信仰を融合させることで、日本に真のキリスト教が根付くと考え、個人の純粋な信仰を重視した。
共通テスト(2024年)類似

母性保護論争

Q70 大正期に展開された女性の保護をめぐる論争において、国家による財政支援や保護を求める立場に対し、女性が国家に依存することを批判し、まずは女性自身が職業を持って経済的に自立すべきであると主張した歌人・思想家は誰か。
★★★ 標準 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
与謝野晶子
平塚らいてうが女性の妊娠・出産期における国家の保護を求めたのに対し、与謝野晶子は国家への依存を批判し、女性の経済的自立を第一に主張した。この対立は当時の女性解放運動における重要な思想的論争となった。
センター試験(2016年)類似

室鳩巣の仏教批判(『駿台雑話』)

Q71 江戸時代の朱子学者である室鳩巣は、仏教徒が極楽往生を願うことを、主君や親を顧みずに自分一人の安楽を求める利己的な姿勢であるとして厳しく批判した。このような彼の思想や、日常の教訓・逸話などが記されている、彼の代表的な著書は何か。
★★ 基本 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
駿台雑話
室鳩巣の講話や教訓を門人がまとめた『駿台雑話』には、彼の仏教批判が収められている。その中で彼は、極楽往生を願う仏教徒の心を、主君や親を捨てる利己的なものとして批判し、自己の安楽を求める心を捨てて人倫の道に尽くすことこそが聖人の教えに適うと説いた。
センター試験(2011年)類似

鎮護国家

Q72 奈良時代、疫病の流行や政情不安などの社会的な混乱に直面した聖武天皇は、仏教の教えと力によって国家の安泰や平和を維持し、災害や外敵から国を守ろうとした。この思想に基づき、全国に国分寺・国分尼寺が建立され、東大寺の大仏造立が進められたが、この思想を何というか。
★★ 基本 V1 (基礎) 正答率 —
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✅ 正解
鎮護国家
奈良時代には、天然痘の流行や藤原広嗣の乱などの社会不安が相次いだ。聖武天皇は仏教の力によってこれらの災いから国を守り、国家の安定を図ろうとする思想を重視した。この思想に基づき、全国に国分寺・国分尼寺が建立され、東大寺の大仏造立が進められた。これは、仏教を国家の統治や保護に利用する古代日本の特徴的な思想である。
共通テスト(2025年)類似

丸山真男の日本思想論(雑居)

Q73 第二次世界大戦後の日本を代表する政治学者・思想史家であり、日本の思想状況について、外来の様々な思想が歴史的な対決や統合を経ることなく、新旧の思想がただ並列的に共存している状態を表現して批判的に分析した人物は誰か。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
丸山真男
日本の思想史において、外来の思想が歴史的に蓄積・体系化されず、新旧の思想がただ「雑居」している状態を批判的に分析した。著書『日本の思想』などで知られ、戦後民主主義の思想的支柱となった。
共通テスト(2023年)類似

吉田松陰の誠

Q74 幕末の思想家であり、野山獄に投獄された際にも囚人たちに『孟子』を講じ、自己の心情の純粋さを追求する「誠」の精神を説いた人物は誰か。その講義録は『講孟余話』としてまとめられ、のちの松下村塾の門下生たちに大きな影響を与えた。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
吉田松陰
野山獄に捕らえられた際にも、囚人たちを相手に『孟子』の講義を行い、その内容を『講孟余話』として著しました。彼は、自己の心情の純粋さを追求する「誠」の精神を重視し、いかなる境遇にあっても人としての道を学び、実践することを説きました。
共通テスト(2022年)類似

憲法十七条

Q75 推古天皇の摂政であった聖徳太子(厩戸王)が制定したとされる、官吏(役人)としての道徳的・政治的な心得を定めた法規範は何か。第一条で「和をもって貴しとなす」として人々の協調を説き、第二条で「仏・法・僧」の三宝を敬うことを求めている。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
憲法十七条
飛鳥時代に制定されたこの規範は、豪族たちに対して官吏としての自覚を促し、天皇を中心とする中央集権体制の基礎を築くために作られた。仏教の「三宝」を敬うことや、儒教的な「和」の精神を取り入れることで、共同体の調和と国家秩序の維持を目指した。
センター試験(2014年)類似

源信

Q76 平安中期の僧侶である源信が著した書物で、地獄や極楽浄土の様子をリアルに描写し、阿弥陀仏を観想する念仏による往生を説いて、貴族から庶民に至るまで広く読まれ、後世の仏教美術や文学にも大きな影響を与えた著作は何か。
★★ 基本 V2 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
往生要集
源信は、比叡山での修行の中で、極楽往生に関する経典や論釈の要点を集大成した。この著作では、厭離穢土・欣求浄土の思想に基づき、地獄の恐ろしさと極楽の美しさが視覚的に描かれており、阿弥陀仏を心に思い描く観念念仏が推奨された。本書は、慶滋保胤の『日本往生極楽記』などとともに、平安貴族の間で浄土信仰が急速に広まる契機となった。
センター試験(2017年)類似

山崎闇斎の思想

Q77 自己を修める方法として朱子学の「敬」を極めて重視し、君臣関係の絶対性を強調した。のちに神道と儒学を融合させた独自の神道説を唱え、幕末の尊王論にも大きな影響を与えた、江戸時代初期の思想家は誰か。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
山崎闇斎
朱子学の「敬」を重視し、君臣の義の絶対性を説いた。さらに、神道と儒学(朱子学)を融合させて垂加神道を創始し、のちの尊王思想に強い影響を与えた。
共通テスト(2026年)類似

荻生徂徠の徂徠擬律書

Q78 江戸時代、赤穂浪士による討ち入り(赤穂事件)の処分をめぐり、浪士たちの行動を「私的な義」として評価しつつも、幕府の「公的な法」を維持するために彼らを処罰(切腹)すべきであると主張し、政治における法の優位性を説いた儒学者は誰か。
★★ 基本 V2 (具体例) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
荻生徂徠
赤穂浪士の仇討ち(赤穂事件)の処分をめぐっては、当時の知識人の間で激しい論争が起こった。この人物は、浪士たちの忠義を「私的な義」として認めつつも、幕府の許可なく徒党を組んで騒動を起こしたことは「公的な法」に違反するとし、天下の法を維持するために切腹に処すべきだと主張した。これは、道徳(義)よりも政治や法(制度)を重視する彼の思想を象徴する出来事である。
共通テスト(2021年)類似

石田梅岩の石門心学と井原西鶴の浮世草子

Q79 江戸時代中期、武士が禄を得るのと同様に、町人が商業活動によって利益を得ることは正当な行為であると主張し、正直や倹約といった日常の道徳を説く学問を創始した人物は誰か。
★★ 基本 V1 (基礎) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
石田梅岩
武士の家禄と同様に、商人・職人の得る利潤は正当な報酬(「商人の買利は天下の御免」)であると主張し、町人の営利追求を肯定した。そして、正直と倹約を重んじる実践道徳である石門心学を説いた。
センター試験(2004年)類似

中江兆民の回復民権

Q80 明治期の思想家である中江兆民は、君主から恵み与えられる「恩賜民権」に対し、人民が自ら立ち上がって主体的に獲得すべき真の民権を何と呼んだか。
★★ 基本 具体例 正答率 —
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✅ 正解
回復民権
中江兆民の民権論に関する問い。兆民は、イギリスやフランスなどの歴史を踏まえ、人民が自らの手で勝ち取る「回復民権」の重要性を説き、日本の自由民権運動を理論的に支えた。
センター試験(2006年)類似

純粋経験

Q81 明治から昭和にかけて活躍した哲学者の西田幾多郎は、その主著『善の研究』において、主観と客観が対立する前の、思慮や反省が加わらない直接的な経験の状態を重視した。この「主客未分」の事態を指す、彼の哲学の根本概念を何というか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
純粋経験
西田幾多郎は、主観(認識する自己)と客観(認識される対象)が分かれる前の、直接的な経験の状態を「純粋経験」と呼んだ。これは、意識のなかにまだ「私」や「物」という区別が生じていない、直接的な事実そのものの状態を指す。
センター試験(2004年)類似

忠信・忠恕

Q82 朱子学の思弁的な解釈を批判し、孔子や孟子の原典に直接立ち戻ることでその真意を究めようとする学問を創始した京都の儒学者がいる。彼は、日常の卑近な人間関係における愛を拡充すべき真実の心と捉え、他者に対して誠実を尽くすことと思いやりをもって接することを重視した。この思想を説き、私塾「古義堂」を開いた人物は誰か。
★★ 基本 V2 (具体例) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
伊藤仁斎
伊藤仁斎は、朱子学の思弁的な「理」の探究を批判し、孔子や孟子の言葉に直接立ち戻る「古義学」を提唱した。彼は、日常の卑近な人間関係における愛を拡充すべき真実の心(実心)とし、他者に対して誠実や思いやりを尽くすことで、互いに愛し親しむ和合が実現すると主張した。
センター試験(2015年)類似

自然世

Q83 江戸時代中期の思想において、支配階級が農民から搾取する当時の封建社会を「法世」と呼んで批判し、すべての人が自ら田畑を耕す「直耕」を行うことで、身分差別や搾取のない自給自足の平等な共同体を目指す思想が提示された。この思想家が構想した理想社会を何というか。
★★ 基本 V1 (基礎) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
自然世
安藤昌益は、当時の武士支配の社会を「法世」と呼んで批判し、すべての人が自ら耕して食べる「直耕」を行うことで、差別や支配のない平等な共同体である「自然世」へ復帰することを理想とした。
センター試験(2018年)類似

三宅雪嶺の国粋主義

Q84 明治中期、鹿鳴館に象徴される政府の極端な欧化政策に対して批判が起こった。この時期に、志賀重昂らとともに政教社を設立して雑誌『日本人』を創刊し、日本固有の風土や文化の美点を維持しつつ、西洋文明を自主的に取捨選択して取り入れるべきだとする国粋保存主義を唱えた思想家は誰か。
★★ 基本 V2 (具体例) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
三宅雪嶺
明治政府の極端な欧化政策(欧化主義)に対し、日本の伝統や文化の独自性を重視する立場から批判がなされた。三宅雪嶺は、志賀重昂らとともに政教社を結成し、雑誌『日本人』を通じて国粋保存主義(国粋主義)を提唱した。彼は、日本固有の風土や文化に根ざした個性を保ちながら、西洋文明を主体的に受容すべきだと主張した。徳富蘇峰らの平民主義(民友社)など、当時の他の思想潮流との違いを区別することが重要である。
センター試験(2008年)類似

山鹿素行の士道

Q85 江戸時代前期の儒学者である山鹿素行は、戦国時代のような戦闘を第一とする武士のあり方を否定した。彼は、武士は生産活動を行わない代わりに、儒教倫理に基づいて道徳的実践の模範となり、民衆を指導すべきであるという武士の職分・道徳を規定した。この思想を何と呼ぶか。
★★ 基本 V1 (基礎) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
士道
山鹿素行が提唱した武士の身分的職分や道徳のあり方である。武士は生産活動を行わない代わりに、道徳的実践の模範となり、民衆を指導する役割を担うべきであると説いた。
共通テスト(2022年)類似

和をもって貴しとなし

Q86 「和をもって貴しとなし、忤(さか)ふること無きを宗とせよ」という一節から始まり、仏教や儒教の思想を取り入れながら官吏の心得や道徳的規範を定めた、古代日本の法典は何か。
★★ 基本 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
十七条憲法
「和をもって貴しとなし」は、厩戸王(聖徳太子)が制定した十七条憲法の第一条に掲げられた言葉である。この法典は、豪族たちに対して天皇への服従や官吏としての道徳的規範を求めたものであり、儒教や仏教、法家などの思想が取り入れられている。
センター試験(2010年)類似

栄西の禅風

Q87 宋に渡って禅の教えを学び、帰国後に伝統的な仏教勢力からの批判に対抗した僧侶は誰か。彼は、末法思想が広まる時代にあっても厳格に戒律を守り、坐禅の修行に励むことによって、国家を護り社会に役立つ優れた人材を育成しようとした。
★★ 基本 V1 (基礎) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
栄西
宋から臨済宗を伝えた栄西は、日本における禅宗の開祖となった。彼は末法の世であっても厳格に戒律を守り、坐禅の修行に励むことを重視し、それによって国家を護り、社会に役立つ優れた人物を育成することを目指した。比叡山などの旧仏教勢力からの排斥に対しては、禅が国家の安泰に寄与するものであると主張した。
共通テスト(2023年)類似

最澄の思想

Q88 平安初期に比叡山を拠点として新たな宗派を開いた人物は、すべての人が成仏できる可能性を持つと主張し、悟りの能力によって成仏できる者とできない者を区別する南都仏教の立場と激しい論争を展開した。この人物は誰か。
★★ 基本 V2 (具体例) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
最澄
奈良仏教(南都仏教)の法相宗の僧である徳一が、成仏できる者とできない者を区別する三乗説を唱えたのに対し、比叡山延暦寺を創建した最澄は、すべての人が成仏できるという悉有仏性(一乗説)を主張して論争(三一権実論争)を行った。
共通テスト(2024年)類似

古学派の思想

Q89 江戸時代の日本思想において、宋代や明代に発達した朱子学・陽明学などの後世の注釈や形而上学的な解釈を批判し、孔子や孟子といった古代の聖人が残した原典に直接依拠してその真意を理解しようとした、山鹿素行や伊藤仁斎、荻生徂徠らに代表される儒学の学派を何というか。
★★ 基本 V1 (基礎) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
古学派
江戸時代に興ったこの学派は、幕府の公認した朱子学などが説く「理」の概念などの形而上学的な解釈を、後世の歪曲であるとして批判した。そして、孔子や孟子が活躍した古代の中国の聖人の教え(原典)に直接立ち返ることで、儒学本来の実践的な道徳や政治のあり方を明らかにしようとした。山鹿素行の聖学、伊藤仁斎の古義学、荻生徂徠の古文辞学などがその代表例である。
センター試験(2020年)類似

西行

Q90 平安末期から鎌倉初期にかけて、俗世を離れて各地を遍歴し、自然のなかに身を置きながら人生の無常を和歌に詠み込んだ歌人は誰か。その私家集には『山家集』があり、桜や月を愛し、春の満月の頃に桜の下で入寂することを願う歌などが収められている。
★★ 基本 V1 (基礎) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
西行
平安末期から鎌倉初期にかけて活躍したこの人物は、北面の武士としての地位を捨てて出家し、各地を遍歴しながら自然と一体となる生き方を追求した。桜や月といった自然の風景に無常の思いを託した和歌を数多く残し、その歌風は後世の松尾芭蕉などにも大きな影響を与えた。彼の歌は私家集である『山家集』にまとめられている。

西洋の近現代思想(151問)の一問一答問題

センター試験(2013年)類似

ウェーバーの官僚制と鉄の檻

Q1 近代社会において、効率性や計算可能性を追求する「合理化」が極限まで進んだ結果、高度に発達した管理組織が人間を拘束し、主体性や人間性を奪う状況を「鉄の檻」と呼んで警告した、ドイツの社会学者は誰か。
★★ 基本 V1 (基礎) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ウェーバー
近代社会の特質を「合理化」のプロセスとして捉えた。彼は、この合理化が極限まで進むと、効率的な業務遂行のために組織された官僚制などの管理システムが、かえって人間を閉じ込める「鉄の檻」となり、個人の主体性や自由を脅かす危険性があると指摘した。
センター試験(2015年)類似

ホルクハイマーとアドルノの啓盲批判

Q2 近代の合理主義が、自然や人間を効率的に管理・支配する手段へと変質し、結果として全体主義などの野蛮をもたらしたと批判した『啓蒙の弁証法』の著者のうち、のちに『権威主義的人格』を著してファシズムを受容しやすい心理的傾向を分析したドイツの哲学者は誰か。
★★★ 標準 V2 (具体例) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
アドルノ
『啓蒙の弁証法』をホルクハイマーと共著した人物であり、ファシズムの心理的社会的背景を分析した『権威主義的人格』の著者でもある。彼は、近代社会における管理化や大衆社会化が、人々の批判的思考を奪い、強者や権威に盲従しやすい性格(権威主義的人格)を形成すると論じた。
センター試験(2018年)類似

