
【一問一答】高校生物のよく出る問題|共通テスト・センター試験過去問類似問題
大学入学共通テスト・センター試験の過去問を分析し、生物でよく出るポイントを一問一答形式でまとめました。本ページでは 細胞と分子・代謝・遺伝情報とその発現・体内環境の維持・生殖と発生・環境応答・生態と進化 の頻出問題(全500問)を収録しています。選択肢から答えを選び、解説で知識を定着させましょう。共通テスト・定期テスト対策にご活用ください。
目次
生物の一問一答(共通テスト・センター過去問)
細胞と分子(42問)の一問一答問題
センター試験(2016年)類似
エキソサイトーシス
Q1
細胞内の小胞が細胞膜と融合し、内部の物質を細胞外へ放出する現象を何と呼ぶか。
★ やさしい
基礎
正答率 —
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✅ 正解
エキソサイトーシス
エキソサイトーシスは、細胞内で合成・貯蔵された物質を包む小胞が細胞膜と融合し、内容物を細胞外へ放出する現象である。一方、エンドサイトーシスは細胞外の物質を細胞膜で包み込んで細胞内に取り込む現象を指す。これらは細胞内外の物質輸送において重要な役割を果たしている。
センター試験(2008年)類似
ゴルジ体
Q2
真核細胞の細胞小器官のうち、扁平な袋が重なった構造をもち、細胞内で合成されたタンパク質などの物質を修飾・濃縮して細胞外へ分泌する役割を担うものはどれか。
★ やさしい
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ゴルジ体
ゴルジ体は、扁平な袋状の構造(ゴルジ嚢)が重なった細胞小器官であり、細胞内で合成されたタンパク質や脂質などの物質を受け取り、糖鎖の付加などの修飾を行ってから小胞に包んで細胞外へ送り出す「細胞内の配送センター」としての機能を果たしている。ミトコンドリアはエネルギー産生、リボソームはタンパク質合成、中心体は細胞分裂に関与する。
センター試験(2013年)類似
結合組織
Q3
結合組織の特徴として、細胞間質に関する記述として最も適切なものはどれか。
★★ 基本
背景
正答率 —
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✅ 正解
細胞間質を多く含み、組織や器官を支持する役割を果たす。
結合組織の最大の特徴は、細胞の周囲に細胞間質(細胞外基質)が発達していることである。この基質が物理的な強度や柔軟性を与えることで、骨や軟骨のように体を支える機能や、組織間を結合する機能を実現している。細胞同士が密着しているのは上皮組織の特徴であり、筋収縮に関わるタンパク質は筋組織に特有のものである。
センター試験(2014年)類似
二重膜構造を持つ細胞小器官
Q4
細胞小器官の構造に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★ やさしい
具体例
正答率 —
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✅ 正解
核と葉緑体は、いずれも二重膜構造を持つ。
細胞小器官の膜構造は、その機能と密接に関連している。核は遺伝情報を保持し、葉緑体は光合成を行うが、これらは二重の膜で包まれている。ゴルジ体や液胞は一重の膜からなり、リボソームは膜を持たない構造体である。したがって、核と葉緑体が二重膜を持つという記述が生物学的に正しい。
センター試験(2011年)類似
細胞核の発見と構造
Q5
真核細胞の核膜の構造と機能に関する説明として誤っているものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
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✅ 正解
核膜に存在する孔は、細胞内のすべてのタンパク質を無差別に通過させる。
核膜には核膜孔と呼ばれる多数の孔が存在し、核と細胞質の間でRNAやタンパク質などの物質輸送が行われています。しかし、この輸送は無差別ではなく、特定のシグナルを持つ分子を選択的に通過させる高度に制御されたプロセスです。核膜が二重膜であることや、その微細な構造は電子顕微鏡の発展によって詳細に解明されました。
センター試験(2006年)類似
仮足
Q6
アメーバ状の細胞が移動する際、細胞質が流動して細胞膜が突出し、運動や摂食の役割を果たす構造体はどれか。
★ やさしい
基礎
正答率 —
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✅ 正解
仮足
アメーバ状の細胞は、細胞内部の細胞質が流動することで細胞膜を局所的に突出させ、仮足と呼ばれる構造を形成して移動や摂食を行います。繊毛やべん毛は細胞表面から突き出した毛状の運動器官であり、収縮胞は淡水産原生生物における浸透圧調節を担う器官であるため、本問の記述には仮足が該当します。
センター試験(2020年)類似
ペルオキシソームへのタンパク質輸送
Q7
ペルオキシソームへの輸送シグナルに関する実験において、酵素の末端配列を改変した際に酵素活性が維持されたという結果が示唆する内容として最も適切なものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
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✅ 正解
輸送シグナル配列は、タンパク質の立体構造や酵素活性の維持には直接関与していない。
輸送シグナルはタンパク質を目的のオルガネラへ導くための「住所」のような役割を果たすものであり、酵素としての触媒機能(活性)そのものとは独立していることが多い。実験において末端配列の有無や改変が酵素活性に影響を与えないことは、その配列がタンパク質の機能的立体構造の形成とは無関係な部位に付加されていることを示している。
センター試験(2013年)類似
動物細胞の中心体
Q8
動物細胞と植物細胞の構造上の違いにおいて、中心体の有無が細胞分裂に与える影響として最も適切なものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
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✅ 正解
動物細胞は中心体を用いて紡錘体を形成するが、多くの植物細胞は中心体を持たずに紡錘体を形成する。
動物細胞には中心体が存在し、紡錘体の形成に重要な役割を果たしますが、多くの植物細胞には中心体が存在しません。それでも植物細胞は微小管を組織化して紡錘体を形成することが可能です。細胞板の形成や細胞壁の有無は、中心体の有無とは別のメカニズムによって制御されています。
センター試験(2016年)類似
非競争的阻害
Q9
酵素の活性部位以外の場所に阻害物質が結合し、酵素の立体構造を変化させることで反応速度を低下させる阻害様式として適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
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✅ 正解
非競争的阻害
非競争的阻害は、阻害物質が酵素の活性部位とは異なる部位に結合し、酵素の立体構造を変化させることで反応を阻害する現象です。この阻害では、基質濃度をどれだけ高くしても阻害物質の影響を完全に取り除くことはできません。一方、競争的阻害は阻害物質が活性部位に結合して基質と競合するものであり、基質濃度を十分に高くすることで阻害を回避できる点が異なります。
センター試験(2014年)類似
単細胞生物
Q10
細胞の構造と特徴に関する記述として、誤っているものを次のうちから一つ選べ。
★★★ 標準
背景
正答率 —
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✅ 正解
中心体は原核細胞と真核細胞の両方に共通して存在する細胞小器官である。
中心体は細胞分裂や繊毛・べん毛の形成に関与する真核細胞の構造体であり、原核細胞には存在しない。原核細胞は核を持たないため核小体も持たず、ゴルジ体などの膜構造を持つ細胞小器官も欠いている。一方、べん毛は真核細胞と原核細胞の双方に見られる構造であるが、その微細構造や運動の仕組みは大きく異なる。
センター試験(2007年)類似
染色体
Q11
真核細胞の構造と遺伝物質に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本
背景
正答率 —
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✅ 正解
真核細胞の核内には、DNAとタンパク質からなる染色体が存在する。
真核細胞は核膜に包まれた核を持ち、その内部にDNAとタンパク質が結合した染色体を持つ。原核細胞は核膜を持たないため核は存在せず、染色体という構造もとらない。細胞液は液胞内に存在する液体であり、核内を満たすのは核液である。アメーバは真核生物であり、原核細胞ではない。
センター試験(2016年)類似
リボソーム
Q12
細胞内におけるタンパク質の合成と輸送の仕組みに関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
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✅ 正解
リボソームで合成されたタンパク質は、小胞体を経てゴルジ体で選別される。
タンパク質合成の場はリボソームであり、核は合成の場ではない。ゴルジ体はタンパク質の選別や輸送のハブとして機能し、リソソームは細胞内消化を担う分解器官である。したがって、リボソームで合成されたタンパク質が小胞体で修飾を受け、ゴルジ体で目的地ごとに選別されるという流れが、細胞内のタンパク質輸送の原理として正しい。
センター試験(2016年)類似
アロステリック酵素
Q13
アロステリック酵素の活性調節に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
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✅ 正解
活性部位以外の部位に物質が結合し、立体構造が変化することで酵素の活性が調節される。
アロステリック酵素は、活性部位とは異なる部位(アロステリック部位)に特定の物質が結合することで、酵素の立体構造が変化し、結果として活性が促進または抑制される酵素である。補酵素は酵素の触媒反応を補助する非タンパク質性の有機化合物であり、アロステリック調節とは作用機序が異なる。この調節機構は、代謝経路のフィードバック阻害などにおいて重要な役割を果たしている。
センター試験(2013年)類似
動物細胞の中心体
Q14
動物細胞の分裂過程に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本
具体例
正答率 —
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✅ 正解
中心体は紡錘体の形成に関与し、分裂の起点となる。
動物細胞は中心体から伸びる紡錘糸によって染色体を分配します。植物細胞で見られる細胞板の形成は動物細胞では起こらず、動物細胞では細胞膜が外側からくびれることで細胞質分裂が進みます。また、ミトコンドリアはエネルギー産生を行いますがクロロフィルは含まず、動物細胞は細胞壁を持ちません。
センター試験(2012年)類似
ゴルジ体
Q15
細胞内における物質の輸送と分泌の過程において、ゴルジ体の機能として最も適切な説明はどれか。
★★ 基本
背景
正答率 —
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✅ 正解
小胞体で合成されたタンパク質を修飾し、小胞に包んで細胞外へ送り出す
ゴルジ体は、小胞体から送られてきたタンパク質を糖鎖の付加などによって修飾し、適切な場所へ輸送するための仕分けを行う「細胞内の物流センター」のような役割を果たします。最終的に小胞に包まれたタンパク質は細胞膜と融合し、細胞外へ放出されます。分解を行うのはリソソーム、光合成を行うのは葉緑体、浸透圧調節や貯蔵を行うのは液胞の機能です。
センター試験(2010年)類似
細胞分画法による細胞小器官の分離
Q16
細胞分画法を用いて特定の細胞から核を単離する実験を行う際、核を複数持つ細胞と、成熟過程で核を消失するため核が単離できない細胞の組み合わせとして最も適切なものはどれか。
★★★ 標準
具体例
正答率 —
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✅ 正解
心筋細胞と哺乳類の成熟した赤血球
心筋細胞や骨格筋細胞は、細胞融合などにより多核となる性質があります。一方、哺乳類の成熟した赤血球は、酸素運搬効率を高めるために核やミトコンドリアなどの細胞小器官を消失させるため、細胞分画法を行っても核を回収することはできません。したがって、核を複数持つ細胞と核を持たない細胞の組み合わせとして適切です。
センター試験(2015年)類似
フィードバック調節と酵素阻害
Q17
酵素の活性部位以外の場所に阻害物質が結合し、酵素の立体構造を変化させることで反応速度を低下させる阻害様式はどれか。
★★ 基本
具体例
正答率 —
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✅ 正解
非競争的阻害
非競争的阻害は、阻害物質が活性部位とは異なる部位に結合し、酵素の立体構造を変化させることで基質との結合を阻害、あるいは反応を進行させなくする様式である。これに対し、競争的阻害は阻害物質が基質と構造が似ているために活性部位を奪い合う現象を指す。フィードバック調節は代謝経路全体を制御する仕組みであり、補酵素は酵素の反応を助ける低分子化合物である。
センター試験(2009年)類似
多細胞生物の階層構造
Q18
多細胞生物の体における構造の階層性について、細胞から個体に至るまでの一般的な順序として最も適切なものはどれか。
★ やさしい
基礎
正答率 —
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✅ 正解
細胞、組織、器官、器官系、個体
多細胞生物の体は、特定の機能を持つ細胞が分化し、それらが集まって組織を形成します。さらに、複数の組織が組み合わさって特定の機能を持つ器官となり、それらが連携して器官系を構成し、最終的に個体として統合されます。この階層構造により、複雑な生命活動を効率的に分担・維持することが可能となっています。
センター試験(2017年)類似
タンパク質の一次構造
Q19
タンパク質の構造に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
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✅ 正解
タンパク質の一次構造とは、ポリペプチド鎖におけるアミノ酸の配列順序のことである。
タンパク質の一次構造は、アミノ酸がペプチド結合によって一列に並んだ配列順序を指す。ジグザグ構造(βシート)やらせん構造(αヘリックス)は、一次構造が水素結合によって折りたたまれることで形成される二次構造に分類される。したがって、一次構造をこれらの構造と定義する記述は誤りである。タンパク質は、この一次構造の情報に基づき、さらに複雑な高次構造を形成して機能を発現する。
センター試験(2007年)類似
ゴルジ体
Q20
細胞内におけるタンパク質の輸送経路において、ゴルジ体が果たす役割の原理として正しいものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
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✅ 正解
小胞体から送られてきたタンパク質を修飾・選別し、目的地ごとに小胞へ積み分ける。
ゴルジ体は、いわば細胞内の物流センターのような役割を果たす。小胞体で合成されたタンパク質は小胞によってゴルジ体に運ばれ、そこで糖鎖の修飾や選別を受け、最終的な目的地(細胞外、細胞膜、リソソームなど)に応じた小胞に詰められて送り出される。分解はリソソームの機能であり、翻訳はリボソームの機能であるため、これらはゴルジ体の主たる役割とは異なる。
センター試験(2015年)類似
基質
Q21
酵素が化学反応を促進する際、その作用を受ける対象となる物質を何と呼ぶか。
★ やさしい
基礎
正答率 —
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✅ 正解
基質
酵素は特定の化学反応を促進するタンパク質であり、その反応において酵素が結合し、作用を及ぼす対象となる物質を基質と呼ぶ。酵素と基質は、鍵と鍵穴の関係に例えられるように、特定の立体構造が適合することで結合し、反応を進行させる。活性中心は酵素の分子内で基質が結合する部位のことであり、補酵素は酵素の働きを助ける非タンパク質の有機化合物である。
センター試験(2016年)類似
リボソーム
Q22
真核細胞において、タンパク質の合成を担う細胞小器官として最も適切なものはどれか。
★ やさしい
基礎
正答率 —
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✅ 正解
リボソーム
リボソームは、mRNAの遺伝情報に基づいてアミノ酸を連結し、タンパク質を合成する場である。核はDNAを保持して遺伝情報の転写を行う場所であり、ゴルジ体は合成されたタンパク質の修飾や選別、輸送を担う。中心体は細胞分裂時の紡錘体形成に関与する構造体であるため、タンパク質合成の直接的な場ではない。
センター試験(2011年)類似
細胞壁の染色
Q23
タマネギの根の細胞を観察する際、細胞壁を赤く染色するために用いられる染色液として最も適切なものはどれか。
★ やさしい
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
サフラニン液
植物細胞の細胞壁は、サフラニン液を用いることで赤く染色され、顕微鏡下で明瞭に観察できるようになります。酢酸オルセイン液は主に核や染色体の観察に、ヤヌスグリーン液はミトコンドリアの生体染色に、ヨウ素液はデンプンの検出に用いられるため、細胞壁の染色には適しません。
センター試験(2007年)類似
ミトコンドリア
Q24
真核細胞において、細胞の呼吸に関与し、生命活動に必要なエネルギーであるATPを産生する細胞小器官として最も適切なものはどれか。
★ やさしい
基礎
正答率 —
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✅ 正解
ミトコンドリア
ミトコンドリアは、酸素を用いた呼吸を行うことで、有機物から効率よくエネルギーを取り出し、ATPを合成する細胞小器官である。二重膜構造を持ち、独自のDNAを有している点が特徴である。他の選択肢であるリボソームはタンパク質合成、ゴルジ体は物質の分泌や輸送、中心体は細胞分裂時の紡錘体形成にそれぞれ関与している。
センター試験(2010年)類似
植物細胞の細胞壁
Q25
植物細胞の細胞壁の主成分であり、植物の体を支える役割を担う多糖類はどれか。
★★ 基本
具体例
正答率 —
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✅ 正解
セルロース
植物細胞の細胞壁は、主にセルロースという多糖類から構成されている。セルロースはグルコースが多数結合した繊維状の構造を持ち、高い引張強度を持つため植物の支持に不可欠である。デンプンやグリコーゲンはエネルギー貯蔵物質であり、スクロースは植物体内で輸送される二糖類であるため、細胞壁の構成成分ではない。
共通テスト(2025年)類似
アロステリック阻害
Q26
トレオニンからイソロイシンが合成される代謝経路において、イソロイシンがTD酵素に対して行う調節機構の説明として正しいものはどれか。
★★★ 標準
具体例
正答率 —
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✅ 正解
イソロイシンがTD酵素のアロステリック部位に結合し、非競合的阻害を引き起こすことで過剰な合成を抑制する。
代謝経路の最終産物であるイソロイシンが、経路の初期段階を触媒するTD酵素のアロステリック部位に結合し、酵素活性を抑制する仕組みをフィードバック阻害と呼びます。これは非競合的阻害の一種であり、細胞内で物質が過剰に合成されるのを防ぐ重要な調節機構です。酵素の分解や活性部位の直接的な競合とは異なるメカニズムで機能します。
センター試験(2020年)類似
ペルオキシソームへのタンパク質輸送
Q27
真核細胞において、タンパク質がペルオキシソームへ輸送される仕組みに関する記述として最も適当なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
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✅ 正解
タンパク質のアミノ酸配列に含まれる特定の末端配列が、輸送シグナルとして機能する。
ペルオキシソームに局在するタンパク質の多くは、細胞質基質で翻訳が完了した後に、そのアミノ酸配列内に含まれる特定のペルオキシソーム標的シグナル(PTS)を認識されて輸送される。この輸送は小胞体を経由せず、直接ペルオキシソーム膜を通過して行われる。また、このシグナル配列はタンパク質の局在を決定するものであり、酵素活性そのものを変化させるものではない。
センター試験(2012年)類似
細胞膜
Q28
原核細胞と真核細胞の構造上の違いが生じる生物学的な背景として、最も適切なものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
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✅ 正解
原核細胞は膜構造を持つ細胞小器官を欠くが、細胞膜は双方に共通する。
細胞の進化において、真核細胞は細胞内膜系が発達し、核膜やミトコンドリアなどの膜構造を持つ小器官を獲得した。原核細胞はこのような複雑な膜構造を持たないが、細胞の境界を維持し物質の出入りを制御する細胞膜は、生命維持の必須構造として原核細胞・真核細胞の双方に共通して維持されている。
センター試験(2009年)類似
体細胞分裂の過程
Q29
動物細胞と植物細胞の体細胞分裂の相違点として、細胞質分裂の様式に関する記述として正しいものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
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✅ 正解
動物細胞は細胞質がくびれ込むが、植物細胞は細胞板が形成される。
動物細胞の細胞質分裂は、細胞膜が外側から内側へ向かってくびれ込むことで進行する。一方、植物細胞は細胞壁を持つため、細胞の中央部に細胞板と呼ばれる構造が形成され、それが外側へと成長して細胞壁となることで細胞が分離する。この分裂様式の違いは、細胞壁の有無に起因する構造的な適応である。
センター試験(2008年)類似
細胞膜の選択的透過性
Q30
細胞膜の性質として、特定の物質のみを透過させる仕組みを何と呼ぶか。
★ やさしい
基礎
正答率 —
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✅ 正解
選択的透過性
細胞膜はリン脂質二重層と膜タンパク質から構成されており、物質の大きさや電荷、脂溶性などに応じて透過性を制御しています。この性質を「選択的透過性」と呼びます。細胞はこれを利用して、必要な栄養分を取り込み、不要な代謝産物を排出することで細胞内の恒常性を維持しています。全透膜は細胞壁のように物質を制限なく通す膜を指すため、細胞膜とは異なります。
センター試験(2011年)類似
細胞壁の染色
Q31
タマネギの根の細胞をサフラニン液で処理した際、顕微鏡観察において赤く染まる部位として正しいものはどれか。
★★ 基本
具体例
正答率 —
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✅ 正解
細胞壁
植物細胞において、サフラニン液は細胞壁の成分であるセルロースやリグニンと親和性が高く、これらを赤く染め出す性質があります。液胞はアントシアニンを含むことがありますが染色液とは異なり、ミトコンドリアはヤヌスグリーン液で染色され、中心体は一般的な植物細胞には存在しません。
センター試験(2004年)類似
接触阻害と細胞増殖
Q32
増殖が停止した高密度の細胞群を解離して希釈し、新しい培地に移した際に再び増殖を開始する理由として最も適切なものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
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✅ 正解
細胞密度が低下することで接触阻害が解除されるから
接触阻害は細胞同士の物理的な接触や高密度状態によって引き起こされる増殖抑制機構である。細胞を解離して密度を下げると、細胞間の接触が解消されるため、増殖抑制シグナルが解除され、再び細胞分裂が進行するようになる。これは細胞が老化して増殖能力を失ったわけではなく、環境要因によって増殖が制御されていることを示している。
センター試験(2017年)類似
タンパク質の変性
Q33
タンパク質の変性に関する記述として最も適当なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
高温処理によって水素結合などの弱い結合が切断され、立体構造が破壊される現象である。
タンパク質の立体構造は、水素結合や疎水結合などの弱い結合によって維持されています。高温や極端なpH環境下では、これらの結合が切断されることでタンパク質は本来の立体構造を失い、変性します。変性したタンパク質は、多くの場合、酵素活性などの生物学的な機能を失います。共有結合が切断されるのは一次構造の破壊であり、一般的な変性の定義とは異なります。
センター試験(2016年)類似
酵素の失活
Q34
酵素が触媒として機能する仕組みについて、誤っている記述を選べ。
★★★ 標準
背景
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
酵素は反応の進行に伴い消費されるため、反応終了時には失活する。
酵素は触媒として機能するタンパク質であり、反応の進行によって消費されることはない。反応終了後も酵素は元の状態に戻り、再び別の基質と結合して反応を繰り返すことができる。したがって、反応終了時に失活するという記述は誤りである。他の選択肢は酵素の基本的な性質である基質特異性、活性化エネルギーの低下、環境要因による立体構造の変化を正しく説明している。
センター試験(2008年)類似
ゴルジ体
Q35
ゴルジ体が細胞内で果たす役割に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本
背景
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
細胞内で合成されたタンパク質を修飾し、適切な場所へ振り分ける配送センターとして機能する。
ゴルジ体は、小胞体で合成されたタンパク質を受け取り、糖鎖の修飾や選別を行うことで、最終的な目的地(細胞外、細胞膜、リソソームなど)へ送り出す役割を担う。ATP合成はミトコンドリア、脂質合成は滑面小胞体、物質の分解はリソソームの主な機能であり、これらは細胞内で分業体制を築いている。
センター試験(2012年)類似
細胞膜
Q36
原核細胞と真核細胞の構造に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★ やさしい
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
細胞膜は、原核細胞と真核細胞のいずれにも共通して存在する。
細胞膜は細胞の境界をなす基本的な膜構造であり、原核細胞と真核細胞の双方に共通して存在する。一方、ミトコンドリア、葉緑体、核膜などの膜構造を持つ細胞小器官は真核細胞に特有のものであり、原核細胞には存在しない。原核細胞は核を持たず、細胞小器官も発達していないという特徴がある。
センター試験(2005年)類似
ウイルスの増殖
Q37
ウイルスが他の生物の細胞内に侵入して増殖する仕組みに関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ウイルスは細胞構造を持たないため、宿主細胞の代謝機構を利用して増殖する。
ウイルスは細胞構造を持たず、核酸とタンパク質の殻からなる単純な構造をしている。そのため、独自の代謝系やエネルギー生産系を持たず、生きた細胞内に侵入してその細胞の持つ酵素やリボソームなどの代謝機構を乗っ取ることで、自らの遺伝子を複製し増殖する。なお、抗生物質は細菌の細胞壁合成などを阻害する薬であり、細胞構造を持たないウイルスには効果がない。
センター試験(2018年)類似
酵素の活性制御
Q38
酵素の性質に関する記述として最も適当なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
酵素は反応の活性化エネルギーを低下させることで反応速度を大きくする。
酵素は生体触媒として、化学反応に必要な活性化エネルギーを低下させることで反応を促進する。アロステリック部位は活性部位とは別の場所に存在し、調節物質が結合することで酵素の立体構造を変化させ、活性を制御する領域である。また、酵素の最適pHは存在場所によって異なり、胃液中のペプシンのように強酸性で働くものも存在する。
センター試験(2008年)類似
ミトコンドリア
Q39
ミトコンドリアの内部構造であるクリステの機能として最も適切なものはどれか。
★★ 基本
背景
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
呼吸に必要な酵素を配置しATP合成の効率を高める
ミトコンドリアの内膜が内側に突き出したひだ状の構造をクリステと呼びます。この膜上には電子伝達系に関与する酵素群が配置されており、膜面積を広げることで、有機物から効率よくエネルギーを取り出しATPを合成する反応を促進しています。細胞内のエネルギー需要が高い組織ほど、この構造が発達しているという特徴があります。
センター試験(2013年)類似
結合組織
Q40
結合組織に分類されるものとして、最も適切な組み合わせはどれか。
★★ 基本
具体例
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
骨と軟骨
骨と軟骨は、細胞間質が発達しており、体を支える支持組織として結合組織に分類される。毛や爪は表皮の角質が変形したものであり、心筋や骨格筋は筋組織、表皮は上皮組織に該当する。真皮は結合組織であるが、表皮は上皮組織であるため、選択肢全体として適切ではない。
センター試験(2008年)類似
中心体
Q41
細胞小器官の構造に関する記述として最も適切なものはどれか。
★★ 基本
背景
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
中心体は二重の膜に囲まれていない構造体である。
細胞小器官には膜構造を持つものと持たないものがある。中心体は膜構造を持たない細胞小器官の代表例である。対して、葉緑体は二重の膜に囲まれた細胞小器官であり、液胞は単膜(液胞膜)に囲まれている。細胞壁は細胞膜の外側にある細胞外構造物であり、細胞小器官ではないため、これらの分類を正確に理解することが重要である。
センター試験(2016年)類似
基質
Q42
酵素の性質に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本
背景
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
酵素はタンパク質であり、高温や極端なpH環境下では立体構造が変化して失活する。
酵素はタンパク質で構成されており、その機能は立体構造に依存する。高温や極端なpH環境では、タンパク質の立体構造が崩れる変性が起こり、活性を失う失活という現象が生じる。また、酵素は反応を促進する触媒であり、反応前後で自身は変化しない。さらに、酵素には基質特異性があり、特定の基質にのみ作用する。
代謝(32問)の一問一答問題
センター試験(2004年)類似
廃水処理
Q1
廃水処理のプロセスにおいて、好気的処理と嫌気的処理の特性の差異として正しいものはどれか。
★★ 基本
背景
正答率 —
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✅ 正解
好気的処理は酸素供給を必要とするが、嫌気的処理は酸素を遮断した環境で行われる。
好気的処理は、微生物が酸素を利用して有機物を酸化分解するため、空気の供給が不可欠である。対照的に、嫌気的処理は酸素を嫌う微生物群(嫌気性菌)が中心となり、酸素がない環境で有機物を分解し、メタンなどを生成する。このため、両者は酸素供給の有無という環境条件において明確に区別される。
センター試験(2004年)類似
醸造
Q2
醤油や清酒の醸造過程において、カビ、酵母、細菌が果たす役割に関する記述として最も適当なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
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✅ 正解
麹菌などのカビがデンプンやタンパク質を分解し、酵母がアルコール発酵を行い、乳酸菌などの細菌が風味を形成する。
醤油や清酒の醸造では、まず麹菌(カビ)が分泌する酵素によって原料のデンプンやタンパク質が分解され、糖やアミノ酸が生成されます。次に、酵母が糖をアルコール発酵させ、さらに乳酸菌などの細菌が乳酸や有機酸を生成することで、複雑な風味や香りが形成されます。他の選択肢は、酵母によるデンプン分解の誤りや、役割の入れ替わりを含んでおり不適切です。
共通テスト(2025年)類似
光合成に関与するタンパク質と環境適応
Q3
植物が光環境の変化に応じて光合成関連物質を調節する仕組みに関する記述として、最も適当なものを一つ選べ。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
林床などの薄暗い環境では、光の吸収効率を高めるためにクロロフィルの量を増やす適応が見られることがある。
植物は光環境の変化に応じ、光エネルギーを捕集するクロロフィルや、二酸化炭素を固定する酵素であるルビスコの量を動的に変化させる。特に光の利用効率が制限される林床のような環境では、クロロフィル量を増やすことで限られた光を効率よく吸収し、光合成速度を維持・向上させる戦略をとる。ルビスコ量も環境に応じて調節され、これらタンパク質の最適化が植物の物質生産を支えている。
センター試験(2006年)類似
発酵食品の主要原料と利用微生物
Q4
納豆の製造過程において、主要原料である大豆に接種される微生物として最も適切なものはどれか。
★ やさしい
基礎
正答率 —
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✅ 正解
納豆菌
納豆は、蒸した大豆に納豆菌を接種し、適度な温度で発酵させることで製造される。乳酸菌はヨーグルトや漬物、麹菌はしょうゆや味噌、酵母はパンや酒類の製造において重要な役割を果たす微生物である。納豆菌は枯草菌の一種であり、強いタンパク質分解能力を持つため、大豆の成分を分解して特有の風味や粘りを生み出す。
センター試験(2004年)類似
乳酸発酵
Q5
筋肉内での乳酸生成の代謝経路において、ピルビン酸から乳酸が生成される反応の主な目的として、最も適切なものはどれか。
★★★★ 難問
背景
正答率 —
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✅ 正解
NADHを酸化してNAD+を再生し、解糖系を継続させるため。
解糖系ではNAD+が還元されてNADHが生成される。解糖系を継続させるためにはNAD+を補充する必要があるが、酸素が不足している状況下では、ピルビン酸を乳酸に還元する際にNADHを酸化してNAD+を再生することで、解糖系によるATP生成を維持している。この反応は二酸化炭素を発生させない。
共通テスト(2025年)類似
光合成に関与するタンパク質と環境適応
Q6
ある植物種において、春のクロロフィル量が0.20、ルビスコ量が2.8であるとき、この植物が光環境の変化に適応して夏にルビスコ量を0.50まで減少させ、クロロフィル量を0.44まで増加させた場合、この変化が植物の生理機能に与える影響として最も適切なものを一つ選べ。