キング牧師の非暴力直接行動

Q3 1950年代から1960年代のアメリカ合衆国において、黒人への人種差別に抗議し、インドの独立運動指導者ガンディーの思想に影響を受けた非暴力直接行動を指導して、法的な平等の達成に大きく貢献した指導者は誰か。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
キング
1950年代半ばのモンゴメリーにおけるバス・ボイコット運動を契機に、非暴力による人種差別撤廃運動を指導した。彼の指導した運動は1964年の公民権法の制定へとつながり、ノーベル平和賞を受賞した。同じ黒人解放運動でも、暴力の行使を否定しなかったマルコムXらとは一線を画した。
センター試験(2017年)類似

自然と人間の探究

Q4 近代初期のヨーロッパにおいて、自然を観察・実験によって探究する手法(帰納法)を提唱し、人間の精神に潜む偏見(イドラ)を排除することで、自然を支配し人類の生活を向上させる「知は力なり」という思想を展開したイギリスの哲学者は誰か。
★★ 基本 V2 (具体例) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
フランシス・ベーコン
自然に対する探究(帰納法)と、人間の精神のあり方(イドラの排除)を密接に結びつけて考察した。文系・理系の区別が未分化であった時代において、自然の法則を解き明かすことが、人間の社会や生活を豊かにすることに直結すると考えた。
センター試験(2007年)類似

法律の吟味と批判的視点

Q5 国家や社会の合意によって成立する実定法に対して、人間の理性に基づき、時代や地域を超えて普遍的に妥当するとされる法を何というか。実定法の正当性を批判的に吟味し、その善悪を測る基準として機能する。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
自然法
実定法(憲法や法律など)は時代や社会によって変化するため、それ自体が常に正しいとは限らない。そのため、実定法を批判的に吟味し、その善悪を判断するための普遍的な基準として、人間の理性に根ざした自然法という概念が構想された。自然法思想は、近代市民革命期における人権宣言や社会契約説の理論的支柱となった。
共通テスト(2021年)類似

唯物史観における下部構造と上部構造

Q6 マルクスの歴史観において、社会の土台となる物質的な生産力や生産関係の総体を指し、その上に築かれる政治・法律・宗教・思想などの制度や意識形態を規定するとされる領域を何というか。
★★ 基本 V1 (基礎) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
下部構造
唯物史観(史的唯物論)において、社会の基礎をなす経済的・物質的な生産関係や生産力のあり方を指す。マルクスは、この経済的土台が、その上に構築される政治、法律、宗教、道徳、芸術などの意識形態や制度(上部構造)を規定すると考えた。
センター試験(2019年)類似

ジョン・ロックの抵抗権

Q7 『市民政府二論(統治二論)』を著したイギリスの思想家は、人間は生まれながらに生命・自由・財産に対する自然権を有しており、政府がこれを侵害した場合には、市民は政府を組織し直す権利を行使できると主張した。この思想家は誰か。
★★ 基本 V2 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ロック
国家の権力は市民の信託によるものであるとし、政府がその信託に反して市民の自然権を侵害した場合には、市民は新たな政府を樹立する権利(抵抗権・革命権)を持つと主張した。この思想は名誉革命を擁護し、後のアメリカ独立革命などにも大きな影響を与えた。
センター試験(2008年)類似

サルトルの実存主義と自由の刑

Q8 人間にはあらかじめ決められた本分や客観的な道徳基準が存在しないため、常に自らの生き方を自ら選択し続けなければならず、その選択に伴うすべての責任を自ら負わなければならないという、フランスの実存主義哲学者が人間の絶対的な自由のあり方を表現した言葉は何か。
★★ 基本 V1 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
自由の刑
人間は自ら望んで世界に生まれてきたわけではないが、ひとたび世界に投げ出された以上は、自らの行動をすべて自分で決定しなければならない。この、逃れることのできない選択の自由と、それに伴う全責任の重さを表現した言葉である。
センター試験(2020年)類似

ニーチェのニヒリズムと価値創造

Q9 19世紀後半のドイツの哲学者ニーチェが、キリスト教的な絶対的価値観が崩壊したニヒリズムの時代において、その虚無を能動的に引き受け、自らの生を肯定して新たな価値を自ら創造して力強く生きる、理想的な人間像として提示した概念は何か。
★★ 基本 V2 (具体例) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
超人
「神は死んだ」という宣言に象徴されるニヒリズムの到来に対し、ニーチェはこれを能動的に引き受けることを求めた。自らの生を肯定し、既存の道徳にとらわれずに新たな価値を自ら創造して力強く生きる理想的な人間像を「超人」と定義した。
センター試験(2008年)類似

サルトルの実存主義と自由の刑

Q10 「人間は自由という刑に処せられている」と主張し、あらかじめ定められた本質をもたない人間は、自らの選択によって自己を形成していく存在(実存は本質に先立つ)であるとした、フランスの哲学者は誰か。
★★ 基本 V2 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
サルトル
人間にはあらかじめ定められた本質(神による設計図など)が存在せず、まず存在(実存)し、その後に自らを選択することによって自己を形成していくと考えた。この絶対的な選択の自由とそれに伴う重い責任を「自由の刑」と表現し、社会参加(アンガージュマン)の重要性を説いた。
共通テスト(2023年)類似

ベンサムの四つの制裁

Q11 「最大多数の最大幸福」を唱えた思想家は、人間を快楽を求め苦痛を避ける利己的な存在と捉えた。彼は、個人の利己的な行為を規制し社会の秩序を維持するために、物理的、政治的(法律的)、道徳的、宗教的という四つの強制力が必要であると主張した。このような、個人の外部から加えられる強制力を何と呼ぶか。
★★★ 標準 V2 (具体例) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
外面的制裁
ベンサムは、個人の利己的な行為をコントロールするために、法律や世論、宗教的戒律などの外部からの強制力を重視した。これに対し、のちにJ.S.ミルは、同情や社会感情に基づく良心の呵責などの内面的制裁を重視した。
共通テスト(2025年)類似

キング牧師の非暴力・不服従運動

Q12 1950年代から1960年代のアメリカ合衆国における黒人解放運動(公民権運動)において、インドの独立運動指導者であるガンディーの思想を継承し、人種差別に対して非暴力・不服従の抵抗運動を展開した指導者は誰か。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
キング(マーティン・ルーサー・キング・ジュニア)
1950年代から1960年代のアメリカ合衆国において、アフリカ系アメリカ人(黒人)への人種差別撤廃を求める公民権運動が最高潮に達しました。この運動を率いた指導者は、インドの独立の父であるガンディーの非暴力・不服従の思想を取り入れ、法的な差別制度に対して暴力を用いない直接行動(デモやボイコットなど)で抵抗しました。1963年のワシントン大行進での演説「I Have a Dream(私には夢がある)」は有名であり、翌年にはノーベル平和賞を受賞しました。
センター試験(2011年)類似

ロックの寛容思想

Q13 国家の本来の目的は生命・自由・財産といった世俗的な市民的利益の保護に限定されるべきであり、個人の魂の救済や信仰といった内面的な領域に対して、政治的権力が介入したり強制したりしてはならないと主張し、信教の自由と寛容の重要性を説いた、17世紀イギリスの社会契約説の思想家は誰か。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ロック
国家の目的を生命・自由・財産などの世俗的利益の保護に限定し、信仰や魂の救済といった内面的な事柄は各個人の良心に委ねられるべきであるとした。政治的権力による強制を禁止し、信教の自由と寛容を主張した思想家はロック(ジョン・ロック)である。彼の思想は、のちの信教の自由や政教分離の原則の確立に大きな影響を与えた。
センター試験(2015年)類似

ルネサンス期の人間観

Q14 ルネサンス期には人間中心の文化が花開き、美術の分野でも人間性や肉体の美しさを写実的に表現する芸術家が活躍した。システィナ礼拝堂の天井画『天地創造』や壁画『最後の審判』、彫刻『ダヴィデ像』などを制作し、ルネサンスの最盛期を代表する芸術家は誰か。
★★ 基本 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ミケランジェロ
彼は彫刻、絵画、建築など多分野で不朽の名作を残したルネサンス期の巨匠である。肉体の力強さや精神の葛藤を表現し、神中心の制約から解放された人間性の美を追求した。
センター試験(2016年)類似

ニーチェの超人思想

Q15 キリスト教的道徳を「弱者の強者に対するルサンチマン(怨恨)」に基づく奴隷道徳であると批判し、神の死によってもたらされるニヒリズムを克服するために、自ら新たな価値を創造する「超人」という理想像を提示した、19世紀ドイツの実存主義の先駆者は誰か。
★★ 基本 V2 (具体例) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ニーチェ
キリスト教的な価値観を否定し、「神は死んだ」と宣言してニヒリズムの到来を指摘した思想家はニーチェである。彼は、伝統的な道徳をルサンチマンによるものとして批判し、過酷な運命を愛する「運命愛」や、自らの生を肯定し高めようとする「力への意志」を説いて、実存主義の先駆者となった。
センター試験(2011年)類似

サルトルの連帯

Q16 フランスの実存主義思想において、人間は本質をあらかじめ決定されていない自由な存在であり、自らの決断によって自己を形成していくとされる。さらに、その決断は全人類への責任を伴うものであり、主体的に社会の現実に深く関わり、他者と連帯して行動することが必要であると主張された。このような社会参加を意味する思想的態度を何と呼ぶか。
★★ 基本 V1 (基礎) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
アンガージュマン
サルトルは、人間は自由な存在として自らの選択に責任を持つと同時に、その選択は全人類のあり方を決定する責任を伴うと考えた。この責任を回避せず、主体的に社会の現実に深く関与し、他者と連帯して行動することを「アンガージュマン(社会参加)」と呼んだ。
センター試験(2014年)類似

想像力の多面的な役割

Q17 主著『道徳感情論』において、人間は利己的な存在である一方で、他者の処遇や感情に対して自らのことのように感じる同感(共感)の能力を持つと説いたイギリスの思想家は誰か。彼は、他者の立場に自らを置く想像力の働きを通じて、社会の秩序と道徳が維持されると考えた。
★★ 基本 V2 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
アダム・スミス
アダム・スミスは、人間が他者の感情を直接体験することはできないものの、想像力を用いて他者の状況に自らを置くことで、他者への同感(共感)を抱くことができると説明した。この同感の働きと、自己の行動を客観的に省みる「公平な観察者」の視点によって、社会の秩序が保たれると主張した。
センター試験(2019年)類似

カントの道徳哲学

Q18 人間が互いに単なる手段として利用し合うのではなく、それぞれが自律的な道徳的主体として尊重し合う、カントが構想した理想的な共同体のことを何と呼ぶか。
★★★ 標準 V1 (基礎) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
目的の王国
すべての人間が自律的な道徳法則に従い、互いを単なる手段としてではなく、同時に目的そのものとして扱い合う理想的な道徳的共同体を「目的の王国」と名付けた。これは、人格の尊厳が完全に実現された社会のあり方を示している。
センター試験(2011年)類似

ウェブ夫妻

Q19 19世紀末のイギリスで設立され、ウェブ夫妻やバーナード・ショウらを中心メンバーとした知識人の団体がある。マルクス主義的な暴力革命を否定し、議会活動を通じた漸進的な社会改革によって、主要産業の国有化や利潤の公平な再分配を実現しようとしたこの組織の名称を何というか。
★★ 基本 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
フェビアン協会
フェビアン協会は、1884年にロンドンで設立された社会主義知識人の団体です。古代ローマの将軍ファビウスの「持久戦術」にちなんで名付けられ、急進的な革命ではなく、議会を通じた漸進的な改革を重視しました。ウェブ夫妻や劇作家のバーナード・ショウらが活動を牽引し、1900年の労働代表委員会の結成、ひいては後の労働党の創設に深く関わりました。
センター試験(2005年)類似

ベンサムの快楽計算

Q20 快楽を質的な差異のない量的なものとして捉え、客観的に計算可能であるとする思想において、道徳や立法の基準として掲げられた、社会全体の幸福のあり方を示す標語は何か。
★★ 基本 V2 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
最大多数の最大幸福
個人の快楽の総和が社会全体の幸福であると考え、より多くの人々により多くの幸福をもたらす行為を善とする基準として提示された。この思想では、快楽はすべて量的に換算可能であり、苦痛はそこから差し引かれるものとされた。
センター試験(2008年)類似

道具的理性

Q21 近代以降、人間は自然を客体化し、科学技術を用いてこれを作為的に支配してきた。しかし、フランクフルト学派の思想家たちは、このような自然支配の手段となった近代の理性が、やがて人間自身や社会をも効率的に管理・支配する抑圧的な道具へと変質したと批判した。このように、目的のための効率的な手段や道具として機能するようになった近代の理性を何と呼ぶか。
★★ 基本 V1 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
道具的理性
ホルクハイマーとアドルノは、共著『啓蒙の弁証法』において、本来は人間を迷信や神話から解放するはずであった理性が、自然を客体化して技術的に支配するための手段(道具)へと変質したと指摘した。この理性が、社会の組織化や管理を通じて人間自身をも抑圧・支配する力となったことを批判的に捉えた概念である。
共通テスト(2022年)類似

ピコ・デラ・ミランドラの人間観

Q22 神から自由意志を与えられた人間は、固定された本質を持たず、自らの意志によって自己のあり方を決定し、神に近い高貴な存在にも、獣のような卑しい存在にもなり得ると主張し、人間の尊厳を説いたイタリア・ルネサンス期の思想家は誰か。
★★ 基本 V1 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ピコ・デラ・ミランドラ
イタリア・ルネサンス期の思想家であるピコ・デラ・ミランドラは、著書『人間の尊厳について』において、人間は他の被造物とは異なり、あらかじめ定められた本質を持たない自由な存在であるとした。人間は自らの自由意志によって、自己のあり方を高めることも低めることもできる点にこそ、人間の尊厳があると主張した。この思想は、中世的な神中心の世界観から脱却し、人間の主体性を重視するルネサンスの人間観を象徴している。
センター試験(2014年)類似

民主社会主義

Q23 19世紀末から20世紀初頭にかけて、マルクス主義的な暴力革命路線を批判し、議会制民主主義を通じた平和的・漸進的な改革によって社会主義の実現を目指す思想が台頭した。イギリスのフェビアン協会や、ドイツ社会民主党のベルンシュタインらによって提唱された、この思想を何というか。
★★ 基本 V1 (基礎) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
民主社会主義
マルクス主義が主張する暴力革命やプロレタリア独裁を否定し、議会政治の枠組みの中で労働者の権利拡大や社会保障の充実を図り、漸進的に社会主義社会へ移行することを目指す思想である。イギリスのフェビアン協会やドイツのベルンシュタイン(修正主義)がその代表例であり、後の社会民主主義の源流となった。
センター試験(2019年)類似

マキャヴェリの政治思想

Q24 ルネサンス期のイタリアにおいて、政治を宗教や道徳から切り離し、人間の現実のありようを踏まえた客観的な統治の技術として捉えた思想家は誰か。彼は、国家の維持と秩序のために、君主はライオンのような強さと狐のような賢さを兼ね備えて統治を行うべきであると主張した。
★★ 基本 V1 (基礎) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
マキャヴェリ
15世紀から16世紀にかけてのイタリアの思想家である彼は、分裂状態にあった祖国の統一を願い、現実主義的な政治思想を展開した。彼は、政治をキリスト教的な道徳や倫理から独立させ、国家の維持・強化のためには非道徳的な手段も辞さない君主のあり方を説いた。この思想はのちに「マキャヴェリズム」と呼ばれ、近代政治学の先駆となった。
センター試験(2014年)類似

ルソー、キルケゴール、デューイの思想

Q25 20世紀前半のアメリカの思想家であり、プラグマティズムの立場から、知性を環境に適応し社会を改善するための道具(創造的知性)と捉え、学校をミニチュアの社会と位置づけて、学習者の自発的な活動を重視する「なすことによって学ぶ」教育改革を提唱した人物は誰か。
★★ 基本 V2 (具体例) 正答率 —
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✅ 正解
デューイ
知識を固定的なものとせず、生活上の課題を解決するための道具とみなす道具主義を唱えた。教育においては、従来の知識注入型教育を批判し、児童・生徒が実際の経験を通じて主体的に学ぶ「経験主義」の教育論を展開した。
共通テスト(2026年)類似

格差原理

Q26 功利主義が少数者の犠牲を容認しかねない点を批判し、1971年の著書で「公正としての正義」を提唱したアメリカの哲学者がいる。彼は、自身の立場や能力について何も知らない「無知のヴェール」に包まれた状態を想定し、そこから導かれる正義の原理として、最も不遇な立場にある人々の状況を最大限に改善する場合にのみ不平等を容認する原理などを主張した。この人物は誰か。
★★ 基本 具体例 正答率 —
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✅ 正解
ロールズ
功利主義に代わる正義の基準として、契約論的アプローチから「公正としての正義」を構想した。自らの属性が不明な「無知のヴェール」の仮定から、最も不遇な人々の状況を改善する場合にのみ不平等を認める「格差原理」などを導き出した。
センター試験(2010年)類似

デカルトの演繹法

Q27 『方法序説』を著し、感覚による知識を疑う方法的懐疑を経て、「私は考える、ゆえに私はある」という確実な第一原理に到達した。この第一原理から出発し、理性による確実な推論を重ねることで個別の真理を導き出す方法を重視した、フランスの合理主義哲学者は誰か。
★★ 基本 V2 (具体例) 正答率 —
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✅ 正解
デカルト
近世合理主義哲学の祖とされる人物であり、確実な知識の土台を築くために、あえてあらゆる事物を疑う方法的懐疑を実践した。その結果、思考する自己の存在を確実な第一原理として見出し、そこから理性的な推論によって真理を導き出す演繹法を確立した。イギリス経験論の祖であるベーコンが観察や実験を重視したのに対し、彼は理性を重視した。
センター試験(2016年)類似

現存在

Q28 著書『存在と時間』において、人間を「世界内存在」として捉え、死へと先駆することによって本来の自己を回復することを説いた、ドイツの実存主義哲学者は誰か。
★★ 基本 V2 (具体例) 正答率 —
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✅ 正解
ハイデガー
『存在と時間』の著者であるハイデガーは、人間を「現存在」と呼び、他者や事物と関わり合いながら世界の中に存在している「世界内存在」として捉えた。彼は、人間が日常の埋没(世人・ダス・マン)から脱し、自己の「死」を直視して先駆的に覚悟することによって、本来の実存を取り戻すことができると主張した。
センター試験(2014年)類似

議会制民主主義による社会主義

Q29 19世紀末から20世紀初頭にかけて、マルクス主義が主張する暴力的な階級闘争やプロレタリア独裁による体制変革を批判し、既存の議会制度や民主的な手続きを通じて、労働環境の改善や社会保障の充実といった改革を段階的に進めることで社会主義の理想を実現しようとした思想的立場を何というか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
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✅ 正解
社会民主主義
マルクス主義の革命路線に対し、イギリスのフェビアン協会やドイツのベルンシュタインらは、議会制民主主義の枠組みの中で漸進的に社会改革を行うことを主張した。この立場は社会民主主義(または民主社会主義)と呼ばれ、のちの西欧諸国の福祉国家政策に大きな影響を与えた。
センター試験(2020年)類似

ロックとルソーの自然権・社会契約観

Q30 私的所有の発生が社会の不平等や対立を生むと考え、各人が自らの権利を共同体に全面的に譲渡して「一般意志」に従う社会契約を唱えた、18世紀フランスの思想家は誰か。
★★ 基本 V1 (基礎) 正答率 —
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✅ 正解
ルソー
私的所有の発生を不平等の起源とし、共同体への権利譲渡と一般意志への服従を説いたのはルソーである。彼は『社会契約論』や『人間不平等起源論』を著し、直接民主制を志向する独自の社会契約説を展開して、後のフランス革命に大きな影響を与えた。
共通テスト(2025年)類似

ドゥルーズとガタリの欲望論

Q31 フランスの哲学者ドゥルーズと精神分析家ガタリの共著であり、精神分析や家族制度が人間の多様な欲望を抑圧していると批判し、資本主義社会における管理・統制からの欲望の解放を論じた、現代思想を代表する著作は何か。
★★★ 標準 V1 正答率 —
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✅ 正解
アンチ・オイディプス
『アンチ・オイディプス』は、哲学者ドゥルーズと精神分析家ガタリが1972年に著した書物である。本作において彼らは、フロイト的な精神分析が家族の枠組み(オイディプス・コンプレックス)を用いて人間の欲望を抑圧・制限していると批判した。さらに、資本主義体制が国家や家族などの制度を通じて人々の欲望を管理・統制している仕組みを暴き、多様な欲望の解放を唱えた。
共通テスト(2025年)類似

ハーバーマスのコミュニケーション的行為と対話的理性

Q32 現代社会における民主主義のあり方を構想し、人々が対等な立場で自由に議論を交わし、共通の理解に基づいて合意を形成する「コミュニケーション的行為」の重要性を説いたドイツの哲学者は誰か。
★★ 基本 基礎 正答率 —
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✅ 正解
ハーバーマス
フランクフルト学派の第二世代に位置づけられるこの哲学者は、近代の理性が他者を支配するための「道具的理性」に陥ったことを批判し、対等な対話を通じて合意形成を目指す「対話的理性」の重要性を主張した。これにより、市民が自由に議論を行う「公共空間」の再建を目指した。
共通テスト(2023年)類似

サン=シモンの社会思想

Q33 19世紀初頭のフランスにおいて、資本主義社会における自由競争の弊害を批判し、製造業者や農民、科学者などの「産業者」が主導して計画的・組織的に運営する新しい社会の建設を構想した、初期社会主義を代表する思想家は誰か。
★★ 基本 V1 正答率 —
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✅ 正解
サン=シモン
19世紀前半のフランスにおいて、産業革命の進展に伴う貧困や無秩序な自由競争を批判し、生産活動に携わる「産業者」が中心となって計画的に運営する合理的な社会の実現を提唱した。この思想は、のちにエンゲルスらによって「空想的社会主義」と分類された初期社会主義の代表的な潮流の一つである。
センター試験(2017年)類似

フランクフルト学派の権威主義的パーソナリティ

Q34 第一次世界大戦後のドイツにおいて、民主的な制度下からファシズムが台頭した背景には、大衆の心理的傾向が深く関わっていると指摘された。ホルクハイマーと共に『啓蒙の弁証法』を著し、強者や権威に盲従する一方で弱者を排斥しようとする大衆の性格特性を分析した、フランクフルト学派の思想家は誰か。
★★★ 標準 具体例 正答率 —
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✅ 正解
アドルノ
ファシズムを支えた大衆の心理的傾向(権威主義的パーソナリティ)を分析したフランクフルト学派の代表的な思想家はアドルノである。彼はホルクハイマーとともに、理性が自己否定的に支配の道具へと変貌するプロセスを『啓蒙の弁証法』で描き、近代合理主義の限界を批判した。
共通テスト(2025年)類似

ベンサムの動物に対する配慮

Q35 「最大多数の最大幸福」を唱えたイギリスの思想家は、道徳的配慮の対象を決定する基準について、理性の有無ではなく「苦痛を感じることができるか」という能力を重視し、動物も配慮の対象に含めるべきだと主張した。この思想家は誰か。
★★ 基本 基礎 正答率 —
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✅ 正解
ベンサム
倫理的配慮の境界線を引く基準として、理性の有無や会話の能力ではなく、苦痛を感じることができるかどうか(被苦能力)を重視した。この見解は、人間以外の動物も苦痛を避けるべき道徳的配慮の対象として視野に入れるべきだという、後の動物解放論に大きな影響を与えた。
共通テスト(2025年)類似

ロックの認識論と社会契約説

Q36 人間の心は生まれつき白紙(タブラ・ラサ)であり、一切の知識は経験から得られるとして生得観念を否定した。また、自然状態における所有権などの自然権を確実に保障するために、人々が互いに契約を結んで政府に権力を信託したと考え、政府がその信託に反した場合には人民に抵抗権(革命権)が認められると主張したイギリスの思想家は誰か。
★★ 基本 基礎 正答率 —
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✅ 正解
ロック
人間の心は生まれつき白紙(タブラ・ラサ)であるとし、生得観念を否定してすべての知識が経験に由来すると説くイギリス経験論の立場をとった。社会契約説においては、自然状態における所有権などの自然権を保全するために国家が設立されたとし、政府が信託に反した場合には人民に抵抗権(革命権)があると主張して、名誉革命を正当化した。
共通テスト(2024年)類似

カントの美学と共通感覚

Q37 イギリスの経験論哲学者ヒュームの懐疑論に触発されて「独断のまどろみ」から目覚め、認識論におけるコペルニクス的転回を成し遂げた哲学者がいる。彼は、美的な判断が単なる主観的な好みに留まらず、他者の立場に身を置いてその判断の可能性を考慮することで普遍的な妥当性を持ち得るという「共通感覚」の概念を『判断力批判』において提示したが、この哲学者は誰か。
★★ 基本 具体例 正答率 —
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✅ 正解
カント
ヒュームの懐疑論を契機として独自の批判哲学を構築したカントは、主観と客観の関係を逆転させるコペルニクス的転回を唱えた。彼は『判断力批判』において、美の判断が普遍性を持つ根拠として「共通感覚」を提示し、自己の主観的制約を取り除いて他者の立場に身を置くことの重要性を説いた。
共通テスト(2025年)類似

マルクスの唯物史観における芸術の位置づけ

Q38 社会の土台となる物質的生産活動や経済体制を「下部構造」とし、その上に構築される政治、法律、宗教、そして文化芸術などの精神活動を「上部構造」として、前者が後者を決定・規定するとした歴史観を提唱した、エンゲルスとの共著『共産党宣言』などで知られるドイツの思想家は誰か。
★★ 基本 V2 (具体例) 正答率 —
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✅ 正解
マルクス
歴史の発展を物質的な生産力と生産関係の矛盾から説明する唯物史観(歴史唯物論)を唱えた。彼は、社会の経済的基盤である下部構造が、政治、法律、宗教、文化芸術などの上部構造のあり方を根本的に規定・決定すると主張した。
共通テスト(2023年)類似

レヴィナスの他者論

Q39 自己の理性や理解の枠組みに回収し尽くすことのできない、絶対的に異質な存在としての「他者」を重視し、その他者の「顔」が発する倫理的な呼びかけに対して、自己が無限の責任を負うという思想を唱えた、フランスの現代思想家は誰か。
★★ 基本 V1 (基礎) 正答率 —
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✅ 正解
レヴィナス
全体主義や戦争の惨禍を背景に、自己の都合や理性で他者を支配・同質化しようとする姿勢を批判した思想家である。彼は、自己の理解を超えた絶対的に異質な存在としての「他者」が、その「顔」を通じて自己に対して倫理的な呼びかけを行っており、自己はそれに対して一方的かつ無限の責任を負う存在であると説いた。
センター試験(2008年)類似

デカルトの物心二元論

Q40 近代科学の発展を思想的に支えたフランスの哲学者は、思惟する「精神」と、空間的な広がりを持つ「物体」を、互いに独立した別個の実体として捉えた。この立場は、自然を単なる機械的な物質の集まりとみなすことで、人間が「自然の所有者」としてそれを支配し利用することを正当化する道を開いた。この哲学者が唱えた、二つの実体を明確に区別する思想を何というか。
★★ 基本 V1 (基礎) 正答率 —
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✅ 正解
物心二元論
デカルトは、考える自己である「精神」と、延長(空間的広がり)を持つ「物体」を、互いに独立した実体とする物心二元論を唱えた。これにより、自然から精神的な要素を排除して単なる機械的な物質とみなすことが可能になり、人間が自然の所有者かつ主人として自然を支配・開発することを正当化する近代的な自然観が確立された。
共通テスト(2021年)類似

歴史における犠牲者の記憶

Q41 歴史の記述において、強者や勝者の都合による恣意的な取捨選択を排し、過去の犠牲者や忘れ去られようとしている事実を記録にとどめるべきだとする倫理的態度が議論される。これに関連して、第二次世界大戦後のドイツにおいて、戦争における自国民の責任を「刑法上の罪」「政治上の罪」「道徳上の罪」「形而上学的な罪」の4つに分類し、他者の苦痛や犠牲に対して生き残った者が負う精神的連帯の責任を直視することを説いた、実存主義の哲学者は誰か。
★★★ 標準 具体例 正答率 —
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✅ 正解
カール・ヤスパース
第二次世界大戦後のドイツにおいて、戦争責任を多角的に分析したのがカール・ヤスパースである。彼は著書『罪の問い』の中で、戦争責任を4つに分類した。そのうち「形而上学的な罪」は、同胞や他者が不当に犠牲になっているにもかかわらず、自らが生き延びてしまったことに対する、人間としての連帯責任を指す。これは、過去の犠牲者の記憶を忘れずに引き受けるという歴史的倫理の態度と深く結びついている。
センター試験(2019年)類似

ダーウィンの進化論(自然選択)

Q42 生物の系統的変化や自然選択の理論を人間社会の発展や歴史のプロセスに応用し、社会もまた単純なものから複雑なものへと移行し、適者生存の法則が働いていると説明した、19世紀後半にイギリスの思想家スペンサーらによって展開された思想を何というか。
★★★ 標準 V2 正答率 —
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✅ 正解
社会進化論
ダーウィンの生物学的進化論、特に「適者生存」や「自然選択」の概念を人間社会の分析に応用した思想である。スペンサーらは、社会も生物と同様に未開から文明へと発展すると主張した。この思想は、当時の帝国主義的な植民地支配や、強者が弱者を支配することを「自然の法則」として正当化する論理に利用される側面も持っていた。
共通テスト(2023年)類似

アーレントの活動と孤高

Q43 自己との対話である「自分と自分との二者性」が保たれている状態を指し、他者から見捨てられて孤立した「独りぼっち(孤独)」とは区別され、思考の営みにおいて人間が主体性を保つために不可欠であるとされる、アーレントが提唱した概念は何か。
★★★ 標準 V1 (基礎) 正答率 —
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✅ 正解
孤高
アーレントは、他者から切り離されて孤立した状態(孤独・独りぼっち)と、自分自身を対話の相手として思考する状態(孤高・ソリチュード)を区別した。この「自分と自分との二者性」を保つ状態こそが、人間が批判的思考を維持し、全体主義に流されないために重要であると説いた。
センター試験(2013年)類似

ヴォルテール

Q44 18世紀フランスの思想家であり、イギリスへの亡命経験をもとに『哲学書簡』を著して、現地の進歩的な政治制度や寛容な社会を紹介し、自国の絶対王政やカトリック教会の旧体制を激しく批判した人物は誰か。
★★ 基本 基礎 正答率 —
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✅ 正解
ヴォルテール
『哲学書簡(イギリス書簡)』を著したフランスの啓蒙思想家はヴォルテールである。彼はイギリスの立憲君主制や思想的自由を評価し、それとの対比によってフランスの絶対主義や教会の不寛容さを批判した。モンテスキューは『法の精神』で三権分立を唱え、ディドロは『百科全書』の編集で知られる。
共通テスト(2023年)類似