★★★ 標準
具体例
正答率 —
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✅ 正解
クロロフィル量の増加は光捕集効率を高め、ルビスコ量の変化は炭素固定能力の調整に関与している。
クロロフィルは光エネルギーを吸収する役割を担い、その増加は光捕集効率の向上に寄与する。一方、ルビスコはカルビン回路における二酸化炭素固定の律速段階を担う酵素であり、その量の変動は炭素固定能力の調整を意味する。植物は季節や光環境の変化に応じてこれらの量を最適化し、物質生産を最大化するよう適応している。
センター試験(2004年)類似
呼吸
Q7
生物が生命活動を維持するために、取り込んだ有機物から化学エネルギーを抽出し、代謝や運動に利用する過程を何というか。
★ やさしい
基礎
正答率 —
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✅ 正解
呼吸
呼吸は、生物が有機物中の化学エネルギーを分解・変換し、ATP(アデノシン三リン酸)を生成して生命活動に利用する代謝経路です。光合成は光エネルギーを化学エネルギーに変換する過程であり、化学合成は無機物の酸化エネルギーを利用する過程です。窒素固定は空気中の窒素をアンモニア等に変換する反応を指します。
センター試験(2004年)類似
光合成
Q8
生態系におけるエネルギーの流れに関して、植物が太陽光エネルギーを変換して蓄える過程として最も適切なものはどれか。
★ やさしい
基礎
正答率 —
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✅ 正解
光合成によって有機物の化学エネルギーに変換する
植物は光合成を行うことで、太陽光エネルギーを吸収し、二酸化炭素と水から有機物を合成して、その中に化学エネルギーとして蓄えます。このエネルギーは食物連鎖を通じて他の生物へと受け渡されます。窒素固定は窒素をアンモニア等に変える過程であり、化学合成は光エネルギーを用いずに無機物の酸化エネルギーを利用する過程であるため、光合成とは区別されます。
センター試験(2016年)類似
C4植物
Q9
光合成の炭素固定経路において、二酸化炭素をホスホエノールピルビン酸に取り込み、炭素数4のオキサロ酢酸を生成する植物を何と呼ぶか。
★ やさしい
基礎
正答率 —
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✅ 正解
C4植物
C4植物は、熱帯などの高温・強光環境に適応した植物群である。一般的なC3植物がカルビン・ベンソン回路で直接二酸化炭素を固定するのに対し、C4植物はホスホエノールピルビン酸(PEP)を用いて二酸化炭素を一旦オキサロ酢酸として固定する経路を持つ。これにより、光呼吸を抑制し、効率的に炭素固定を行うことが可能となっている。
センター試験(2005年)類似
植物における有機物の貯蔵形態
Q10
植物が炭水化物をデンプンや脂質として貯蔵する生理学的意義について、最も適切な説明はどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
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✅ 正解
浸透圧を低く抑えつつ、効率的にエネルギーを蓄積するため。
グルコースなどの単糖や二糖の状態で細胞内に大量に蓄積すると、細胞内の浸透圧が著しく上昇し、細胞の維持に悪影響を及ぼす。そのため、植物はこれらを不溶性で浸透圧に影響を与えにくいデンプンや、エネルギー密度の高い脂質に変換して貯蔵する。
センター試験(2004年)類似
解糖系
Q11
グルコース1分子が解糖系によって分解される際、最終的に生成される物質の組み合わせとして正しいものはどれか。
★★ 基本
具体例
正答率 —
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✅ 正解
ピルビン酸 2分子
解糖系では、炭素数6のグルコース1分子が段階的な酵素反応を経て、炭素数3のピルビン酸2分子に分解される。この過程で酸素は消費されず、細胞質基質においてATPが正味2分子生成される。クエン酸やアセチルCoAは、ピルビン酸がミトコンドリアに取り込まれた後の呼吸経路で生成される物質である。
共通テスト(2024年)類似
クエン酸回路におけるエネルギー生成
Q12
真核細胞のミトコンドリアのマトリックスで行われるクエン酸回路の反応に関する記述として、最も適当なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
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✅ 正解
アセチルCoAが酸化される過程でNADHやFADH2が生成される。
クエン酸回路はミトコンドリアのマトリックスで進行し、アセチルCoAの酸化に伴ってNADHやFADH2が生成されます。グルコースからピルビン酸への分解は解糖系であり、電子伝達系は内膜で行われます。また、エタノールと二酸化炭素への分解はアルコール発酵の過程であり、クエン酸回路とは異なります。
センター試験(2016年)類似
C4植物
Q13
C4植物の光合成における初期の炭素固定反応に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本
具体例
正答率 —
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✅ 正解
二酸化炭素をホスホエノールピルビン酸に取り込み、オキサロ酢酸を生成する。
C4植物の最大の特徴は、カルビン・ベンソン回路に入る前の段階で、ホスホエノールピルビン酸(炭素数3)に二酸化炭素(炭素数1)を結合させ、オキサロ酢酸(炭素数4)を生成する点にある。この反応は葉肉細胞で行われ、その後、生成された物質が維管束鞘細胞へ送られることで、効率的な二酸化炭素の濃縮が行われる。
センター試験(2004年)類似
解糖系
Q14
解糖系が酸素を必要としない代謝経路であることの生物学的な意義として、最も適切な説明はどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
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✅ 正解
酸素供給が不十分な環境下でもエネルギーを獲得できる
解糖系は酸素を消費しないため、激しい運動時など酸素供給が追いつかない状況下でも、細胞質基質で速やかにATPを供給できる。これは生物が多様な環境に適応するための重要な代謝戦略である。酸素が存在する場合は、解糖系で生じたピルビン酸がミトコンドリアへ送られ、より多くのATPを得る好気呼吸へとつながる。
共通テスト(2023年)類似
核酸とATPの合成
Q15
植物のタンパク質合成およびアミノ酸に関する記述として、誤っているものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
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✅ 正解
アミノ酸の側鎖同士がペプチド結合でつながることでタンパク質が形成される
タンパク質の合成過程において、アミノ酸同士はペプチド結合によってつながるが、これはアミノ酸のカルボキシ基とアミノ基の間で形成されるものであり、側鎖同士が結合するわけではない。したがって、側鎖同士がペプチド結合でつながるという記述は誤りである。
センター試験(2005年)類似
発酵食品と微生物
Q16
発酵食品の製造に関与する微生物の組み合わせとして、チーズの製造において適切に説明されているものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
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✅ 正解
細菌と酵母菌が関与する
チーズの製造には、乳酸菌などの細菌や、熟成に関与する酵母菌が重要な役割を果たしている。納豆の製造には主に枯草菌(納豆菌)という細菌が関与し、しょう油の製造には麹菌(カビ)、乳酸菌(細菌)、酵母菌が複雑に関与する。ワインの製造には主に酵母菌が関与するが、チーズの製造過程における細菌と酵母菌の関与が本問の正解である。
センター試験(2005年)類似
クエン酸回路の特性
Q17
真核細胞のミトコンドリア内で行われるクエン酸回路の特性に関する記述として、最も適当なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
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✅ 正解
酸素が十分に存在する環境下で進行し、ATPの生産に間接的に関与する。
クエン酸回路は好気呼吸の重要な段階であり、酸素が存在する環境下で進行する。この過程自体では少量のATPしか生成されないが、生成された還元型補酵素(NADHやFADH2)が電子伝達系に送られることで、最終的に多量のATPが生産される。したがって、クエン酸回路はATP生産に間接的に深く関与している。酸素がないと電子伝達系が停止し、回路も進行しなくなる。
センター試験(2016年)類似
フィードバック調節
Q18
代謝経路において、一連の酵素反応によって生成された最終産物が、その生成に関わる初期段階の酵素の働きを抑制することで、物質の過剰な生成を防ぐ仕組みを何というか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
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✅ 正解
フィードバック調節
フィードバック調節は、代謝経路の最終産物が経路の初期段階にある酵素に作用し、その活性を抑制または促進することで、生成物の濃度を一定に保つ仕組みである。ホメオスタシスは生体内の恒常性維持という広範な概念を指し、アロステリック酵素はフィードバック調節において阻害物質が結合する部位を持つ酵素の一種であるが、調節の仕組みそのものを指す用語ではない。
センター試験(2016年)類似
フィードバック調節
Q19
細胞内の代謝経路において、最終産物が酵素の働きを抑制するフィードバック調節の生物学的な意義として最も適切なものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
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✅ 正解
必要な物質を必要量だけ効率的に生成し、エネルギーの浪費を防ぐ。
フィードバック調節は、生成物が過剰になった際に反応経路を停止させることで、無駄な基質の消費やエネルギーの浪費を回避する役割を持つ。これにより、細胞は限られた資源を効率的に利用し、代謝のバランスを最適化できる。これは特定の物質の濃度を適切に保つための精密な制御機構であり、細胞全体のエネルギー効率を向上させることに直結する。
センター試験(2004年)類似
酵母の呼吸と発酵
Q20
酵母が酸素の供給が十分な環境下でグルコースを完全に分解する好気呼吸を行う際、グルコース1分子の消費に対して生成される二酸化炭素の分子数はいくつか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
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✅ 正解
6分子
好気呼吸におけるグルコースの分解反応式は C6H12O6 + 6O2 + 6H2O → 6CO2 + 12H2O と表される。この反応では、グルコース1分子が完全に酸化されることで6分子の二酸化炭素が生成される。一方、酸素が存在しない環境でのアルコール発酵では、グルコース1分子から2分子のエタノールと2分子の二酸化炭素が生成される。
センター試験(2006年)類似
発酵食品の主要原料と利用微生物
Q21
納豆菌が大豆を発酵させる過程において、大豆のタンパク質が分解されることで生じる現象として最も適切なものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
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✅ 正解
特有の粘り成分の生成
納豆菌はタンパク質分解酵素を分泌し、大豆のタンパク質をアミノ酸やペプチドに分解する。この過程で生成されるポリグルタミン酸などが、納豆特有の糸を引く粘り成分の正体である。乳酸菌による乳酸生成はヨーグルトや漬物で見られる現象であり、アルコール発酵は酵母による糖の分解過程であるため、納豆の製造原理とは異なる。
センター試験(2005年)類似
乳酸によるO157の死滅条件
Q22
乳酸菌が生産する乳酸とO157の死滅に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
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✅ 正解
乳酸濃度が高く、かつpHが低い環境下でO157は死滅する。
O157などの病原性大腸菌は、特定の酸性環境下で生存能力が低下します。乳酸菌が生産する乳酸は、培養液のpHを低下させるだけでなく、未解離の乳酸分子自体が細胞膜を透過して菌体内のpHを攪乱し、死滅を促進します。実験結果からも、単なるpHの低下だけでなく、高濃度の乳酸が存在することで死滅効果が顕著になることが示されています。
センター試験(2004年)類似
クエン酸回路
Q23
真核細胞における好気呼吸の反応場所に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
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✅ 正解
クエン酸回路はミトコンドリアの内部で行われる
真核細胞の好気呼吸において、解糖系は細胞質基質で進行し、ピルビン酸が生成される。その後、ピルビン酸はミトコンドリア内に取り込まれ、クエン酸回路によって二酸化炭素を放出しながら分解される。この過程で生じた還元型補酵素は、ミトコンドリアの内膜にある電子伝達系へと送られ、酸素を最終電子受容体として水が生成される。
センター試験(2013年)類似
陽生植物と陰生植物
Q24
光の強さと二酸化炭素の吸収・放出速度の関係において、光補償点が高く、強い光の下で高い光合成速度を示す植物Xと、光補償点が低く、弱い光の下でも効率よく光合成を行う植物Yがある。この植物の分類に関する記述として最も適当なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
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✅ 正解
植物Xは陽生植物であり、植物Yは陰生植物である。
陽生植物は、日当たりの良い環境に適応しており、光補償点と光飽和点が高いという特徴を持つ。これにより、強い光の下で活発に光合成を行い、高い生産性を維持できる。一方、陰生植物は、林床などの光の弱い環境に適応しており、光補償点と光飽和点が低い。そのため、弱い光でも呼吸による二酸化炭素の放出を光合成で相殺し、効率よく生育することが可能である。したがって、光補償点が高いXは陽生植物、低いYは陰生植物と判断できる。
共通テスト(2023年)類似
核酸とATPの合成
Q25
植物の代謝において、核酸およびATPの合成に共通して必要とされる元素の組み合わせとして最も適切なものはどれか。
★ やさしい
基礎
正答率 —
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✅ 正解
窒素とリン
核酸(DNAやRNA)は塩基部分に窒素を含み、骨格にリン酸基を持つ。また、ATP(アデノシン三リン酸)もアデニンという窒素塩基と、3つのリン酸基から構成されている。したがって、植物が核酸やATPを合成するためには、窒素とリンの両元素が不可欠である。
センター試験(2012年)類似
見かけの光合成速度
Q26
暗黒条件下(光強度0)で測定される酸素放出量がマイナスの値を示す理由として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本
背景
正答率 —
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✅ 正解
光合成が行われず、呼吸による酸素消費のみが起こっているため
見かけの光合成速度は「光合成による酸素生成量 – 呼吸による酸素消費量」で表される。光強度0の暗黒下では光合成が行われないため、光合成による酸素生成量は0となる。したがって、式は「0 – 呼吸による酸素消費量」となり、結果としてマイナスの値を示すことになる。
センター試験(2004年)類似
光合成
Q27
生態系におけるエネルギーの収支について、植物の光合成が果たす役割の説明として最も適切なものはどれか。
★★ 基本
背景
正答率 —
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✅ 正解
光合成により固定された化学エネルギーは食物連鎖を通じて他の生物へ受け渡される
地表に到達する太陽光エネルギーのうち、光合成によって有機物として固定されるのはごく一部です。この固定されたエネルギーは、植物を摂食する消費者へと食物連鎖を通じて伝達されます。呼吸は有機物を分解してエネルギーを取り出す過程であり、光合成はエネルギーを蓄える過程であるため、両者は対照的な役割を果たしています。
センター試験(2005年)類似
発酵食品と微生物
Q28
発酵食品とそれに関与する微生物の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。
★★★ 標準
具体例
正答率 —
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✅ 正解
チーズの製造には細菌と酵母菌が関与する
発酵食品の製造には特定の微生物群が利用されている。チーズは乳酸菌などの細菌や酵母菌の働きによって風味や質感が形成される。納豆は主に細菌(納豆菌)の働きによるものであり、しょう油は麹菌(カビ)、乳酸菌、酵母菌が関与する。ワインは主に酵母菌によるアルコール発酵を利用するものであり、選択肢の中でチーズと微生物の関係を正しく記述しているのは最初の選択肢である。
センター試験(2012年)類似
見かけの光合成速度
Q29
植物の葉における酸素放出量と光強度の関係において、見かけの光合成速度の定義として最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
光合成による酸素生成量から呼吸による酸素消費量を差し引いた値
植物は光合成と呼吸を同時に行っているため、外部から測定される酸素放出量は、光合成による生成量から呼吸による消費量を差し引いた「見かけの光合成速度」となる。呼吸速度は光強度によらず一定であると仮定されるため、真の光合成速度を求めるには、見かけの光合成速度に呼吸速度を加算する必要がある。
センター試験(2005年)類似
カルビン回路の反応条件
Q30
光合成の暗反応において、光を遮断した際にカルビン回路の反応が停止する主な理由として最も適切なものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
炭素数3の化合物から炭素数5の化合物を再生する過程に必要なATPや還元型補酵素が供給されなくなるため
カルビン回路の暗反応は光を直接必要としないが、反応を継続するためには明反応で生成されるATPと還元型補酵素(NADPH)が不可欠である。光を遮断するとこれらの供給が止まるため、炭素数3の化合物から炭素数5の化合物を再生する回路の維持ができなくなり、結果として反応全体が停止する。
センター試験(2019年)類似
作用スペクトル
Q31
光合成の反応過程において、作用スペクトルと光合成のメカニズムに関する記述として最も適切なものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
作用スペクトルは、光化学反応が行われるチラコイドにおける光エネルギーの利用効率を反映している。
光合成は、チラコイドでの光化学反応とストロマでのカルビン回路に大別される。作用スペクトルは、光エネルギーが化学エネルギーに変換される効率を波長ごとに示すものであり、光化学反応の効率を反映している。吸収スペクトルと作用スペクトルが一致しない場合があるのは、吸収された光が必ずしも光合成に利用されるわけではないためである。
センター試験(2006年)類似
光合成速度と蒸散速度の変動要因
Q32
植物の光合成速度と蒸散速度に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
11時から13時にかけて見かけの光合成速度が高いのは、光強度の増加により光合成が促進されるためである。
光合成速度は光強度の増加に伴い上昇する。11時から13時にかけて見かけの光合成速度が高いのは、光強度が強まり光合成反応が活発化するためである。この際、葉内の二酸化炭素濃度は光合成による消費によってむしろ低下する傾向にあり、濃度上昇が原因ではない。蒸散速度も気孔の開閉や光強度、湿度などの環境要因によって変動する。
遺伝情報とその発現(97問)の一問一答問題
センター試験(2019年)類似
DNA複製における標識ヌクレオチドの挙動
Q1
標識ヌクレオチドを含む培地で十分に培養し、すべてのDNA鎖を標識した大腸菌を、標識を含まない培地に移して1回分裂させた。このとき、生成された全DNA鎖のうち、標識ヌクレオチドを含むDNA鎖の割合として正しいものはどれか。
★★★ 標準
具体例
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
50パーセント
DNAの半保存的複製により、1回目の分裂後には、標識された親鎖と標識のない新鎖が対になったDNA分子が2つ生成される。このとき、合計4本のDNA鎖が存在し、そのうち標識されているのは親鎖由来の2本のみである。したがって、全DNA鎖のうち標識ヌクレオチドを含む鎖の割合は2/4で50パーセントとなる。
センター試験(2020年)類似
オペロン
Q2
大腸菌などの原核生物において、機能的に関連のある複数の遺伝子が隣接して配置され、単一のプロモーターからまとめて転写の調節を受ける遺伝子群のまとまりを何と呼ぶか。
★ やさしい
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
オペロン
オペロンは、原核生物に見られる遺伝子発現調節の単位である。機能的に関連する複数の構造遺伝子が隣接して並び、一つのプロモーターとオペレーターによって転写が制御されることで、必要な時に必要なタンパク質を効率よく合成できる。真核生物に見られるイントロンは遺伝子内の非翻訳領域であり、プライマーはDNA複製開始に必要な短い核酸鎖であるため、これらはオペロンとは異なる概念である。
センター試験(2011年)類似
組換え価
Q3
二つの遺伝子AとBが同一染色体上に連鎖している場合、組換え価の定義として最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
全配偶子数に対する組換え型配偶子の数の割合
組換え価は、連鎖している遺伝子間で減数分裂時に乗換えが起こり、親の組み合わせとは異なる遺伝子構成を持つ配偶子(組換え型配偶子)が形成される割合を指す。この値は、染色体上での遺伝子間の相対的な距離を示す指標として用いられる。組換え価が小さいほど遺伝子間の距離は近く、乗換えが起こりにくいことを意味する。
センター試験(2006年)類似
遺伝子の相互作用
Q4
2組の対立遺伝子D, dおよびE, eが色素形成に関与する植物において、遺伝子型DDEEが黒色、DDeeが橙色、ddeeが白色を示すことがわかっている。このとき、遺伝子Eが持つ働きとして最も適切なものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
Dによる色素形成を抑制し、形質の発現を妨げる働き
遺伝子型DDEEが黒色、DDeeが橙色であることから、Dは色素形成に関与する遺伝子であると推測される。Eが存在するDDEEでは黒色(あるいは抑制された状態)となり、Eが存在しないDDeeで橙色が発現している。この関係から、EはDによる形質発現を抑制する働きを持つ遺伝子であると判断できる。このように、ある遺伝子の発現が他の遺伝子によって制御される現象を遺伝子の相互作用と呼ぶ。
センター試験(2004年)類似
バイオテクノロジー
Q5
遺伝子組換え技術を用いて、ヒトのインスリンを微生物に生産させる手法に関する記述として最も適当なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ヒトのインスリン遺伝子を大腸菌などの微生物に導入し、タンパク質として発現させる。
遺伝子組換え技術とは、特定の有用な遺伝子を切り出し、別の生物のDNAに組み込んで発現させる手法である。ヒトのインスリン生産では、インスリンをコードする遺伝子を大腸菌等に導入し、微生物の増殖能力を利用して大量にタンパク質を合成させる。細胞融合によるポマトの作成や、コルヒチンを用いた倍数体作成は、遺伝子組換えとは異なるバイオテクノロジーの技術である。
センター試験(2018年)類似
プラスミドの選別
Q6
プラスミドZを導入した大腸菌の性質として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
アンピシリン含有培地およびカナマイシン含有培地の両方でコロニーを形成する
プラスミドZにはアンピシリン耐性遺伝子とカナマイシン耐性遺伝子の両方が組み込まれている。遺伝子組換え実験において、特定の抗生物質耐性遺伝子を持つプラスミドを導入した大腸菌は、その抗生物質を含む培地中で生存し、細胞分裂を繰り返してコロニーを形成する。したがって、両方の耐性遺伝子を持つプラスミドZを導入した大腸菌は、アンピシリンとカナマイシンのいずれを含む培地においても生育が可能である。
センター試験(2004年)類似
雑種第二代の表現型比
Q7
メンデルの法則における雑種第二代(F2)の表現型比に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
常染色体上の単一遺伝子による形質では、優性形質と劣性形質が3対1で分離する
メンデルの分離の法則に基づき、対立遺伝子がヘテロ接合体である個体同士を交配すると、配偶子の形成時に遺伝子が分離し、次世代(F2)では優性形質と劣性形質が3対1の比率で現れる。ただし、この比率は常染色体上の遺伝子を想定しており、伴性遺伝のように性染色体上の遺伝子を対象とする場合は、性別によって表現型比が異なる結果となる。
センター試験(2010年)類似
独立の法則と分離比
Q8
メンデルの独立の法則が成立する条件として、連鎖していない2対の対立遺伝子A, aとB, bを持つ個体(AaBb)を自家受精させた場合、次世代(F2)における表現型の分離比として最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
9:3:3:1
独立の法則では、各遺伝子が配偶子形成時に互いに影響を及ぼさず独立して分配されます。AaBbの個体を自家受精させると、配偶子の組み合わせはAB, Ab, aB, abの4種類が等確率で生じます。これらを掛け合わせると、表現型は優性・優性、優性・劣性、劣性・優性、劣性・劣性の順に9:3:3:1の比率で現れます。これは遺伝子が染色体上で離れた位置にあるか、異なる染色体上に存在する場合に成立します。
センター試験(2005年)類似
X染色体上の優性遺伝
Q9
あるX染色体上の優性遺伝子によって決まる形質について、母親がその形質を持ち、父親がその形質を持たない場合、生まれてくる子供の形質発現に関する記述として最も適切なものはどれか。
★★★ 標準
具体例
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
息子は必ずその形質を発現し、娘は父親から受け継いだ遺伝子により形質を発現しない可能性がある。
母親がヘテロ接合体である場合、息子は母親からX染色体を受け継ぐため、その優性遺伝子があれば必ず形質が発現する。一方、娘は母親からX染色体を受け継ぐと同時に、父親からもX染色体を受け継ぐ。父親がその形質を持たない場合、娘は父親から正常な遺伝子を受け継ぐため、母親がヘテロ接合体であれば娘が形質を発現しない可能性が生じる。
センター試験(2009年)類似
一本鎖DNA
Q10
DNAの構成要素であるアデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)、チミン(T)の割合を分析した際、AとTの割合が等しくなく、かつGとCの割合も等しくないDNAが示す構造として最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
一本鎖構造
DNAが二重らせん構造をとる場合、シャルガフの規則により、アデニンとチミンの割合、およびグアニンとシトシンの割合はそれぞれ等しくなります。これは二本鎖においてAとT、GとCがそれぞれ相補的に結合しているためです。設問のようにこれらの割合が一致しない場合、相補的な塩基対を形成していない、すなわち一本鎖の状態であると判断されます。
センター試験(2020年)類似
オペレーター
Q11
原核生物のオペロン説において、リプレッサーが結合することでRNAポリメラーゼによる転写を物理的に阻害するDNA上の塩基配列領域を何と呼ぶか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
オペレーター
オペロンは、関連する複数の遺伝子がひとまとまりで転写制御を受ける構造です。オペレーターは、リプレッサーと呼ばれる調節タンパク質が結合する特定のDNA領域を指します。リプレッサーがオペレーターに結合すると、RNAポリメラーゼがプロモーターから結合して転写を開始しようとする動きが物理的に遮断され、遺伝子の発現が抑制されます。プライマーはDNA複製時に必要な短いRNA鎖であり、イントロンは真核生物の遺伝子に見られる非翻訳領域です。
センター試験(2014年)類似
キイロショウジョウバエの伴性遺伝
Q12
キイロショウジョウバエの伴性遺伝において、眼の色がザクロ色、翅が小型、剛毛が叉状である劣性変異型の形質をすべて持つ雄がF2に出現する割合として、最も適切なものはどれか。
★★★★ 難問
具体例
正答率 —
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✅ 正解
0パーセント
F2の雌は、雄親から受け継いだ野生型のX染色体を持つため、劣性変異型の形質は現れない。問題文の条件において、ザクロ色眼・小型翅・叉状剛毛の形質をすべて持つ個体は、雌には存在し得ない。したがって、集団全体における割合を考慮しても、この表現型を持つ雌の出現率は0パーセントとなる。
センター試験(2013年)類似
バクテリオファージの増殖
Q13
バクテリオファージが大腸菌に感染する際、大腸菌の内部に注入される物質として最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
バクテリオファージのDNA
ハーシーとチェイスの実験により、バクテリオファージが感染する際に大腸菌内に注入されるのはDNAであることが証明されました。ファージのタンパク質は外殻として残り、内部には侵入しません。この発見は、遺伝情報の本体がDNAであることを強く示唆する重要な根拠となりました。
共通テスト(2023年)類似
タンパク質Xの性質
Q14
発生過程において、タンパク質Xが特定のmRNAに結合して発現を制御する意義として、最も妥当な説明はどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
転写の段階を経ずに、特定の場所や時期で迅速にタンパク質合成を調節するため
発生過程では、すでに転写されて卵内に蓄積された母性mRNAを利用し、翻訳のタイミングや場所を厳密に制御することで、初期の形態形成が行われる。転写を介さずに翻訳レベルで制御を行うことは、細胞が迅速に環境変化や発生プログラムに応答するために極めて重要である。DNAの改変や細胞接着、マトリックス分解は本質的な機能とは異なる。
共通テスト(2022年)類似
減数分裂と遺伝的組換え
Q15
有性生殖を行う生物において、減数分裂の過程で乗換えが起こることの生物学的な意義として最も適切なものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
遺伝的組換えにより、次世代の遺伝的多様性を高めること
減数分裂における乗換えは、相同染色体間でDNAの一部を交換する現象です。これにより、連鎖している遺伝子の組み合わせが組み替えられ、親とは異なる多様な遺伝子型を持つ配偶子が形成されます。この遺伝的組換えは、環境変化に対する適応能力を高めるなど、有性生殖における遺伝的多様性の維持に極めて重要な役割を果たしています。
センター試験(2012年)類似
連鎖と組換え
Q16
連鎖している遺伝子に関する記述として最も適当なものはどれか。
★★★ 標準
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
組換えが起こると、親の個体には見られない遺伝子型の組み合わせを持つ配偶子が生じる。
連鎖とは、同一染色体上に遺伝子が存在し、独立の法則に従わない現象を指す。減数分裂の乗り換えにより、親の染色体にはなかった遺伝子の組み合わせ(組換え型)が生じる。組換え価は遺伝子間の距離に比例するため、値が小さいほど遺伝子同士は近い位置にある。乗り換えは減数分裂時に一定の確率で起こるため、親と同じ組み合わせの配偶子と組換え型の配偶子が混在する。
センター試験(2012年)類似
独立の法則
Q17
メンデルの独立の法則が成立するための生物学的な前提条件として、最も適切な説明はどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
二組の対立遺伝子がそれぞれ異なる相同染色体対上に位置していること
独立の法則は、異なる形質を支配する遺伝子が互いに影響を及ぼさずに次世代へ伝わる現象を指す。これが成立するためには、各遺伝子が異なる相同染色体対上に存在し、減数分裂の際に染色体が独立して分配される必要がある。同一染色体上にある場合は連鎖となり、独立の法則は適用されない。
センター試験(2004年)類似
伴性遺伝
Q18
ショウジョウバエの眼の色に関する遺伝において、白眼の遺伝子がX染色体上に存在する場合、白眼の雄とヘテロ接合体の赤眼の雌を交配したときに生じる次世代の表現型の分離比として最も適切なものはどれか。
★★★ 標準
具体例
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
雌雄ともに赤眼と白眼が1対1の比率で現れる
白眼遺伝子をXw、赤眼遺伝子をXWとすると、白眼の雄(XwY)とヘテロ接合体の雌(XWXw)の交配では、次世代の遺伝子型はXWXw(赤眼雌)、XwXw(白眼雌)、XWY(赤眼雄)、XwY(白眼雄)となります。この結果、雌雄の区別なく赤眼と白眼が1対1の比率で出現します。これは常染色体遺伝とは異なる伴性遺伝特有の現象であり、形質が性染色体上の遺伝子に支配されていることを示しています。
センター試験(2014年)類似
自家受粉による分離比
Q19
アサガオの葉の形に関する遺伝において、遺伝子型がAaおよびAa’である並葉の個体をそれぞれ自家受粉させた場合、次世代における並葉、立田葉、柳葉の表現型の分離比として最も適切なものはどれか。
★★★ 標準
具体例
正答率 —
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✅ 正解
9:3:4
遺伝子型Aaの個体を自家受粉させると、並葉と立田葉が3対1の比で生じます。一方、遺伝子型Aa’の個体を自家受粉させると、並葉と柳葉が3対1の比で生じます。これらを合わせると、並葉は両方の交配から生じるため比率が高まり、最終的な表現型の分離比は並葉:立田葉:柳葉=9:3:4となります。これは複対立遺伝子や複数の遺伝子座が関与する遺伝において、表現型が特定の比率で分離する典型的な例です。
共通テスト(2026年)類似
遺伝的組換え
Q20
人類の進化過程におけるSNPとアミノ酸置換の解析において、組換え頻度が低い遺伝子座の組み合わせが維持される理由として、最も適切なものはどれか。
★★★★ 難問
背景
正答率 —
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✅ 正解
遺伝子座間の物理的距離が極めて近く、減数分裂時の交叉による分断が起こりにくいから。
染色体上で物理的に近い位置にある遺伝子座やSNPは、減数分裂時の交叉によって分断される確率が低いため、親から子へセットで受け継がれやすい。これを連鎖と呼ぶ。特定の組み合わせが維持されることは、集団遺伝学においてハプロタイプブロックの形成として観察され、人類の進化や集団の移動履歴を推定する重要な指標となる。
センター試験(2006年)類似
遺伝子の連鎖
Q21
遺伝子の連鎖に関する記述として最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
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✅ 正解
2つの遺伝子が同一の染色体上に存在することである
遺伝子の連鎖とは、2つ以上の遺伝子が同一の染色体上に位置している状態を指す。この場合、減数分裂の際にそれらの遺伝子は独立して分配されず、セットで次世代に受け継がれる傾向がある。連鎖は遺伝子の物理的な位置関係を示すものであり、形質の種類や機能の類似性、あるいは発生段階での役割とは直接的な関係はない。
センター試験(2020年)類似
核内でのスプライシング
Q22
真核生物の細胞内におけるRNAプロセシングの場所として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本
具体例
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
核内
真核生物において、DNAから転写されたRNAは、核内でスプライシングやキャップ構造の付加、ポリA鎖の付加といったプロセシングを受ける。これらの過程を経て成熟したmRNAのみが、核膜孔を通過して細胞質基質へと輸送される。細胞質基質は翻訳が行われる場所であり、スプライシングの反応場ではない。
センター試験(2013年)類似
シャルガフの規則
Q23
ある生物のDNAを分析したところ、全塩基のうちアデニンの割合が30%であった。このとき、グアニンの割合として正しい値はどれか。
★★★ 標準
具体例
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
20%
DNAの二重らせん構造では、アデニン(A)はチミン(T)と、グアニン(G)はシトシン(C)と対になるため、A=T、G=Cが成立する。Aが30%であればTも30%となり、AとTの合計は60%である。残りの40%がGとCの合計となるため、G=Cの条件からグアニンの割合は40%を2で割った20%となる。
センター試験(2006年)類似
遺伝子の相互作用
Q24
遺伝子型DDEE、DDee、ddeeの個体において、遺伝子EがDによる色素形成を抑制する働きを持つ場合、遺伝子型DdEeの個体とddeeの個体を交配したときに生じる次世代の表現型の分離比として、最も適切なものはどれか。
★★★★ 難問
具体例
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
黒色:橙色:白色 = 1:1:2
DdEeとddeeの交配では、配偶子の組み合わせによりDdEe、Ddee、ddEe、ddeeが1:1:1:1の比で生じる。EがDの抑制因子であるため、Eを持つDdEeとddEeは抑制が働き、結果として白色となる。一方、Eを持たないDdeeは橙色が発現し、ddeeは色素形成遺伝子Dを持たないため白色となる。したがって、表現型は橙色(Ddee)が1、白色(DdEe, ddEe, ddee)が3となるが、問題の前提条件に基づき、DDEEが黒色となる相互作用を考慮すると、分離比は1:1:2となる。
センター試験(2018年)類似
制限酵素
Q25
遺伝子組換え技術において、制限酵素が果たす役割として最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
DNAの特定の塩基配列を識別し、その部位でDNA鎖を切断する
制限酵素は、特定の塩基配列を認識してDNAのリン酸ジエステル結合を切断する酵素であり、遺伝子組換え実験において目的の遺伝子を切り出すために不可欠である。DNAをほどくのはヘリカーゼ、DNA断片を結合させるのはDNAリガーゼ、RNAを合成するのはRNAポリメラーゼの役割である。これらはそれぞれ異なる機能を持つ酵素であり、混同しないよう注意が必要である。
センター試験(2012年)類似
連鎖と組換え
Q26
同一染色体上に存在する2つの遺伝子AとBにおいて、組換え価が20パーセントであるとき、減数分裂によって生じる配偶子のうち、組換え型の配偶子ABとabが形成される割合の合計はいくらか。
★★ 基本
具体例
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
20パーセント
組換え価とは、減数分裂の過程で乗り換えが起こり、組換え型の配偶子が生じる割合のことである。したがって、組換え価が20パーセントであれば、組換え型の配偶子(ABとab)の合計出現率はそのまま20パーセントとなる。なお、それぞれの組換え型配偶子(ABおよびab)は、組換え価の半分である10パーセントずつ出現する。
センター試験(2020年)類似
核内でのスプライシング
Q27
真核生物がスプライシングを行う生物学的な意義として、最も適切な説明はどれか。
★★★★ 難問
背景
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
一つの遺伝子から複数の異なるmRNAを生成し、多様なタンパク質を合成可能にするため
スプライシングには、特定のイントロンだけでなくエキソンも選択的に除去・連結する「選択的スプライシング」が存在する。これにより、単一の遺伝子から異なる組み合わせのエキソンを持つ複数のmRNAが生成され、結果として多様な機能を持つタンパク質が合成される。これは真核生物が限られた遺伝子数で複雑な生命活動を維持するための重要な機構である。
共通テスト(2025年)類似
栄養要求性変異株を用いた形質転換体の選抜
Q28
ロイシンを合成できない栄養要求性変異株を用いて、外来遺伝子とロイシン合成酵素遺伝子を組み込んだプラスミドの導入実験を行った。この実験における選抜の原理として最も適切な説明はどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ロイシン合成酵素遺伝子が、プラスミドを保持する細胞にロイシン非依存的な増殖能を付与するから
ロイシン合成酵素遺伝子は、この実験において選択マーカーとして機能する。ロイシンを合成できない変異株は、本来ロイシンを外部から供給しなければ増殖できないが、プラスミドによってロイシン合成酵素遺伝子が導入されると、細胞内でロイシンを合成できるようになる。その結果、ロイシンを含まない培地においても増殖が可能となり、プラスミドを保持する細胞のみが選抜される。
センター試験(2011年)類似
ヒトの耳あかの遺伝
Q29
ヒトの耳あかの型に関する遺伝について、ドライ型とウエット型の関係として最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ドライ型はウエット型に対して劣性である
ヒトの耳あかの型は、常染色体上の対立遺伝子によって支配されるメンデル遺伝の典型例である。ウエット型が優性、ドライ型が劣性として遺伝する。ウエット型の両親からドライ型の子供が生まれる場合、両親はともにドライ型の遺伝子をヘテロ接合で持っていることになる。この遺伝形式は性染色体ではなく常染色体によるものである。
センター試験(2020年)類似
フローサイトメトリーによる細胞周期解析
Q30
フローサイトメトリーを用いて細胞集団のDNA量を測定し、ヒストグラムを作成した。DNA量が2のピーク(A)、DNA量が2から4の間の範囲(B)、DNA量が4のピーク(C)が観察されたとき、S期の細胞群に対応する領域はどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
領域B
細胞周期において、DNA複製前のG1期にある細胞のDNA量は2であり、DNA複製が完了したG2期および分裂期の細胞のDNA量は4である。DNA複製が行われているS期では、DNA量は2から4の間で連続的に変化するため、ヒストグラム上ではピークの間の領域Bとして観察される。したがって、S期の細胞群は領域Bに対応する。
共通テスト(2026年)類似
制限酵素によるDNA断片の切断
Q31
制限酵素によるDNA断片の切断と電気泳動に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本
背景
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ヘテロ接合体において、制限酵素で切断された断片と切断されなかった断片の両方が観察されるのは、個体が2種類の異なる対立遺伝子を持つためである。
ヘテロ接合体は、制限酵素の認識部位を持つ対立遺伝子と持たない対立遺伝子をそれぞれ1つずつ保持しています。そのため、制限酵素処理後の電気泳動では、切断された断片と切断されなかった断片が混在して検出されます。これは遺伝子型の違いを反映した現象であり、分子生物学における多型解析の基礎となります。
センター試験(2018年)類似
プラスミドの選別
Q32
遺伝子組換え実験において、プラスミドZを導入した大腸菌をアンピシリン含有培地で培養した際、コロニーが形成される理由として最も適切なものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
プラスミドZに含まれるアンピシリン耐性遺伝子が発現し、抗生物質を無効化するタンパク質が合成されるから
抗生物質耐性遺伝子は、特定の抗生物質を分解または修飾して無効化する酵素をコードしている。プラスミドZを導入した大腸菌は、この遺伝子から転写・翻訳された酵素を産生することで、アンピシリンの作用を回避できる。その結果、通常であれば増殖が抑制されるアンピシリン存在下でも、大腸菌は生存しコロニーを形成することができる。
共通テスト(2025年)類似
コドンの位置
Q33
mRNAの翻訳開始コドンを1番目の塩基として数え始めたとき、翻訳されるアミノ酸配列の262番目に対応するコドンの2番目の塩基の位置は、開始コドンから数えて何番目になるか。
★★★ 標準
具体例
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
785番目
mRNAの翻訳は開始コドンから始まり、1つのコドンは3つの塩基で構成される。262番目のアミノ酸に対応するコドンに到達するまでには、その前の261個のコドンが存在し、それらで261×3=783個の塩基を占める。したがって、262番目のコドンの1番目の塩基は784番目、2番目の塩基は785番目、3番目の塩基は786番目となる。SNP2の位置が785番目であることは、このコドンの2番目の塩基に変異が生じていることを示している。
センター試験(2016年)類似
PCR法
Q34
PCR法(ポリメラーゼ連鎖反応)に関する記述として最も適切なものを選べ。
★ やさしい
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
DNAポリメラーゼを用いてDNAを指数関数的に増幅させる手法である。
PCR法は、耐熱性のDNAポリメラーゼを利用し、温度変化を繰り返すことで特定のDNA領域を短時間で大量に増幅させる技術である。DNAの二本鎖を熱変性で分離し、プライマーを結合させ、ポリメラーゼで伸長させるサイクルを繰り返すことで、DNA量は指数関数的に増加する。
センター試験(2020年)類似
ヒストン
Q35
真核生物の核内において、DNAが巻き付いてヌクレオソームを形成するタンパク質の名称として最も適切なものはどれか。
★ やさしい
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ヒストン
真核生物の核内では、DNAはヒストンというタンパク質に巻き付くことでヌクレオソームという構造単位を形成しています。これにより、非常に長いDNA分子がコンパクトに折りたたまれ、核内に収納されています。DNAポリメラーゼはDNA複製に関与する酵素であり、RNAポリメラーゼは転写に関与する酵素、リボソームはタンパク質合成の場となる複合体であるため、これらは誤りです。
センター試験(2005年)類似
伴性遺伝の確率
Q36
ヒトの赤緑色覚異常はX染色体上の劣性遺伝子によって引き起こされる伴性遺伝である。赤緑色覚異常の男性と、色覚が正常で色覚異常の遺伝子を保持していない女性との間に生まれた娘が、赤緑色覚異常の表現型を示す確率として最も適切なものはどれか。
★★ 基本
具体例
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
0
赤緑色覚異常はX染色体上の劣性遺伝子に起因する。色覚異常の父はX染色体に異常遺伝子を持つが、正常な母は2本のX染色体ともに正常遺伝子を持つ。この両親から生まれる娘は、父から異常遺伝子を含むX染色体を必ず受け継ぐが、母から正常なX染色体を受け継ぐため、ヘテロ接合体となり表現型は正常となる。したがって、娘が色覚異常を発現する確率は0である。
センター試験(2008年)類似
遺伝子の組み換え価
Q37
遺伝子AとBが連鎖しており、その間の組み換え価が20パーセントである個体(AB/ab)を自家受精させた場合、形成される配偶子のうち、組み換え型配偶子であるAbとaBの合計の割合はいくらか。
★★★ 標準
具体例
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
20パーセント
組み換え価が20パーセントである個体からは、親型配偶子(ABとab)がそれぞれ40パーセントずつ、組み換え型配偶子(AbとaB)がそれぞれ10パーセントずつ形成される。したがって、組み換え型配偶子であるAbとaBの合計は、10パーセント+10パーセント=20パーセントとなる。これは組み換え価の定義そのものと一致する。
センター試験(2019年)類似
伴性遺伝
Q38
茶と黒の対立遺伝子をヘテロに持つ雌の三毛猫と、黒の毛色を持つ雄を交配させた場合、生まれる子猫のうち、茶と黒の毛色を両方持つ雌が生まれる確率は何パーセントか。
★★★★ 難問
具体例
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
25
雌の三毛猫の遺伝子型をXBXb(B:黒、b:茶)、黒の雄をXBYとする。配偶子は雌からXBとXb、雄からXBとYが生じる。受精の結果、XBXB(黒雌)、XBY(黒雄)、XBXb(三毛雌)、XbY(茶雄)の4通りが等確率で生じる。したがって、三毛猫(XBXb)が生まれる確率は全体の4分の1である25パーセントとなる。
センター試験(2011年)類似
検定交雑
Q39
二つの遺伝子AとBが連鎖している個体(遺伝子型AaBb)を用いて組換え価を求める際、検定交雑を行う理由として最も適切なものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ヘテロ接合体から生じる配偶子の種類と割合を、子の表現型から直接的に観察できるから
検定交雑の最大の利点は、劣性ホモ接合体側の配偶子が表現型に影響を与えない点にある。これにより、ヘテロ接合体側がどのような配偶子をどの程度の割合で形成したかを、次世代の表現型から直接読み取ることができる。二重ヘテロ接合体同士の交配では、両親の配偶子の組み合わせが複雑になり、組換え価の算出が困難になる。
センター試験(2008年)類似
染色体
Q40
真核生物の細胞内に存在し、DNAとタンパク質から構成され、遺伝情報を担う構造体として最も適切なものはどれか。
★ やさしい
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
染色体
真核生物の核内には、DNAがヒストンなどのタンパク質と結合した染色体が存在する。染色体は遺伝情報の保持と伝達を担う構造体であり、細胞分裂の際には凝縮して光学顕微鏡で観察可能な形態となる。中心体は細胞分裂時の紡錘体形成に関与するが遺伝物質そのものではなく、細胞壁や液胞は植物細胞等に特徴的な構造体である。
センター試験(2019年)類似
リーディング鎖とラギング鎖
Q41
DNA複製において、リーディング鎖とラギング鎖の合成様式に違いが生じる最大の理由はどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
DNAポリメラーゼが5’末端から3’末端の方向にしか合成できないため
DNAの二本鎖は逆平行(一方の鎖が5’→3’なら、もう一方は3’→5’)に配置されています。DNAポリメラーゼは5’から3’方向にしかヌクレオチドを結合できないという制約があるため、複製フォークの進行方向に対して、片方の鎖は連続的に合成できますが、もう片方は逆方向に短い断片(岡崎フラグメント)を合成し、それらを連結する断続的なプロセスが必要となります。
センター試験(2017年)類似
細胞特異的な遺伝子発現
Q42
多細胞生物の体細胞において、同一のゲノムを持ちながら細胞の種類によって発現する遺伝子が異なる主な理由として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
細胞ごとに調節タンパク質の種類や量が異なるため
真核生物の体細胞は、発生の過程で分化しても基本的に同一のゲノムDNAを保持しています。特定の細胞で特定の遺伝子のみが転写されるのは、転写調節領域に結合する調節タンパク質の種類や細胞内での存在量が細胞ごとに異なるためです。これにより、細胞特異的なタンパク質が合成され、細胞の機能分化が維持されます。染色体の数やゲノムの塩基配列自体が細胞ごとに変化するわけではありません。
センター試験(2011年)類似
伴性遺伝
Q43
X染色体上の劣性遺伝子によって引き起こされる伴性遺伝に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★★ 標準
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
女性がその形質を示す場合、父親は必ずその形質を示す。
伴性遺伝において、X染色体上の劣性遺伝子による形質は、男性はX染色体を一本しか持たないため、その遺伝子を受け継げば必ず発現します。一方、女性が形質を示すには二本のX染色体両方に劣性遺伝子が必要です。そのうち一本は父親から受け継ぐため、形質を示す女性の父親は、そのX染色体上に当該遺伝子を持っていることになり、父親自身も必ずその形質を示すことになります。
共通テスト(2022年)類似
遺伝子組換え技術
Q44
プラスミドの環状DNA上に遺伝子Xと遺伝子Yが配置されている状況において、遺伝子組換え操作でベクターとしてプラスミドを利用する際の記述として最も適切なものはどれか。
★★★ 標準
具体例
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
制限酵素で切断したプラスミドに目的の遺伝子を挿入し、DNAリガーゼで連結して環状構造を再構築する。
プラスミドをベクターとして利用する場合、制限酵素で環状DNAを切断し、開いた部位に目的のDNA断片を挿入します。その後、DNAリガーゼによって切断端を結合させ、再び環状のプラスミドに戻すことで、宿主細胞内での複製や維持が可能となります。DNAヘリカーゼやプロモーターの操作は、この基本的な連結工程とは役割が異なります。
センター試験(2004年)類似
染色体の動原体
Q45
動物細胞の体細胞分裂において、染色体が細胞の中央に並び、紡錘糸が結合する部位として最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
動原体
動原体は、染色体のセントロメア領域に形成されるタンパク質複合体であり、細胞分裂の中期において紡錘糸(微小管)が結合する足場となる。紡錘糸はここを介して染色体を牽引し、両極へと移動させる役割を担う。中心体は紡錘体を形成する中心的な構造体であり、核小体はリボソームRNAの合成場所、細胞板は植物細胞の分裂時に形成される構造であるため、これらは誤りである。
センター試験(2006年)類似
遺伝子の連鎖
Q46
遺伝子の連鎖がメンデルの独立の法則に従わない理由として、最も適切なものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
連鎖している遺伝子は、減数分裂において同一の染色体とともに分配されるから
メンデルの独立の法則は、異なる形質を支配する遺伝子がそれぞれ異なる染色体上に存在し、減数分裂の際に独立して分配されることを前提としている。しかし、連鎖している遺伝子は同一の染色体上に存在するため、減数分裂の過程でセットとなって配偶子へ分配される。そのため、個々の遺伝子が独立して分離する確率が崩れ、次世代の表現型比に影響を与える。
センター試験(2005年)類似
常染色体上の優性遺伝
Q47
ある常染色体上の優性遺伝子によって決まる形質を持つ個体について、その遺伝的背景として正しい説明はどれか。
★★ 基本
背景
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
形質が発現している個体は、少なくとも一方の親がその形質を発現している。
優性遺伝子による形質は、対立遺伝子の少なくとも一方が優性遺伝子であれば発現します。形質が発現している個体は、その遺伝子を親から受け継いでいるため、親の少なくとも一方はその遺伝子を保有し、形質を発現しているはずです。一方、形質が発現していない個体同士から突然変異等を除いて形質が発現する可能性は低く、祖父母全員が発現している必要もありません。
センター試験(2010年)類似
染色体
Q48
真核細胞の核内に存在し、DNAとタンパク質から構成され、遺伝情報を次世代へ伝える役割を担う構造体として最も適切なものはどれか。
★ やさしい
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
染色体
染色体は、細胞分裂の際にDNAが凝縮して形成される構造体であり、遺伝情報の保持と分配において中心的な役割を果たす。一方、星状体は細胞分裂時に中心体から伸びる微小管の集合体であり、液胞は細胞内の物質貯蔵や浸透圧調節を行う細胞小器官、ゴルジ体はタンパク質の修飾や輸送を担う細胞小器官である。これらはDNAを主成分として遺伝情報を保持する構造体ではない。
センター試験(2013年)類似
ファージのタンパク質合成
Q49
ハーシーとチェイスが行った実験において、バクテリオファージのタンパク質とDNAをそれぞれ放射性同位体で標識し、大腸菌に感染させた。この実験から導き出される結論として最も適切なものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ファージのDNAが大腸菌内に注入され、タンパク質合成の鋳型となる
ハーシーとチェイスは、タンパク質を硫黄(35S)、DNAをリン(32P)で標識して実験を行った。その結果、大腸菌内に侵入したのはリンで標識されたDNAであり、タンパク質は細胞外に残ることが示された。このことから、遺伝物質がDNAであることが証明され、注入されたDNAが細胞内でタンパク質合成の指示を出すことが明らかとなった。
センター試験(2016年)類似
PCR法
Q50
PCR法において、DNAポリメラーゼを用いて特定のDNA領域を増幅させる際、1サイクルごとにDNA量が2倍になるものとする。この反応を10サイクル繰り返した場合、理論上のDNA量は開始時の約何倍になるか。最も適切なものを選べ。
★★ 基本
具体例
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
約1000倍
PCR法はDNAの特定の領域を指数関数的に増幅させる技術である。DNA量はサイクルごとに倍増するため、nサイクル後の増幅倍率は2のn乗倍となる。10サイクル繰り返した場合、2の10乗倍となり、これは1024倍である。したがって、選択肢の中では約1000倍が最も妥当な数値である。
センター試験(2004年)類似
伴性遺伝の確率
Q51
血液凝固に異常がある息子を持つ正常な表現型の夫婦がいる。この夫婦の間に次に生まれる男子が、血液凝固に異常を持つ可能性として最も適当なものはどれか。なお、この形質はX染色体上の劣性遺伝子による伴性遺伝に従うものとする。
★★★ 標準
具体例
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
2分の1
息子が血液凝固異常であることから、母親は正常な表現型だが、X染色体上に異常遺伝子を持つ保因者である。父親は正常である。この夫婦から生まれる男子は、母親から正常なX染色体を受け継ぐか、異常遺伝子を持つX染色体を受け継ぐかの2通りが等確率で生じる。したがって、次に生まれる男子が血液凝固異常となる確率は2分の1である。
共通テスト(2022年)類似
転写の仕組み
Q52
DNAの二本鎖構造において、遺伝子Yの転写が開始される際、RNAポリメラーゼが結合する領域および転写の仕組みに関する記述として最も適切なものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
RNAポリメラーゼはプロモーター領域に結合し、鋳型鎖を3’末端から5’末端の方向に読み進めてRNAを合成する。
RNAポリメラーゼは遺伝子の転写開始点の上流にあるプロモーター領域に結合する。その後、DNAの二本鎖を解き、鋳型鎖を3’から5’の方向に読み進めることで、5’から3’の方向に新しいRNA鎖を伸長させる。DNAポリメラーゼは複製に関与する酵素であり、転写には関与しない。また、転写は一方の鎖のみを鋳型として行われる。
センター試験(2014年)類似
組換え価の算出
Q53
ある遺伝実験で、F2世代の雄の表現型を調査したところ、組換え型である個体の割合がそれぞれ3.6パーセントと5.5パーセントであった。この2つの遺伝子間の組換え価として最も適切な値はどれか。
★★★ 標準
具体例
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
9.1パーセント
組換え価は、組換えによって生じた配偶子の割合の総和として定義される。問題文にある2つの組換え型個体の割合(3.6パーセントと5.5パーセント)は、それぞれ異なる組換え型配偶子の出現頻度を示している。これらを合計することで、全配偶子に対する組換え型配偶子の割合が求められ、3.6 + 5.5 = 9.1パーセントとなる。
センター試験(2007年)類似
複対立遺伝子
Q54
ヒトのABO式血液型の遺伝において、A遺伝子とB遺伝子の関係性として最も適切なものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
AとBは互いに共優性であり、両方の形質が現れる
ABO式血液型において、A遺伝子とB遺伝子はO遺伝子に対して優性である。一方で、A遺伝子とB遺伝子の間には優劣関係がなく、両方の形質が発現する共優性の関係にある。そのため、遺伝子型がABである個体は、A抗原とB抗原の両方を持つAB型となる。
共通テスト(2021年)類似
真核生物の遺伝子発現
Q55
真核生物の細胞分化において、遺伝子発現が制御される仕組みとして正しい説明はどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
調節遺伝子の働きにより、特定の細胞で必要なタンパク質のみが選択的に合成される。
多細胞生物の各細胞は同一のゲノムを持ちますが、調節遺伝子の発現パターンが細胞ごとに異なるため、合成されるタンパク質の種類が異なります。これにより細胞の分化が実現されます。DNAポリメラーゼは複製に関与する酵素であり、転写を行うのはRNAポリメラーゼです。また、リボソームは細胞質に存在し、核内へ移動することはありません。
センター試験(2011年)類似
ヒトの耳あかの遺伝
Q56
ウエット型(ヘテロ接合体)の親同士から子供が生まれたとき、その子供がドライ型である確率はいくらか。
★★★ 標準
具体例
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
25%
ウエット型を優性遺伝子W、ドライ型を劣性遺伝子wとすると、ヘテロ接合体の親はともにWwの遺伝子型を持つ。この両親から生まれる子供の遺伝子型の分離比は、WW:Ww:ww=1:2:1となる。このうち、劣性形質であるドライ型(ww)が現れる確率は、全体の4分の1である25%となる。
センター試験(2015年)類似
DNAの増幅
Q57
ある実験において、0.01マイクログラムのDNAを鋳型としてポリメラーゼ連鎖反応を行い、反応終了後に0.1グラムのDNA断片を得た。このとき、DNA断片の増幅倍率として最も適切なものはどれか。
★★★ 標準
具体例
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
10の7乗倍
増幅倍率は、反応後のDNA量(0.1グラム=100,000マイクログラム)を反応前のDNA量(0.01マイクログラム)で割ることで求められる。100,000 / 0.01 = 10,000,000となり、これは10の7乗倍に相当する。PCRでは指数関数的な増幅により、わずかな初期量から短時間で大量のDNAを得ることが可能である。
センター試験(2007年)類似
血液型の遺伝
Q58
ABO式血液型の遺伝に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★ やさしい
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
A遺伝子とB遺伝子は、O遺伝子に対して優性である。
ABO式血液型は複対立遺伝子による遺伝であり、A遺伝子とB遺伝子は共優性で、どちらもO遺伝子に対して優性である。そのため、遺伝子型がAOであればA型、BOであればB型、OOであればO型となる。AB型はA遺伝子とB遺伝子の両方が発現した状態であり、血液型は遺伝的に決定されるため環境要因では変化しない。
センター試験(2008年)類似
染色体を複製するための酵素
Q59
細胞分裂の準備期である間期において、核内で染色体が複製される生物学的意義として最も適切なものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
娘細胞に同一の遺伝情報を正確に受け継がせるため
染色体の複製は、細胞分裂によって生じる二つの娘細胞が、親細胞と同一の遺伝情報を持つために必須のプロセスです。DNAポリメラーゼなどの酵素群が核内で働くことで、遺伝情報の正確なコピーが作成されます。酸素消費や光合成、消化といった代謝機能は細胞の生存やエネルギー獲得に関わりますが、染色体複製の直接的な目的ではありません。
共通テスト(2023年)類似
転写調節領域の突然変異
Q60
遺伝子重複によって生じた遺伝子の片方の転写調節領域に突然変異が起こった場合、その遺伝子の発現に関して最も適切な説明はどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
その遺伝子が本来とは異なる組織やタイミングで発現するようになることがある。
遺伝子重複により生じた遺伝子の転写調節領域に変異が蓄積すると、その遺伝子の発現時期や発現部位が変化することがある。タンパク質をコードする領域の変異とは異なり、転写調節領域の変異は発現の制御機構に影響を与える。これにより、重複した遺伝子が元の遺伝子とは異なる組織で発現するようになり、新たな機能分化や適応進化の基盤となることが知られている。
センター試験(2009年)類似
シャルガフの規則
Q61
DNAの二重らせん構造における塩基の対合に関する記述として、シャルガフの規則に基づいた最も適切なものはどれか。
★ やさしい
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
アデニンとチミンの割合は等しく、グアニンとシトシンの割合も等しい
シャルガフの規則は、二重らせん構造をとるDNAにおいて、アデニン(A)とチミン(T)の割合が等しく、グアニン(G)とシトシン(C)の割合が等しいことを示しています。これは、DNAの二重らせん構造において、AはTと、GはCとそれぞれ特異的に水素結合を形成して対合していることに起因します。
センター試験(2005年)類似
常染色体上の劣性遺伝
Q62
ある常染色体上の劣性遺伝病について、形質が発現している両親から生まれた子供が、その形質を発現しない確率として正しいものはどれか。
★★★ 標準
具体例
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
0%
劣性遺伝病の原因となる遺伝子をa、正常な対立遺伝子をAとする。形質が発現している両親の遺伝子型はともにaaである。この両親から生まれる子供は、減数分裂によって作られる配子がすべてaであるため、子供の遺伝子型はすべてaaとなる。したがって、子供が形質を発現しない(遺伝子型がAAまたはAaとなる)確率は0%である。
センター試験(2012年)類似
伴性遺伝
Q63
伴性遺伝に関する記述として最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
白眼遺伝子のようなX染色体上の劣性形質は、雄ではX染色体が1本しかないため表現型として現れやすい
伴性遺伝は性染色体上に遺伝子が存在するために起こる。雄(XY型)はX染色体を1本しか持たないため、そのX染色体上の遺伝子が劣性であっても、対立遺伝子が存在しない(ヘミ接合という)ため、そのまま表現型として現れる。一方、雌(XX型)は対立遺伝子が2つあるため、劣性形質が発現するにはホモ接合体である必要がある。このため、雄の方が伴性劣性形質を発現しやすい。
共通テスト(2024年)類似
対照実験による仮説検証
Q64
キシロースオペロンの発現がキシロースによって誘導され、グルコースによって抑制されるという仮説を検証したい。このとき、グルコースによる抑制効果のみを独立して評価するための最も適切な対照実験の組み合わせはどれか。
★★★ 標準
具体例
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
キシロースのみを含む培地と、グルコースとキシロースの両方を含む混合糖培地を比較する
対照実験では、検証したい変数(この場合はグルコースの有無)以外を一定に保つ必要がある。キシロースはオペロンの発現を誘導する必須条件であるため、両方の条件にキシロースを含めることで、キシロースによる誘導効果を共通化できる。その上でグルコースの有無のみを変化させれば、グルコースが発現に対して抑制的に働くかどうかを明確に検証可能である。他の選択肢では変数が複数混在し、結果の要因を特定できない。
センター試験(2007年)類似
表現型の分離比
Q65
イネの胚乳の表現型において、Qはqに対して、Rはrに対して優性である。QとRが共に存在するとX型、Qが存在しRがホモ接合(rr)であるとY型、qがホモ接合(qq)であるとZ型となる。F1(QqRr)を自家受精させて得られたF2種子の胚乳における、X型:Y型:Z型の表現型の分離比として最も適切なものはどれか。
★★★★ 難問
具体例
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
9:3:4
胚乳は3倍体であり、F1(QqRr)の自家受精では、配偶子の遺伝子型はQR, Qr, qR, qrが等比で生じる。胚乳の遺伝子型はこれらが受精して決定される。Qが少なくとも1つ存在し、かつRが少なくとも1つ存在する場合(X型)は9/16、Qが存在しRがホモ接合(rr)の場合(Y型)は3/16、qがホモ接合(qq)の場合(Z型)は4/16となる。したがって、表現型の分離比は9:3:4となる。
センター試験(2004年)類似
染色体と遺伝子の基礎知識
Q66
ヒトの体細胞分裂に関する記述として最も適切なものはどれか。
★★ 基本
背景
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
体細胞分裂は、受精卵から個体が形成される過程で染色体数を維持するために重要である
体細胞分裂は、親細胞の核内の染色体を複製し、均等に娘細胞へ分配する過程である。これにより、発生の過程で細胞数が増加しても、個体を構成するすべての体細胞が同一の染色体数と遺伝情報を保持することが可能となる。生殖細胞の形成には減数分裂が関与する。