ボッカチオのデカメロン

Q45 フィレンツェ出身の文学者であり、古典古代の人間中心的な精神の復興を目指した。ペストの流行を背景に、人間のありのままの感情や欲望を生き生きと描いた物語集『デカメロン』を著し、近代小説の先駆者となったイタリアのヒューマニストは誰か。
★★ 基本 V2 (具体例) 正答率 —
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✅ 正解
ボッカチオ
14世紀イタリアのルネサンス期において、神中心の中世的価値観から脱却し、人間中心の文化(人文主義)を興した人物の一人である。代表作『デカメロン』を通じて、人間の世俗的な欲望や感情を肯定的に描き、人間性の解放に大きく貢献した。
センター試験(2015年)類似

ロバート・オーウェン

Q46 産業革命期のイギリスにおいて、工場経営者の立場から労働者の生活や労働条件の改善、さらには児童教育の充実に努めた。その後、私有財産制を否定する理想社会の実現を目指してアメリカに渡り、生産手段を共同所有して共同生活を送る「ニューハーモニー村」を実験的に建設した、初期(空想的)社会主義者は誰か。
★★ 基本 具体例 正答率 —
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✅ 正解
ロバート・オーウェン
産業革命期のイギリスで工場経営者として成功した人物であり、労働者の過酷な労働環境を改善するために、労働時間の短縮や児童労働の禁止、世界初とされる幼稚園の創設などを行った。さらに、理想的な協同社会の実現を目指してアメリカのインディアナ州に「ニューハーモニー村」を建設し、共同所有・共同生活の実験を行ったが、この試みは最終的に失敗に終わった。サン・シモンやフーリエらとともに、マルクスによって「空想的社会主義者」と評された。
センター試験(2006年)類似

オリエンタリズム

Q47 西洋が東洋を非合理的で後進的なものとみなすことで、自らの優位性とアイデンティティを確立してきた言説空間を「オリエンタリズム」と呼び、近代の帝国主義や植民地支配の背景にある知と権力の結びつきを批判的に分析した、パレスチナ生まれの思想家は誰か。
★★★ 標準 具体例 正答率 —
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✅ 正解
サイード
パレスチナ出身の比較文学者であるエドワード・サイードは、1978年の著書『オリエンタリズム』において、西洋による東洋への偏見に満ちた表象や、それが植民地支配の正当化に果たした役割を鋭く批判し、ポストコロニアル理論の先駆者となった。
センター試験(2014年)類似

初期社会主義

Q48 イギリスの産業革命期に、自らの経営する紡績工場で労働環境の改善や児童労働の禁止などの人道主義的な改革を行い、のちにアメリカで共同体を設立して資本主義の弊害を克服しようとした、初期社会主義を代表する思想家は誰か。
★★ 基本 V2 正答率 —
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✅ 正解
ロバート=オーウェン
産業革命期のイギリスの工場経営者であった人物は、労働者の劣悪な環境を改善するために人道主義的な工場改革を実行し、工場法の制定にも尽力した。さらに、私有財産や階級のない協同社会の実現を目指してアメリカに渡り、共同体建設を試みた。
センター試験(2012年)類似

ベンサムの功利主義と被苦能力

Q49 快楽を善、苦痛を悪とし、個人の幸福の総計が社会全体の幸福につながると考えた。また、道徳的配慮を受ける権利の基準を、理性や言語能力の有無ではなく、苦痛を感じる能力(被苦能力)に求め、動物に対しても平等な配慮が必要であるとする議論の基礎を築いた、イギリスの思想家は誰か。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ベンサム
快楽を善、苦痛を悪とする功利主義の立場から、道徳的配慮の対象を決定する基準は、理性や言語の有無ではなく苦痛を感じることができるかという被苦能力であるとした。これにより、人間だけでなく動物も苦痛を避けるための平等な配慮を受ける権利があると主張され、現代の動物倫理(シンガーの動物解放論など)にも大きな影響を与えた。
共通テスト(2026年)類似

ニーチェの奴隷道徳批判

Q50 ニーチェがキリスト教的道徳を批判する際に用いた概念で、弱者が強者に対して抱く、嫉妬や憎悪が入り混じった怨恨の感情を何と呼ぶか。
★★ 基本 V2 (具体例) 正答率 —
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✅ 正解
ルサンチマン
弱者が自らの無力を正当化し、強者を悪とみなすために抱く怨恨の感情を指す。この感情から生じる道徳を「奴隷道徳」と呼び、本来の生命力を抑圧するものとして批判した。
共通テスト(2025年)類似

ハーバーマスのコミュニケーション的行為と対話的理性

Q51 近代の理性が自然や人間を支配するための手段(道具的理性)に変質したことを批判したドイツの哲学者が、これに対抗するものとして提唱した、人々が対等な立場で自由に議論を交わし、共通の理解に基づいて合意を形成するために発揮されるべき相互理解を目指す理性を何と呼ぶか。
★★★ 標準 背景・理由 正答率 —
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✅ 正解
対話的理性
近代の理性が効率性や自己保存の手段となる「道具的理性」に陥ったのに対し、他者との対等なコミュニケーションを通じて合意形成を図るための理性が提唱された。これは、市民が自由に議論を行う「公共空間」を再建するための基盤とされる。
センター試験(2007年)類似

スペンサーの社会進化論

Q52 19世紀後半、ダーウィンの生物学的な知見を人間社会の発展プロセスに応用し、社会もまた未開から文明へと適者生存の原理によって進歩していくとする思想が唱えられた。この思想を何というか。
★★ 基本 V1 (基礎) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
社会進化論
スペンサーらによって提唱されたこの思想は、生物学の進化の概念を社会の発展に適用したものである。強者が生き残り弱者が淘汰されるという「適者生存」の考え方は、当時の欧米列強による植民地支配や帝国主義政策を正当化する論理として利用された一方で、日本においては自由民権運動の理論的支柱としても受容された。
センター試験(2015年)類似

カントの認識論

Q53 イギリス経験論と大陸合理論を統合し、人間の認識は「感性」によって受け取られた経験的素材を、主観が持つ先天的(ア・プリオリ)な認識の枠組みによって構成することによって成立すると説き、認識のあり方を大きく転換させたドイツの哲学者は誰か。
★★ 基本 V1 (基礎) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
カント
イギリス経験論と大陸合理論を統合した思想家は、主著『純粋理性批判』において、認識が対象に従うのではなく、対象が人間の認識の枠組みに従って構成されるという「コペルニクス的転回」を唱えた。これにより、人間の主観的な認識能力の限界と可能性を明らかにし、ドイツ観念論の祖となった。
センター試験(2011年)類似

サルトルの連帯

Q54 「人間は自由の刑に処せられている」とし、自らの選択や決断は単に個人的なものにとどまらず、全人類への責任を伴うものであると主張した。この責任を引き受けて社会の現実に深く関わり、他者と連帯して行動することを説いたフランスの思想家は誰か。
★★ 基本 V1 (基礎) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
サルトル
「人間は自由の刑に処せられている」と述べたフランスの実存主義者はサルトルである。彼は、神の不在のもとで人間は自らの本質を自らの選択と決断によって創り出さねばならない(実存は本質に先立つ)とした。そして、自らの選択は全人類のあり方を決定する責任を伴うものであり、この責任を回避せず、社会的な現実に深く関与(アンガージュマン)して他者と連帯することを求めた。
共通テスト(2022年)類似

ヘーゲルの弁証法

Q55 カントの道徳哲学を乗り越え、主観的な道徳性と客観的な法秩序が「人倫」において統合されると説き、家族・市民社会を経て、国家をその最高形態に位置づけたドイツの哲学者は誰か。
★★★ 標準 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ヘーゲル
カントが個人の内面的な道徳性を重視したのに対し、客観的な法や社会秩序と個人の道徳性が一体となった共同体の倫理を「人倫」と呼んで重視した。人倫は、自然な愛情で結ばれた「家族」、独立した個人が欲望を満たし合う「市民社会」を経て、それらを統合する「国家」において最高度に実現されると考えた。この思想を展開し、ドイツ観念論を完成させたのがヘーゲルである。
共通テスト(2025年)類似

質的功利主義と量的功利主義

Q56 社会全体の幸福を「最大多数の最大幸福」という標語で表現し、個人の快楽には質の差はなく、強さや持続性などの基準によって客観的に測定・計算できるものとして捉えた、功利主義の創始者とされるイギリスの哲学者は誰か。
★★ 基本 V1 (基礎) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ベンサム
個人の快楽の総和が社会全体の幸福につながると考え、快楽を数量的に計算可能とする立場(量的功利主義)を提唱した。この思想は、法制度の改革や民主主義の発展に大きな影響を与えたが、のちに快楽の質的差異を重視するJ. S. ミルによって批判的に乗り越えられることとなった。
共通テスト(2024年)類似

カントの共通感覚

Q57 認識論を扱った『純粋理性批判』、倫理学を扱った『実践理性批判』に続き、美的な判断力や自然の目的論を論じる中で、他者の立場に身を置く能力である「共通感覚」について提示した、ドイツの哲学者の著作は何か。
★★ 基本 V2 (具体例) 正答率 —
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✅ 正解
判断力批判
カントは、認識の構成を論じた第一批判、道徳法則を論じた第二批判に続き、主観的な美の判断がどのようにして他者と共有され得るのかという問いに対し、第三の批判書において「共通感覚」の概念を用いて説明した。
センター試験(2015年)類似

マキァヴェリの政治思想と為政者の責務

Q58 16世紀初頭のイタリアにおいて、キリスト教的な道徳や理想に縛られることなく、国家の維持や秩序の安定という現実的な目的のために、ありのままの現実を直視して行動することこそが為政者の責務であると主張し、近代政治思想の先駆者となった人物は誰か。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
マキァヴェリ
ルネサンス期のイタリアでは都市国家が対立し、外国の介入を招いていた。こうした混乱期に、彼は政治を宗教や道徳から独立した独自の領域として捉え、国家の統一と維持のためには、為政者は道徳的善悪にとらわれず現実主義的に行動すべきであると説いた。この思想はのちに『君主論』としてまとめられ、近代政治思想の誕生に大きな影響を与えた。
共通テスト(2025年)類似

他者との共生における善と快楽

Q59 近代のイギリスにおいて、快楽の量だけでなく質的な差異を重視する立場をとり、他者の幸福を願う「社会感情(同情)」を人間に本来備わっているものと捉えた思想家がいる。彼は、自己の利益のみを追求する利己的な快楽主義を乗り越え、他者との共生や他者への配慮の中にこそ、人間としての高い質の快楽(満足)が存在すると主張した。この思想家は誰か。
★★ 基本 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
J.S.ミル
J.S.ミル(ジョン・スチュアート・ミル)は、ベンサムの量的功利主義を修正し、快楽には精神的な質の高低があるとする質的功利主義を提唱した。彼は、人間には他者の幸福や苦痛に共感する「社会感情(同情)」が備わっており、他者と共生し、他者の善(幸福)を願うことが、自己にとっても高い質の快楽(満足)をもたらすと説いた。これにより、単なる自己本位の快楽主義から、他者との共生における善を内包した倫理的快楽主義への再考を促した。
センター試験(2007年)類似

近代の自然観・宇宙観

Q60 近代科学の成立期において、それまで支配的であったアリストテレス的な目的論的自然観に代わり、自然を一定の法則に従って動く精巧な時計のようなものとみなす見方が確立された。このような、自然を数量的な法則性によって説明しようとする自然観を何というか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
機械論的自然観
近代科学革命の進展に伴い、ケプラーの惑星運動の法則やニュートンの万有引力の法則などが発見された。これにより、自然は神の目的や意志によって動くのではなく、数学的・物理的な法則に従って作動するものと捉えられるようになった。この自然観を機械論的自然観と呼ぶ。
共通テスト(2024年)類似

カルヴァンの職業観

Q61 カルヴィニズムにおける禁欲的な職業倫理が、結果として営利活動を合理化・正当化し、近代ヨーロッパにおける資本主義の精神を誕生させる原動力となったことを、著書『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』で論じたドイツの社会学者は誰か。
★★★ 標準 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
マックス・ウェーバー
宗教改革によって生まれたプロテスタンティズム(特にカルヴィニズム)の世俗的禁欲の倫理が、近代資本主義の形成に決定的な影響を与えたことを社会学的に分析した。カトリックの伝統的な経済観とは異なり、労働を神聖視する態度が資本の蓄積と合理的な経営を促したと指摘した。
センター試験(2008年)類似

功利主義

Q62 行為の道徳的な正しさは、その行為がもたらす結果としての幸福の増進によって判定されるべきであり、社会全体の「快楽」を増やして「苦痛」を減らし、「最大多数の最大幸福」を実現することを目指す西洋近現代の思想を何というか。
★ やさしい V1 (基礎) 正答率 —
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✅ 正解
功利主義
行為の動機よりも、それによって生じる結果(快楽や苦痛の量)を重視し、社会全体の幸福を最大化することを目指す思想である。ベンサムによって創始され、のちにJ.S.ミルらによって発展させられた。
センター試験(2014年)類似

民主社会主義

Q63 ドイツ社会民主党の党員であり、マルクスの資本主義崩壊論や階級闘争説を批判して、議会制民主主義を通じた漸進的な社会改革を主張する「修正主義」を唱え、民主社会主義の形成に大きな影響を与えた人物は誰か。
★★ 基本 V2 (具体例) 正答率 —
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✅ 正解
ベルンシュタイン
マルクス主義の教条的な革命論を批判し、資本主義の枠内での議会を通じた漸進的改革を重視する修正主義を唱えた。彼の思想は、イギリスのフェビアン協会などとともに、後の民主社会主義(社会民主主義)の形成に大きな影響を与えた。
センター試験(2007年)類似

グロティウスの国際平和

Q64 17世紀前半のヨーロッパにおいて、凄惨な宗教戦争の惨禍を目の当たりにし、国家のあり方や戦争のルールについて深く思索した思想家がいた。彼は、神の意志や国家の慣習を超えて、人間の理性に基づく普遍的な法が存在すると主張し、国家間であっても遵守されるべきルールの確立を目指して「近代自然法の父」と称されるようになった。このオランダの思想家は誰か。
★★ 基本 V1 (基礎) 正答率 —
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✅ 正解
グロティウス
三十年戦争の惨禍を契機として、国家間の戦争においても適用されるべき普遍的なルール(自然法)の存在を主張した。彼は『海洋自由論』や『戦争と平和の法』を著し、国際法の基礎を築いたことから「国際法の祖」や「近代自然法の父」と呼ばれる。
共通テスト(2026年)類似

J. S. ミルの内面的制裁

Q65 功利主義の立場において、ベンサムが法律や世論といった外部からの強制力を重視したのに対し、その修正を試みた思想家は、他者への同情や共感といった社会的情感情に根ざす、自己の良心の痛みによる強制力を重視した。この強制力を何と呼ぶか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
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✅ 正解
内面的制裁
ベンサムは物理的・政治的・道徳的(世論)・宗教的な4つの「外面的制裁」を重視したが、J. S. ミルはこれらに加えて、義務に背いたときに心の中に生じる痛みや良心の呵責である「内面的制裁」を、道徳的行為を促す究極の強制力として重視した。
共通テスト(2022年)類似

ヘーゲルの弁証法

Q66 ドイツ観念論を大成した哲学者が提唱した、万物が自己の中に矛盾を含み、その対立を契機として、より高い次元へと統合・発展していくという精神や歴史の運動法則を何というか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
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✅ 正解
弁証法
ヘーゲルは、世界や歴史は「絶対精神」が自己を展開していく過程であると考えた。その展開を貫く論理が弁証法である。弁証法では、ある状態(正/テーゼ)がそれ自身のうちに矛盾・対立する状態(反/アンチテーゼ)を生み出し、両者が否定されつつも、より高い次元へと統合(合/ジンテーゼ)されて発展していく。この統合のプロセスを「止揚(アウフヘーベン)」と呼び、対立する一方を単に廃棄するのではなく、双方の肯定的な面を保存しながら高める運動とされる。
センター試験(2013年)類似