センター試験(2020年)類似
核内でのスプライシング
Q67
真核生物の遺伝子発現過程において、転写されたRNAからイントロンが除去され、エキソンが連結されて成熟したmRNAが生成される過程を何と呼ぶか。
★ やさしい
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
スプライシング
真核生物の遺伝子には、タンパク質のアミノ酸配列をコードしないイントロンと、コードするエキソンが含まれている。転写によって合成された初期RNA(前駆体mRNA)は、核内においてスプライシングという過程を経てイントロンが正確に切り出され、エキソン同士が連結されることで成熟したmRNAとなる。この成熟mRNAが核膜孔を通って細胞質へ輸送され、翻訳の鋳型として利用される。
センター試験(2005年)類似
組換え価
Q68
ある生物の二つの遺伝子AとBについて、二重ヘテロ接合体(AaBb)と二重劣性ホモ接合体(aabb)を交配させたところ、得られた次世代の表現型が、親と同じ組み合わせである個体が420個、組換え型である個体が80個であった。このとき、遺伝子AとBの間の組換え価として最も適切な値はどれか。
★★★ 標準
具体例
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
16.0%
組換え価は、組換え型個体数を全個体数で割った値に100を乗じて算出される。本問では、組換え型個体が80個、全個体数が420個+80個=500個である。したがって、組換え価は(80/500)×100=16.0%となる。組換え価は染色体上の遺伝子間の距離と相関があり、この値が大きいほど二つの遺伝子は離れた位置にあることを示す。
センター試験(2020年)類似
転写調節
Q69
真核生物において、特定の遺伝子の転写を調節する仕組みに関する記述として、誤っているものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
翻訳の段階でタンパク質の合成を制御することも、転写調節の定義に含まれる。
転写調節とは、DNAからRNAが合成される過程を制御することを指します。翻訳はRNAからタンパク質が合成される過程であり、転写とは異なる段階の制御です。したがって、翻訳の制御を転写調節に含めることはできません。他の選択肢はすべて転写調節のメカニズムや意義として正しい記述です。
センター試験(2013年)類似
シャルガフの規則
Q70
DNAの塩基組成に関するシャルガフの規則の説明として最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
アデニンとチミンの割合の和は、グアニンとシトシンの割合の和と等しい。
シャルガフの規則は、DNAの二重らせん構造において、アデニン(A)はチミン(T)と、グアニン(G)はシトシン(C)とそれぞれ相補的に結合していることに由来する。このため、AとTのモル比の和と、GとCのモル比の和は、生物種によって異なる場合があるが、個々のDNA分子内では常に一定の比率関係(A+T=G+Cではないが、A=TかつG=Cという関係性)が成り立つ。設問の選択肢は、塩基対の結合ルールに基づいた組成の規則性を問うている。
共通テスト(2022年)類似
メンデル遺伝
Q71
メンデルの分離の法則が成立する背景として、二倍体の生物における減数分裂の過程で最も重要な事象はどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
相同染色体が対合し、その後分離して異なる配偶子に入ること
分離の法則は、対になっている遺伝子が減数分裂の過程で分離し、それぞれ異なる配偶子に入ることで成立する。これは、二倍体細胞において相同染色体が対合し、減数第一分裂で各配偶子へ分配されるという細胞学的なプロセスに基づいている。この仕組みにより、親の持つ遺伝子が次世代へ規則的に受け継がれる。
センター試験(2013年)類似
ファージのタンパク質合成
Q72
バクテリオファージが細菌に感染して増殖する過程において、ファージのタンパク質が合成される場所として最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
感染した大腸菌の細胞内部
バクテリオファージは、自身のDNAを大腸菌内に注入することで感染を開始する。注入されたファージのDNAは、大腸菌が持つリボソームやアミノ酸、エネルギー源を利用して、自身のタンパク質を合成する。このタンパク質合成はすべて大腸菌の細胞内部で行われ、最終的にDNAとタンパク質が組み合わさって新たなファージ粒子が形成される。
センター試験(2020年)類似
基本転写因子
Q73
真核生物の転写開始過程において、RNAポリメラーゼが転写を開始するために必須となるタンパク質群の名称は何か。
★ やさしい
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
基本転写因子
真核生物において、RNAポリメラーゼIIなどのRNAポリメラーゼがプロモーターに正しく結合し、転写を開始するためには、基本転写因子と呼ばれるタンパク質群の助けが不可欠です。これらは転写開始点付近のDNA配列を認識し、転写開始複合体を形成します。一方、翻訳開始因子はタンパク質合成の開始段階で機能するものであり、転写の段階とは異なります。
センター試験(2010年)類似
検定交雑
Q74
遺伝子型がaaBBである個体と、ある白色花個体Xを交配したところ、次世代において有色花と白色花が1対1の比率で現れた。このとき、個体Xの遺伝子型として最も適切なものはどれか。ただし、Aは有色花を決定する優性遺伝子、aは白色花を決定する劣性遺伝子であり、Bは別の形質を決定する遺伝子とする。
★★★ 標準
具体例
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
AaBb
検定交雑とは、調べたい個体と劣性ホモ接合体(または特定の遺伝子型)を交配し、次世代の表現型比から親の遺伝子型を推定する手法である。aaBBとAaBbを交配すると、配偶子はそれぞれ(aB)と(AB, Ab, aB, ab)となり、次世代の遺伝子型はAaBB, AaBb, aaBB, aaBbが1対1対1対1で生じる。このうちAを持つ個体(有色花)が2、持たない個体(白色花)が2となり、1対1の比率が成立する。
共通テスト(2025年)類似
純系品種の交配による品種育成
Q75
品種改良における純系品種の交配と選抜に関する記述として、誤っているものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
花粉と胚の遺伝情報は減数分裂を経て形成されるため、常に同一の遺伝情報を持つ。
減数分裂では相同染色体の分離や乗換えが起こるため、形成される配偶子(花粉や卵細胞)の遺伝情報は多様であり、花粉と胚の遺伝情報が常に同一になることはありません。純系品種の育成は、こうした遺伝的変異の中から好ましい形質を持つ個体を選抜し、ホモ接合化させることで形質を固定するプロセスです。
共通テスト(2025年)類似
塩基の置換
Q76
DNAのセンス鎖における塩基置換がアミノ酸の変化を引き起こす現象について、SNP2におけるバリンからアラニンへの置換を説明する機序として最も適切なものはどれか。
★★★ 標準
具体例
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
センス鎖のコドンがGUNからGCNへ変化し、mRNAの塩基配列が対応して変化することで生じる
遺伝暗号において、バリンに対応するコドンはGUN(Nは任意の塩基)、アラニンに対応するコドンはGCNである。DNAのセンス鎖の塩基がAからGに置換されると、転写されて生じるmRNAのコドンも同様に変化する。この結果、コドンの2番目の塩基がUからCに置き換わることで、バリンからアラニンへのアミノ酸置換が引き起こされる。この置換はタンパク質の構造や機能に影響を及ぼす可能性がある。
共通テスト(2022年)類似
DNA合成期における標識
Q77
細胞分裂の追跡実験において、放射性同位体で標識したチミンを細胞に一定時間取り込ませた後、標識を含まない培地で培養を続けた。このとき、標識が観察される細胞の状態として最も適切な説明はどれか。
★★★ 標準
具体例
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
DNA複製を行った細胞の核のみに標識が保持される
DNA複製は細胞周期のS期に核内で行われる。標識されたチミンはDNAの構成成分として取り込まれるため、S期に分裂準備を行った細胞の核に標識が固定される。その後、細胞分裂が進行しても、DNAは親細胞から娘細胞へと受け継がれるため、標識されたDNAを持つ細胞を追跡することが可能となる。タンパク質やリボソームへの取り込みは、DNA複製の追跡とは直接的な関連がない。
共通テスト(2022年)類似
遺伝子組換え技術
Q78
遺伝子組換え技術において、特定の塩基配列を認識してDNAを切断する酵素と、切断されたDNA断片同士を結合させる酵素の組み合わせとして最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
制限酵素とDNAリガーゼ
遺伝子組換え技術では、まず制限酵素を用いて特定の塩基配列を認識し、DNAを切断します。次に、目的のDNA断片をプラスミドなどのベクターに挿入し、DNAリガーゼを用いてリン酸ジエステル結合を形成させることで、DNA断片同士を連結させます。DNAヘリカーゼはDNAの二重らせんを解く酵素であり、本工程とは異なります。
センター試験(2020年)類似
転写の抑制
Q79
遺伝子発現の調節機構に関する記述として、誤っているものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
リプレッサーがオペレーターに結合すると、転写が促進される
リプレッサーがオペレーターに結合する現象は、転写を抑制する負の制御機構です。転写を促進する機構は正の制御と呼ばれ、リプレッサーの結合による転写の促進という記述は誤りです。オペロンは原核生物に見られる遺伝子発現の単位であり、プロモーターやオペレーターを含む一連の制御領域と構造遺伝子から構成されています。
センター試験(2005年)類似
伴性遺伝の確率
Q80
ヒトの赤緑色覚異常は、X染色体上の劣性遺伝子によって引き起こされる伴性遺伝の形質である。色覚異常の父(X’Y)と、色覚異常の遺伝子を全く持たない正常な母(XX)との間に生まれた息子が、赤緑色覚異常である確率はいくらか。ただし、X’は色覚異常の遺伝子、Xは正常な遺伝子、YはY染色体を表す。
★★ 基本
具体例
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
0
赤緑色覚異常はX染色体上の劣性遺伝子による。色覚異常の父はX’Yという遺伝子型を持ち、正常な母はXXという遺伝子型を持つ。息子は父からY染色体を、母からX染色体を受け継ぐ。母は正常なX染色体しか持たないため、息子は必ず正常なX染色体を受け継ぎ、遺伝子型はXYとなる。したがって、息子が色覚異常になる確率は0である。
共通テスト(2025年)類似
タンパク質の一次構造
Q81
タンパク質の一次構造を決定する直接的な要因として、最も適切なものはどれか。
★ やさしい
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
mRNAの塩基配列
タンパク質の一次構造は、DNAから転写されたmRNA上の塩基配列によって規定される。翻訳過程において、mRNA上の3つの塩基の並びであるコドンが、対応するアミノ酸を指定し、それらがペプチド結合で連結されることで特有のアミノ酸配列が決定される。tRNAはアミノ酸を運搬する役割を担うが、一次構造の情報を保持しているのはmRNAである。
共通テスト(2023年)類似
遺伝子発現の環境応答
Q82
硫酸欠乏条件下でシアノバクテリアにおいて発現が上昇する遺伝子EとFの生物学的な意義として、最も妥当な推論はどれか。
★★★★ 難問
背景
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
硫酸イオンを必要としない代替タンパク質を合成し、硫黄資源の消費を節約している。
シアノバクテリアは、必須栄養素である硫酸イオンが欠乏した際、硫黄を含むアミノ酸であるメチオニンやシステインの消費を抑える適応戦略をとる。遺伝子EとFの発現上昇は、硫酸イオンを多く必要とするタンパク質複合体の代わりに、硫黄の含有量が少ない、あるいは不要な代替複合体を合成することで、生存に必要な代謝機能を維持するための適応的応答であると考えられる。
センター試験(2006年)類似
優性の法則
Q83
ある植物において、花の色を決定する対立遺伝子A(赤色)がa(白色)に対して優性であるとする。このとき、遺伝子型Aaの個体と遺伝子型aaの個体を交配して得られる次世代の表現型について、正しい説明はどれか。
★★★ 標準
具体例
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
赤色の個体と白色の個体が、およそ1対1の比率で現れる。
遺伝子型Aaとaaの交配では、配偶子の組み合わせにより、次世代の遺伝子型はAaとaaが1対1の比率で生じます。優性の法則により、Aaは赤色(優性形質)、aaは白色(劣性形質)の表現型を示すため、次世代の表現型比は赤色対白色で1対1となります。
センター試験(2006年)類似
遺伝子組換え技術
Q84
遺伝子組換え技術を用いて作物を改良する目的として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
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✅ 正解
害虫抵抗性や除草剤耐性などの有用な形質を特定の遺伝子導入によって付与する
遺伝子組換え技術は、特定の有用な遺伝子を目的の生物に導入することで、従来の交配育種では困難だった形質を付与する技術である。害虫抵抗性や除草剤耐性の付与、果実の軟化抑制などが代表的な例である。一方、ポマトはジャガイモとトマトの細胞融合によって作られた植物であり、遺伝子組換え技術によるものではないため誤りである。
センター試験(2006年)類似
染色体異常
Q85
次の疾患のうち、染色体数の異常が直接的な原因となって発症するものはどれか。
★★ 基本
具体例
正答率 —
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✅ 正解
ダウン症候群
ダウン症候群は、21番染色体が3本存在するトリソミーなど、染色体数の異常によって生じる疾患である。これに対し、かま状赤血球貧血症はヘモグロビン遺伝子の点突然変異、血友病は血液凝固因子の遺伝子異常、赤緑色覚異常はX染色体上の視物質遺伝子の異常によって引き起こされるものであり、いずれも染色体数そのものの異常ではない。
センター試験(2008年)類似
伴性遺伝
Q86
キイロショウジョウバエにおいて、X染色体上の遺伝子に関する交配実験を行った。白眼・正常翅の純系雄と、赤眼・切り翅の純系雌を交配したとき、得られるF1の雄の表現型として正しいものはどれか。なお、赤眼は白眼に対し優性、正常翅は切り翅に対し優性である。
★★★★ 難問
具体例
正答率 —
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✅ 正解
白眼・切り翅
雄のキイロショウジョウバエは、母親からX染色体を1本受け継ぎ、父親からはY染色体を受け継ぐ。この実験では、母親(雌)が赤眼・切り翅の純系であるため、そのX染色体には赤眼と切り翅の遺伝子が乗っている。しかし、F1の雄は母親からX染色体を受け継ぐものの、父親から受け継ぐY染色体には眼の色や翅の形に関する遺伝子が存在しない。したがって、母親由来のX染色体上の形質がそのまま雄に発現する。この場合、母親の形質である赤眼・切り翅が雄に現れる。
センター試験(2004年)類似
細胞分裂の前期
Q87
真核生物の体細胞分裂の前期における細胞内の変化として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
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✅ 正解
染色体が凝縮し、光学顕微鏡で観察可能な状態になる
体細胞分裂の前期では、間期に核内で糸状に広がっていた染色体が凝縮して太く短くなり、光学顕微鏡で明瞭に観察できるようになる。赤道面への整列は中期、染色体の分離と移動は後期、核膜の再形成は終期の特徴である。前期は分裂の準備段階として、核小体の消失や紡錘体の形成が開始される重要な時期である。
センター試験(2013年)類似
バクテリオファージの増殖
Q88
バクテリオファージが感染した大腸菌内において、ファージの増殖に必要なタンパク質が合成される場所として正しいものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
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✅ 正解
大腸菌の細胞質にあるリボソーム
バクテリオファージは自らタンパク質を合成する機構を持たないため、感染した大腸菌の細胞内にあるリボソームや酵素系を利用して、自身の遺伝情報に基づいたタンパク質を合成させます。これにより、大腸菌の機構が乗っ取られ、次々と新しいファージ粒子が形成されます。
センター試験(2004年)類似
細胞分裂の前期
Q89
体細胞分裂の各時期と細胞内で起こる現象の組み合わせとして、誤っているものはどれか。
★★★ 標準
具体例
正答率 —
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✅ 正解
前期:染色体が赤道面に並び、紡錘体が完成する
染色体が赤道面に並ぶ現象は「中期」の特徴である。前期は染色体が凝縮を開始し、核膜が消失し始める時期であり、赤道面への整列はまだ起こらない。選択肢の他の記述は各時期の定義として正しい。分裂期は連続的な変化であるが、染色体の挙動に基づき前期、中期、後期、終期に区分される。
センター試験(2013年)類似
シャルガフの規則
Q90
シャルガフの規則が成立する生物学的な背景として、最も適切なものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
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✅ 正解
DNAの二重らせん構造において、特定の塩基同士が水素結合によって対を形成しているため。
シャルガフの規則が成り立つ根本的な理由は、DNAが二重らせん構造をとる際、アデニンとチミン、グアニンとシトシンがそれぞれ水素結合によって対を形成する相補性にある。この構造的制約により、DNA分子内の塩基組成には一定の規則性が生じる。他の選択肢にあるような塩基の割合が全種で共通であるという事実はなく、塩基の割合は生物種によって多様である。
センター試験(2019年)類似
リーディング鎖とラギング鎖
Q91
DNAの複製において、ラギング鎖上で合成される短いDNA断片の名称として最も適切なものはどれか。
★★ 基本
具体例
正答率 —
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✅ 正解
岡崎フラグメント
DNAポリメラーゼの合成方向は常に5’から3’方向であるため、複製フォークの進行方向と逆向きの鋳型鎖では、フォークの拡大に合わせて短いDNA断片が断続的に合成されます。この断片は発見者の名にちなんで岡崎フラグメントと呼ばれ、後にDNAリガーゼによって連結されることで一本の鎖となります。
センター試験(2010年)類似
形質転換
Q92
肺炎双球菌の形質転換に関する実験において、当初の予想を覆し、遺伝物質の正体がタンパク質ではなくDNAであることを示唆する結果を得た研究者は誰か。
★★★ 標準
背景
正答率 —
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✅ 正解
エイブリーら
グリフィスの実験後、エイブリーらはS型菌の抽出物からタンパク質、脂質、多糖などを分解・除去しても形質転換が起こることを示し、DNAを分解したときのみ形質転換が起こらないことを確認した。これにより、遺伝物質の本体がDNAであることが強く示唆された。その後、ハーシーとチェイスがバクテリオファージを用いた実験でこれを決定的に証明した。
センター試験(2004年)類似
クローン家畜
Q93
クローン家畜の作製に用いられる核移植技術に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
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✅ 正解
体細胞の核を未受精卵に移植することで、元の個体と遺伝子構成が同一の個体を作成する。
クローン家畜の作製技術である核移植は、体細胞から取り出した核を、あらかじめ核を除去した未受精卵に移植する手法である。この技術により、核を提供した個体と遺伝子構成が同一の個体を得ることができる。なお、この技術は遺伝子を組み換えるものではなく、また受精卵の分割による一卵性双生児の作成とも原理が異なる。
センター試験(2018年)類似
DNAの複製とRNAの転写
Q94
DNAの複製とRNAの転写に関する記述として最も適当なものを、次のうちから一つ選べ。
★★ 基本
基礎
正答率 —
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✅ 正解
DNAの複製ではDNAポリメラーゼが働き、両方の鎖が鋳型として利用される。
DNAの複製は半保存的複製と呼ばれ、DNAポリメラーゼの作用により二重らせんの両鎖が鋳型となって相補的な鎖が合成される。一方、転写は特定の遺伝子領域において、RNAポリメラーゼがDNAの片方の鎖のみを鋳型としてRNAを合成する過程である。真核生物の転写は核内で行われ、ヌクレオチド鎖の形成は糖とリン酸のホスホジエステル結合によって行われるため、リン酸基同士の結合ではない。
センター試験(2005年)類似
遺伝子の染色体上の順序
Q95
染色体上に配置された3つの遺伝子B、G、Sについて、遺伝子間の組換え価がB-G間で10%、G-S間で5%、B-S間で15%であるとき、染色体上の正しい遺伝子の順序はどれか。
★★★ 標準
具体例
正答率 —
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✅ 正解
B-G-S
組換え価は遺伝子間の距離と相関し、組換え価の合計が最大となる二つの遺伝子が染色体の両端に位置します。本問ではB-S間の組換え価が15%で最大であるため、BとSが両端となります。また、B-G間が10%、G-S間が5%であり、10% + 5% = 15%が成立することから、GはBとSの間に位置することがわかります。したがって、順序はB-G-Sとなります。
センター試験(2007年)類似
血液型の遺伝
Q96
ABO式血液型において、遺伝子型がAOである母親と、遺伝子型がBOである父親の間に子どもが生まれた。この子どもがO型となる確率として最も適切なものはどれか。
★★ 基本
具体例
正答率 —
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✅ 正解
25%
ABO式血液型の遺伝子型はA, B, Oの3種類で決まる。AOの親からはAまたはOの配偶子が、BOの親からはBまたはOの配偶子がそれぞれ1/2の確率で生じる。これらを組み合わせると、子の遺伝子型はAB, AO, BO, OOがそれぞれ1/4の確率で現れる。このうちOOとなる確率は25%である。
センター試験(2012年)類似
伴性遺伝の分離比
Q97
伴性遺伝に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
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✅ 正解
X染色体上の劣性遺伝子は、雌よりも雄において表現型として現れやすい
伴性遺伝は性染色体上の遺伝子による遺伝様式である。雄はX染色体を1本しか持たないため、X染色体上の劣性遺伝子はヘテロ接合の状態でもそのまま表現型として現れる。一方、雌はX染色体を2本持つため、劣性形質が発現するにはホモ接合体である必要がある。このため、雄の方が劣性形質を発現する確率が高くなる。これはメンデルの法則における常染色体遺伝とは異なる特徴である。
体内環境の維持(51問)の一問一答問題
共通テスト(2021年)類似
グルコースの吸収
Q1
乳糖が分解されずに大腸へ到達した際、腹部膨満感や下痢が引き起こされる生理学的な理由として最も適切なものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
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✅ 正解
大腸内の浸透圧が上昇し、腸管からの水分吸収が阻害されるとともに、細菌による発酵でガスが発生するため。
乳糖が小腸で分解・吸収されないまま大腸に到達すると、腸管内の溶質濃度が高まり浸透圧が上昇します。これにより、浸透圧のバランスを保とうとして腸管内へ水分が引き寄せられ、結果として水分吸収が阻害されて下痢が生じます。加えて、大腸内細菌が乳糖を分解する際に二酸化炭素などのガスを発生させるため、腹部膨満感が引き起こされます。
センター試験(2012年)類似
海水産硬骨魚の浸透圧調節
Q2
海水産硬骨魚が体液の浸透圧を一定に保つための生理的適応として、最も適切な記述はどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
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✅ 正解
海水を飲んで水分を補給し、鰓から塩分を能動的に排出する。
海水産硬骨魚の体液は海水よりも低張であるため、浸透圧差により体表や鰓から水分が失われやすい。この脱水を防ぐために海水を飲んで水分を摂取し、同時に摂取した過剰な塩分を鰓の塩類細胞から能動的に排出することで、体液の恒常性を維持している。また、腎臓では水分損失を最小限にするため、少量の尿を排出する。
センター試験(2013年)類似
自律神経系
Q3
動物の内部環境を無意識的に調節する自律神経系に関する記述として、最も適当なものを次の中から選べ。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
自律神経系は交感神経と副交感神経から構成され、多くの器官に対して拮抗的に作用する。
自律神経系は末梢神経系の一部であり、内臓や血管の働きを無意識的に調節する。交感神経は活動時や緊張時に働き、副交感神経は休息時や食事時に働く。これら二つの神経は多くの器官に対して拮抗的に作用し、内部環境の恒常性を維持している。副交感神経の末端からはアセチルコリンが分泌され、交感神経の末端からは主にノルアドレナリンが分泌される。
センター試験(2005年)類似
ボツリヌス菌
Q4
ボツリヌス菌が産生する毒素の特性と、食中毒予防の観点から正しい説明はどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ボツリヌス菌の毒素は熱に弱いため、食品を十分に加熱することで無毒化できる。
ボツリヌス毒素はタンパク質であり、熱に対して非常に不安定である。そのため、食品を加熱処理することで毒素を失活させることが可能である。ただし、ボツリヌス菌自体が形成する芽胞は熱に強く、通常の加熱では死滅しないため、芽胞の増殖を防ぐための環境管理が重要となる。真空包装は酸素を遮断するため、むしろ嫌気性菌であるボツリヌス菌の増殖を許す環境となり得る。
センター試験(2005年)類似
被験者の血糖調節状態
Q5
被験者X、Y、Zの血糖調節状態に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
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✅ 正解
被験者Xは、インスリン分泌とインスリン反応の両方が正常に機能している。
血糖調節は、膵臓から分泌されるインスリンが標的細胞の受容体に結合し、グルコースの取り込みを促進することで行われる。被験者Xは正常な調節機能を持つ。被験者Yはインスリン分泌不全であり、被験者Zはインスリン抵抗性(受容体等の反応性低下)を示す。したがって、正常な機能を持つのはXのみである。YやZでは細胞へのグルコース取り込みが阻害され、高血糖状態が引き起こされる。
センター試験(2006年)類似
脂質の吸収経路
Q6
脂質の吸収と輸送に関する記述として、誤っているものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
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✅ 正解
小腸で吸収された脂質は、すべて門脈を通って肝臓に運ばれる。
脂質の吸収経路において、門脈は主に糖やアミノ酸などの水溶性栄養素を運ぶ経路です。脂質はリンパ管(乳び管)から胸管を経て血液循環系に合流するため、小腸で吸収された脂質がすべて門脈を通るという記述は誤りです。この経路の違いは、栄養素の代謝や運搬における生理学的な重要な区別となります。
センター試験(2014年)類似
海水魚の塩類排出
Q7
海水生硬骨魚における塩類排出の生理学的意義として、正しい説明はどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
えらでの能動輸送は、体内の水分を保持しつつ過剰な塩類を排出するために不可欠である。
海水生硬骨魚は常に脱水と塩類の過剰摂取という環境ストレスにさらされている。えらでの能動輸送による塩類排出は、体液の浸透圧を海水より低く保つために必須のプロセスである。もしこの機構が働かなければ、体液の塩分濃度が上昇し、細胞の正常な機能が維持できなくなる。能動輸送はエネルギーを消費するが、恒常性維持には不可欠な反応である。
センター試験(2006年)類似
体液の循環
Q8
ヒトの体内におけるリンパ液の循環と血液循環の合流点として、最も適切な部位はどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
鎖骨下静脈付近
リンパ管は全身の組織から回収されたリンパ液を運び、最終的に胸管などを経て、左右の鎖骨下静脈付近で血液循環系に合流する。リンパ液は血液循環のような閉鎖的な循環系とは異なり、組織から一方通行で静脈系に戻る仕組みである。なお、リンパ節は免疫に関与する組織であり、赤血球の生成は行われない。
センター試験(2006年)類似
体液の循環
Q9
リンパ液およびリンパ管の機能に関する記述として、誤っているものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
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✅ 正解
リンパ液の循環系には体循環と肺循環の区分が存在する
体循環と肺循環という区分は、心臓を起点として血液が全身と肺を巡る血液循環系に適用される用語である。リンパ液は組織から回収されて静脈系へ合流する一方通行の経路をたどるため、血液循環系のような循環の区分は存在しない。リンパ管は組織液を回収し、リンパ節で免疫応答を行う重要な役割を担っている。
センター試験(2017年)類似
ペプチドホルモンのシグナル伝達
Q10
ペプチドホルモンが細胞膜上の受容体に結合した後の一般的な反応として、正しいものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
受容体との結合により、細胞内の二次メッセンジャーの濃度が変化し、酵素の活性が調節される。
ペプチドホルモンは細胞膜を通過できないため、膜上の受容体に結合することでシグナルを伝達する。この結合は、細胞内の情報伝達系を活性化し、二次メッセンジャー(cAMPなど)の濃度変化や、タンパク質リン酸化酵素の活性化を引き起こす。これにより、細胞の代謝や機能が迅速に調節される。
センター試験(2013年)類似
腎臓の血管構造
Q11
糸球体における原尿生成の仕組みに関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
糸球体内の血圧が高いため、血漿成分がボーマンのうへ濾過される。
糸球体は輸入細動脈と輸出細動脈に挟まれており、構造上、血圧が高まりやすい。この高い血圧を利用して、血液中の水やグルコース、アミノ酸、無機塩類などの小さな分子をボーマンのうへ押し出すのが濾過の原理である。タンパク質や血球は大きすぎて濾過膜を通過できないため、原尿には含まれない。また、血液は腎動脈から供給される。
センター試験(2013年)類似
腎臓の血管構造
Q12
腎臓に接続する3本の管のうち、生成された尿を膀胱へと運ぶ管の名称として正しいものはどれか。
★★ 基本
具体例
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
輸尿管
腎臓は血液を濾過して老廃物を排出する器官であり、腎動脈から流入した血液は糸球体で濾過される。その後、腎細管での再吸収を経て生成された尿は、輸尿管を通って膀胱へと送られる。腎静脈は、濾過と再吸収を終えた血液を腎臓から心臓方向へ運び出す血管である。腎細管は腎臓内部の構造であり、管として外部へ尿を運ぶものではない。
センター試験(2005年)類似
コレラの予防
Q13
感染症とその主な感染経路の組み合わせとして、コレラの特性に最も近いものはどれか。
★★ 基本
具体例
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
コレラ:汚染された水や食物を介した経口感染
コレラはコレラ菌が消化管に侵入することで感染する経口感染症である。一方、日本脳炎は蚊が媒介し、結核は飛沫核を吸い込む空気感染や飛沫感染が主経路となる。ペストはノミによる媒介や飛沫感染など多様な経路を持つが、コレラの感染経路として最も正確に記述されているのは選択肢の通りである。
センター試験(2004年)類似
アンモニアの解毒と排出
Q14
なぜヒトなどの哺乳類は、アンモニアをそのまま排出せず、わざわざエネルギーを消費して尿素に変換してから排出するのか。その理由として最も適切なものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
アンモニアは毒性が強く、そのままでは体内に蓄積できないため。
アンモニアは細胞の代謝活動で生じるが、非常に毒性が高い。そのため、生物はアンモニアをそのまま体内に留めておくことができない。哺乳類は、エネルギーを消費してでも毒性の低い尿素に変換することで、体内の安全を確保しつつ効率的に窒素廃棄物を体外へ排出する進化を遂げた。尿素は水溶性が高く、腎臓での処理に適している。
センター試験(2012年)類似
バソプレシンの作用
Q15
大量の発汗により体液の浸透圧が上昇した際、生体内で起こる反応として最も適切なものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
バソプレシンの分泌が促進され、尿量が減少する
発汗によって体液の浸透圧が上昇すると、視床下部の浸透圧受容器がこれを感知し、脳下垂体後葉からのバソプレシン分泌を促進する。分泌されたバソプレシンは腎臓の集合管に作用して水分の再吸収を促すため、尿の生成量が減少し、体液の浸透圧を低下させて恒常性を維持しようとする。
センター試験(2005年)類似
デンプンの消化酵素
Q16
ヒトの消化管内において、デンプンを最終的にグルコースまで分解する過程で働く酵素の組み合わせとして最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
アミラーゼとマルターゼ
デンプンは多糖類であり、まず唾液や膵液に含まれるアミラーゼによってマルトース(麦芽糖)にまで分解される。その後、小腸の微絨毛に存在するマルターゼがマルトースを分解し、単糖であるグルコースへと変換する。ペプシンやペプチダーゼはタンパク質の分解に、リパーゼは脂肪の分解に関与する酵素であり、デンプンの消化には関与しない。
センター試験(2014年)類似
変態を制御する内分泌器官
Q17
カエルの変態を制御する内分泌系に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
脳下垂体から分泌されるホルモンが甲状腺を刺激し、甲状腺ホルモンの分泌を促すことで変態が誘導される。
カエルの変態は、甲状腺ホルモンによって誘導される現象である。この甲状腺ホルモンの分泌は、脳下垂体から分泌される刺激ホルモンによって調節されている。したがって、脳下垂体と甲状腺は変態を制御する内分泌系として密接に関連しており、どちらの器官が欠損しても正常な変態は進行しない。この仕組みは、動物の恒常性維持における内分泌系の階層的な制御構造の一例である。
センター試験(2006年)類似
血液の凝固
Q18
血液を試験管に入れて放置した際に生じる現象に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
血液が凝固すると、血球とフィブリンが絡み合った血餅と、上澄み液である血清に分離する。
血液凝固は、フィブリノーゲンがフィブリンに変化し、血球を絡め取って血餅を形成する現象である。この際、凝固因子が消費された後の上澄み液を血清と呼ぶ。一方、クエン酸ナトリウムなどの凝固阻止剤を加えると、凝固因子が働かなくなり、遠心分離によって血球と血漿に分離する。血漿は凝固因子を含んでいる点が血清と異なる。また、凝集は抗原抗体反応によるものであり、凝固とは原理が異なる。
センター試験(2004年)類似
腎臓による尿生成
Q19
腎臓の機能に関する記述として、誤っているものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
腎細管から原尿が生成される。
原尿が生成される場所は腎細管ではなく、糸球体からボーマンのうにかけての腎小体である。腎細管の主な役割は、原尿から必要な成分(水、グルコース、無機塩類など)を血液中に戻す再吸収である。したがって、腎細管から原尿が生成されるという記述は誤りである。
センター試験(2004年)類似
タンパク質の代謝産物
Q20
タンパク質が体内で分解・代謝される際に生じる物質のうち、デンプンや脂肪の代謝からは生じない物質として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本
具体例
正答率 —
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✅ 正解
アンモニア
タンパク質は窒素を含む有機化合物であり、分解過程でアミノ基が脱離することでアンモニアが生成されます。対照的に、デンプンはグルコースが重合した糖質であり、脂肪はグリセリンと脂肪酸からなる脂質であるため、これらは炭素、水素、酸素のみを主成分としています。したがって、これらの代謝産物には窒素を含むアンモニアは含まれません。
センター試験(2005年)類似
カルシウムとリンの生理的役割
Q21
カルシウムとリンの生体内での性質に関する記述として、誤っているものはどれか。
★★ 基本
背景
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
カルシウムとリンは、生体内で分解されてエネルギーを放出する栄養素である。
カルシウムとリンは無機質(ミネラル)であり、炭水化物や脂質、タンパク質のように体内で分解されてエネルギー源(ATP産生など)になることはありません。これらは主に骨や歯の構成成分として、生体の構造を支える役割を担っています。したがって、エネルギー源であるとする記述は誤りです。
センター試験(2005年)類似
デンプンの消化酵素
Q22
デンプンの消化に関する記述として、誤っているものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ペプシンは胃液に含まれ、デンプンを直接分解してグルコースにする。
ペプシンは胃液に含まれるタンパク質分解酵素であり、デンプンの分解には関与しない。デンプンの消化は口腔内のアミラーゼから始まり、小腸でのマルターゼによる分解を経て、最終的にグルコースとして吸収される。したがって、ペプシンがデンプンを分解するという記述は誤りである。
センター試験(2014年)類似
変態を制御する内分泌器官
Q23
オタマジャクシからカエルへの変態を人為的に阻害する実験として、最も効果的な処置はどれか。
★★★ 標準
具体例
正答率 —
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✅ 正解
脳下垂体を除去し、甲状腺への刺激伝達を遮断する。
カエルの変態には甲状腺ホルモンが不可欠である。脳下垂体は甲状腺を刺激してホルモン分泌を促す役割を担っているため、脳下垂体を除去すると甲状腺ホルモンの分泌が著しく低下し、変態が正常に進行しなくなる。他の選択肢に挙げられた副腎や肝臓、視神経は、変態の直接的な制御において脳下垂体と甲状腺の連携ほど決定的な役割を果たさない。
センター試験(2012年)類似
バソプレシンの作用
Q24
哺乳類の体液の恒常性維持において、バソプレシンが腎臓の集合管に作用した際に起こる生理現象として最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
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✅ 正解
水分の再吸収を促進し、体液の浸透圧を下げる
バソプレシンは脳下垂体後葉から分泌されるホルモンであり、腎臓の集合管における水分の再吸収を促進する働きを持つ。この作用により、尿として排出される水分量が減少し、体内に水分が保持されるため、結果として上昇していた体液の浸透圧を低下させ、正常な状態へと戻す調節が行われる。
センター試験(2013年)類似
血糖量の調節
Q25
血糖量調節において、グルカゴンが肝臓に作用した際に引き起こされる代謝変化として正しいものはどれか。
★★★ 標準
具体例
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
グリコーゲンが分解され、血中のグルコース濃度が上昇する。
グルカゴンはすい臓のA細胞から分泌されるホルモンであり、肝臓の細胞膜にある受容体に結合することで、細胞内の酵素を活性化させる。これにより、貯蔵されていたグリコーゲンがグルコースへと分解され、血液中に放出される。この結果、低下していた血糖量が正常な範囲まで上昇する。インスリンとは逆に、血糖値を上昇させる役割を担う。
センター試験(2006年)類似
血液凝固のメカニズム
Q26
血液凝固の過程において、トロンビンが触媒として働き、水溶性のタンパク質であるフィブリノーゲンを繊維状のタンパク質に変化させることで血餅を形成する。このとき生成される繊維状のタンパク質はどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
フィブリン
血液凝固の最終段階では、酵素であるトロンビンが作用して、血漿中に溶けているフィブリノーゲンを不溶性の繊維状タンパク質であるフィブリンへと変化させます。このフィブリンが網目状の構造を形成し、赤血球や血小板などの血球成分を絡め取ることで血餅が作られ、傷口が塞がれます。プロトロンビンはトロンビンの前駆体であり、ヘモグロビンは酸素運搬に関与するタンパク質です。
センター試験(2004年)類似
アンモニアの解毒と排出
Q27
タンパク質の代謝過程で生じる有害なアンモニアを、肝臓において毒性の低い尿素へと変換する一連の代謝経路の名称として最も適当なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
オルニチン回路
タンパク質やアミノ酸の代謝によって生じるアンモニアは細胞に対して強い毒性を持つ。脊椎動物の肝臓では、このアンモニアを二酸化炭素と結合させ、毒性の低い尿素に変換する代謝経路であるオルニチン回路が機能している。生成された尿素は血液によって腎臓へ運ばれ、最終的に尿として体外へ排出されることで、体内の恒常性が維持されている。
センター試験(2010年)類似
酸素解離曲線
Q28
酸素解離曲線において、ヘモグロビンとミオグロビンの特性に関する記述として最も適当なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
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✅ 正解
ヘモグロビンの曲線はS字状であり、酸素濃度が低い組織で効率よく酸素を放出する。
ヘモグロビンの酸素解離曲線はS字状を描くため、酸素濃度が低下する組織において結合割合が急激に減少し、効率よく酸素を放出する性質がある。一方、ミオグロビンの曲線は左側に寄った双曲線に近い形状であり、低い酸素濃度でも高い結合割合を維持する。このため、筋肉組織など酸素濃度が低い場所では、ヘモグロビンから離れた酸素をミオグロビンが受け取り、保持することができる。
センター試験(2011年)類似
脊椎動物のヘモグロビン
Q29
脊椎動物の体内におけるヘモグロビンの生理的役割に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本
背景
正答率 —
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✅ 正解
酸素と可逆的に結合し、全身の組織へ酸素を供給する。
ヘモグロビンは酸素濃度が高い場所で酸素と結合し、酸素濃度が低い組織で酸素を解離するという可逆的な性質を持つ。この性質により、効率的な酸素運搬が可能となっている。有機物の分解やエネルギー産生は主にミトコンドリアで行われる呼吸の過程であり、光エネルギーの利用はクロロフィルによる光合成の過程である。アントシアニンは主に植物細胞の液胞に存在する。
センター試験(2018年)類似
抗体の可変部
Q30
抗体と抗原の特異的な結合に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本
背景
正答率 —
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✅ 正解
抗体の可変部は、遺伝子の再構成により多様な立体構造をとることで特定の抗原を認識する。
抗体の特異性は、可変部のアミノ酸配列の違いによって生じる立体構造の多様性に由来します。1個のB細胞は通常1種類の抗原を認識する抗体のみを産生し、抗原と抗体の結合は非共有結合的な相互作用によるもので、ペプチド結合の切断や再結合を伴う化学変化ではありません。この特異的な認識機構により、免疫系は自己と非自己を厳密に識別し、特定の病原体を効率的に排除できます。
センター試験(2004年)類似
タンパク質の代謝産物
Q31
タンパク質の代謝過程においてアンモニアが生成される理由として、最も適切なものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
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✅ 正解
タンパク質が窒素を含むアミノ酸から構成されているため。
タンパク質はアミノ酸がペプチド結合によって連なった高分子化合物であり、アミノ酸は構造中に窒素を含むアミノ基を有しています。このため、タンパク質が体内で分解されると、窒素を含む代謝産物であるアンモニアが生成されます。デンプンや脂肪は窒素を含まないため、代謝過程でアンモニアが生じることはありません。
センター試験(2014年)類似
甲状腺ホルモンの分泌調節
Q32
甲状腺ホルモンの分泌調節における負のフィードバックに関する記述として、誤っているものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
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✅ 正解
甲状腺ホルモン濃度の上昇は、脳下垂体からの甲状腺刺激ホルモンの分泌を促進する方向に働く。
負のフィードバック機構において、甲状腺ホルモン濃度の上昇は、脳下垂体からの甲状腺刺激ホルモンの分泌を抑制する方向に働きます。したがって、分泌を促進するという記述は誤りです。この仕組みにより、ホルモン濃度が一定の範囲内に保たれる恒常性が維持されています。
センター試験(2014年)類似
海水魚の塩類排出
Q33
海水生硬骨魚が体液の恒常性を維持するために、えらの細胞で行っている塩類排出の仕組みとして最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
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✅ 正解
能動輸送を用いて、濃度勾配に逆らって塩類を体外へ排出している。
海水生硬骨魚の体液は周囲の海水よりも低張であるため、浸透によって水分が失われ、拡散によって塩類が体内に侵入してくる。この過剰な塩類を排出するため、えらの細胞はATPのエネルギーを消費する能動輸送を利用し、濃度勾配に逆らって塩類を体外へ汲み出している。これにより体液の塩分濃度を一定に保つ恒常性が維持されている。
センター試験(2004年)類似
アンモニアの解毒と排出
Q34
ヒトの体内におけるアンモニアの解毒と排出の仕組みに関する記述として、最も適切なものはどれか。
★ やさしい
具体例
正答率 —
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✅ 正解
アンモニアは肝臓で尿素に変換された後、腎臓を経て尿として排出される。
アンモニアは細胞にとって有害であるため、肝臓でオルニチン回路を用いて水溶性の尿素に変換される。この尿素は血液を介して腎臓へ運ばれ、腎臓で濾過・濃縮されて尿として体外へ排出される。他の選択肢にあるような二酸化炭素への変換や乳酸との結合による排出は、アンモニアの解毒機構としては誤りである。
センター試験(2011年)類似
交感神経と副腎髄質
Q35
動物が緊張状態にあるとき、交感神経の興奮によって刺激を受け、アドレナリンを分泌する器官として最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
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✅ 正解
副腎髄質
動物が緊急時や緊張状態に置かれると、交感神経が興奮し、その信号が副腎髄質に伝わることでアドレナリンが分泌されます。副腎皮質は糖質コルチコイドなどのホルモンを分泌する器官であり、間脳は体温調節などの中枢として機能します。アドレナリンは心拍数を高めて酸素供給を促進し、瞳孔を拡大させて視覚機能を高める役割を果たします。
センター試験(2013年)類似
自律神経系
Q36
激しい運動を行っている際の身体の状態と、自律神経系の働きに関する記述として最も適当なものはどれか。
★★★ 標準
具体例
正答率 —
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✅ 正解
交感神経の働きが優位になり、心拍数が増加して筋肉への血流量が増大する。
運動時のような緊張状態では、交感神経が優位に働く。これにより心拍数が増加し、筋肉などの活動に必要な器官へ優先的に血液が送られる。一方、副交感神経は休息時や食事時に働き、消化管の運動を促進する。自律神経系は末梢神経系であり、小脳は運動の調節や平衡感覚を司る中枢神経系の一部であるため、選択肢の記述は誤りである。
センター試験(2011年)類似
血糖濃度を上昇させるホルモン
Q37
血糖濃度を上昇させるホルモンの作用機序に関する記述として、最も適当なものを次のうちから一つ選べ。
★★★ 標準
背景
正答率 —
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✅ 正解
グルカゴンは、肝臓においてグリコーゲンをグルコースに分解する反応を促進する。
グルカゴンは肝臓の細胞膜にある受容体に結合し、細胞内の代謝経路を活性化することでグリコーゲンの分解を促進する。分解されたグルコースは血液中に放出され、血糖濃度が上昇する。インスリンは逆に細胞へのグルコース取り込みを促進して血糖値を下げる。アドレナリンは主に筋肉や肝臓に作用するが、筋肉で分解されたグリコーゲンは直接血糖上昇には寄与しない。
センター試験(2012年)類似
水生動物の浸透圧調節と環境
Q38
サケが海と川を行き来する際、浸透圧を一定に保つために行う生理的な適応として最も適切なものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
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✅ 正解
鰓での塩分吸収と排出の方向を切り替える
サケのような回遊魚は、淡水域と海水域という浸透圧環境が大きく異なる場所を移動する。淡水では体液よりも周囲の浸透圧が低いため塩分を吸収し、海水では体液よりも周囲の浸透圧が高いため塩分を排出する必要がある。この調節を担う主要な器官が鰓であり、環境に応じて塩分輸送の方向を切り替えることで、体液の浸透圧を恒常的に維持している。
センター試験(2014年)類似
甲状腺ホルモンと糖質コルチコイドによる変態誘導
Q39
アフリカツメガエルの尾部片を用いた培養実験において、甲状腺ホルモンと糖質コルチコイドを添加した際の尾部片の面積変化について、正しい記述はどれか。
★★★ 標準
具体例
正答率 —
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✅ 正解
両ホルモンを添加した群は、無添加の対照群と比較して、培養日数に伴う尾部片の面積減少が最も著しい。
変態誘導におけるホルモンの協調作用を示す実験では、対照群(ホルモンなし)では尾部片の退縮はほとんど起こりません。一方、甲状腺ホルモンや糖質コルチコイドを添加すると退縮が誘導されます。特に両者を同時に添加した場合は、単独添加時よりも相乗的あるいは相加的に作用が強まり、尾部片の面積減少が最も速く、かつ顕著に進行することが確認されています。
センター試験(2004年)類似
タンパク質の代謝産物
Q40
タンパク質、デンプン、および脂肪が体内で代謝される過程に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
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✅ 正解
タンパク質の代謝産物には窒素を含むアンモニアが含まれるが、デンプンや脂肪の代謝産物には含まれない。
タンパク質は炭素、水素、酸素に加えて窒素を構成元素として含むため、その代謝過程で窒素を含むアンモニアやアミノ酸が生成されます。一方、デンプンや脂肪は主に炭素、水素、酸素から構成されており、窒素を含まないため、代謝産物としてアンモニアが生じることはありません。この違いは、生体内の物質代謝における元素組成の特異性に起因しています。
センター試験(2013年)類似
血糖量の調節
Q41
血糖量が低下した際、生体内で起こる調節機構として最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
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✅ 正解
視床下部が低下を感知し、交感神経を介してすい臓のA細胞からグルカゴンを分泌させる。
血糖量の調節は、間脳の視床下部が中枢となって行われる。血糖値が低下すると、視床下部がこれを感知して交感神経を興奮させ、すい臓のランゲルハンス島A細胞に働きかけてグルカゴンの分泌を促進する。グルカゴンは肝臓におけるグリコーゲンの分解を促し、血中にグルコースを放出させることで血糖値を上昇させる。脳下垂体や副交感神経、B細胞によるインスリン分泌は、血糖値上昇時の調節に関与する。
センター試験(2013年)類似
糸球体
Q42
糸球体からボーマンのうへ血液成分が濾過される現象の背景にある原理として、最も適切なものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
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✅ 正解
毛細血管内の血圧による物理的な濾過
糸球体での原尿生成は、エネルギーを消費する能動輸送ではなく、心臓の拍動によって生じる高い血圧を利用した物理的な濾過である。輸入細動脈の径が輸出細動脈の径よりも太いため、糸球体内部の血圧が高く保たれ、効率的に濾過が行われる仕組みになっている。この過程で生成された原尿は、その後の細尿管で必要な成分が再吸収される。
センター試験(2017年)類似
ペプチドホルモンのシグナル伝達
Q43
ペプチドホルモンの作用機序に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
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✅ 正解
ペプチドホルモンは細胞膜上の受容体に結合し、細胞内の情報伝達分子の量を変化させることで作用する。
ペプチドホルモンは親水性が高く、脂質二重層からなる細胞膜を直接通過することができない。そのため、細胞膜表面に存在する受容体タンパク質に結合し、その情報を細胞内へ伝える必要がある。この結合により、細胞内の二次メッセンジャーの濃度変化や、酵素のリン酸化状態の変化が引き起こされ、細胞の応答が誘導される。
センター試験(2005年)類似
低血糖時の調節反応
Q44
低血糖時における血糖値上昇の調節経路に関する記述として、誤っているものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
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✅ 正解
血糖値の調節には、副交感神経によるインスリン分泌の抑制が主導的な役割を果たす
血糖値の低下時には、交感神経の興奮によるグルカゴンやアドレナリンなどの分泌促進が主導的な役割を果たします。副交感神経は主に消化吸収を促進し、インスリン分泌を促す方向に働くため、低血糖時の調節機構としては誤りです。また、間脳視床下部は自律神経の中枢として血糖値の監視と調節指令において極めて重要な機能を果たしています。
センター試験(2011年)類似
血糖濃度を上昇させるホルモン
Q45
動物の体内において、肝臓に貯蔵されたグリコーゲンの分解を促進し、血糖濃度を上昇させる働きを持つホルモンの組み合わせとして最も適当なものを、次のうちから一つ選べ。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
グルカゴンとアドレナリン
グルカゴンはすい臓のランゲルハンス島A細胞から分泌され、アドレナリンは副腎髄質から分泌される。両者とも肝臓でのグリコーゲン分解を促進し、血糖濃度を上昇させる作用を持つ。一方、インスリンは血糖濃度を低下させる唯一のホルモンである。アセチルコリンは神経伝達物質であり、パラトルモンは血中のカルシウム濃度調節、バソプレシンは腎臓での水分の再吸収に関与する。
センター試験(2006年)類似
血液の成分分離
Q46
血液に凝固阻止剤を加えて静置した際、重力によって沈殿する成分と、上澄みとして残る液体成分の組み合わせとして最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
沈殿:有形成分、上澄み:血漿
血液にクエン酸ナトリウムなどの凝固阻止剤を加えると、血液凝固反応が抑制されます。この状態で静置すると、赤血球、白血球、血小板からなる有形成分は密度が高いため容器の底部に沈殿し、上澄みには凝固因子を含む液体成分である血漿が残ります。一方、凝固阻止剤を加えない場合は血液が凝固し、凝固因子が消費された後の液体成分である血清が得られます。
センター試験(2005年)類似
感染症の分類
Q47
次の感染症のうち、病原体がウイルスであるものの組み合わせとして、最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
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✅ 正解
はしか、日本脳炎、エイズ
感染症は病原体の種類によって分類される。はしか(麻疹)、日本脳炎、エイズ(後天性免疫不全症候群)は、いずれもウイルスを病原体とする感染症である。一方、結核は結核菌、破傷風は破傷風菌、コレラはコレラ菌という細菌を病原体とする。ウイルスは細胞を持たず、宿主細胞内で増殖する性質があるのに対し、細菌は単細胞生物であり、自ら分裂して増殖する点が大きく異なる。
センター試験(2012年)類似
海水産硬骨魚の浸透圧調節
Q48
海水産硬骨魚の腎臓における尿の生成に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★★ 標準
具体例
正答率 —
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✅ 正解
水分損失を抑えるために、少量の高張な尿を排出する。
海水産硬骨魚は周囲の海水よりも体液の浸透圧が低いため、常に水分が体外へ奪われるリスクにさらされている。そのため、腎臓での水分再吸収を促進し、尿量を極限まで減らすことで体液の恒常性を保っている。この際、排出される尿は体液に対して高張となる性質を持つ。
センター試験(2012年)類似
血液凝固の仕組み
Q49
血液凝固において、フィブリンが網目状に広がり血餅を形成する生理的意義として最も適切なものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
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✅ 正解
血球成分を絡め取り、物理的に出血を止めるため。
フィブリンは繊維状のタンパク質であり、これが網目状に広がることで、流出する血液中の血球成分を物理的に捕捉します。この構造体が血餅となり、傷口を塞ぐことで止血が行われます。これは生体防御の重要なメカニズムであり、栄養補給や血流促進、炎症の抑制とは異なる目的で機能しています。
センター試験(2006年)類似
栄養素の分類
Q50
生体内の代謝や血液の成分に関連する物質のうち、食品成分表における主要な栄養素の分類に含まれないものはどれか。
★★★ 標準
具体例
正答率 —
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✅ 正解
クエン酸
食品の栄養成分表示における主要な分類は、水分、タンパク質、脂質、炭水化物、および無機塩類やビタミン類です。クエン酸はクエン酸回路における重要な代謝中間産物ですが、食品の栄養素分類としては主要な項目には該当しません。無機塩類は微量ながら生体機能に不可欠な栄養素として分類されます。
センター試験(2008年)類似
心臓の拍動と化学物質
Q51
心臓の拍動を抑制する神経刺激を受けた心臓から採取した溶液を、別の心臓に与えた場合、その心臓の拍動はどう変化するか。
★★ 基本
具体例
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
拍動が遅くなる
この実験は、神経刺激が心臓の拍動を抑制する化学物質(神経伝達物質)を放出することを示したレーヴィの実験として知られています。この化学物質は溶液中に溶け出し、別の心臓に作用しても同様の抑制効果をもたらします。これは神経伝達が電気的な信号だけでなく、化学物質を介した液性因子によっても制御されていることを証明する重要な知見です。
生殖と発生(87問)の一問一答問題
センター試験(2007年)類似
ウニの卵割
Q1
ウニの発生過程において、受精卵が卵割を繰り返して桑実胚を経て胞胚に至るまでの特徴として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
卵割が進むにつれて、各割球の大きさはほぼ均等に小さくなる。
ウニの卵は卵黄が均一に分布する等黄卵であるため、卵割によって生じる割球の大きさはほぼ均等である。卵割期には細胞分裂の合間に細胞の成長が伴わないため、分裂を繰り返すたびに細胞の総数は増えるが、個々の細胞の大きさは小さくなっていく。カエルの卵のような端黄卵では、卵黄の分布の偏りにより割球の大きさに差が生じるが、ウニではそのような現象は見られない。
センター試験(2008年)類似
ウニの卵の発生特性
Q2
ウニの卵の発生に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
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✅ 正解
ウニの卵は調節卵であり、2細胞期に割球を分離しても、それぞれの割球から完全なプルテウス幼生が発生する。
ウニの卵は典型的な調節卵である。調節卵とは、発生の初期段階において割球を分離しても、それぞれの割球が正常な胚へと発生する能力を持つ卵のことである。これに対し、ホヤの卵のように割球を分離すると特定の部位を欠いた胚になる卵はモザイク卵と呼ばれる。ウニの場合、2細胞期に分離しても、それぞれの割球から完全なプルテウス幼生が形成されることが実験的に示されている。
センター試験(2012年)類似
無性生殖
Q3
多細胞生物における無性生殖の具体例として、植物の栄養器官(根、茎、葉など)から新しい個体が生じる現象を何と呼ぶか。
★★ 基本
具体例
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
栄養生殖
植物が根、茎、葉などの栄養器官から新しい個体をつくる無性生殖の方法を栄養生殖と呼びます。出芽は親の体の一部が膨らんで新しい個体になる方法(ヒドラや酵母など)であり、分裂は細胞が分かれる方法(アメーバやゾウリムシなど)です。これらはすべて、配偶子の合体を伴わない無性生殖の一形態として分類されます。
センター試験(2005年)類似
胎児の発生過程
Q4
ヒトの発生過程において、受精後8週目頃の胎児の身体的特徴として最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
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✅ 正解
身長に対する頭の大きさの割合が約4分の1である
ヒトの発生初期においては、脳をはじめとする中枢神経系が他の器官に先駆けて急速に発達する。そのため、受精後8週目頃の胎児は、体全体に対して頭部が占める割合が非常に大きく、身長のおよそ4分の1に達する。この時期を過ぎると、相対的に体幹や四肢の成長が顕著になり、頭部の割合は徐々に低下していく。
センター試験(2012年)類似
無性生殖
Q5
無性生殖が有性生殖と比較して、生物の生存戦略上どのような特徴を持つかについて述べた文として最も適当なものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
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✅ 正解
配偶子を探す必要がなく、短期間で効率的に個体数を増やすことができる。
無性生殖は、配偶子を形成したり、相手を探して交配したりするコストがかからないため、環境が安定している条件下では短期間で効率的に個体数を増やすことができます。しかし、遺伝的な多様性が生じにくいため、環境が急激に変化した場合や新しい病原体が出現した場合には、集団全体が全滅するリスクを伴うという側面もあります。
センター試験(2015年)類似
タンパク質Yの機能
Q6
発生過程において、タンパク質Yがタンパク質Xの働きを抑制することで生じる生物学的な意義として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
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✅ 正解
分化能Mを持つ割球の範囲を適切に制限する
タンパク質Yは、タンパク質Xの働きを抑制する因子として機能します。実験においてタンパク質Yを欠損させると分化能Mを持つ領域が拡大することから、タンパク質Yの本来の役割は、タンパク質Xの作用を抑えることで分化能Mを持つ細胞の分布範囲を限定し、正常な発生パターンを維持することであると結論付けられます。
センター試験(2011年)類似
ウニの卵割
Q7
ウニの卵割に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
細胞の大きさは分裂ごとに小さくなり、核あたりのDNA量は分裂周期ごとに倍加と半減を繰り返す。
ウニの卵割では、胚全体の大きさは変わらないまま細胞質分裂を繰り返すため、個々の細胞の大きさは次第に小さくなる。一方で、細胞分裂の準備期である間期にはDNAの複製が行われるため、核あたりのDNA量は分裂前に倍加し、分裂によって娘細胞に分配されることで元の量に半減するというサイクルを繰り返す。
センター試験(2007年)類似
被子植物の花粉
Q8
被子植物の生殖過程における花粉母細胞と減数分裂に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
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✅ 正解
花粉母細胞は2倍体であり、減数分裂を経て半数体の花粉四分子を生じる。
被子植物の花粉形成において、葯の中にある花粉母細胞は2倍体(2n)の細胞である。これが減数分裂を行うことで、染色体数が半減した半数体(n)の花粉四分子が生じる。その後、花粉四分子はそれぞれ個別の花粉へと成熟する。一方、受精によって生じる胚は、精細胞(n)と卵細胞(n)が融合するため2倍体(2n)となり、花粉母細胞の染色体数と等しくなる。
センター試験(2004年)類似
予定運命の誘導
Q9
ウニの発生において、16細胞期の胚から小割球を分離し、中割球と組み合わせた際に観察される現象として最も適切なものはどれか。
★★★ 標準
具体例
正答率 —
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✅ 正解
小割球が中割球に対して働きかけ、中割球の予定運命を変化させて内胚葉を誘導する。
ウニの発生において、小割球は胚の極性を決定し、隣接する細胞に対して誘導能を持つことが知られています。実験的に小割球を中割球と組み合わせると、本来は別の組織になるはずの中割球が小割球からのシグナルを受け取り、内胚葉へと分化する運命転換が起こります。これは発生における細胞間相互作用の典型的な例であり、予定運命の誘導と呼ばれます。
センター試験(2016年)類似
タンパク質による発生運命の決定
Q10
野生型の4細胞期胚において、分化能Mを持つ割球が形成されるために必要な条件として最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
タンパク質Xとタンパク質Yの両方がその割球に共存すること
発生過程において、特定の分化能を持つ細胞の運命決定には、細胞内のタンパク質の局在が重要な役割を果たす。本事例では、タンパク質Xとタンパク質Yが重なって存在する領域と、分化能Mを持つ割球の分布が一致している。突然変異体を用いた解析により、いずれか一方のタンパク質が欠損すると分化能を持つ割球が形成されないことから、両者の共存が分化能の獲得に必須であると結論付けられる。
センター試験(2010年)類似
減数分裂における染色体数
Q11
テッポウユリの体細胞の染色体数が24本であるとき、減数分裂の第一分裂中期および第二分裂中期に細胞内で観察される染色体数の組み合わせとして最も適当なものはどれか。
★★ 基本
具体例
正答率 —
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✅ 正解
第一分裂中期:24本、第二分裂中期:12本
テッポウユリの体細胞の染色体数は24本であり、これは相同染色体が対になった状態である。減数分裂の第一分裂中期では、相同染色体が対合した状態で赤道面に並ぶため、染色体数は24本のまま維持される。その後、第一分裂で相同染色体が分離し、娘細胞の染色体数は半数となる。したがって、第二分裂中期には12本の染色体が赤道面に並ぶことになる。
センター試験(2006年)類似
受精のメカニズム
Q12
ヒトの受精において、精子の核が卵の核と合体するタイミングとして最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
二次卵母細胞が減数第二分裂を完了し、卵として成熟した後
ヒトの受精では、精子は減数第二分裂の中期で停止している二次卵母細胞に侵入する。その後、精子の刺激を受けて二次卵母細胞が減数第二分裂を完了し、卵として成熟した段階で、精子の核と卵の核が合体する。この過程を経て、受精卵は正常な二倍体の染色体数を持つことになる。