ヴォルテール

Q67 18世紀のフランスの思想家で、イギリスの進歩的な政治制度や寛容な社会を『哲学書簡』などで紹介し、カトリック教会の不寛容や自国の絶対王政の遅れを鋭く批判した人物は誰か。
★★ 基本 具体例 正答率 —
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✅ 正解
ヴォルテール
『哲学書簡』(『イギリス書簡』)を著し、イギリスの経験論やニュートンの自然科学、自由な社会制度を紹介して、フランスの封建的・宗教的不寛容を批判した。フリードリヒ2世などの啓蒙専制君主とも交友があったことで知られる。
センター試験(2006年)類似

演繹法と帰納法

Q68 17世紀のヨーロッパにおいて、神や自己の存在など、疑い得ない確実な真理を理性によって捉え、そこから論理的な推論を重ねることで個別の真理を導き出す方法(演繹法)を提唱し、近代合理論の基礎を築いたフランスの哲学者は誰か。
★★ 基本 具体例 正答率 —
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✅ 正解
デカルト
方法的懐疑を通じて「私は考える、ゆえに私はある」という確実な真理に到達し、そこから理性的推理によって世界の様々な真理を導く演繹法を確立した。この立場は近代合理論と呼ばれ、のちの認識論に大きな影響を与えた。
センター試験(2017年)類似

トクヴィルの平等化と専制の議論

Q69 19世紀フランスの思想家は、民主主義社会の特質と課題を考察した。彼は、社会において境遇の平等が進むと、人々は他者との微小な差異に敏感になり、同等の他者から支配されることを嫌うようになると指摘した。その結果、人々はすべての政治的権利を国家という唯一の代表者に集中させ、その強大な権力の支配に進んで身を委ねてしまう危険性を論じた。この思想家は誰か。
★★ 基本 V1 正答率 —
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✅ 正解
トクヴィル
境遇の平等化がもたらす民主主義の危機を指摘したフランスの思想家トクヴィルに関する記述である。彼は、平等化が進むことで人々が個人主義に陥り、公共の事柄への関心を失う結果、国家という巨大な後見的権力に支配を委ねてしまう危険性を警告した。
センター試験(2004年)類似

デカルトの機械論的自然観

Q70 デカルトは、精神と物質を独立した二つの実体とする物心二元論を唱えた。このうち、精神の本性を「思惟」としたのに対し、空間的な広がりを持つ物質の本性を何と呼んだか。
★★★ 標準 基礎 正答率 —
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✅ 正解
延長
デカルトは、精神と物質を独立した二つの実体とする物心二元論を唱えた。精神の本性は「思惟」(考えること)であり、物質の本性は空間的な広がりを持つ「延長」であるとされた。物質を延長として捉えることで、自然界を数学的・物理学的に測定可能なものとし、機械論的自然観へとつなげた。
センター試験(2006年)類似

ヘーゲルの弁証法

Q71 ドイツの哲学者ヘーゲルは、現実世界を固定的なものとみなさず、矛盾や対立を契機として、それらがより高い次元へと統合(アウフヘーベン)されながら発展していくプロセスとして捉えた。このような、対立を通じて事物が生成変化していく思考のプロセスや論理を何と呼ぶか。
★★ 基本 V1 (基礎) 正答率 —
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✅ 正解
弁証法
ヘーゲルは、万物が固定されたものではなく、矛盾や対立を契機としてより高い次元へと統合(アウフヘーベン/止揚)されながら生成変化していくと考えた。この動的な発展のプロセスを説明する論理が弁証法である。
共通テスト(2026年)類似

スティーヴンソンの信念と態度の不一致

Q72 倫理的な議論における意見の相違を分析する中で、客観的な事実認識に関する相違と、賛否や好悪といった感情に根ざす評価の相違を明確に区別し、前者が一致しても後者が一致するとは限らないと主張した、20世紀アメリカのメタ倫理学者は誰か。
★★★ 標準 V2 正答率 —
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✅ 正解
スティーヴンソン
20世紀のメタ倫理学において情動主義(感情主義)を代表する思想家は、道徳的な議論における対立を、事実認識に関する「信念の不一致」と、感情や評価に関する「態度の不一致」に区別した。客観的な事実関係について合意(信念の一致)が得られたとしても、それに対する価値評価や感情(態度)が異なれば議論は決着しないため、倫理的議論の解決には態度の合意形成が必要であると説いた。
共通テスト(2021年)類似

自由主義(リバタリアニズム)と福祉重視(リベラリズム)の政策的立場の違い

Q73 個人の自由や私的所有権を最大限に尊重する立場から、国家の役割を国防や治安維持、契約の履行強制といった最小限の機能に限定すべきであると主張し、福祉政策のための強制的な課税や再分配を否定した、『無政府・国家・ユートピア』の著者であるアメリカの哲学者は誰か。
★★ 基本 V2 (具体例) 正答率 —
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✅ 正解
ノージック
ノージックは、個人の自由を至上のものとする自由至上主義(リバタリアニズム)の代表的な思想家である。彼は、国家が福祉や再分配のために課税することは個人の労働の成果を強制的に奪うことに等しいと批判し、国家の役割を最小限に抑えるべきだ(最小国家論)と主張した。
センター試験(2018年)類似

権力分立

Q74 国家による権力の濫用を防ぎ、国民の信託に応えるために、国家の権力を立法権と執行権(行政権・同盟権)に分立させ、特に立法権を最高権力としつつも権力相互の制約が必要であると主張した、イギリスの社会契約説の思想家は誰か。
★★ 基本 基礎 正答率 —
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✅ 正解
ロック
ロックは『市民政府二論(統治二論)』において、自然権を保全するために人々が契約を結んで政府を組織するという社会契約説を唱えた。その際、国家権力の濫用を防ぐために、権力を立法権と執行権(行政権・同盟権)に分立させる権力分立論を提示し、議会がもつ立法権を最高権力と位置づけながらも、権力相互の抑制と制約の重要性を説いた。
共通テスト(2024年)類似

生命への畏敬

Q75 「生命への畏敬」を倫理の根本思想として提唱し、人間は他者の生命を奪わなければ生きられないという生存の葛藤を抱えていることを指摘した上で、アフリカのランバレーネで医療奉仕活動に尽力し、「密林の聖者」とも称されたドイツ出身の思想家・医師は誰か。
★★ 基本 具体例 正答率 —
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✅ 正解
シュヴァイツァー
第一次世界大戦期の思想的混乱の中で、すべての生命を神聖なものとして尊ぶ倫理を確立した。彼はオルガン奏者や神学者としての地位を捨てて医学を修め、アフリカでの医療活動に生涯を捧げ、ノーベル平和賞を受賞した。
共通テスト(2024年)類似

オリエンタリズム

Q76 近代の西洋社会が、アジアや中東などの地域を「遅れたもの」「非合理的なもの」として描き出すことで、自らの支配や優位性を正当化してきた歪んだまなざしを批判した、パレスチナ出身の比較文学者は誰か。
★★ 基本 V2 (具体例) 正答率 —
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✅ 正解
サイード
著書『オリエンタリズム』において、西洋が東洋(オリエント)に対して抱く偏見やステレオタイプを分析し、それが西洋による東洋支配を正当化する権力構造と結びついていることを明らかにした。
センター試験(2019年)類似

運命に対する思想的態度

Q77 近代ドイツのある思想家は、従来のキリスト教的な価値観を批判し、神の死後の世界において、意味のない生が無限に繰り返されるという過酷な現実(永劫回帰)を提示した。その上で、人間が直面するこの偶然的で不条理な状況を、自らのものとして能動的に引き受け、自らの生をありのままに肯定して力強く生きる主体的態度を説いた。この思想家が提唱した、自らの生と境遇を能動的に肯定する態度を指す用語として最も適当なものを答えよ。
★★★ 標準 V2 (具体例) 正答率 —
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✅ 正解
運命愛
ニーチェは、絶対的な価値や目的が失われたニヒリズムの時代において、生が意味なく無限に繰り返されるという「永劫回帰」の思想を提示した。彼は、この過酷な現実から逃避するのではなく、むしろその偶然的で不条理な状況を能動的に引き受け、自らの生をありのままに肯定して愛する「運命愛(アモール・ファティ)」の態度を重視した。これにより、人間は自らの意志で新たな価値を創造する「超人」へと至ることができるとされた。
共通テスト(2025年)類似

ミシェル・フーコー

Q78 近代社会における権力は、国家による物理的な暴力や強制だけでなく、学校や病院、監獄といった制度を通じて、人々の日常生活に深く浸透していると指摘したフランスの哲学者がいる。彼は、人々が知らず知らずのうちに社会の権力構造に順応し、自らを管理・規格化していく仕組みを批判的に分析した。この哲学者は誰か。
★★ 基本 V1 (基礎) 正答率 —
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✅ 正解
ミシェル・フーコー
近代社会における権力が、単なる支配・被支配の二者関係や物理的な強制力にとどまらず、知や制度を通じて人々の身体や意識に浸透し、自己を自発的に管理・規格化させる「規律権力」として作動していることを明らかにした。彼は『監獄の誕生』などで、パノプティコン(一望監視施設)をモデルに、監視の視線を内面化する権力のあり方を批判的に考察した。
共通テスト(2024年)類似

ニーチェのルサンチマン批判

Q79 キリスト教的な隣人愛や利他主義を、強者に対する弱者の怨恨や嫉妬の感情から生じた「奴隷道徳」であると批判したドイツの哲学者ニーチェが、この怨恨や嫉妬の感情を指して用いた言葉は何か。
★★ 基本 基礎 正答率 —
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✅ 正解
ルサンチマン
ニーチェは、キリスト教道徳や利他主義を、強者に対する弱者の怨恨(ルサンチマン)から生じた「奴隷道徳」であると批判した。彼は、このような道徳が人間の生命力を抑圧しているとし、自らの生を肯定して新たな価値を創造する「超人」や「運命愛」の立場を提示した。
共通テスト(2026年)類似

グロティウスの自然法思想

Q80 近代の政治思想において、国家や実定法が成立する以前から、人間の理性に基づいて普遍的に存在するとされた法の概念がある。17世紀の思想家グロティウスは、この法を神の意志や永遠の法から独立させ、たとえ神が存在しないとしても有効なものであると主張して、宗教的対立を超えた国際法の基礎を築いた。この法の概念を何というか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
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✅ 正解
自然法
グロティウスは、中世的な「神の永遠の法」から法思想を解放し、人間の「理性」に基礎を置く普遍的な法を構想した。この法は、国家が制定する実定法に先立って存在し、それを基礎づけるものとされる。彼はこの概念を国家間の関係に適用することで、宗教の違いを超えてすべての国家が従うべき国際法の基礎を確立した。
センター試験(2008年)類似

共感と道徳的責務

Q81 他者の不幸や苦境に対して生じる共感の感情を道徳の基礎とし、自己の利益や評判を求める動機からではなく、内発的・自発的に湧き起こる「なさねばならない」という思いに従って行動すべきであると説いた、四端の説で知られる中国古代の思想家は誰か。
★★ 基本 具体例 正答率 —
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✅ 正解
孟子
孟子は、人間には生まれつき善の兆し(四端)が備わっているとする性善説を唱えました。その代表例として、井戸に落ちそうな幼子を見たときに、自己の利害(名誉や親との関係など)に関わらず、自発的に生じる「惻隠の心」(他者への共感・同情)を挙げ、これが道徳的実践(仁)の出発点となると主張しました。
センター試験(2014年)類似

カントの批判哲学

Q82 ドイツ観念論の祖とされる哲学者が、人間の認識能力を吟味した『純粋理性批判』、自律的な道徳法則を論じた『実践理性批判』に続いて著した書物であり、自然の合目的性や美、芸術について考察し、感性と悟性を媒介する想像力の自由な働きを分析して、美的な判断の構造を明らかにした著作は何か。
★★★ 標準 V2 正答率 —
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✅ 正解
判断力批判
カントのいわゆる「三批判書」の一つである。本書では、認識を扱う『純粋理性批判』と実践(道徳)を扱う『実践理性批判』の間を媒介するものとして、美的な判断力や自然の合目的性を考察し、感性と悟性を結びつける想像力の自由な働きを分析した。
センター試験(2005年)類似

ルソーの自然状態観

Q83 ホブズが想定した「万人の万人に対する闘争」としての自然状態を批判し、それは本来の自然状態ではなく、文明の発展や私有財産という富の発生によって人間が堕落し、争うようになった姿にすぎないと主張した、フランスの思想家は誰か。
★★ 基本 V2 正答率 —
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✅ 正解
ルソー
ルソーは『人間不平等起源論』において、ホブズの描いた「万人の万人に対する闘争」を、本来の自然状態ではなく文明社会の成立によって人間が堕落した後の姿であると批判した。ルソーによれば、本来の自然状態における人間は、自己愛と憐れみの心を持ち、自由で平等に暮らしていたが、私有財産(富)の発生や文明の進歩が不平等と対立をもたらしたとされる。
共通テスト(2025年)類似

フランクルの限界状況における人間性批判

Q84 ナチスの強制収容所での過酷な体験を精神医学者の視点から見つめ、人間が単なる数字として数量化され、組織的な目標のもとで個人の存在が蔑ろにされる極限状態を描きつつも、人間が生きる意味を求め続ける尊厳ある存在であることを示した著書のタイトルは何か。
★★ 基本 基礎 正答率 —
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✅ 正解
夜と霧
オーストリアの精神医学者フランクルは、第二次世界大戦中にアウシュヴィッツなどの強制収容所に送られた。彼はその極限状態における体験を客観的に分析し、人間が単なる数量として管理され、個人の尊厳が奪われる状況を描き出した。しかし同時に、どのような過酷な状況にあっても、人間は自らの生きる意味を見出し、精神的自由を保ち続けることができると主張した。この体験と考察をまとめた名著が『夜と霧』である。
センター試験(2013年)類似

批判の営み

Q85 人間が自明のものとして受け入れている知識や権威、固定化された現実を吟味し、その限界や前提を問い直すことで、新たな生き方や社会の可能性を構想する知的営みは、思想史において重要な役割を果たしてきた。このような、理性の認識能力そのものを吟味・評価する批判の営みを通じて、従来の独断的な形而上学を排し、道徳的実践の基礎を確立しようとしたドイツ観念論の思想家は誰か。
★★ 基本 具体例 正答率 —
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✅ 正解
カント
カントは、認識の主観的枠組みを解明する「コペルニクス的転回」を唱え、理性の限界を吟味する批判哲学を確立した。彼は、自明とされた前提を問い直すことで、人間が自律的に道徳法則に従う実践の可能性を構想し、従来の独断論から思想を解放した。
共通テスト(2024年)類似

ジョン・スチュアート・ミルの功利主義と自由論

Q86 イギリスの思想家J.S.ミルが著した作品で、他者に実害を与えない限り、国家や社会が個人の自由を強制的に制限してはならないという「他者危害排除の原則」を提唱し、多数派の同調圧力が個人の個性を損なう危険性を指摘した主著は何か。
★★ 基本 V2 (具体例) 正答率 —
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✅ 正解
自由論
個人の自由と社会の権力の限界について論じた本書において、他者に危害を及ぼさない限りにおいて個人の自由は最大限に保障されるべきであるという原則を打ち立てた。これは近代民主主義における自由主義の古典的バイブルとなっている。
センター試験(2015年)類似

ロールズの正義論と社会契約説

Q87 ロールズの正義論において、公正な正義の原理を合意するための思考実験(原初状態)において、人々が自らの才能、財産、社会的地位、あるいは特定の価値観について一切の知識を奪われているとされる、仮定上の認知的な障壁を何と呼ぶか。
★★ 基本 V2 (具体例) 正答率 —
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✅ 正解
無知のヴェール
自分が社会の強者になるか弱者になるか分からない状況を想定することで、人々は利己的な判断を排除し、自分が最も不遇な立場(最も不利益を被る立場)になった場合でも最低限の生活や自由が保障されるような、公正な合意形成を選択すると説明された。
共通テスト(2024年)類似