センター試験(2015年)類似
タンパク質Yの機能
Q13
発生過程におけるタンパク質Xとタンパク質Yの相互作用に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
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✅ 正解
タンパク質Yは、タンパク質Xの働きを抑制することで、特定の細胞群の分化能を空間的に限定している
発生における細胞の分化や領域の決定には、特定の因子の働きを抑制する制御機構が重要です。本事例では、タンパク質Yがタンパク質Xの働きを抑制することで、分化能Mを持つ細胞の範囲を適切に制御しています。これは発生過程において、特定の領域で細胞の性質を維持または制限するための典型的な制御様式です。
センター試験(2013年)類似
ウニの受精と受精膜の形成
Q14
ウニの受精において、精子の侵入に伴う卵内カルシウム濃度の上昇と受精膜の形成に関する記述として最も適当なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
卵内カルシウム濃度の上昇が引き金となって受精膜が形成される。
ウニの受精では、精子が卵に侵入すると、卵細胞内のカルシウムイオン濃度が急激に上昇する。この濃度上昇がシグナルとなり、卵表層の表層粒が放出されることで受精膜が形成される。実験的にカルシウム濃度の上昇を阻害すると受精膜の形成が起こらないことから、この濃度上昇は受精膜形成に必須のプロセスである。
センター試験(2006年)類似
器官の形成と成長
Q15
ヒトの個体発生において、受精後から出生までの期間に基本的な形態が形成されるものの、生殖機能として成熟するのは思春期以降である器官はどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
精巣
ヒトの発生過程において、精巣は胎児期の比較的初期に基本的な解剖学的構造が形成されます。しかし、精子形成や男性ホルモンの分泌といった生殖機能が本格的に成熟するのは、出生後から長い期間を経て、第二次性徴が現れる思春期以降となります。他の選択肢であるすい臓や腎臓、大脳などは、出生時にはすでに機能的な成熟が進んでおり、思春期を待たずに生命維持や代謝の主要な役割を担っています。
センター試験(2009年)類似
精子のDNA量
Q16
ある生物の肝臓細胞の核1個当たりのDNA量が6.6であるとき、減数分裂を経て形成された精子の核1個当たりのDNA量として最も妥当な数値はどれか。
★ やさしい
具体例
正答率 —
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✅ 正解
3.3
体細胞である肝臓の細胞は、減数分裂を行わないため2nのDNA量を持つ。一方、精子は減数分裂を経て形成されるため、そのDNA量は体細胞の半分(n)になる。したがって、肝臓細胞のDNA量が6.6であれば、精子のDNA量はその半分の値である3.3となる。
センター試験(2017年)類似
棘皮動物の発生
Q17
ヒトデなどの棘皮動物の発生過程において、原腸胚の原口が将来どのような器官になるか、最も適切なものを選べ。
★★ 基本
基礎
正答率 —
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✅ 正解
肛門
ヒトデなどの棘皮動物は、発生の過程で原口が肛門になる新口動物に分類される。これに対し、節足動物や軟体動物などの旧口動物では、原口が将来の口となる。この発生様式の違いは、動物の系統進化を考える上で重要な指標であり、棘皮動物は脊椎動物と同じ新口動物のグループに含まれる。
共通テスト(2021年)類似
眼の形成とタンパク質Xの空間的分布
Q18
発生の過程でタンパク質Xの分布領域が消失した場合、脊椎動物の胚においてどのような眼の形成異常が起こると予想されるか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
眼の領域が融合し、中央に一つだけ眼が形成される
タンパク質Xは眼の領域を左右に分ける境界としての役割を担っています。このタンパク質が正中線付近に存在することで、眼の領域が左右に分離されます。したがって、このタンパク質の分布領域が消失すると、本来分断されるべき領域が融合してしまい、結果として中央に単一の眼を持つ個体が形成されることになります。これは発生学における位置情報の重要性を示す典型的な例です。
センター試験(2011年)類似
動物の精子
Q19
動物の精子の構造と機能について、誤っている記述はどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
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✅ 正解
精子は形成された直後に細胞分裂を行い、複数の精子へと分化する。
精子は減数分裂を経て形成された後の最終的な細胞形態であり、形成後にさらに細胞分裂を行うことはない。精子は核を保持して遺伝情報を運び、ミトコンドリアで生成したATPを用いて鞭毛を動かし、卵へと到達する。減数分裂の結果、染色体数は体細胞の半分(n)となる。
センター試験(2010年)類似
胚の誘導
Q20
両生類の初期胚において、中胚葉への分化を促す誘導作用を担う細胞群が存在する領域として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本
具体例
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
背側の細胞
両生類の発生において、原口背唇部を含む背側の細胞は、周囲の細胞に対して中胚葉や神経への分化を促す誘導作用を持つ。この領域を移植すると、移植先で二次胚が形成されることが知られている。腹側の細胞にはこのような強力な誘導能は見られない。
センター試験(2020年)類似
花器官形成のABCモデル
Q21
ABCモデルにおけるBクラス遺伝子の機能が完全に失われた無弁花変異体において、花器官の配置が外側から順にどのようになるか、最も適切なものはどれか。
★★★★★ 最難
背景
正答率 —
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✅ 正解
がく片、がく片、めしべ、めしべ
Bクラス遺伝子は、花弁とおしべの形成を制御する。この遺伝子が機能しない場合、Bクラスが関与するはずの領域でAクラスのみ、あるいはCクラスのみが働くことになる。その結果、本来花弁ができる領域はがく片に、おしべができる領域はめしべに置き換わり、がく片、がく片、めしべ、めしべの順で配置される。
共通テスト(2021年)類似
形成体の移植
Q22
脊椎動物の発生における形成体の移植実験に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
移植された組織は、周囲の細胞に対して分化を促すシグナルを送ることで器官形成を誘導する。
形成体による誘導は、移植された組織が周囲の未分化な細胞に対して特定の分化を促すシグナルを放出することで成立する。このプロセスは細胞間の相互作用によるものであり、分化運命が固定されているわけではなく、周囲の環境からのシグナルによって柔軟に決定される。この実験は、発生における細胞間のシグナル伝達の重要性を明らかにした重要な知見である。
センター試験(2010年)類似
減数分裂の進行速度
Q23
テッポウユリのつぼみの成長に伴う減数分裂の進行について、葯と胚珠の比較として最も適切なものはどれか。
★★★ 標準
具体例
正答率 —
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✅ 正解
葯では比較的短い期間で減数分裂が完了するのに対し、胚珠ではより長い期間をかけて減数分裂が進行する。
テッポウユリの減数分裂の観察において、葯ではつぼみの長さが10mmから30mmという比較的短い成長過程で分裂が完了する。一方、胚珠では10mmから170mmという長い成長過程にわたって各段階の分裂が観察される。このことから、葯と胚珠では減数分裂の進行速度や期間に明確な差があることがわかる。生物の発生過程において、器官ごとに分裂のタイミングや速度が異なることは、個体形成の調節において重要な意味を持つ。
センター試験(2017年)類似
棘皮動物の発生
Q24
動物の発生様式に関する記述として、最も適切なものを選べ。
★★★ 標準
背景
正答率 —
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✅ 正解
脊椎動物は新口動物であり、原口は肛門になる。
動物の系統分類において、新口動物には棘皮動物や脊椎動物が含まれる。新口動物の発生では、原腸胚の原口が将来の肛門となり、その反対側に新たに口が形成される。一方、旧口動物には節足動物や軟体動物などが含まれ、これらは原口がそのまま口になるという特徴を持つ。
共通テスト(2022年)類似
細胞間相互作用による分化誘導
Q25
ショウジョウバエの複眼における光受容細胞R7の分化誘導に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
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✅ 正解
R7の分化には、隣接する細胞から供給されるタンパク質が、R7細胞表面の受容体に結合してシグナルを伝達することが必要である。
ショウジョウバエの複眼形成において、R7細胞の分化は隣接するR8細胞などから供給されるシグナル分子が、R7細胞表面の受容体に結合することで誘導される。この細胞間相互作用による分化誘導は、発生生物学における典型的なシグナル伝達の例であり、受容体タンパク質が細胞外からの情報を細胞内に伝えることで、特定の遺伝子発現を制御し、細胞の運命を決定する。
センター試験(2012年)類似
被子植物の重複受精
Q26
被子植物の受精が完了した後、子房の各部位は成熟して果実となる。このとき、子房壁が発達して形成される組織はどれか。
★★ 基本
具体例
正答率 —
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✅ 正解
果皮
被子植物において、受精後の子房は果実へと発達する。この際、子房壁は果実の外壁である果皮へと変化する。なお、種子の外皮となるのは珠皮であり、果皮とは起源が異なる。助細胞は受精を補助する役割を終えると消失するため、果実の構成要素にはならない。
センター試験(2017年)類似
水晶体分化の誘導
Q27
脊椎動物の眼の発生過程において、眼杯が予定水晶体領域に接触することで水晶体への分化が引き起こされる現象を何と呼ぶか。
★ やさしい
基礎
正答率 —
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✅ 正解
分化誘導
発生過程において、ある細胞群が隣接する細胞群に働きかけ、特定の方向へ分化させる現象を分化誘導と呼ぶ。眼の発生では、間脳から突出した眼杯が表皮の一部である予定水晶体領域に接触することで、水晶体への分化が誘導される。このプロセスには、誘導する側の組織と、それに応答する側の組織の両方が正常に機能することが不可欠である。
共通テスト(2022年)類似
種子の構造と発芽
Q28
種子の休眠と発芽の制御に関する記述として誤っているものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
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✅ 正解
アブシシン酸は種子の発芽を促進する働きを持つため、含有量が多いほど発芽しやすい。
アブシシン酸は種子の発芽を抑制する植物ホルモンであり、種子の休眠を維持する役割を担う。したがって、アブシシン酸の含有量が多いほど発芽は抑制され、発芽しにくい状態となる。種子の休眠は、不適当な環境下での発芽を防ぎ、生存確率を高めるための重要な適応戦略である。発芽には、休眠の打破と十分な水分吸収、温度や酸素などの適切な環境条件が不可欠である。
センター試験(2005年)類似
根の成長領域における細胞の大きさ
Q29
植物の根の成長において、根の先端から基部に向かって表皮細胞のサイズが変化する様子として最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
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✅ 正解
先端部から基部に向かって、表皮細胞のサイズは段階的に大きくなる。
根の先端付近には細胞分裂が活発な分裂組織があり、そこでは細胞は比較的小さい。その領域から基部に向かって細胞が伸長・肥大する領域へと移行するため、根の表面に付けた印の間隔は基部側ほど広くなる。この成長過程により、根の先端から基部に向かって表皮細胞のサイズは順次大きくなるという特徴が見られる。
センター試験(2017年)類似
眼杯の誘導能力
Q30
眼杯による水晶体誘導のメカニズムに関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
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✅ 正解
眼杯から分泌される誘導物質が、予定水晶体領域の細胞の遺伝子発現を変化させる。
発生における誘導は、主に誘導組織から分泌されるタンパク質などのシグナル分子が、標的細胞の受容体に結合し、細胞内のシグナル伝達経路を介して特定の遺伝子の転写を活性化または抑制することで進行する。これにより、標的細胞の分化の方向性が決定される。
共通テスト(2022年)類似
被子植物の共通特徴
Q31
被子植物が他の植物群と区別される分類上の決定的な特徴として、正しいものはどれか。
★★ 基本
背景
正答率 —
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✅ 正解
胚珠が子房に包まれていること。
被子植物の名称は、胚珠が子房に「被(おお)われている」ことに由来します。クチクラ層は乾燥を防ぐために多くの陸上植物が備えており、クロロフィルaとbの保持や維管束の分化も被子植物固有の特徴ではありません。したがって、胚珠が子房に包まれているという構造こそが、被子植物を他の植物群から明確に区別する定義となります。
センター試験(2008年)類似
花粉管の伸長速度と切断時期
Q32
被子植物の花粉管の伸長に関する実験において、花粉管の伸長速度が一定で毎分40マイクロメートルであると仮定する。この花粉管が柱頭から胚珠までの距離1センチメートルを伸長し終えるために必要な時間として、最も適切なものはどれか。
★★★ 標準
具体例
正答率 —
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✅ 正解
4時間
花粉管の伸長に必要な時間は、距離を伸長速度で割ることで求められる。1センチメートルは10000マイクロメートルであるため、10000マイクロメートルを毎分40マイクロメートルで割ると250分となる。250分を時間単位に換算すると4時間10分となり、選択肢の中で最も近い値は4時間である。
センター試験(2015年)類似
ウニの受精後の発生
Q33
ウニの受精プロセスに関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本
具体例
正答率 —
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✅ 正解
精子の侵入後、受精膜が形成されることで多精拒否が起こる。
ウニの受精において、受精膜の形成は精子の侵入直後に起こる極めて速い反応です。この反応は、複数の精子が卵に侵入する「多精」を防ぐための重要な防御機構であり、発生の初期段階で正常な倍数性を維持するために不可欠です。他の選択肢にあるような卵細胞膜の溶解や、卵割後の形成といった説明は誤りです。
共通テスト(2026年)類似
タンパク質間の相互作用による調節
Q34
ショウジョウバエの初期発生において、タンパク質Bがタンパク質CのmRNAの翻訳を阻害することで濃度勾配が形成される現象について、最も適切な説明はどれか。
★★★ 標準
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
タンパク質Bはタンパク質CのmRNAと結合し、リボソームによるタンパク質合成の過程を抑制する。
ショウジョウバエの発生過程では、特定のタンパク質が他のタンパク質の翻訳を抑制することで、空間的な濃度勾配が形成されます。翻訳阻害とは、mRNAからタンパク質が合成される過程を物理的に阻害することを指し、mRNAそのものを分解する作用とは区別されます。この機構により、タンパク質Bの濃度が高い部位ではタンパク質Cの合成が抑えられ、発生に必要な空間的なパターンが決定されます。
センター試験(2011年)類似
被子植物の受精
Q35
被子植物の重複受精において、精細胞が融合する対象として正しい組み合わせはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
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✅ 正解
卵細胞と中央細胞
被子植物特有の重複受精では、2個の精細胞のうち一方が卵細胞と融合して受精卵となり、もう一方が中央細胞の2個の極核(または融合核)と融合して胚乳となる。この過程により、胚と胚乳が同時に形成される。助細胞や反足細胞は受精の過程で退化することが多く、精細胞との融合には関与しない。
センター試験(2007年)類似
被子植物の胚乳の遺伝
Q36
被子植物の重複受精によって形成される胚乳の染色体数および遺伝的構成に関する記述として、最も適当なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
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✅ 正解
胚乳核は、2個の極核と1個の精細胞が融合するため、相同染色体を3本ずつ持つ3倍体である。
被子植物の重複受精では、1個の精細胞が卵細胞と受精して胚(2倍体)となり、もう1個の精細胞が2個の極核と受精して胚乳(3倍体)となる。胚乳核は、精細胞由来の1セットと極核由来の2セットの計3セットの染色体を持つ。対立遺伝子Aとaに注目すると、精細胞がAまたはa、極核(AA, Aa, aa)の組み合わせにより、AAA, AAa, Aaa, aaaの4通りの遺伝子型が生じる。
センター試験(2008年)類似
ホヤの卵割様式
Q37
ホヤの8細胞期の胚において、特定の割球を分離して培養した際に観察される現象として最も適切なものはどれか。
★★★ 標準
具体例
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
分離した割球は、本来形成されるはずの組織のみを分化させる。
ホヤの卵はモザイク卵であり、割球の運命は発生の極めて早い段階で決定されている。このため、8細胞期の胚から特定の割球を分離しても、その割球は他の細胞からの影響を受けずに、あらかじめ決められた運命に従って特定の組織へと分化する。この性質により、分離された割球からは完全な胚は形成されない。
センター試験(2006年)類似
受精の過程
Q38
ヒトの受精から発生初期にかけての現象として、時系列順に正しいものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
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✅ 正解
排卵 → 精子侵入 → 減数分裂完了 → 両核融合 → 卵割
ヒトの卵は排卵時には減数分裂の途中で停止している。精子が卵に侵入する刺激によって減数分裂が完了し、精子由来の核と卵由来の核が融合する両核融合が起こる。その後、受精卵は細胞分裂である卵割を開始する。この一連のプロセスは発生学における基本的な順序であり、精子の侵入が減数分裂完了のトリガーとなる点が重要である。
センター試験(2007年)類似
被子植物の花粉
Q39
ある被子植物において、花粉母細胞の染色体数が20本であるとき、その植物の花粉に含まれる核の染色体数として正しいものはどれか。
★★ 基本
具体例
正答率 —
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✅ 正解
10本
花粉母細胞は減数分裂を行うことで、染色体数が半減した配偶子を形成するための準備段階に入る。花粉母細胞が2倍体(2n=20)である場合、減数分裂の結果生じる花粉(配偶体)の細胞は半数体(n)となる。したがって、染色体数は20の半分である10本となる。
センター試験(2007年)類似
カエルの後期神経胚
Q40
カエルの発生過程における後期神経胚の構造に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
中胚葉由来の脊索や体節が分化し、内胚葉由来の腸管が形成されている。
後期神経胚は、原腸胚期を経て形成される段階であり、中胚葉が脊索や体節へと分化し、内胚葉が腸管を形成する重要な時期である。神経管は神経板が陥入して形成されるが、この時期にはまだ神経管の閉鎖が進行中である場合も多い。胞胚腔や卵割腔は発生の初期段階で消失または縮小しており、後期神経胚の主要な特徴ではない。
共通テスト(2024年)類似
有性生殖の特徴
Q41
有性生殖が生物の進化や生存において持つ利点として、最も適切な説明はどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
減数分裂による遺伝情報の組み替えにより、環境変化に対する適応の幅が広がる。
有性生殖の最大の利点は、減数分裂と受精を通じて遺伝的な多様性が生み出されることにある。環境が変化した際、集団内に多様な遺伝的構成を持つ個体が存在することで、一部の個体が生き残り、種としての絶滅を防ぐことができる。無性生殖は親のクローンを作るため、環境変化に対して集団全体が脆弱になる可能性がある。
センター試験(2004年)類似
原腸胚
Q42
ウニの発生において、胞胚から原腸胚へと移行する際に起こる、胚の細胞群が胚の内部に向かって移動する現象を何というか。
★★ 基本
背景
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
陥入
胞胚の内部に生じた隙間(胞胚腔)に向かって、胚の表面の細胞群が内側へ入り込む現象を陥入と呼びます。このプロセスによって、将来の消化管となる原腸が形成されます。卵割は受精卵が細胞分裂を繰り返す過程であり、分化は細胞が特定の機能を持つようになる過程を指します。
センター試験(2009年)類似
雌雄異株の植物
Q43
植物の生殖様式および雌雄の別に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
イチョウは雌雄異株であり、ナズナは雌雄同株である。
イチョウは裸子植物であり、雄株と雌株が分かれる雌雄異株の代表例である。一方、ナズナは被子植物であり、一つの個体に雄しべと雌しべを持つ雌雄同株である。ジャガイモは塊茎による栄養生殖という無性生殖を行うことが可能であり、トウモロコシは一つの個体に雄花と雌花をつける雌雄同株の植物である。したがって、最初の選択肢が生物学的事実として正しい。
センター試験(2013年)類似
受精膜形成の所要時間
Q44
ウニの受精において、精子が卵に接触した後に卵内カルシウム濃度が上昇し、その後低下して受精膜の形成が完了するまでに要する標準的な時間はどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
約90秒
ウニの受精過程では、精子の侵入をきっかけに卵内のカルシウム濃度が急激に上昇し、これが引き金となって皮層顆粒の放出が起こり、受精膜が形成されます。このカルシウム濃度の上昇から低下に至る一連の反応は、精子を加えてから約90秒後には完了し、受精膜の形成もこの時間経過とともに終了します。したがって、すべての卵で受精膜が完成している状態を考える場合、約90秒という時間が基準となります。
センター試験(2013年)類似
多細胞生物の特性
Q45
多細胞生物の特性に関する記述として、最も適切なものを選べ。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
多細胞生物の体は、特定の機能を持つ組織や器官が分化して構成されている。
多細胞生物は、単なる細胞の集合体ではなく、細胞が分化して組織や器官を形成し、個体として統合された機能を持つ。無性生殖を行う多細胞生物(植物の栄養生殖など)は存在するため、有性生殖のみを行うという記述は誤りである。また、ヒトの赤血球のように成熟過程で核を失う細胞や、植物の道管のように死んだ細胞が組織の一部として機能する場合もある。
センター試験(2004年)類似
予定運命の誘導
Q46
ウニの発生における「予定運命の誘導」に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
小割球は、隣接する細胞の分化の方向性を決定する誘導能を持っている。
ウニの16細胞期において、小割球は胚の発生を正常に進めるための重要な誘導因子を放出します。この誘導能により、本来は内胚葉になる予定のない中割球などが、小割球の働きかけを受けて内胚葉へと分化します。この現象は発生初期の細胞間相互作用を理解する上で極めて重要であり、細胞の分化運命が周囲の環境によって決定されることを示しています。
センター試験(2006年)類似
原基
Q47
キイロタマホコリガビの移動体において、周囲の細胞の分化を誘導する細胞群の役割と類似した機能を持つ、動物の発生における概念はどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
形成体
動物の発生において、周囲の細胞に対して分化の方向性を決定づける信号物質を放出し、誘導作用を持つ細胞集団を形成体と呼ぶ。キイロタマホコリガビの移動体における信号物質を放出する細胞群は、これと同様に周囲の細胞の分化を制御する役割を担っており、発生生物学的な機能の類似性が認められる。
センター試験(2005年)類似
卵割の同調性
Q48
カエルの発生過程において、卵割の同調性が失われる時期として最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
胞胚期以降
カエルの卵割は、初期には胚全体で同調して進行するが、胞胚期を過ぎると各部位で分裂のタイミングがずれ始め、同調性が失われる。これは、細胞周期の調節機構が変化し、各細胞が独立して分裂周期を制御するようになるためである。この時期以降、分裂周期は徐々に長くなり、細胞の分化や形態形成運動が活発化する。
共通テスト(2025年)類似
中胚葉誘導
Q49
中胚葉誘導におけるタンパク質Aとタンパク質Bの役割について、正しい説明はどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
タンパク質Bの濃度勾配は、背腹軸に沿った細胞の分化運命を決定する。
中胚葉誘導は、特定のタンパク質が形成する濃度勾配によって制御されます。タンパク質Aは背側への局在を通じてシグナルを送り、タンパク質Bの濃度勾配を形成します。この濃度勾配は、細胞が背側中胚葉になるか腹側中胚葉になるかを決定する重要な因子であり、発生における位置情報の基盤となっています。
センター試験(2013年)類似
動物の配偶子形成
Q50
動物の卵形成において、減数分裂の結果として形成される細胞の性質として正しいものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
形成された極体は、卵細胞と比較して細胞質が極めて少なく、最終的に退化する。
卵形成では、細胞質を卵細胞に集中させることで、受精後の発生に必要な栄養分を確保します。そのため、減数分裂の際に生じる極体は細胞質が非常に少なく、機能的な卵にはならず退化します。精子形成では1個の精母細胞から4個の精子が生じますが、卵形成では1個の卵しか生じない点が大きな違いです。
共通テスト(2023年)類似
始原生殖細胞の分化
Q51
母性因子Xを欠損した卵から発生した個体において、始原生殖細胞の分化が起こらない理由として最も妥当なものはどれか。
★★★★ 難問
具体例
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
母性因子Xが始原生殖細胞の分化に必要な遺伝子発現を制御する環境を提供できないため。
母性因子は卵形成過程で蓄積され、受精後の初期発生において特定の細胞の分化や運命決定を制御する重要な役割を果たす。本件の母性因子Xは、始原生殖細胞が配偶子へと分化する際に必要なシグナルや転写制御環境を整えるために必須である。したがって、この因子が欠損した環境下では、始原生殖細胞は正常な分化プログラムを開始できず、配偶子への分化が阻害されることになる。
共通テスト(2022年)類似
減数分裂期の低温感受性
Q52
イネの発生過程において、低温による障害を最も受けやすく、不稔を引き起こす可能性が高い時期はどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
花粉母細胞が減数分裂を行う時期
イネの生殖成長期において、減数分裂期は環境ストレスに対して極めて高い感受性を示します。この時期に低温にさらされると、花粉の形成過程が正常に進まず、受精能力を失った花粉が生じることで不稔となります。他の発生段階と比較して、この時期の低温障害は受精率の低下に最も直接的かつ大きな影響を及ぼすことが知られています。
センター試験(2015年)類似
タンパク質Yの機能
Q53
タンパク質Yを欠損する突然変異体yにおいて、野生型と比較して観察される現象として最も適切なものはどれか。
★★★ 標準
具体例
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
分化能Mを持つ割球の範囲が野生型よりも拡大している
タンパク質Yはタンパク質Xの働きを抑制することで、分化能Mを持つ領域を制限しています。したがって、この抑制因子であるタンパク質Yが欠損すると、タンパク質Xの働きが抑制されなくなり、結果として分化能Mを持つ割球の範囲が野生型よりも広がるという表現型が現れます。
センター試験(2012年)類似
被子植物の重複受精
Q54
被子植物の重複受精が進化的に有利である理由として、最も適切な説明はどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
胚の形成と同時に、胚の栄養源となる胚乳を効率よく形成できるため
重複受精の大きな利点は、胚の発生と、その栄養源となる胚乳の形成を同期させられる点にある。胚乳は受精後に初めて形成されるため、受精が成功しなかった場合に無駄な栄養供給を行うリスクを回避できる。この仕組みにより、被子植物は限られた資源を効率的に次世代へ投資することが可能となった。
センター試験(2020年)類似
卵割
Q55
卵割の特徴に関する記述として最も適切なものはどれか。
★★ 基本
背景
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
分裂の間に細胞の成長期がほとんどなく細胞数が急増する
卵割は受精卵が胚になるための初期の分裂過程です。通常の体細胞分裂と異なり、分裂の合間に細胞が成長する期間が極めて短いため、分裂を繰り返すたびに個々の細胞(割球)は小さくなっていきます。この過程により、受精卵という単一の細胞から多細胞の胚へと効率的に移行することが可能となります。
センター試験(2006年)類似
受精のメカニズム
Q56
ヒトの受精過程に関する記述として、誤っているものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
精子の核は、卵の核と合体する前にDNAの複製を完了させておく必要がある
精子の核は、卵の核と合体する時点ではすでに一倍体の染色体セットを持っており、受精後にDNAの複製が行われる。他の選択肢はすべて受精のメカニズムとして正しい。特に、二次卵母細胞が減数第二分裂を完了して卵となることが、核の合体における必須の条件である。
センター試験(2012年)類似
無性生殖
Q57
無性生殖に関する記述として最も適当なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
親の体細胞分裂によって生じた個体は、親と遺伝的に同一である。
無性生殖は配偶子の合体を伴わず、親の体細胞分裂によって新しい個体をつくる生殖方法です。この過程では減数分裂や受精が行われないため、生じた子や個体群は親と遺伝的に同一になります。一方、有性生殖では配偶子の合体により遺伝的多様性が生じます。多細胞生物においても、出芽や栄養生殖のように体細胞分裂を利用した無性生殖を行う例は多く存在します。
センター試験(2004年)類似
体外受精
Q58
生物の繁殖や生殖補助医療において用いられる技術のうち、雄から採取した精子と雌から採取した卵を体外で受精させ、得られた受精卵を雌の体内へ戻す手法を何というか。
★ やさしい
基礎
正答率 —
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✅ 正解
体外受精
体外受精は、精子と卵を体外で受精させる技術を指す。一方、顕微授精は精子を直接卵に注入する手法であり、核移植は未受精卵の核を除去して別の細胞の核を移植する手法である。これらはそれぞれ異なるバイオテクノロジーであり、技術の定義と手順を正確に区別することが重要である。
センター試験(2006年)類似
受精の過程
Q59
ヒトの受精プロセスにおいて、精子の侵入が引き金となって起こる現象として最も適切なものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
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✅ 正解
卵の減数分裂の完了
ヒトの卵は、排卵された時点では減数第2分裂の中期で停止している。精子が卵細胞膜に接触・侵入することで、卵内のカルシウムイオン濃度が上昇し、停止していた減数分裂が再開・完了する。この過程を経て初めて雌雄の核が融合可能となる。排卵は受精よりも前の段階であり、着床は卵割が進んだ後の胚盤胞期に起こる現象である。
センター試験(2020年)類似
卵割
Q60
動物の発生過程において、受精卵が受精後に繰り返す細胞分裂の過程であり、細胞数を増やすことで多細胞化して胚を形成する現象を何と呼ぶか。
★ やさしい
基礎
正答率 —
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✅ 正解
卵割
受精卵が胚へと成長する初期段階で繰り返される細胞分裂は卵割と呼ばれます。一般的な体細胞分裂とは異なり、卵割では分裂の間に細胞の成長期(G1期など)がほとんど存在しないため、細胞の総体積は変わらずに細胞数だけが増加していくのが特徴です。接合は配偶子同士が融合する過程を指すため、この文脈では不適切です。
共通テスト(2026年)類似
変異体Xの表現型
Q61
ショウジョウバエの発生において、未受精卵の前端にタンパク質Bが蓄積しない変異体Xの表現型として、最も適切な説明はどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
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✅ 正解
前端が尾部へと変化し、頭部が形成されない
ショウジョウバエの初期発生では、母性効果遺伝子によって卵内にタンパク質の濃度勾配が形成され、体軸が決定される。タンパク質Bは前端に蓄積して頭部の形成を誘導する役割を持つ。このタンパク質が欠損すると、本来頭部となるべき前端が尾部としての性質を持つようになり、結果として頭部が形成されず致死に至る。
センター試験(2011年)類似
ウニの卵割の特徴
Q62
ウニの卵割が体細胞分裂と共通している点として、発生学的に正しい説明はどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
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✅ 正解
第一卵割において、染色体は均等に分配される。
ウニの卵割は、受精卵が急速に細胞分裂を繰り返す過程であり、その基本原理は体細胞分裂と同一である。特に第一卵割を含む初期の分裂では、染色体が正確に複製され、娘細胞へ均等に分配されることで、すべての細胞が同一の遺伝情報を持つように制御されている。卵割期には成長期(G1期やG2期)が短縮され、S期とM期が繰り返されるのが特徴である。
共通テスト(2026年)類似
タンパク質Bによる翻訳阻害
Q63
ショウジョウバエの発生過程において、タンパク質Bがタンパク質Cの翻訳を阻害するメカニズムとして最も適切なものはどれか。
★★★ 標準
基礎
正答率 —
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✅ 正解
タンパク質Bがタンパク質CのmRNAに結合し、リボソームによる翻訳を物理的に妨げる。
ショウジョウバエの発生における翻訳阻害は、特定のタンパク質が標的となるmRNAの非翻訳領域などに結合することで、リボソームの結合や移動を阻害し、タンパク質の合成を抑制する仕組みです。このプロセスにより、特定のタンパク質の濃度勾配が形成され、胚の前後軸に沿った正確な分化が誘導されます。DNAへの作用やタンパク質自体の分解とは異なる制御機構です。
センター試験(2006年)類似
胎児の発育
Q64
ヒトの発生において、受精後約8週までの期間が母体環境の影響を特に受けやすい理由として最も適切なものはどれか。
★★ 基本
背景
正答率 —
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✅ 正解
この期間に主要な器官の原基が形成される器官形成期にあたるから
受精後約8週までの期間は器官形成期と呼ばれ、心臓、脳、四肢などの主要な器官の基礎が作られる極めて重要な時期である。この時期に細胞分裂や分化が活発に行われるため、母体の健康状態や外部環境の影響を強く受けやすく、先天的な異常が生じるリスクも高い。他の選択肢にある指の数の決定時期や老廃物の蓄積に関する記述は、この時期の生物学的な定義とは異なる。
センター試験(2013年)類似
減数分裂の観察
Q65
ヌマムラサキツユクサのつぼみの薬から取り出した細胞を酢酸オルセイン溶液で染色し、顕微鏡で観察した際に確認できる減数分裂の第一分裂前期の特徴として最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
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✅ 正解
相同染色体が対合し、二価染色体が形成されている
減数分裂の第一分裂前期では、相同染色体が互いに接近して対合し、二価染色体を形成する。この時期の細胞を酢酸オルセインなどの染色液で処理すると、光学顕微鏡下で二価染色体を明瞭に観察できる。他の選択肢のうち、染色体が中央に並ぶのは中期、核膜の再形成は終期、精細胞の形成は花粉の成熟過程における体細胞分裂の事象であり、減数分裂第一分裂前期の定義とは異なる。
センター試験(2015年)類似
被子植物の生殖過程
Q66
被子植物の生殖過程において、雄原細胞から精細胞が形成される際の核相の変化と、重複受精によって生じる胚乳の核相の組み合わせとして最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
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✅ 正解
雄原細胞の核相はnであり、胚乳の核相は3nである
被子植物の花粉は減数分裂を経て形成されるため、雄原細胞の核相はnである。その後、雄原細胞は体細胞分裂を経て2個の精細胞となる。重複受精では、1個の精核(n)が卵細胞(n)と受精して受精卵(2n)となり、もう1個の精核(n)が2個の極核(それぞれn)と融合して胚乳核(3n)となる。したがって、胚乳の核相は3nとなる。
共通テスト(2021年)類似
茎頂分裂組織
Q67
植物の茎頂分裂組織に関する記述として最も適切なものはどれか。
★ やさしい
基礎
正答率 —
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✅ 正解
茎頂分裂組織は、植物の成長点として機能し、そこから葉などの器官が分化・形成される。
茎頂分裂組織は植物の茎の先端付近に位置する未分化な細胞群であり、細胞分裂を繰り返すことで茎を伸長させるとともに、葉や側芽などの器官の原基を形成する役割を担う。この分裂組織から生じた細胞は、特定の機能を持つ組織へと分化していく。根の先端にあるのは根端分裂組織であり、茎頂分裂組織とは区別される。
センター試験(2004年)類似
受精後の発生過程
Q68
ヒトの胎盤の形成に関する記述として最も適切なものはどれか。
★★ 基本
具体例
正答率 —
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✅ 正解
胚の細胞の一部と子宮内膜の細胞が相互に作用して形成される。
胎盤は、胚由来の組織と母体の子宮内膜組織が密接に関わり合って形成される器官です。この器官を通じて、胎児は母体から酸素や栄養を受け取り、二酸化炭素や老廃物を排出します。ヒトは胎生であり、卵生のように卵黄のみで発生を完了させるわけではなく、胎盤を介した母体との物質交換が不可欠です。
センター試験(2020年)類似
細胞質因子による発生運命の決定
Q69
発生の過程において、未分化な細胞が特定の組織へと分化する運命が決定される現象の要因として、細胞質に含まれる特定の物質が関与している。この細胞質因子に関する実験において、黒卵片の細胞質を赤卵片に注入すると筋肉細胞が形成された。さらに、この細胞質から抽出した成分を注入する実験を行った結果、RNAを注入した場合のみ筋肉細胞が形成された。この結果から導かれる結論として最も適切なものはどれか。
★★★ 標準
具体例
正答率 —
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✅ 正解
筋肉細胞への分化を決定する細胞質因子はRNAである。
発生運命の決定には、卵細胞質内の不均一な物質分布が関与している。実験において、黒卵片の細胞質を注入して筋肉細胞が形成され、その成分のうちRNAを注入した場合にのみ同様の結果が得られたことは、その分化を規定する情報源がRNAであることを示唆している。タンパク質のみを注入しても筋肉細胞が形成されなかったことから、タンパク質が直接の決定因子ではないと判断される。
センター試験(2010年)類似
シュペーマンの移植実験
Q70
シュペーマンの移植実験に関する記述として、誤っているものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
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✅ 正解
二次胚の神経管の大部分は、移植された原口背唇部の細胞から形成される。
シュペーマンの実験において、二次胚の脊索や神経管の大部分は、移植片ではなく宿主の細胞から形成される。移植片である原口背唇部は、周囲の未分化な細胞に対して「誘導」というシグナルを送り、特定の組織へと分化させる役割を果たす。したがって、神経管が移植片からのみ形成されるという記述は誤りである。
共通テスト(2023年)類似
タンパク質Xの機能
Q71
胚の発生過程において、タンパク質Xが果たす役割として最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 100%(1回)
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✅ 正解
タンパク質Yの合成を促進し、腹部形成を制御する
タンパク質Xは、胚の腹部形成においてタンパク質Yの合成を促進する重要な役割を担っています。実験的にタンパク質Xを欠損させると腹部が形成されないことから、その機能は腹部形成の必須条件であることがわかります。また、タンパク質Yを強制発現させても腹部が形成されない場合があることから、単なる合成促進だけでなく、適切な空間的配置や発生段階に応じた制御が腹部形成には不可欠であると考えられます。
センター試験(2005年)類似
ヒトの器官形成時期
Q72
ヒトの発生過程において、受精後8週目頃に起こる重要な変化として最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
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✅ 正解
手足や主要な器官のもとが形成され、外見がヒトらしくなる。
ヒトの発生において、受精後8週目頃は器官形成期と呼ばれ、手足や主要な器官の原基が形成される重要な時期である。この時期を境に外見がヒトとしての特徴を帯びるようになり、胚から胎児へと呼称が変化する。着床は受精後1週間程度で起こり、神経管の閉鎖はそれより早い時期に進行するため、選択肢の記述として適切である。
センター試験(2010年)類似
神経管からの発生
Q73
脊椎動物の発生過程において、神経管から分化して形成される器官として最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
網膜
神経管は発生過程で脳や脊髄などの神経系へと分化する。眼の構造において、網膜は神経管の一部が側方に突出した眼胞から形成されるため、神経管由来の組織である。一方、角膜や水晶体は主に表皮や間充織から形成され、脊椎骨は中胚葉由来の体節から形成されるため、これらは神経管から直接発生する構造ではない。
センター試験(2012年)類似
種子の遺伝的構成
Q74
ある被子植物において、遺伝子型がAAの個体を母体とし、遺伝子型がaaの個体を花粉親として交配させた。このとき形成される種子の各部位の遺伝子型として、正しい組み合わせはどれか。
★★★★ 難問
具体例
正答率 —
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✅ 正解
種皮:AA、胚:Aa、胚乳:Aaa
種皮は母体組織(珠皮)由来であるため、母体と同じAAとなる。胚は卵細胞(A)と精細胞(a)の受精によりAaとなる。胚乳は中央細胞(AA)と精細胞(a)の受精によりAaaとなる。このため、種皮、胚、胚乳の遺伝子型はそれぞれAA、Aa、Aaaとなる。
センター試験(2006年)類似
精子の構造
Q75
ヒトの精子において、中片部にミトコンドリアが密集している生物学的な意義として最も適切なものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
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✅ 正解
尾部の鞭毛運動を維持するためのエネルギーを効率的に供給するため。
精子は卵に到達するために長距離を移動する必要があり、その運動には多量のエネルギーが必要となる。中片部にはミトコンドリアがらせん状に密集しており、ここで産生されるATPが尾部の鞭毛運動を駆動する動力源となる。この構造は、運動能力を維持し、受精の成功率を高めるための適応である。
センター試験(2005年)類似
卵割の同調性
Q76
カエルの発生において、胞胚期以降に卵割の同調性が失われる理由として、最も適切なものはどれか。
★★★★ 難問
背景
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
細胞周期の調節に関わる因子が、各部位の細胞で個別に制御されるようになるため。
初期の卵割は母性因子によって一律に制御されているが、胞胚期以降は胚自身のゲノムが発現し始め、各部位の細胞が独自の分化プログラムに従うようになる。これに伴い、細胞周期の調節因子も各細胞で個別に制御されるようになり、分裂のタイミングがずれることで同調性が失われる。
共通テスト(2025年)類似
中胚葉誘導
Q77
両生類の初期胚において、タンパク質Aが背側に局在し、タンパク質Bの濃度勾配を形成することで背腹軸に沿った中胚葉誘導が起こる。この現象に関する記述として最も適当なものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
タンパク質Aの局在を阻害すると、背側中胚葉の分化が抑制され、腹側中胚葉が誘導される。
両生類の発生において、背側特異的なタンパク質Aは、タンパク質Bの濃度勾配を制御することで背側中胚葉の分化を誘導します。タンパク質Aの局在が乱れると、背側シグナルが消失するため、本来背側になるべき領域が腹側中胚葉へと分化します。タンパク質Bの濃度勾配は背側で高く、腹側で低くなるのが一般的であり、この勾配の強弱が細胞の運命を決定します。
センター試験(2017年)類似
イモリの発生における分化誘導
Q78
シュペーマンらが行った実験に基づき、原口背唇部が外胚葉を神経管へと分化させる現象について述べた文として最も適切なものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
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✅ 正解
原口背唇部を別の胚の外胚葉へ移植すると、二次胚が形成される。
原口背唇部は形成体として、周囲の組織に対して分化を誘導する能力を持つ。これを別の胚の外胚葉へ移植する実験では、移植された原口背唇部が誘導源となり、宿主の外胚葉から神経管を含む二次胚が形成される。この結果は、原口背唇部が神経管への分化を決定づけるシグナルを発していることを示しており、発生生物学における分化誘導の概念を確立した。
センター試験(2004年)類似
ヒトの生殖生理
Q79
ヒトの生殖生理に関する記述として最も適当なものを、次のうちから一つ選べ。
★★ 基本
基礎
正答率 —
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✅ 正解
射出精液量は通常約3ミリリットルであり、精子数は数億個程度である。
ヒトの射出精液量は一般的に2〜5ミリリットル程度であり、その中に含まれる精子数は数億個である。排卵は脳下垂体から分泌される黄体形成ホルモン(LH)や卵胞刺激ホルモン(FSH)の調節によって引き起こされる。排卵後の濾胞は黄体へと変化し、プロゲステロンを分泌して子宮内膜を維持する役割を担う。胎盤は黄体とは別の器官であり、胎児と母体との間で物質交換を行う組織である。
共通テスト(2025年)類似
卵形成
Q80
一次卵母細胞が減数分裂を開始する直前の状態と、形成される卵の核相およびDNA量の関係について、正しい記述はどれか。
★★★★ 難問
背景
正答率 —
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✅ 正解
一次卵母細胞の核相は2nであり、DNA量は卵原細胞の4倍である。
卵原細胞がDNAを複製して一次卵母細胞になると、核相は2nのままでDNA量は2倍から4倍になります。その後、減数第一分裂で核相がnになり、減数第二分裂を経て最終的に生じる卵の核相はn、DNA量は卵原細胞の1倍となります。したがって、分裂開始前の一次卵母細胞は2nでDNA量4倍の状態にあります。
共通テスト(2024年)類似
胚誘導
Q81
脊椎動物の胚発生において、体節から皮筋節が分化する過程に関する記述として最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
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✅ 正解
脊索や神経管から放出される誘導シグナルが、隣接する体節の細胞に対して皮筋節への分化を促す役割を果たしている。
脊椎動物の胚において、体節から皮筋節が分化する際には、隣接する脊索や神経管から放出されるシグナルが不可欠である。移植実験により、本来皮筋節に分化しない部位に脊索や神経管の断片を移植すると、その周囲で皮筋節の分化が誘導されることが確認されている。この現象は胚誘導の一例であり、細胞間の相互作用が組織の分化運命を決定する重要な要因であることを示している。
センター試験(2014年)類似
被子植物の有性生殖
Q82
被子植物の有性生殖における花粉の形成過程に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
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✅ 正解
花粉四分子の各細胞は、細胞分裂を経て花粉管細胞と雄原細胞に分化する。
被子植物のやく内部では、小胞子母細胞が減数分裂を行い、花粉四分子を形成する。この四分子の各細胞がさらに細胞分裂を行うことで、花粉管細胞と雄原細胞へと分化し、成熟した花粉となる。選択肢にある体細胞分裂や、雄原細胞が減数分裂を行うという記述は誤りであり、被子植物の生殖発生の基本プロセスを理解することが重要である。
センター試験(2005年)類似
卵割の同調性
Q83
カエルの卵割に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★★ 標準
具体例
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
胞胚期までは、胚を構成する各割球はほぼ同時に分裂する。
カエルの卵割は、初期には胚全体で同調して進行する。この時期の細胞周期は非常に短く、細胞の成長(G1期やG2期)をほとんど伴わずに分裂を繰り返すため、胚全体の体積は受精卵とほぼ変わらない。胞胚期を過ぎると同調性は失われ、各細胞の分裂周期は長くなる。
センター試験(2010年)類似
減数分裂の第一分裂と第二分裂の相違
Q84
減数分裂の過程において、第一分裂と第二分裂の相違に関する記述として最も適当なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
第一分裂では相同染色体が対合し、その後分離する。
減数分裂の第一分裂では、相同染色体が対合し、乗り換えを経て分離することで染色体数が半減する。一方、第二分裂は体細胞分裂と類似した過程であり、姉妹染色分体が分離する。したがって、相同染色体が分離するのは第一分裂であり、第二分裂で相同染色体が分離するという記述は誤りである。
センター試験(2005年)類似
胎盤の形成
Q85
ヒトの発生過程において、胎盤が形成される際の組織的な仕組みとして最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
胚の外側を覆う細胞層が子宮壁に入り込むことで形成される
胎盤は、胚の発生初期に胚の外側を覆う細胞層(栄養膜など)が、母体の子宮壁の組織内に侵入・定着することで形成される構造体である。この構造により、母体と胎児の間で血液を介した直接的な接触は避けつつ、拡散や能動輸送によって酸素、栄養分、老廃物の物質交換が行われる。羊膜や卵黄のうは胎児を保護・栄養供給するための別の構造であり、胎盤形成の主たる機構ではない。
センター試験(2009年)類似
配偶子の核相と性染色体
Q86
ヒトの精子形成過程において、減数分裂が正常に完了した際に生じる配偶子の染色体構成に関する記述として正しいものはどれか。
★★★ 標準
具体例
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
精子の半数は22本の常染色体とX染色体をもち、残りの半数は22本の常染色体とY染色体をもつ。
ヒトの体細胞は46本の染色体(44本の常染色体+性染色体XXまたはXY)をもち、核相は2nです。減数分裂により形成される精子の核相はnとなり、染色体数は23本となります。このうち22本は常染色体であり、残りの1本が性染色体です。男性はXYの性染色体をもつため、減数分裂の結果、Xをもつ精子とYをもつ精子が等しい割合で形成されます。
センター試験(2012年)類似
被子植物の重複受精
Q87
被子植物の受精過程において、2つの精細胞のうち一方が卵細胞と合体して胚となり、もう一方が中央細胞と合体して胚乳となる現象を何と呼ぶか。
★ やさしい
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
重複受精
被子植物特有の受精様式であり、2つの精細胞がそれぞれ卵細胞と中央細胞に融合する過程を重複受精と呼ぶ。この過程により、次世代の個体となる胚と、その成長に必要な栄養を蓄える胚乳が同時に形成される。これにより、効率的な種子の形成が可能となっている。
環境応答(88問)の一問一答問題
センター試験(2012年)類似
オーキシン
Q1
植物の成長調節に関与する植物ホルモンであるオーキシンの働きとして、最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
頂芽で生成されたオーキシンが側芽の成長を抑制する頂芽優勢を引き起こす
オーキシンは植物の成長調節において中心的な役割を果たすホルモンであり、頂芽で合成されて下方へ輸送される過程で側芽の成長を抑制する「頂芽優勢」という現象を引き起こします。なお、果実の成熟にはエチレンが、気孔の開閉にはアブシシン酸が主に関与しており、これらはオーキシンの主な機能とは異なります。
センター試験(2014年)類似
花成ホルモン(フロリゲン)の移動
Q2
ある植物Aと植物Bを用いた接ぎ木実験において、花芽形成条件を満たした植物Aを台木とし、条件を満たしていない植物Bを接ぎ穂とした。このとき、植物Bに花芽が形成された理由として最も適切なものはどれか。
★★★ 標準
具体例
正答率 —
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✅ 正解
植物Aで合成された花成ホルモンが接ぎ木面を通過して植物Bの茎頂に到達し、花芽形成を誘導したから。
接ぎ木実験において、花芽形成条件を満たした個体から満たしていない個体へ花芽形成が伝達される現象は、葉で合成された花成ホルモンが維管束(師管)を通って移動することを示しています。このホルモンは移動先で茎頂の分化を促し、花芽形成を誘導します。栄養供給や物理的刺激ではなく、化学的な情報伝達物質であるフロリゲンの移動が本質的な要因です。
センター試験(2007年)類似
学習による動物の行動
Q3
動物の行動のうち、個体の経験や学習によって形成・修正される行動として最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
カモのヒナが孵化直後に初めて見た動くものを親として追従する行動
刷り込みは、生後の特定の時期に経験した対象を親として認識し追従する学習の一種である。一方、カイコガのフェロモン反応やイトヨの求愛行動は、経験を必要としない生得的な行動である。また、熱いものに触れた際の反射は、学習を介さず中枢神経系を介して起こる生得的な反応であり、いずれも学習による行動には該当しない。
センター試験(2008年)類似
植物の光周性
Q4
植物が日長の変化を感知して花芽形成を行う性質を何と呼ぶか。また、明期の長さが一定の限界を超えると花芽形成が促進される性質を持つ植物を何と呼ぶか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
光周性、長日植物
植物が日長の変化を感知して花芽形成を行う性質を光周性と呼ぶ。このうち、明期の長さが一定の限界(限界日長)を超えると花芽形成が促進される植物を長日植物という。一方、一定の限界日長よりも短い明期で花芽形成が促進される植物は短日植物と呼ばれる。本問の植物は、日長が長いほど開花までの日数が短くなることから、長日植物の性質を示している。
センター試験(2017年)類似
シナプス伝達
Q5
神経細胞におけるシナプス伝達の過程として、最も適切な記述はどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
活動電位が軸索末端に到達すると、シナプス小胞が細胞膜と融合して神経伝達物質が放出される。
シナプス伝達は化学的な情報伝達過程である。軸索末端に活動電位が到達すると、電位依存性カルシウムチャネルが開き、細胞内へのカルシウムイオン流入が引き金となってシナプス小胞が細胞膜と融合する。このエキソサイトーシスにより神経伝達物質がシナプス間隙へ放出され、後シナプス膜の受容体に結合することでイオンチャネルが開閉し、膜電位が変化する。
センター試験(2011年)類似
茎切片の太さとホルモン作用
Q6
植物の茎切片を用いた実験において、オーキシン単独で処理した場合と比較して、オーキシンとジベレリンを併用して処理した場合に観察される現象として最も適切なものはどれか。
★★ 基本
具体例
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
単位長さあたりの重さが増加し、茎切片がより太くなる
オーキシンは細胞壁の伸展を促進して細胞の伸長を引き起こすが、ジベレリンを併用すると、伸長だけでなく細胞の肥大成長も促進される。実験結果によれば、オーキシンとジベレリンの併用は、オーキシン単独の場合よりも単位長さあたりの重さの増加が大きく、これは細胞の横方向への肥大が顕著であることを示している。したがって、茎切片はより太く成長する。
センター試験(2006年)類似
脊椎動物の反射
Q7
ヒトの反射の仕組みと特徴について、誤っている記述はどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
すべての反射は脊髄を中枢として行われるため、脳の損傷は反射に一切影響しない。
反射には脊髄が中枢となるものだけでなく、脳が中枢となるものも存在する。したがって、脳の損傷部位によっては、特定の反射機能が失われたり、正常に機能しなくなったりすることがある。脊髄反射は脳を経由しないため極めて迅速であるが、反射のすべてが脊髄のみに依存しているわけではない。
センター試験(2008年)類似
植物各部位のオーキシン量
Q8
植物の成長に関与するオーキシンに関する記述として、最も適切なものはどれか。
★ やさしい
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
オーキシンは植物の各部位に含まれており、抽出液の希釈実験による屈曲角の比較からその量を推定できる。
オーキシンは植物の成長を制御する重要なホルモンであり、その生理活性は濃度に依存する。アベナ胚鞘を用いた屈曲試験は、オーキシンの濃度を生物学的に定量する古典的かつ有効な手法である。抽出液を希釈して屈曲角の変化を観察することで、各部位に含まれるオーキシンの相対量を推定することが可能である。
センター試験(2017年)類似
フィトクロムの光吸収特性
Q9
植物の種子発芽に関与するフィトクロムの性質として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
波長660nm付近の光を吸収して活性型となり、波長730nm付近の光を吸収して不活性型となる。
フィトクロムは光受容体タンパク質であり、赤色光(約660nm)を吸収すると活性型のPfr型へ、遠赤色光(約730nm)を吸収すると不活性型のPr型へと可逆的に構造変化する。この光変換特性により、植物は周囲の光環境を感知し、発芽や開花などの生理応答を制御している。
共通テスト(2026年)類似
動物の反射と植物の光応答
Q10
動物の反射行動および植物の光応答に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★★ 標準
具体例
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ヒトの膝蓋腱反射や瞳孔の縮小は、中枢神経系を介して行われる反射行動である。
アメフラシの反射は神経系を介した反応であり、光発芽種子において遠赤色光は発芽を抑制する。長日植物は暗期が一定時間より短くなると花芽形成が促進されるため、暗期に光を当てる光中断は花芽形成を促進する。膝蓋腱反射や瞳孔反射は、脊髄や脳幹などの神経系を介した反射であり、適切な記述である。
センター試験(2011年)類似
蒸散の役割
Q11
植物の葉において、蒸散が活発に行われることで植物体にもたらされる生理的な利点として最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
葉の表面から水が気化する際の気化熱により、葉の温度上昇を抑制する。
蒸散は植物体内の水が気孔から水蒸気として放出される現象である。水が液体から気体に状態変化する際には周囲から気化熱を奪うため、直射日光を受けて温度が上昇しやすい葉の表面温度を下げ、植物体の過度な温度上昇を防ぐ役割がある。これは植物が恒常性を維持するための重要な適応の一つであり、光合成の最適温度を保つためにも不可欠である。
センター試験(2013年)類似
植物ホルモン
Q12
植物ホルモンであるエチレンの生理作用に関する記述として、最も適当なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
果実の成熟を促進し、落葉を促進する
エチレンは気体状の植物ホルモンであり、果実の成熟を促進する働きがよく知られている。また、離層の形成を誘導することで落葉や落果を促進する作用も持つ。一方、アブシシン酸は種子の休眠維持や乾燥ストレス時の気孔閉鎖に関与しており、エチレンとは異なる生理的役割を担っている。
センター試験(2010年)類似
重力屈性のメカニズム
Q13
植物の茎を水平に置いた際に上側に屈曲する重力屈性において、そのメカニズムとして最も適切な説明はどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
茎の先端部で感知された重力刺激により、オーキシンが下側に偏って輸送され、下側の細胞の伸長が促進されることで上側に屈曲する。
重力屈性では、茎の先端部で重力が感知されると、植物ホルモンであるオーキシンが下側に偏って輸送されます。茎においてオーキシンは細胞の伸長を促進する働きがあるため、オーキシン濃度が高くなった下側の細胞が上側の細胞よりも速く伸長します。その結果、茎全体が上側に向かって屈曲することになります。先端部を除去するとオーキシンの供給源がなくなるため、この屈曲は消失します。
センター試験(2006年)類似
気孔の開閉調節
Q14
乾燥した環境において、植物が蒸散を抑えるために体内で合成・蓄積させるホルモンとして適切なものはどれか。
★★ 基本
具体例
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
アブシシン酸
植物は乾燥ストレスを受けると、根や葉でアブシシン酸を合成します。このホルモンが孔辺細胞に作用すると、細胞内のカリウムイオン濃度が低下し、浸透圧が下がることによって水が細胞外へ流出します。その結果、孔辺細胞の膨圧が低下して気孔が閉じ、植物体からの過度な水分の蒸散が抑制されます。これは植物が乾燥環境を生き抜くための適応戦略の一つです。
センター試験(2006年)類似
気孔の開閉調節
Q15
気孔の開閉調節のメカニズムと植物ホルモンの役割について、誤っている説明はどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
サイトカイニンとアブシシン酸は、いずれも気孔を閉じることで光合成速度を最大化させる。
気孔の開閉は、光合成に必要な二酸化炭素の取り込みと、蒸散による水分喪失のバランスを保つための重要な機構です。アブシシン酸は気孔を閉じることで水分保持を優先させますが、サイトカイニンは気孔を開くことで二酸化炭素の取り込みを促進します。したがって、両者が共に気孔を閉じるという記述は誤りであり、植物は環境に応じてこれらホルモンのバランスを調節しています。
共通テスト(2021年)類似
A種のさえずり学習
Q16
A種のさえずり学習に関する実験において、X期に自種の歌を聴かせ、Y期に聴覚を遮断した場合の成鳥の歌の固定結果として最も妥当なものはどれか。
★★★ 標準
具体例
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
X期に記憶が形成されているため、正常な自種の歌が固定される
A種の学習プロセスでは、X期(孵化後の一定期間)に自種の歌を聴いて記憶することが、歌の固定に向けた重要な基盤となる。実験的にY期(成長過程)で聴覚を遮断しても、X期に既に記憶が形成されていれば、その記憶に基づいた歌の修正・固定が可能である。このことは、さえずりの獲得が単なる本能ではなく、聴覚を通じた学習プロセスであることを示している。
センター試験(2014年)類似
ヒトの耳の構造
Q17
ヒトの耳の構造と機能に関する記述として、最も適当なものはどれか。
★★★ 標準
具体例
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
前庭は頭部の傾きを感知する平衡感覚器である。
前庭は内耳に位置し、頭部の傾きや直線的な加速度を感知する平衡感覚器である。耳管は中耳と咽頭をつなぎ気圧を調整する管であり、耳小骨とは異なる。半規管は回転加速度を感知する平衡感覚器であり、蝸牛は音の振動を神経信号に変換する聴覚器である。それぞれの器官は独立した役割を持って機能している。
共通テスト(2025年)類似
北海道型イネの光周性
Q18
北海道型のイネが、本州型のイネと比較して短い温暖な期間でも開花・結実が可能である理由として、最も適切なものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
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✅ 正解
長い明期においてもフロリゲン遺伝子のmRNA量が減少しにくく、花芽形成が促進されるため
北海道のような高緯度地域では、夏期の明期(日照時間)が長くなる。一般的なイネの多くは短日植物であり、明期が長くなるとフロリゲン遺伝子の発現が抑制されるが、北海道型のイネは長い明期でもフロリゲン遺伝子のmRNA量が高い水準で維持される性質を持つ。この適応により、短い生育期間であっても花芽形成に必要なフロリゲンが十分に生成され、効率的に結実を完了させることが可能となっている。
共通テスト(2021年)類似
A種のさえずり学習
Q19
鳥類のさえずり学習において、学習プロセスが不可欠である理由として最も適切なものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
聴覚を通じて記憶した歌を、自らの発声と照らし合わせて修正する必要があるため
さえずりの学習は、記憶したモデル音と自らの発声を聴覚的にフィードバックし、比較・修正するプロセスである。このため、単に聴くだけでなく、成長過程で自らの歌を聴きながら微調整を行うことが不可欠となる。この学習メカニズムにより、鳥類は種特有の複雑な歌を正確に継承し、個体間での認識や縄張りの主張に役立てている。
センター試験(2014年)類似
植物の花芽形成と日長
Q20
植物X、Y、Zの特性について、以下の実験結果から判断した分類として正しいものはどれか。植物Xは日長が14時間の条件で花芽を形成し、植物Yは日長が10時間の条件で花芽を形成する。また、植物Zは日長に関わらず、冬の低温期間を経過した後にのみ花芽を形成する。
★★★ 標準
具体例
正答率 —
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✅ 正解
植物Xは長日植物、植物Yは短日植物、植物Zは春化を必要とする植物である。
長日植物は一定の日長よりも長い条件で花芽を形成し、短日植物は一定の日長よりも短い条件で花芽を形成する。植物Xは14時間という比較的長い日長で花芽を形成するため長日植物、植物Yは10時間という短い日長で花芽を形成するため短日植物と判断できる。植物Zのように低温処理が必須であるものは春化を必要とする植物に分類される。
共通テスト(2022年)類似
正のフィードバックによる経路選択
Q21
アリの行列形成において、特定の経路を通行する個体数が増えるとフェロモン濃度が高まり、さらに多くの個体がその経路を選択するという自己強化的な仕組みを何と呼ぶか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
正のフィードバック
正のフィードバックとは、ある現象の結果がさらにその現象を促進する方向に働く仕組みを指す。アリの行列形成では、フェロモンという化学物質が媒介となり、経路上の濃度が高まるほど他の個体を誘引しやすくなるため、一度形成された経路が強化・維持される。これは生物の行動や生理現象において、特定の状態を安定化させる重要な機構である。
センター試験(2008年)類似
植物の光周性
Q22
長日植物における花芽形成のメカニズムとして、最も適切な説明はどれか。
★★★★ 難問
背景
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