社会契約説における自然状態

Q88 17世紀前半の凄惨な宗教戦争を契機として、国家間が戦争状態にあっても、理性に基づく自然法は効力を有すると主張し、のちに「国際法の父」と称されるようになったオランダの法学者は誰か。
★★ 基本 具体例 正答率 —
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✅ 正解
グロティウス
三十年戦争の惨禍を背景に、著書『戦争と平和の法』を著したオランダの法学者である。彼は、国家間の関係においても、人間の理性に基づく自然法が適用されるべきであり、戦争中であっても守るべきルール(国際法)が存在すると主張した。これにより、主権国家体制における国際秩序の形成に大きな影響を与えた。
センター試験(2016年)類似

自由からの逃走

Q89 第一次世界大戦後のドイツにおいて、民主的なワイマール憲法下でありながら、なぜ人々がナチズムという全体主義を受け入れたのかという問題に対し、自由に伴う孤独や不安から逃れるために強大な権威へ服従しようとする大衆の心理(権威主義的パーソナリティ)に着目して分析した、『自由からの逃走』の著者である社会心理学者は誰か。
★★ 基本 具体例 正答率 —
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✅ 正解
フロム
ファシズムの台頭を心理学的・社会学的に分析したドイツ出身の思想家であり、フランクフルト学派のメンバーとしても知られる。彼は著書『自由からの逃走』において、近代的な自由を得た大衆が、孤独や無力感から逃れるために自ら進んで権威に服従する心理的メカニズム(権威主義的パーソナリティ)を明らかにした。
共通テスト(2024年)類似

主体的真理

Q90 ヘーゲル哲学のような客観的・普遍的な知識の体系を批判したデンマークの思想家は、自分自身の生き方に関わる「私にとって真理であるような真理」を追求することを重視した。このような、自己の生を自らの決断によって生きる実存のあり方を指す、彼の思想における中心的な概念は何か。
★★ 基本 V1 正答率 —
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✅ 正解
主体的真理
キルケゴールは、客観的で一般的な真理ではなく、自分自身の生き方に関わる「私にとって真理であるような真理」を重視した。客観的な知識の探究ではなく、主体的に自己の実存を選択し、神の前に立つ単独者となることを説いた。
センター試験(2014年)類似

ゲーテの自然観と芸術観

Q91 自然を生命に満ちた有機的な全体と捉え、芸術家は自然の有り様に従いながら、個々の事物の相互の結び付きや調和を見いだすことで芸術作品を生み出すと考えた、小説『若きウェルテルの悩み』や詩劇『ファウスト』の著者として知られるドイツの思想家は誰か。
★★ 基本 基礎 正答率 —
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✅ 正解
ゲーテ
自然を機械的なものではなく、生命に満ちた有機的全体と捉える有機的自然観を唱えた。芸術もまた自然の法則や有り様に従って生み出されるべきであると考え、事物の相互の結び付きの中に美や調和を見いだした。彼は近代科学の機械論的な自然観を批判し、主観と客観、自然と人間が一体となるような直観的な認識を重視した。
センター試験(2006年)類似

人間の有限性と宗教的思索

Q92 近代の合理主義哲学、特にヘーゲルの客観的・体系的な理性を批判し、人間が避けることのできない死や不安といった有限性に直面したとき、客観的な真理ではなく「自己にとっての真理」を求めて、神の前に一人で立つ「単独者」としての生き方を提示したデンマークの思想家は誰か。
★★★ 標準 V2 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
キェルケゴール
ヘーゲルの全体主義的・客観的な理性中心の哲学を批判し、個々の具体的な人間の生き方(実存)を重視した。人間が直面する絶望(死に至る病)という有限性を自覚し、それを克服するために、倫理的な段階を超えて、神の前に一人で立つ「単独者」として主体的に生きる宗教的実存の段階に達することを説いた。これは、近代の合理主義や啓蒙思想が想定した普遍的な理性による社会の進歩とは異なり、個人の内面における非合理的な信仰の決断を重視するものであり、現代の実存主義思想の源流となった。
センター試験(2012年)類似

ロックの社会契約説

Q93 イギリスの名誉革命期に活躍した思想家で、人間は自然状態において生命・自由・財産などの自然権を有しており、それを保全するために政府に権力を信託したと主張し、アメリカ独立宣言など後世の民主主義思想に決定的な影響を与えた人物は誰か。
★★ 基本 V2 (具体例) 正答率 —
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✅ 正解
ロック
17世紀イギリスの思想家である。彼は、国家は個人の自然権を保障するために契約によって設立されたものであるとし、政府が信託に反した場合には人民に抵抗権(革命権)があると説いた。この思想はアメリカ独立宣言やフランス人権宣言に大きな影響を与えた。
共通テスト(2023年)類似

自由における自己決定と他者との調整

Q94 自由は単に自己の欲求を満たすことではなく、他者の自由との調整が必要とされる。個人の自由は他者に不利益や危害を及ぼさない限りにおいて最大限に認められるべきであるという「他者危害の原則」を唱え、個性や多様性の尊重を訴えたイギリスの功利主義思想家は誰か。
★★ 基本 V2 正答率 —
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✅ 正解
ジョン・スチュアート・ミル
自由な社会においては、個人の自己決定が尊重されるべきであるが、それは他者の自由や権利を侵害しない範囲においてのみ許容される。ミルは『自由論』において、国家や社会が個人の自由を正当に制限できるのは、他者への危害を防ぐ目的に限られるという「他者危害の原則(危害原則)」を提示した。これにより、他者との関係性における自由の境界線と調整のあり方を明確にし、個性の発展と社会の進歩を両立させようとした。
センター試験(2020年)類似

ミルの内面的制裁

Q95 J.S.ミルは、最大多数 of 最大幸福を実現するための道徳的義務の根拠として、法律や世論による外的な規制だけでなく、他者の幸福を願う同情心や、社会の利益に反したときに生じる良心の呵責といった道徳感情を重視した。このような、自己の行為を内的に規制する道徳的な制裁を何というか。
★★ 基本 V1 (基礎) 正答率 —
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✅ 正解
内面的制裁
J.S.ミルは、ベンサムが提示した法律や世論、宗教などによる「外的制裁」だけでは不十分であると考え、人間が本来持っている他者への同情や社会連帯の感情に基づく「内面的制裁(良心の制裁)」を重視した。彼は、教育や社会制度を通じてこの内面的な道徳感情を育むことが、個人が自発的に社会全体の幸福に貢献するために不可欠であると主張した。
センター試験(2014年)類似

唯物史観

Q96 19世紀のドイツの思想家マルクスとエンゲルスは、人間の精神や意識が社会のあり方を決定するのではなく、物質的な生産活動(下部構造)が政治や法律、思想などの制度や意識(上部構造)を規定するという歴史観を提示した。歴史の発展の原動力を物質的な生産様式の変化に求める、この歴史観を何というか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
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✅ 正解
唯物史観
マルクスとエンゲルスが提唱した歴史観(歴史的唯物論)であり、社会の土台である生産力と生産関係(物質的生産様式)が、政治、法律、芸術、宗教などの精神的・制度的な上部構造を規定すると考える。資本主義社会においては、生産手段を持つ資本家と労働者の関係が精神的営みを規定するとされ、この矛盾の解決によって歴史が発展すると主張された。
センター試験(2020年)類似

ホネットの承認論と社会的連帯

Q97 ハーバーマスの批判的社会理論を継承しつつ、ヘーゲルの思想などを手がかりに、人間が社会の中で自尊心や自己価値を確立するためには他者からの「承認」が必要であると説いた、現代ドイツの社会哲学者は誰か。彼は、個人が自らの活動や業績を他者から価値あるものとして認められる経験を通じて自己の価値を確信することが、社会的な連帯を築く前提であると主張した。
★★★ 標準 基礎 正答率 —
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✅ 正解
ホネット
フランクフルト学派の第三世代に位置づけられる思想家であり、愛、権利、社会的価値(連帯)という3つの次元における「承認」をめぐる闘争を通じて、自己関係(自己信頼、自己尊重、自己価値)が形成されると説いた。社会的連帯の基礎として、個人の活動や業績が他者から価値あるものとして承認されることが不可欠であると主張した。
センター試験(2013年)類似

批判の営み

Q98 ファシズムの台頭や大衆社会の到来に直面し、科学技術の進歩が人間を抑圧する道具と化した状況を分析した思想グループがある。彼らは、既存の社会体制や固定化された現実を問い直し、抑圧から人間を解放する新たな社会の可能性を構想する批判の営みを重視した。このような、近代の道具的理性を排し、人間性の回復を目指した思想家たちのグループを何というか。
★★★ 標準 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
フランクフルト学派
ホルクハイマーやアドルノらに代表されるフランクフルト学派は、近代合理主義がもたらした管理社会を批判的に分析した。彼らは、既存の価値観や社会構造を問い直す「批判理論」を展開し、抑圧された人間を解放し、真の自由と可能性を取り戻すための思想的営みを実践した。
センター試験(2018年)類似

思想史における遊びの価値の変遷

Q99 文化は本質的に、実用的な目的や生存の必要性から離れた自由な「遊び」の中から発生し、発展してきたと主張し、人間を「遊ぶ人」として定義したオランダの歴史家は誰か。
★★ 基本 V2 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ホイジンガ
オランダの歴史家ホイジンガは、著書『ホモ・ルーデンス』において、遊びを文化に先行するもの、かつ文化を成立させる基盤として位置づけた。彼は、法、戦争、学問、芸術などの人間活動の根底には、ルールに従って行われる自由な「遊び」の精神が存在すると指摘し、人間を「遊ぶ人」と定義した。
共通テスト(2025年)類似

アーレントの活動と人間の条件

Q100 ナチズムなどの全体主義を分析し、人々が私的な領域に閉じこもるのではなく、言葉を通じて公共的な空間で他者と関わり合うことの重要性を説いた、『全体主義の起源』や『人間の条件』などの著作で知られるドイツ出身の女性哲学者は誰か。
★★ 基本 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ハンナ・アーレント
ナチスによる迫害を逃れてアメリカに亡命した彼女は、全体主義の恐怖を分析するとともに、市民が公共の場で言葉を交わし、ともに行動すること(活動)の重要性を訴えた。
センター試験(2020年)類似

唯物史観

Q101 資本主義社会の構造を分析し、物質的な生産のあり方が法律や政治などの制度や意識を規定し、歴史を動かす原動力になるという歴史観を唱えたドイツの思想家は誰か。
★★ 基本 V2 正答率 —
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✅ 正解
マルクス
物質的な生産力や生産関係が社会の土台となり、それが政治や思想などの上部構造を規定するという唯物史観(史的唯物論)を唱えた。彼はエンゲルスとともに『共産党宣言』や『資本論』を著し、資本主義の矛盾を批判して社会主義への移行の必然性を説いた。
共通テスト(2025年)類似

人間の条件

Q102 ドイツ出身の思想家アーレントは、人間の営みを、生命維持に必要な「労働」、道具や作品を作る「仕事」、そして他者と言葉を通して関わり合う「活動」の3つに分類した。このうち「活動」こそが、多様な人々が共にある公共空間を形成すると論じた彼女の著書は何か。
★★ 基本 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
人間の条件
アーレントの主著『人間の条件』において、人間の営みは「労働(labor)」「仕事(work)」「活動(action)」の3つに整理された。生命維持に縛られる「労働」や、手段・目的の関係に支配される「仕事」に対し、言葉を介して他者と関わる「活動」こそが、真の自由と公共性を生み出す場であると位置づけられている。
共通テスト(2021年)類似

フッサールの現象学

Q103 「事象そのものへ」をスローガンとし、世界が客観的に存在するという日常的な確信をいったん保留する「エポケー(判断保留)」を通じて、私たちの意識に現れる現象そのものを記述しようとする哲学を提唱したドイツの哲学者は誰か。
★★ 基本 V2 (具体例) 正答率 —
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✅ 正解
フッサール
日常的な確信(自然的態度)を保留する「エポケー」を通じて、意識に直接現れる「事象そのものへ」と迫る現象学を提唱したのはフッサールである。彼は、主観と客観の二元論を乗り越え、認識の確実な基礎を基礎づけようとした。
センター試験(2015年)類似

シャルル・フーリエ

Q104 19世紀前半のフランスにおいて、自由競争に基づく産業社会を無政府的で不正に満ちたものと批判し、農業を基本とした、調和と統一のとれた理想的な協同社会である「ファランジュ」の建設を構想した、空想的社会主義に分類される思想家は誰か。
★★ 基本 V1 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
シャルル・フーリエ
産業革命の進展に伴う資本主義の弊害に対し、19世紀前半のヨーロッパでは初期の社会主義思想が生まれた。フランスのこの思想家は、自由競争がもたらす無秩序や不平等を批判し、人々の情念が調和する農業主体の協同社会(ファランジュ)の実現を提唱した。のちにマルクスやエンゲルスからは、歴史的・階級的な分析を欠く「空想的社会主義」として批判されたが、協同組合運動などに大きな影響を与えた。
センター試験(2018年)類似

フランシス・ベーコン

Q105 17世紀初頭のイギリスにおいて、人間の先入観や偏見を「イドラ」と呼んで排除することを説き、個々の具体的な観察や実験から普遍的な真理を導き出す方法論を提唱して、イギリス経験論の基礎を築いた思想家は誰か。
★★ 基本 V1 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
フランシス・ベーコン
人間の先入観や偏見を「イドラ(偶像)」として4つに分類して批判し、観察や実験によって得られた事実から一般的な法則を導く「帰納法」を提唱した。また、「知は力なり」という言葉で知られ、自然を支配し人類の生活を改善するための実用的知識を重視した。
共通テスト(2021年)類似

歴史記述における犠牲者の記憶

Q106 第二次世界大戦における自国の行為やその犠牲者について、歴史的な事実を忘却したり恣意的に取捨選択したりすることなく、記憶にとどめ続けることの倫理的責任を強調した。1985年の終戦40周年記念演説において、"過去に目を閉ざす者は、現在に対しても盲目になる"という言葉を残し、過去の克服と未来への責任を訴えたドイツの政治家は誰か。
★★ 基本 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ヴァイツゼッカー
過去の歴史、とりわけ戦争や国家によってもたらされた犠牲者の記憶を忘却せず、直視し続けることは、現代を生きる人々の倫理的責任であるとされる。ドイツの大統領であったヴァイツゼッカーは、1985年の演説で、過去の過ちや犠牲者から目を背けることは現在や未来の判断を誤らせることになると警告し、歴史を記憶し続けることの重要性を説いた。
センター試験(2013年)類似

マルクスの労働の疎外

Q107 19世紀の思想家[ ア ]は、資本主義社会において、労働者が生産手段を持たずに自らの労働力を商品として売るしかない状況を分析した。彼は、労働の成果が資本家に帰属することで、労働が自己実現の営みから苦役へと変貌し、人間らしさが失われる現象を指摘した。この[ ア ]に当てはまる人物は誰か。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
マルクス
資本主義社会における労働のあり方を批判的に分析した思想家はマルクスである。彼は人間を本来的に共同社会的な存在(類的存在)と捉えたが、資本主義のもとでは労働者が生産手段を奪われ、労働力を商品として売るしかなくなるため、労働の成果が資本家に支配され、労働そのものが苦役となる「労働の疎外」が生じると主張した。
センター試験(2005年)類似

シモーヌ・ド・ボーヴォワールの女性論

Q108 「人は女に生まれるのではない、女になるのだ」という言葉で知られ、女性のあり方は生物学的な決定によるものではなく、歴史や文明、社会的な他者の介在によって構築されたものであると主張した、フランスの実存主義哲学者は誰か。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
シモーヌ・ド・ボーヴォワール
フランスの実存主義哲学者である彼女は、著書『第二の性』において、女性の社会的・文化的な役割や「女らしさ」は生物学的な自然によって決定されたものではなく、歴史や文明、社会的な他者の介在によって構築されたものであると主張した。これにより、ジェンダー(社会的・文化的性差)の概念の先駆的な議論を展開した。
センター試験(2004年)類似

道具的理性

Q109 フランクフルト学派の思想家であるホルクハイマーとアドルノは、共著『啓蒙の弁証法』において、近代の理性がたどった歪みについて批判的に考察した。彼らによれば、本来は人間を迷信や偏見から解放するはずであった啓蒙的理性が、効率的に自然や他者を支配・管理するための手段へと変貌し、結果として人間疎外やファシズムのような野蛮な状況をもたらしたとされる。このように、自己批判の精神を失い、目的を達成するための効率的な手段と化した理性のあり方を、彼らは何と呼んだか。
★★ 基本 V1 (基礎) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
道具的理性
近代の啓蒙主義は、理性の力によって人間を自然の脅威や迷信から解放しようとした。しかし、フランクフルト学派のホルクハイマーとアドルノは、この理性が次第に自然や人間を効率的に支配・管理するための「道具」として機能するようになったと指摘した。このように、本来の自己批判の働きを失い、単なる手段と化した理性を「道具的理性」と呼ぶ。彼らは、この理性の変質が、現代社会における人間疎外や、ナチズムに代表される全体主義(野蛮化)をもたらしたと考えた。
共通テスト(2024年)類似

ヴィクトール・フランクル

Q110 第二次世界大戦期、ナチスによる強制収容所での過酷な体験に基づき、人間は極限状態にあっても、自らが生きる意味を問うのではなく、「人生が自分に何を期待しているか」を問い、未来への希望を持って生き抜くことに意味があると説いた、著書『夜と霧』で知られるオーストリアの精神医学者は誰か。
★★ 基本 V1 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ヴィクトール・フランクル
ナチスの強制収容所での極限状態における体験を著書『夜と霧』にまとめた。彼は、人間が生きる意味を自ら問うのではなく、むしろ人生の側から自分が何を期待されているかを問い、どのような過酷な状況でも未来への希望を失わずに生き抜くことの重要性を説いた。これはロゴセラピー(実存分析)と呼ばれる精神医学の理論の基礎となった。
センター試験(2019年)類似

コミュニケーション的行為

Q111 ドイツの哲学者ハーバーマスは、近代社会において管理社会化が進む中、他者を支配するための手段として機能する「道具的理性」を批判した。これに対し、人々が対等な立場で自由に話し合い、相互の理解と合意形成を目指すことで、理性の本来のあり方を取り戻すことができると主張した。この、対話を通じた合意形成を目指す行為を何と呼ぶか。
★★ 基本 V1 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
コミュニケーション的行為
ハーバーマスは、主客の支配関係に基づく「道具的理性」が社会を支配している状況を批判し、これに対抗するものとして、人々が対等な立場で自由に討議し、相互理解と合意形成を目指す理性のあり方を重視した。この行為は、近代における民主主義的な合意形成の基盤として位置づけられている。
センター試験(2012年)類似

ホッブズの社会契約説

Q112 自然状態における「万人の万人に対する闘争」を避けるため、人々が契約によって自然権を譲渡することで形成される、旧約聖書に登場する巨大な怪物に例えられた国家のあり方を描き、近代社会契約説の基礎を築いた、1651年に刊行された思想書のタイトルは何か。
★★★ 標準 具体例 正答率 —
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✅ 正解
リヴァイアサン
国家を巨大な怪物に例え、人々が自己保存のために自然権を譲渡・信託することで成立する強力な主権の必要性を説いた。本書は、王権神授説を否定し、国家の起源を人々の合意(社会契約)に求めた画期的な著作である。
共通テスト(2025年)類似

コミュニケーション的行為の理論

Q113 近代の道具的理性がもたらした管理社会を批判しつつ、公共空間において人々が対等な立場で議論を交わし、合意を形成していく「対話的理性」の重要性を説いた、ドイツの社会哲学者は誰か。
★★ 基本 V2 (具体例) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ハーバーマス
道具的理性による「生活世界の植民地化」を批判し、対話的理性に基づく「コミュニケーション的行為の理論」を提唱して、公共空間における合意形成のあり方を模索した。
センター試験(2016年)類似

コペルニクス的転回

Q114 人間の主観に備わる先天的な認識の形式によって対象が構成されるという「対象が認識に従う」立場を提唱し、それまでの模写説的な認識論を覆した、ドイツ観念論の創始者である哲学者は誰か。
★★ 基本 V2 (具体例) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
カント
イギリス経験論と大陸合理論を統合したカントは、人間の認識能力そのものを批判的に吟味した。彼は、人間が生まれながらに持つ認識の枠組み(感性と悟性)によって対象が構成されると考え、認識論における主客の逆転(コペルニクス的転回)をもたらした。
共通テスト(2022年)類似

ロックのタブラ・ラサ(白紙)説

Q115 人間の心は生まれつき「白紙(タブラ・ラサ)」のようなものであり、いかなる生得観念も持たないと主張し、すべての知識は感覚や内省といった経験を通じて得られるとするイギリス経験論の基礎を築いた、17世紀後半の哲学者は誰か。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ロック
人間の心には生まれながらにして備わっている生得観念はなく、経験を通じて得られた観念やその組合せによって知識が生まれるとする「白紙(タブラ・ラサ)」説を唱えた。この立場は、デカルトらの大陸合理論が主張する生得観念の存在を否定し、イギリス経験論の発展に決定的な影響を与えた。
共通テスト(2024年)類似

ルソーの不平等起源論

Q116 自然状態における人間は、自己愛と他者への憐れみの心によって平和に暮らしていた。しかし、社会の形成に伴って世間の評判を気にする虚栄心が生まれ、さらに土地の所有が始まったことで、自由と平等が失われ社会的な不平等が決定づけられたと主張した、18世紀フランスの思想家は誰か。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ルソー
自然状態の人間は自己愛と他者への憐れみの心によって平和に暮らしていたが、社会の形成に伴い世間の評判を気にする虚栄心が生まれ、さらに土地の所有が始まったことで、自由と平等が失われ社会的な不平等が決定づけられたと主張した。この思想を展開したのはルソーであり、彼は『人間不平等起源論』において文明社会の成立に伴う人間の堕落を批判した。
センター試験(2018年)類似

人倫

Q117 ヘーゲルは、客観的で外面的な規範である「法」と、主観的で内面的な規範である「道徳」が、弁証法的な対立を経て統合された、社会的な倫理のあり方を提唱した。家族、市民社会、国家という三つの段階を経て展開し、最終的に国家において完成されるとされる、この共同体における客観的な道徳秩序を何というか。
★★ 基本 V1 (基礎) 正答率 —
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✅ 正解
人倫
ヘーゲル哲学において、個人の内面的な良心に基づく「道徳」と、社会の外面的なルールである「法」は、そのままでは対立する。この両者が弁証法的に統合され、具体的な社会制度や共同体の中で実現された道徳的秩序が「人倫」である。人倫は、自然な愛情で結ばれた「家族」、個人の欲望が対立する「市民社会」、そしてこれらを統合し人倫の完成形態となる「国家」の3段階を経て展開される。
共通テスト(2025年)類似

宗教改革

Q118 ルターらによって主張された、キリストを信じる者はだれでも直接神に仕える資格を持ち、神の前で等しく司祭であるとする思想を何というか。この考え方は、教会や聖職者の特権的地位を否定し、万人平等の意識を培うことで、近代の人間尊重の精神を生み出す基盤となった。
★★★ 標準 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
万人司祭主義
ルターは、ローマ教皇や聖職者階級の特権的な権威を否定し、聖書を信じるすべてのキリスト教徒は神の前で等しく司祭であるという考え方を提唱した。この思想は、個人の信仰の主体性を重んじ、万人平等の意識を社会に広めることで、近代的な人間観や個人の尊厳の確立に寄与した。
センター試験(2016年)類似

西洋近代思想における時間観の変遷

Q119 近代科学が前提とする、時計で測定可能な均質に流れる時間に対し、私たちの意識が直接体験する、過去から未来へと絶え間なく流れ込む有機的な時間のあり方を「純粋持続」と呼び、生の躍動による創造的進化を主張したフランスの哲学者は誰か。
★★ 基本 V2 (具体例) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ベルクソン
近代科学的な時間観(空間化された時間)を批判し、意識の直接与件としての「純粋持続」を提唱した。彼は、生命を静的な物質に還元せず、絶えざる創造的進化の過程(生の躍動)として捉え、人間の生を問い直す新たな哲学を展開した。
センター試験(2006年)類似

キルケゴールの主体的真理

Q120 19世紀前半のデンマークにおいて、当時の主流であったヘーゲルの客観的・普遍的な哲学体系を批判し、単なる知識ではなく、自らがそれのために生き、また死にたいと願うような「主主体的な真理」の追求を重視して、実存主義の先駆者となった思想家は誰か。
★★ 基本 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
キルケゴール
ヘーゲルの客観的・普遍的な哲学体系は、個々の人間の具体的な生き方や苦悩を無視しているとして批判された。デンマークの思想家キルケゴールは、客観的な知識ではなく、自分自身がそれのために生き、また死にたいと願うような「主体的真理」の追求を重視し、神の前に単独者として立つ実存のあり方を説いた。
センター試験(2004年)類似

限界状況

Q121 ヤスパーズの哲学において、死、苦しみ、争い、罪など、人間の力では克服することも回避することもできない、自己の有限性を自覚させる決定的な状況を何と呼ぶか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
限界状況
人間が自らの力ではどうすることもできない壁に突き当たったとき、自己の有限性を自覚して絶望するが、それを契機に超越者と出会い、真の実存に目覚めることができるとされる。このような死や苦しみ、争い、罪などの状況を、ヤスパーズは「限界状況」と名付けた。
センター試験(2009年)類似

ヘーゲルによるカントの理性批判

Q122 ドイツ観念論の発展において、ある哲学者が提示した理性と自由のあり方は、後続の思想家から「現実の歴史や社会から切り離された抽象的なもの(空虚な義務)にとどまっている」と批判された。この批判を行ったヘーゲルに対し、批判の対象となった、純粋理性批判や実践理性批判を著して批判哲学を確立した哲学者は誰か。
★★ 基本 V2 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
カント
ヘーゲルは、個人の内面における道徳的自律を重視したカントの哲学を、現実の歴史的・社会的文脈を欠いた抽象的なものであると批判した。カントの説く道徳は主観的な「道徳」にとどまり、客観的な社会制度である「人倫」においてこそ自由が具体化されるとヘーゲルは主張した。
共通テスト(2025年)類似

モンテーニュの懐疑主義

Q123 16世紀フランスの思想家モンテーニュが、独断や偏見を排し、自らの認識の限界を自覚するために「私は何を知るか(ク・セ・ジュ)」と問いかけ、謙虚に自己吟味を続ける中で依拠した、古代ギリシアに源流を持つ思想的立場は何か。
★★ 基本 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
懐疑主義
宗教戦争の混乱の中で人々が自らの教条を絶対視して争う様子を目の当たりにし、人間の理性の不完全さを痛感した。彼は古代のピュロンなどの思想に影響を受け、判断を保留しつつ自己を省みる態度をとることで、独断から脱し、寛容な生き方に至る道を示した。
センター試験(2015年)類似

普遍的正義と状況的倫理の対立

Q124 歴史の進歩や普遍的な社会正義を掲げて未来の理想社会を設計しようとする立場に対し、そうした全体的なシステムを批判し、目の前で苦しんでいる具体的な他者からの呼びかけに直接応答することに倫理の根源を見出す思想がある。このような、自己の枠組みを超えて迫ってくる「他者の顔」に対する無限の責任を説き、近代の主体的自己中心性を批判した現代の哲学者は誰か。
★★★ 標準 V2 (具体例) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
レヴィナス
全体性(普遍的なシステムや歴史の進歩)が他者を排除・抑圧することを批判し、自己の理解を超えた絶対的な他者(「顔」)からの呼びかけに対して、受動的に応答する責任こそが倫理の出発点であると主張した。この思想は、普遍的な正義の設計図を疑い、今ここにある具体的な他者の苦しみに向き合う実践を重視する立場と深く結びついている。
共通テスト(2023年)類似

アダム・スミスの経済思想

Q125 個人が自己の利益を追求して自由な経済活動を行うことは、市場の価格調整メカニズムを通じて、意図せずとも社会全体の富や利益の増大をもたらすと主張し、近代経済学の基礎を築いたイギリスの思想家は誰か。
★★ 基本 V1 (基礎) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
アダム・スミス
個人が私益を追求することが、市場の「見えざる手」の働きによって社会全体の利益を促進するという市場経済の調和を説いた。主著『国富論(諸国民の富)』で知られ、自由放任主義(レッセ・フェール)を支持した。
センター試験(2014年)類似

ユートピア

Q126 16世紀のイギリスにおいて、羊毛生産のために行われていた農地の囲い込みを「羊が人間を食う」と批判し、私有財産制が存在しない理想的な社会のあり方を描いた著書『ユートピア』を著した思想家は誰か。
★★ 基本 V2 (具体例) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
トマス・モア
著書『ユートピア』において、イギリスの農地囲い込み(エンクロージャー)を批判し、私有財産を否定した共有制に基づく理想社会を描いたのはトマス・モアである。彼は人文主義者(ヒューマニスト)として知られ、のちにヘンリー8世の離婚に反対したことで処刑された。
センター試験(2015年)類似

万人の万人に対する闘争

Q127 国家が成立する前の自然状態を、各人が自己保存のために互いに争い合う混乱した状況であると捉え、これを避けるために人々が契約を結んで自然権を強力な主権者に譲渡することで国家が設立されると説いた、著書『リヴァイアサン』で知られるイギリスの思想家は誰か。
★★ 基本 基礎 正答率 —
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✅ 正解
ホッブズ
自然権を自己保存の権利とし、国家のない自然状態では人々が互いに争う「万人の万人に対する闘争」に陥ると考えた。この混乱を避けるために、人々は契約を結んで自然権を主権者に譲渡し、国家を設立すると説明した。この思想は、絶対王政を擁護する論理としても利用された。
共通テスト(2023年)類似

ベンサムの四つの制約

Q128 人間の本性を「快楽を求め苦痛を避けるもの」と捉え、個人の利己的な行為を社会全体の幸福と調和させるために、物理的・政治的・道徳的・宗教的という四つの外的な制約(制裁)が必要であると主張した、近代イギリスの思想家は誰か。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ベンサム
人間は本性として快楽を追求し苦痛を避ける存在であるとし、個人の幸福の追求が社会全体の幸福(最大多数の最大幸福)と衝突しないよう、法律(政治的制裁)や社会の目(道徳的制裁)などの外的な「四つの制約(サンクション)」によるコントロールを重視した。
センター試験(2017年)類似

ボーヴォワール

Q129 実存主義の立場から、人間はあらかじめ決められた本質を持たず、自らの選択によって自己を形成していく存在であると考え、この視点を女性の社会的地位の分析に適用して「人は女に生まれるのではない、女になるのだ」と主張した、著書『第二の性』で知られるフランスの思想家は誰か。
★★ 基本 V1 (基礎) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ボーヴォワール
実存主義の「実存は本質に先立つ」という考え方を女性の状況に適用し、女性が生まれながらにして「女性らしさ」を持っているのではなく、歴史的・社会的な抑圧の中で「他者」として作られていくプロセスを明らかにしました。この思想は、のちのジェンダー研究やフェミニズム運動に多大な影響を与えました。
センター試験(2018年)類似

ロバート・オーウェンの社会改革

Q130 19世紀前半のイギリスにおいて、人道主義的な立場から自らが経営する紡績工場で労働環境の改善を行い、児童労働の禁止や労働時間の短縮を実施した。さらに、消費組合の設立を提唱し、アメリカ合衆国で理想的な共同体の建設を試みた、初期社会主義を代表する思想家は誰か。
★★ 基本 V1 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ロバート・オーウェン
産業革命期のイギリスにおいて、資本家でありながら労働者の劣悪な境遇に同情し、自らの工場で労働条件の改善や幼年労働の禁止、学校の設置などを実践した。彼の思想と実践は、のちの協同組合運動の先駆となり、サン・シモンやフーリエらとともに、マルクスやエンゲルスから「空想的社会主義」と評された。
センター試験(2011年)類似

サン=シモン

Q131 19世紀初頭のフランスにおいて、社会を生産的な産業者(労働者、科学者、実業家など)を中心に組織化し、科学と産業を有機的に結びつけることで合理的な社会が実現されると説いた、初期社会主義の思想家は誰か。
★★ 基本 V1 (基礎) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
サン=シモン
19世紀前半のフランスの思想家であり、貴族階級などの非生産的階級ではなく、科学者や実業家、労働者などの「産業者」が主導する合理的な産業社会の構築を提唱した。彼の思想はのちに「空想的社会主義」と分類され、後世の社会主義思想や実証主義哲学に大きな影響を与えた。なお、協同組合に基づく理想社会を構想したのはロバート・オーウェンであり、議会活動を通じた漸進的な社会改革を目指したのはフェビアン協会である。
センター試験(2016年)類似

課税前所得と所有権

Q132 税制などの社会的合意によって所有権が規定されるとする考え方に対し、個人は自己の身体や能力、そして正当に獲得した財産に対して絶対的な権利を持つとし、国家による福祉目的の課税や再分配政策を個人の自由に対する不当な侵害であると批判した、リバタリアニズム(自由至上主義)を代表するアメリカの哲学者は誰か。
★★★ 標準 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ロバート・ノージック
課税前の所得に対する絶対的な所有権を前提とし、国家による強制的な再分配(課税)を否定する立場は、リバタリアニズム(自由至上主義)と呼ばれる。彼は、個人の自己所有権を極めて重視し、国家の役割を国防や治安維持などの最小限に限定すべきだとする「最小国家論」を展開して、福祉国家的な再分配政策を批判した。
共通テスト(2026年)類似

J. S. ミルの内面的制裁

Q133 ベンサムの功利主義を修正し、快楽には質的な差異があるとする「質的功利主義」を唱えた。彼は、道徳的行為を促す主たる強制力として、他者への同情や共感といった社会的情感情に根ざす、自己の良心の痛みによる制裁を重視した。この思想家は誰か。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
J. S. ミル
ベンサムが法や世論などの外面的制裁を重視したのに対し、J. S. ミルは自己の良心の痛みである内面的制裁を重視した。彼は他者への同情や共感(同胞感情)を人間が本来持つ社会的情感情とし、これが功利主義の道徳を支える内的な強制力になると説いた。
センター試験(2012年)類似

カントの自律

Q134 カントの道徳哲学において、同情心や幸福への欲望といった感性的な衝動や、他者・神からの命令に従うのではなく、自らの理性が自ら立てた普遍的な道徳法則に自発的に従うことを何というか。
★★ 基本 V1 (基礎) 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
自律
カントは、道徳的に正しい行為とは、自己の利益や同情心などの「傾き(欲望)」からではなく、純粋に義務感からなされる行為であるとした。このように、自らの理性が課す道徳法則に自発的に従うことを「自律」と呼び、これに対して欲望や外部の命令に従うことを「他律」と呼んで区別した。
センター試験(2020年)類似

ニーチェのニヒリズムと価値創造

Q135 19世紀後半のドイツの思想家であり、キリスト教的な絶対的価値観が崩壊した「神は死んだ」という事態を「ニヒリズム」と呼び、これを能動的に引き受けることを説いた。弱者の怨恨(ルサンチマン)に基づく奴隷道徳を排し、自らの意志によって新たな価値を創造し、力強く生きる「超人」となることを目指した実存主義の先駆者は誰か。
★★ 基本 V2 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ニーチェ
キリスト教的な絶対的価値が失われたニヒリズムの到来を指摘し、弱者の怨恨(ルサンチマン)に基づく奴隷道徳を排して、自らの意志によって新たな価値を創造し、力強く生きる「超人」となることを説いたのはニーチェである。彼はキルケゴールとともに実存主義の先駆者として位置づけられる。
共通テスト(2024年)類似

ルネサンス期の人文主義

Q136 ルネサンス期において、人間は神によって自由な意思を与えられ、自らの生き方を主体的に選択できる尊厳ある存在であると主張し、著書『人間の尊厳について』を著したイタリアの思想家は誰か。
★★★ 標準 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ピコ・デラ・ミランドラ
イタリア・ルネサンス期の人文主義者であるピコ・デラ・ミランドラは、著書『人間の尊厳について』において、人間は固定された本質を持たず、自らの自由な意思によって自らのあり方を決定できる存在であると説き、人間の尊厳を肯定した。
センター試験(2016年)類似

コペルニクス的転回

Q137 イギリス経験論と大陸合理論を統合し、人間の認識能力の限界を吟味する批判哲学を確立した哲学者は誰か。彼は、主観の持つ認識の枠組みが対象を構成するという「コペルニクス的転回」を唱え、認識論に大きな変革をもたらした。
★★ 基本 具体例 正答率 —
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✅ 正解
カント
イギリス経験論(感覚的経験を重視)と大陸合理論(理性的思考を重視)の双方の偏りを批判的に克服し、認識の成立には経験の素材を受け取る感性と、それを秩序づける悟性の協働が必要であると説いた。この認識論の変革を「コペルニクス的転回」と呼び、のちのドイツ観念論へとつながる道を開いた。
センター試験(2016年)類似

ロックの白紙説

Q138 デカルトら大陸合理論の立場が主張した、人間に生まれつき備わっている観念(生得観念)の存在を否定し、人間の心はもともと何も書かれていない「白紙」のような状態であり、すべての知識は後天的な経験を通じて得られると主張した、イギリス経験論の基礎を築いた哲学者は誰か。
★★ 基本 V2 正答率 —
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✅ 正解
ロック
デカルトらの生得観念を否定し、人間の心は「タブラ・ラサ(白紙)」であり、すべての知識は経験に由来すると説いた。この思想は『人間知性論(人間悟性論)』で展開され、イギリス経験論の確立に大きく貢献した。また、彼の認識論はのちの認識批判や社会契約説の人間観にも影響を与えた。
共通テスト(2025年)類似

ジーン・シャープの非暴力的闘争

Q139 ガンディーの思想を発展させ、独裁体制に対して武力を用いずに抵抗する理論を体系化したアメリカの政治学者。市民が自主的な非政府団体を組織して社会の自律性を高め、権力への依存を断ち切ることで、独裁権力を崩壊に導くことができると主張した人物は誰か。
★★★ 標準 V2 (具体例) 正答率 —
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✅ 正解
ジーン・シャープ
ガンディーの非暴力思想をさらに発展させ、独裁体制に対する具体的な抵抗手段として体系化したのがジーン・シャープである。彼は、市民が自主的な非政府団体を組織して社会的なネットワークを形成し、相互に連帯することで、独裁権力に対する社会の抵抗力と自律性を高めることができると説いた。
共通テスト(2024年)類似

帰納法

Q140 イギリス経験論の祖とされるフランシス・ベーコンが提唱した、観察や実験によって得られた個々の具体的な事実から共通する性質を取り出し、一般的な法則を導き出す論理的推論方法を何というか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
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✅ 正解
帰納法
フランシス・ベーコンは、人間の先入観(イドラ)を排除し、観察や実験によって得られた個々の具体的な事実を積み重ねることで、共通する一般的な法則を導き出す方法を重視した。この推論方法は近代科学の発展に大きく貢献した。これに対し、デカルトらが重視した、確実な前提から論理的に個別の結論を導き出す方法は演繹法と呼ばれる。
センター試験(2015年)類似

バーナード・ショウ

Q141 19世紀末のイギリスにおいて、ウェッブ夫妻らとともにフェビアン協会を指導し、急進的な暴力革命を否定して、議会制民主主義を通じた漸進的な社会改革や生産手段の公有化、福祉政策の充実を主張した、劇作家としても知られる思想家は誰か。
★★★ 標準 V1 (基礎) 正答率 —
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✅ 正解
バーナード・ショウ
フェビアン協会は1884年にイギリスで設立された社会主義団体であり、マルクス主義的な暴力革命を否定し、議会を通じて漸進的に社会主義を実現することを目指した。その中心人物の一人が劇作家としても著名な人物であり、ウェッブ夫妻らとともに福祉政策の充実や主要産業の公有化などを提唱し、後のイギリス労働党の思想的基盤を築いた。
センター試験(2020年)類似

カントの意志の自律とヘーゲルの人倫

Q142 人間が感性的な欲望や他者からの命令に盲従するのではなく、自らの理性が打ち立てた普遍的な道徳法則に自発的に従うことによって得られる、真の自由のあり方を何というか。
★★ 基本 V1 (基礎) 正答率 —
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✅ 正解
意志の自律
理性が自ら課した道徳法則に自発的に従うことを意志の自律と呼び、カントはこれこそが真の自由であり、人間の尊厳の基礎であると考えた。これに対し、欲望や他律に従うことは自由とはみなされない。
センター試験(2017年)類似

モンテーニュの懐疑主義

Q143 16世紀フランスの思想家であり、宗教戦争による混乱と殺戮を目の当たりにする中で、独善的な独断や偏見を排し、自己の理性の限界を自覚することを説いた人物は誰か。彼は「私は何を知っているか」(ク・セ・ジュ)という問いかけを通じて、謙虚に自己吟味を行う懐疑主義の立場を示し、のちのモラリストの先駆者となった。
★★ 基本 V1 正答率 —
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✅ 正解
モンテーニュ
16世紀のフランスでは、カトリックとプロテスタントの対立によるユグノー戦争が勃発し、人々は自らの信仰の絶対性を主張して激しく争った。こうした悲惨な現実を背景に、人間が持つ理性の不完全さを自覚し、「私は何を知っているか」(ク・セ・ジュ)と問いかけることで、独断や偏見から脱して謙虚に自己吟味を行う懐疑主義が唱えられた。主著『エセー(随想録)』に示されたこの思想は、のちのパスカルなどのモラリストに大きな影響を与えた。
センター試験(2015年)類似

スペンサーの社会進化論

Q144 19世紀後半に提唱され、生物界における適者生存や自然淘汰の法則を人間社会の発展プロセスに適用した思想であり、強者による弱者の支配や帝国主義的な領土拡張を正当化する根拠としても利用された、イギリスの思想家に端を発する理論を何というか。
★★★ 標準 V2 (具体例) 正答率 —
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✅ 正解
社会進化論
スペンサーによって体系化されたこの思想は、社会も生物と同様に単純から複雑へと進化し、その過程では適者生存が働くと主張した。この理論は、当時の欧米列強による植民地支配や、国内における社会的弱者の切り捨て(自由競争の過度な肯定)を合理化するイデオロギーとして悪用された側面を持つ。
共通テスト(2022年)類似

ヘーゲルの弁証法

Q145 カントの批判哲学を継承・発展させ、主観的な道徳と客観的な法が「人倫」において統合されるとし、国家を人倫の最高形態と位置づけた、ドイツ観念論を大成した哲学者は誰か。
★★ 基本 V2 (具体例) 正答率 —
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✅ 正解
ヘーゲル
カントが提示した道徳法則(主観)と、外的な法(客観)の対立を乗り越え、家族・市民社会・国家という「人倫」の段階において両者が統合されると説いた。彼は国家を自由が完全に実現される人倫の最高形態とみなした。
センター試験(2013年)類似

カントの批判哲学

Q146 イギリスの経験論と大陸の合理論を統合し、人間の認識能力そのものを吟味する立場を打ち立てたドイツの哲学者は誰か。彼は、人間の認識は感性が受け取った素材を悟性の枠組みによって構成することによって成立すると説き、認識の主客関係を逆転させた。
★★ 基本 V2 (具体例) 正答率 —
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✅ 正解
カント
イギリス経験論と大陸合理論を総合し、認識の限界と条件を明らかにする批判哲学を提唱したのはカントである。彼は、認識が対象に従うのではなく、対象が認識に従うという「コペルニクス的転回」を主張し、感性と悟性の働きによって認識が構成されるとした。
センター試験(2008年)類似

デカルトの物心二元論

Q147 精神と物体を明確に区別する立場を唱え、自然を客観的な観察・支配の対象とみなすことで、人間を「自然の所有者にして主人」たらしめるような実践哲学を構想したフランスの哲学者は誰か。
★★ 基本 V2 (具体例) 正答率 —
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✅ 正解
デカルト
精神と物体を独立した二つの実体とする物心二元論を唱えたのはデカルトである。彼は、自然を神聖なものや生命に満ちたものとしてではなく、単なる機械的な物質(物体)として捉えることで、人間が主観(精神)として客観(自然)を支配し、技術によって自然を開発・利用することを正当化した。
センター試験(2004年)類似

自由主義社会観における個人の自由

Q148 個人の自由を社会や国家の不当な干渉から保護することを重視し、他人に危害を及ぼさない限りにおいて個人の自由は最大限に保障されるべきであるという「他者危害の原則」を提示した、J.S.ミルの著書は何か。
★★ 基本 V1 正答率 —
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✅ 正解
自由論
近代の自由主義社会観において、個人の自由の優位性を論理的に擁護した代表的な著作が、J.S.ミルによる『自由論』である。ミルは、国家や多数派の意見(「多数者の専制」)が個人の自由を不当に抑圧することを警戒し、他者に実害を与えない限り、個人の行動や思想の自由は絶対に侵されてはならないという原則を確立した。
センター試験(2013年)類似

ウィトゲンシュタインの言語ゲーム

Q149 前期には、言語は世界の事実を写し出す絵のようなものであるとする写像理論を唱えたが、後期には、言語の意味は日常生活における多様なルールを伴う言語の使用のなかで決定されるという考え方を提唱し、現代の言語哲学や分析哲学に決定的な影響を与えたオーストリア出身の哲学者は誰か。
★★ 基本 具体例 正答率 —
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✅ 正解
ウィトゲンシュタイン
前期には論理実証主義に大きな影響を与えた『論理哲学論考』を著し、後期には日常言語の分析へと向かって「言語ゲーム」の概念を提唱した哲学者はウィトゲンシュタインである。
共通テスト(2026年)類似

リバタリアニズム

Q150 個人の身体や正当に獲得した財産に対する絶対的な権利を重視し、社会全体の福祉や弱者救済を目的とするものであっても、国家による課税や財産の強制的な再分配は個人の権利を侵害する不当な介入であるとして、政府の役割を最小限に抑えるべきだと主張する、現代の政治・倫理思想を何というか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
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✅ 正解
リバタリアニズム
個人の自由や自己所有権を最大限に尊重する立場であり、国家による介入や財産の強制的な再分配を最小限に抑えるべきだと主張する。ロールズらが提唱する福祉国家的な再分配を批判する文脈で、ノージックらによって理論化された。
センター試験(2006年)類似

マルクスの資本主義分析

Q151 19世紀に活躍したドイツの思想家で、資本主義経済の仕組みを分析し、生産の社会的性格と生産手段の私的所有との矛盾から、労働者の窮乏化や貧富の格差の拡大、さらには過剰生産による恐慌の発生が不可避であると説いて、のちの社会主義運動に決定的な影響を与えた人物は誰か。
★★ 基本 基礎 正答率 —
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✅ 正解
マルクス
資本主義社会における生産手段の私的占有と生産の社会的性格の矛盾に着目し、資本家による労働者の搾取や、資本蓄積に伴う労働者の窮乏化、そして過剰生産による恐慌の発生が不可避であると分析した。彼の思想は『資本論』などにまとめられ、19世紀後半以降の社会主義運動や歴史観に決定的な影響を与えた。

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