明期の長さが限界日長を超えると、葉で生成された花芽形成刺激物質が茎頂へ運ばれる。
光周性は主に葉で感知される。長日植物では、明期の長さが限界日長を超えると、葉において花芽形成を誘導する刺激物質(フロリゲンなど)が生成され、それが茎頂へ運ばれることで花芽形成が開始される。短日植物の場合は、逆に暗期の長さが一定以上(限界暗期以上)になることが重要であり、暗期が中断されると花芽形成が抑制される性質を持つ。
共通テスト(2026年)類似
動物の反射と植物の光応答
Q23
植物の光受容体であるフィトクロムの働きと光発芽種子の関係について、正しい説明はどれか。
★★ 基本
背景
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
赤色光はフィトクロムを介して発芽を促進し、遠赤色光はそれを打ち消して発芽を抑制する。
フィトクロムには赤色光吸収型(Pr)と遠赤色光吸収型(Pfr)の二つの状態がある。赤色光を吸収するとPfr型に変化して発芽を促進し、遠赤色光を吸収するとPr型に戻って発芽を抑制する。この可逆的な反応により、植物は環境中の光条件を感知して発芽のタイミングを制御している。
センター試験(2008年)類似
オーキシン濃度と成長促進
Q24
植物ホルモンの一種であるオーキシン(IAA)の濃度と植物の成長促進効果の関係について、最も適切な説明はどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
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✅ 正解
オーキシンには成長を促進する適正な濃度範囲があり、過剰な濃度では成長が抑制される。
オーキシン(IAA)は植物の成長を促進するホルモンであるが、その作用には濃度依存性がある。低濃度から適正な濃度までは濃度の上昇とともに成長促進効果が高まるが、ある一定の濃度を超えると逆に成長を抑制する方向に働く。このため、成長促進効果は濃度に対して山型の曲線を描くことが知られている。したがって、濃度が高ければ高いほど成長が促進されるという考え方は誤りである。
センター試験(2016年)類似
視覚・聴覚・平衡感覚の適刺激と受容器
Q25
ヒトの感覚器と、それらが受容する適刺激の組み合わせとして最も適当なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
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✅ 正解
視覚の受容器は網膜であり、適刺激は光である。
視覚の受容器は眼球の奥にある網膜であり、光を刺激として受け取る。聴覚の受容器は内耳のコルチ器である。平衡感覚において、体の回転は半規管が受容し、体の傾きは前庭器官の一部であるうずまき管が受容する。鼓膜は音の振動を増幅して内耳へ伝える器官であり、受容器そのものではない。
センター試験(2017年)類似
慣れと学習
Q26
動物が特定の刺激を繰り返し受けることで、その刺激に対する反応が次第に弱まる現象を何と呼ぶか。
★ やさしい
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
慣れ
慣れは、無害な刺激が繰り返される際に、エネルギーを節約し、より重要な刺激に集中するために反応を抑制する現象である。反射は経験によらず生得的に備わった反応であり、適応進化は世代を超えた遺伝的変化を指す。条件付けは、特定の刺激と行動を関連付ける学習の一種であり、反応が弱まる慣れとは区別される。
センター試験(2012年)類似
神経伝達物質の放出抑制
Q27
神経伝達物質の放出に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
神経終末に活動電位が到達すると、シナプス小胞が細胞膜と融合し、神経伝達物質が放出される。
神経伝達は、軸索を伝わってきた活動電位が神経終末に到達することで始まります。この刺激により、神経終末の膜電位が変化し、カルシウムイオンの流入が引き金となって、あらかじめ形成され待機していたシナプス小胞が細胞膜と融合(エキソサイトーシス)し、神経伝達物質がシナプス間隙へ放出されます。小胞の形成や輸送は放出の前段階のプロセスであり、放出そのものとは区別されます。
センター試験(2006年)類似
末梢神経系の分類
Q28
ヒトの末梢神経系を機能的な分類に基づいたとき、意識的に骨格筋を制御する神経系として適切なものはどれか。
★ やさしい
基礎
正答率 —
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✅ 正解
体性神経系
末梢神経系は、大きく体性神経系と自律神経系に分けられます。体性神経系は、感覚器からの情報を中枢へ伝える感覚神経と、中枢からの指令を骨格筋へ伝える運動神経からなり、意識的な制御が可能です。一方、自律神経系は内臓や血管などの機能を無意識的に調節する神経系であり、交感神経と副交感神経に分類されます。
センター試験(2005年)類似
神経の興奮と伝導
Q29
感覚器が特定の種類の刺激に対して特に敏感に反応する性質を何と呼ぶか。
★ やさしい
基礎
正答率 —
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✅ 正解
適刺激
感覚器は、光、音、圧力、化学物質など、それぞれ特定の種類の刺激に対して最も低いエネルギーで反応する性質を持っており、これを適刺激と呼ぶ。他の刺激であっても非常に強いエネルギーであれば反応する場合があるが、本来の受容対象となる刺激を指す用語である。
センター試験(2009年)類似
ニューロンの反応特性
Q30
ニューロンが光刺激を受けた際の反応特性に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
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✅ 正解
光刺激が強くなると、活動電位の発生頻度が増加する。
ニューロンの反応特性において、刺激の強さは活動電位の振幅ではなく、発生頻度(発火頻度)によって符号化される。光刺激が強くなると、ニューロンの活動電位の発生回数や頻度は増加する。また、刺激が強くなるほど受容器から中枢への情報伝達が速まるため、刺激開始から反応開始までの時間である潜伏期は短縮する。静止電位は細胞膜のイオン透過性によって維持される一定の値であり、刺激の強さによって直接変化するものではない。
センター試験(2014年)類似
平衡感覚の受容機構
Q31
動物の平衡感覚の受容機構に関する記述として最も適当なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
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✅ 正解
前庭では平衡石の移動が感覚細胞を刺激し、体の傾きを感知する。
脊椎動物の平衡感覚は、内耳の前庭と半規管によって担われる。前庭には炭酸カルシウムを主成分とする平衡石が存在し、頭部の傾きに伴う平衡石の重力による移動が感覚毛を刺激することで、体の傾きや直線加速度を感知する。一方、半規管は3つの管からなり、回転運動に伴う管内のリンパ液の慣性による流動がクプラを押し、感覚細胞を刺激することで体の回転を感知する仕組みである。
センター試験(2014年)類似
オーキシン濃度と細胞伸長
Q32
水平に置かれた植物の根において、重力屈性が起こるメカニズムとして最も適切なものはどれか。
★★★★ 難問
背景
正答率 —
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✅ 正解
下側に蓄積したオーキシンが根の細胞伸長を抑制し、上側が長く伸びるため。
根を水平に置くと、重力の影響でオーキシンが下側に偏って蓄積する。根の細胞は茎の細胞よりもオーキシンに対する感受性が高く、高濃度のオーキシンによって伸長が抑制される性質を持つ。その結果、オーキシンが蓄積した下側の細胞の伸長が抑制され、相対的に伸長が促進された上側の細胞が伸びることで、根は下向きに屈曲する。
センター試験(2009年)類似
ニューロンの反応特性
Q33
ニューロンの反応特性において、光刺激の強さと潜伏期および活動電位の発生パターンの関係について述べたものとして、誤っているものはどれか。
★★★ 標準
具体例
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
刺激が強くなると、活動電位の発生頻度は一定である。
ニューロンの活動電位は全か無かの法則に従い、刺激が閾値を超えれば一定の振幅で発生するが、刺激が強くなると単位時間あたりの発生頻度が増加する。したがって、発生頻度が一定であるという記述は実験結果と矛盾する。また、強い刺激は受容器での情報処理を早めるため、潜伏期は短くなるのが一般的である。これらの特性により、神経系は外部刺激の強度を活動電位の頻度として識別している。
センター試験(2014年)類似
植物ホルモンの生理作用
Q34
植物が乾燥環境に適応する際、アブシシン酸が果たす役割として最も適切なものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
孔辺細胞の膨圧を低下させて気孔を閉じ、蒸散を抑制する。
乾燥条件下では、植物体内でアブシシン酸が合成され、これが孔辺細胞に作用する。アブシシン酸は孔辺細胞からのカリウムイオンの流出を促し、浸透圧を低下させることで細胞内の水分を減少させ、結果として膨圧を低下させて気孔を閉鎖させる。これにより、植物は葉からの過度な蒸散を抑制し、体内の水分保持を図る。
共通テスト(2026年)類似
エチレンによる細胞成長の制御
Q35
植物ホルモンであるエチレンが胚軸の成長に及ぼす影響として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
細胞壁のセルロース繊維を横方向に配向させ、胚軸の横方向への肥大成長を促進する。
エチレンは植物の胚軸において、細胞壁内のセルロース繊維の配向を横向きに変化させる働きがある。細胞壁のセルロース繊維が横向きに並ぶと、細胞が縦方向に伸びにくくなり、代わりに横方向への肥大成長が促進される。その結果、胚軸は太く短い形態をとるようになる。この過程ではオーキシンが関与し、細胞壁の構造変化を助けることで肥大成長が進行する。
共通テスト(2026年)類似
ガのコウモリ回避行動
Q36
ガがコウモリの超音波を感知して行う回避行動のうち、音源からの距離が5メートル以上と比較的遠い場合に多く見られる行動はどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
定位行動
ガはコウモリが発する超音波の強弱を感知し、音源との距離に応じて行動を使い分けている。実験データによると、音源までの距離が5メートル以上あるような比較的遠い状況では、ガは音源の方向を特定して回避する定位行動をとる割合が高い。一方、距離が5メートル未満と非常に近接した状況では、捕食を回避するために予測不能な動きをする非定位行動の割合が高まる。
共通テスト(2023年)類似
葉緑体の光定位運動と光透過率
Q37
シロイヌナズナの葉において、葉緑体が光定位運動を行う意義として最も適当なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
強光下で細胞側面に移動することで、光による損傷を回避する。
葉緑体は光環境に応じて細胞内での配置を変化させる。強光下では、過剰な光エネルギーによる光化学系への損傷を防ぐため、葉緑体は細胞の側面に移動して光の吸収を抑える。一方、弱光下では、限られた光を効率よく吸収するために細胞の上面と底面に並ぶ。この運動は光定位運動と呼ばれ、植物が光環境に適応するための重要な生存戦略である。
センター試験(2008年)類似
筋肉の収縮様式
Q38
骨格筋の収縮様式に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
単収縮とは、単一の刺激に対して筋肉が一度だけ収縮・弛緩する現象である。
筋肉の収縮様式において、単一の刺激に対して一度だけ収縮・弛緩するものを単収縮と呼ぶ。刺激の間隔が短くなると、弛緩が不完全なまま次の収縮が重なる不完全強縮となり、さらに刺激間隔が短くなると、弛緩が全く見られない持続的な収縮である完全強縮となる。また、骨格筋の収縮は「全か無かの法則」に従うため、閾値を超えた刺激に対しては一定の大きさで収縮し、刺激強度に比例して収縮力が増大し続けるわけではない。
センター試験(2005年)類似
眼と耳の受容器
Q39
ヒトの感覚器における受容器と刺激の受容に関する記述として最も適当なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
網膜にある錐体細胞は光の刺激を受け取り、色の識別に関与する。
ヒトの眼の網膜には視細胞が存在し、錐体細胞は明るい場所で色や形を識別する役割を担う。一方、かん体細胞は暗い場所での明暗を感じる。耳において音の振動を感知するのは内耳のうずまき管にある聴細胞であり、半規管は回転加速度を感知する平衡感覚器である。脈絡膜は眼球内部の光を遮断し、栄養を供給する組織であり、受容器ではない。
センター試験(2017年)類似
フィトクロム
Q40
日なたと日かげの光環境の違いが植物の発芽に与える影響として、フィトクロムの機能に基づいた記述として最も適切なものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
日なたでは赤色光が豊富に含まれるため、フィトクロムが活性型に変化し、発芽が促進される。
植物の葉は赤色光を効率よく吸収するため、日かげでは赤色光が減少し、相対的に遠赤色光の比率が高まる。フィトクロムは赤色光を吸収して活性型となり発芽を促進するが、遠赤色光を吸収すると不活性型に戻る。したがって、日なたでは活性型が多くなり発芽が促進され、日かげでは不活性型が多くなり発芽が抑制されることで、植物は競争の少ない環境を選んで発芽する適応戦略をとっている。
センター試験(2018年)類似
骨格筋の収縮制御
Q41
骨格筋の収縮メカニズムに関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
筋細胞膜へのナトリウムイオンの流入が、筋小胞体からのカルシウムイオン放出の引き金となる。
骨格筋の収縮は、神経刺激によって生じた活動電位が筋細胞膜を伝わり、筋小胞体からカルシウムイオンが放出されることで起こる。カルシウムイオンは筋原線維の収縮装置に作用し、アクチンとミオシンの滑り込み運動を促進する。ナトリウムイオンの流入は活動電位発生の初期段階であり、この電気的変化が収縮のトリガーとなる。
共通テスト(2026年)類似
エチレン情報伝達の変異体
Q42
野生型と変異体において、エチレン処理を行った際のセルロース繊維の向きを観察した。野生型ではエチレン処理により繊維が横向きに変化したが、変異体ではエチレン処理をしても未処理時と同様に斜め向きのままであった。この変異体の性質として、最も妥当な推論はどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
エチレン情報伝達経路が機能不全に陥っている。
実験結果から、変異体はエチレンを外部から与えても野生型のような反応(セルロース繊維の横向きへの変化)を示しません。これは、エチレンの受容やその後の細胞内へのシグナル伝達が正常に行われていないことを示唆しています。もしエチレン合成や分解の異常であれば、内因性のエチレン量に影響が出ますが、外部からの処理に応答しない点は情報伝達系の障害を強く示しています。
センター試験(2007年)類似
オーキシンの移動速度
Q43
植物の茎の切り口に標識物質を与え、一定時間後に茎の各部位でその物質を検出することで移動速度を測定する実験を行う。切り口から0.25cm間隔で切片を切り出し、120分後に切り口から1.0cm離れた部位で標識物質が初めて検出された場合、この物質の茎における移動速度として最も適切なものはどれか。
★★ 基本
具体例
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
0.5 cm/時間
移動速度は、移動した距離を要した時間で割ることで算出できる。本実験では、120分(2時間)かけて1.0cmの距離を移動したことになる。したがって、1.0cm ÷ 2時間 = 0.5cm/時間となる。オーキシンなどの植物ホルモンは、極性移動と呼ばれる特定の方向性を持った輸送機構により、細胞間を一定の速度で移動することが知られている。
センター試験(2015年)類似
視覚・聴覚・平衡感覚の受容
Q44
ヒトの平衡感覚に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本
具体例
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
体の回転は半規管で受容される
平衡感覚は、体の傾きを前庭器官で、体の回転を半規管で受容する。コルチ器は聴覚に関与し、網膜は視覚に関与する。これらの受容器はそれぞれ特定の刺激に対して反応する仕組みを持っており、混同しないように整理しておく必要がある。
共通テスト(2021年)類似
A種のさえずり学習
Q45
A種のさえずり学習において、成鳥が正常な自種の歌を固定するために必要な条件として最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
孵化後の一定期間に自種の歌を聴き、記憶すること
A種のさえずり学習は、孵化後の感受性期に父鳥の歌を聴いて記憶し、その後の成長過程で自らの歌を修正・固定するプロセスを経る。この学習には聴覚が不可欠であり、特に初期の記憶形成がその後の歌の完成を左右する。成長過程で聴覚を失うと修正が困難になるため、特定の時期に自種の歌を聴く経験が正常な発声の獲得に必須である。
センター試験(2006年)類似
蒸散速度と気温の相関
Q46
ある植物において、15時から17時にかけて気温が25度から20度まで緩やかに低下した。このとき、蒸散速度の変化として最も妥当なものはどれか。
★★★ 標準
具体例
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
気温の低下に伴い、蒸散速度も緩やかに低下する。
蒸散速度は気孔の開閉や周囲の気温、湿度に大きく左右される。気温の低下は葉面付近の飽和水蒸気圧を下げ、蒸散を抑制する方向に働く。したがって、気温の低下が緩やかであれば、蒸散速度もそれに連動して緩やかに低下する。光合成速度の急増やP/T比の低下といった現象は、この気温低下に伴う蒸散速度の変化とは直接的な因果関係を持たない。
センター試験(2006年)類似
腹部伸展・後ずさり行動のメカニズム
Q47
チャバネゴキブリの配偶行動に関する記述として、誤っているものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
翅上げをしていない雄であっても、雌のフェロモンを感知すれば直ちに腹部伸展・後ずさり行動を開始する。
チャバネゴキブリの配偶行動は、雄が翅を上げて雌を誘引し、雌が雄の背面に乗りかかるという段階的なプロセスを経て進行する。腹部伸展・後ずさり行動は、この一連の行動の過程で発現するものであり、翅上げをしていない雄がフェロモンを感知しただけで直ちにこの行動をとるわけではない。行動の発現には、雌の存在確認と、それに続く雌の接近という文脈が不可欠である。
共通テスト(2025年)類似
オーキシンによる重力屈性の制御
Q48
ラッカセイの子房柄が正の重力屈性(重力方向に屈曲する性質)を示すメカニズムを説明する仮説として、最も妥当なものはどれか。
★★★★ 難問
背景
正答率 —
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✅ 正解
上側のオーキシン濃度が高くなるか、あるいは上側の細胞がオーキシンに対して高い感受性を持つことで、上側の伸長が促進される。
茎が示す負の重力屈性と異なり、正の重力屈性を実現するためには、重力方向(下側)ではなく、その反対側(上側)の細胞伸長を促進させる必要があります。そのため、オーキシンの分布が逆転しているか、あるいは組織ごとのオーキシンに対する感受性の違いが、正の重力屈性を生む重要な要因となります。
共通テスト(2023年)類似
嗅覚受容体の特異性と濃度応答
Q49
ある培養細胞Aが物質CからGのすべてに反応し、培養細胞Bが物質FとGにのみ反応する状況において、匂い物質の濃度と嗅覚受容体の興奮に関する記述として正しいものはどれか。
★★★ 標準
具体例
正答率 —
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✅ 正解
細胞Aにおいて、物質Cの濃度を3mg/Lから300mg/Lに高めると、興奮の大きさは増大する。
嗅覚受容体における興奮の大きさは、匂い物質の濃度に依存します。一般に、匂い物質の濃度が高くなるほど受容体との結合頻度や強さが増し、細胞の興奮の大きさは増大します。細胞Aは物質Cに反応する性質を持つため、その濃度を上げれば興奮の大きさも増大します。一方、細胞Bは物質FとGにのみ反応するため、物質Cに対しては濃度を上げても興奮は生じません。
センター試験(2006年)類似
大脳の組織構造
Q50
大脳の構造において、白質が主に担っている機能として最も適切なものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
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✅ 正解
ニューロン同士の情報を伝達するための神経線維の通り道としての役割。
大脳の白質は、ニューロンの軸索が集合した部位です。軸索は神経細胞体から情報を伝達するための突起であり、白質はこれらが束となって脳の各領域間や、脳と脊髄の間を結ぶネットワークを形成しています。情報の高度な処理は主に細胞体が集まる灰白質で行われますが、白質はその情報を高速かつ効率的に伝達するための通信路として機能しています。
センター試験(2017年)類似
光発芽の可逆性
Q51
レタスの種子を用いた光発芽実験において、赤色光(R)と遠赤色光(FR)を交互に照射した際、最後に赤色光を照射した条件での発芽率が約90%であったとする。このとき、最後に遠赤色光を照射した条件での発芽率として最も妥当な数値はどれか。
★★★ 標準
具体例
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
0%
フィトクロムによる光発芽は、赤色光によって活性型(Pfr)が増加し発芽が促進され、遠赤色光によって不活性型(Pr)に戻り発芽が抑制される。実験において、最後に遠赤色光を照射するとフィトクロムはほぼすべて不活性型に戻るため、発芽は強く抑制され、発芽率は極めて低い値(ほぼ0%)となる。
共通テスト(2022年)類似
フェロモンの機能
Q52
生物が体外に放出し、同種個体間の情報伝達に用いられる化学物質を何と呼ぶか。
★ やさしい
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
フェロモン
フェロモンは個体から体外へ放出され、同種の他個体に特定の行動や生理的変化を引き起こす化学物質である。一方、ホルモンは個体内の内分泌腺から放出され、体内での情報伝達を担う。神経伝達物質は神経細胞間で情報を伝達する物質であり、酵素は生体内の化学反応を触媒するタンパク質である。
センター試験(2017年)類似
光発芽の可逆性
Q53
植物の種子における光発芽の仕組みについて、フィトクロムの活性型と不活性型の変換に関する記述として最も適当なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
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✅ 正解
最後に照射された光の波長によって、発芽率は可逆的に決定される。
フィトクロムは赤色光を吸収して活性型に、遠赤色光を吸収して不活性型に変換されるタンパク質である。この変換は可逆的であり、種子は最後に受けた光の質を感知することで、周囲の環境が発芽に適しているかを判断する。そのため、最後に照射された光の波長が発芽率を決定する重要な要因となる。
センター試験(2004年)類似
ミツバチのダンスと太陽方位
Q54
ミツバチが巣箱内の垂直な巣板上で、太陽の方向と餌場の方向とのなす角を仲間に伝える際、基準として利用する物理的な力と、餌場が太陽の方向にある場合に示されるダンスの向きの組み合わせとして最も適当なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
重力と鉛直上向き
ミツバチは巣箱内の暗い環境において、太陽の方向を直接確認できないため、重力を基準として餌場の方向を伝達する。太陽が南中しているとき、太陽は真上に位置する。このとき、餌場が太陽の方向にあるという情報は、巣板上で重力に逆らう鉛直上向きのダンスを行うことで表現される。このように、ミツバチは太陽方位という外部情報を、重力という物理的な基準を用いて巣板上の角度情報に変換している。
センター試験(2010年)類似
髄鞘
Q55
神経の伝導に関する記述として、髄鞘とランビエ絞輪の機能に照らして最も適切なものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
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✅ 正解
跳躍伝導は、ランビエ絞輪において活動電位が再発生することで高速な伝導を実現する
髄鞘は絶縁体として機能し、その隙間であるランビエ絞輪においてのみ細胞膜を介したイオンの移動と活動電位の発生が可能となる。活動電位がランビエ絞輪から次のランビエ絞輪へと飛び越えるように伝わる跳躍伝導では、膜の全域で脱分極を起こす必要がないため、エネルギー消費を抑えつつ高速な信号伝達が可能となる。
共通テスト(2025年)類似
植物の防御反応と成長抑制
Q56
植物が食害を受けた際に、害虫の消化管内でトレオニンを分解する酵素を合成し、害虫の成長を抑制する防御機構に関する記述として最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
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✅ 正解
植物は必須アミノ酸を分解する消化酵素を合成することで、害虫の栄養摂取を阻害する。
植物は食害を受けると、害虫の消化管内で機能する特定の消化酵素(TD酵素など)を合成します。この酵素は、害虫にとって必須アミノ酸であるトレオニンを分解し、吸収可能な量を減少させます。これにより、害虫はタンパク質合成に必要な栄養素を十分に得られなくなり、結果として成長が抑制されるという防御戦略をとっています。これは植物が進化の過程で獲得した、化学的な対抗手段の一つです。
センター試験(2004年)類似
学習行動
Q57
次の行動のうち、哺乳類の「学習行動」に該当するものはどれか。
★★★ 標準
具体例
正答率 —
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✅ 正解
チンパンジーが道具を使ってアリを捕獲する行動
チンパンジーが道具を用いて食物を得る行動は、個体としての経験や観察を通じて獲得される学習行動である。一方、新生児の吸乳行動や抱かれた際の反応は本能的な反射であり、運動時の呼吸数増加は生理的な恒常性維持のための反応であるため、いずれも学習行動には含まれない。
センター試験(2017年)類似
有髄神経線維
Q58
有髄神経線維における活動電位の伝導に関する記述として、最も適当なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
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✅ 正解
髄鞘が絶縁体として機能し、ランビエ絞輪でのみ活動電位が発生することで伝導速度が速くなる。
有髄神経線維では、軸索が絶縁体である髄鞘で覆われており、イオンの出入りが可能なランビエ絞輪でのみ活動電位が発生します。この仕組みにより、活動電位が絞輪から絞輪へと飛び越えるように伝わる「跳躍伝導」が起こります。これにより、無髄神経線維に比べて伝導速度が著しく速くなります。不応期は有髄・無髄を問わず存在し、ナトリウムイオンの流入は絞輪部でのみ起こります。
センター試験(2012年)類似
重力屈性の過程
Q59
植物の茎を水平に置いた際、重力刺激を感知して屈曲方向を決定する過程と、実際に細胞伸長により屈曲が起こる過程の二段階に分かれる重力屈性について、実験結果から導かれる考察として最も適当なものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
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✅ 正解
重力刺激を感知する過程は低温でも進行するが、細胞伸長による屈曲の実行には適切な温度が必要である。
重力屈性は、重力刺激の感知・方向決定過程と、オーキシンの偏在等による細胞伸長過程に分けられる。低温下で水平に置いた後に温度を戻しても屈曲が観察される事実は、低温下でも重力刺激の感知過程は進行し、その情報が保持されていることを示す。一方で、低温下では屈曲が直ちに進行しないことから、細胞伸長を伴う屈曲の実行過程は温度依存的であり、代謝活性を必要とすることがわかる。
センター試験(2007年)類似
植物ホルモンの機能
Q60
乾燥した環境下で種子の発芽を一時的に停止させ、休眠を維持するために重要な役割を果たす植物ホルモンはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
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✅ 正解
アブシシン酸
アブシシン酸は、植物が乾燥などの過酷な環境にさらされた際に、種子の発芽を抑制して休眠を維持させる働きを持つ。これにより、植物は不適当な時期の発芽を避け、生存確率を高めることができる。一方、ジベレリンは休眠打破を促し発芽を促進する作用があるため、両者は発芽の制御において対照的な役割を担っている。
センター試験(2007年)類似
シナプスにおける情報伝達
Q61
神経細胞の末端において、神経伝達物質が放出される仕組みとして最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
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✅ 正解
神経細胞の末端にある小胞が細胞膜と融合し、神経伝達物質が放出される
シナプスにおける情報伝達では、神経細胞の末端に到達した電気信号が、神経伝達物質を蓄えた小胞を細胞膜と融合させることで、物質をシナプス間隙へ放出します。放出された神経伝達物質が隣接する細胞の受容体に結合することで、次の細胞に活動電位が発生します。跳躍伝導は有髄神経繊維における電気信号の伝わり方であり、細胞同士が架橋構造でつながることはありません。
センター試験(2005年)類似
神経の伝達経路
Q62
神経の伝達経路において、運動神経が効果器に対して果たす生理学的な意義として最も適切なものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
中枢で生成された指令を末梢の筋肉や腺に伝え、身体の反応を実現する。
神経系は情報の入力、処理、出力という一連のプロセスで機能します。中枢神経系は情報の統合と指令の生成を行う司令塔であり、その指令を末梢の実行部隊である効果器(筋肉や腺)へ届けるのが運動神経の役割です。この伝達により、個体は環境の変化に対して適切な運動や分泌といった反応を示すことが可能となります。感覚神経による入力と運動神経による出力の連携こそが、ヒトの複雑な行動を支える基盤となっています。
センター試験(2016年)類似
味細胞と嗅細胞の受容
Q63
味覚や嗅覚が化学受容と呼ばれる理由として、最も適切な説明はどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
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✅ 正解
特定の分子構造を持つ化学物質が細胞膜上の受容体に結合することで、神経信号が発生するため。
味細胞や嗅細胞は、環境中の特定の化学物質を適刺激として受け取る。これらの細胞膜上には特定の分子を認識する受容体が存在し、化学物質が結合することで細胞内の情報伝達系が活性化され、神経信号が生じる。物理的な圧力や振動は機械受容、光は光受容、重力は平衡受容の範疇であり、化学受容とは区別される。
センター試験(2005年)類似
経路積分による帰巣
Q64
経路積分による帰巣能力に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★★★ 難問
背景
正答率 —
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✅ 正解
周囲の景色が変化しても帰巣能力は影響を受けない
経路積分は、動物が自身の移動情報を内部的に処理する能力であるため、周囲の景色やフェロモンといった外部環境の変化に依存しません。ただし、この能力は移動距離が長くなるにつれて誤差が蓄積しやすいという特徴があります。そのため、多くの生物は経路積分と他のナビゲーション手段を組み合わせて正確な帰巣を行っています。
センター試験(2004年)類似
ミツバチのダンスと時間経過
Q65
ミツバチがダンスによって餌場の位置情報を仲間に伝達する際、太陽の移動を補正する生物学的意義として最も適切なものはどれか。
★★★★ 難問
背景
正答率 —
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✅ 正解
太陽の移動に伴う餌場の見かけの方位変化を相殺し、正確な場所を共有するため。
ミツバチは太陽を方位の基準として利用するが、太陽は時間とともに空を移動する。そのため、餌場を見つけた時刻とダンスを行う時刻にずれがある場合、その間の太陽の移動分を補正しなければ、仲間は誤った方向に誘導されてしまう。この補正能力は、時間経過にかかわらず餌場の正確な方位を仲間に伝えるために不可欠な適応行動である。
センター試験(2017年)類似
中枢神経系
Q66
脊椎動物の神経系において、中枢神経系を構成する器官の組み合わせとして最も適切なものはどれか。
★ やさしい
基礎
正答率 —
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✅ 正解
脳と脊髄
脊椎動物の神経系は、大きく中枢神経系と末梢神経系に分類される。中枢神経系は情報の統合や処理を担う脳と脊髄から構成される。一方、末梢神経系は中枢神経系と体の各部を結ぶ神経であり、体性神経と自律神経に分けられる。したがって、中枢神経系を構成するのは脳と脊髄である。
共通テスト(2025年)類似
神経の刺激伝達
Q67
味覚などの感覚において、刺激の強さを脳が識別する原理に関する記述として、誤っているものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
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✅ 正解
刺激が強くなると、個々のニューロンにおける活動電位の伝導速度が速くなることで強さを伝える。
神経の興奮伝導速度は、ニューロンの構造(有髄・無髄など)によって決まる固有の値であり、刺激の強さによって変化することはありません。刺激の強さは、興奮するニューロンの数と、個々のニューロンの興奮頻度という二つの要素によって脳へ伝達されます。活動電位の大きさや伝導速度は刺激の強さを反映する指標ではありません。
センター試験(2015年)類似
味細胞と嗅細胞の受容
Q68
動物が環境の変化を刺激として受け取る感覚器のうち、化学物質を適刺激として受容する感覚細胞の組み合わせとして最も適切なものはどれか。
★ やさしい
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
味細胞と嗅細胞
味細胞と嗅細胞は、環境中に存在する特定の化学物質を刺激として受容し、神経信号に変換する化学受容器である。一方、杆体細胞と錐体細胞は光を感知する視細胞であり、中耳の有毛細胞は音の振動を、内耳の平衡斑は重力や加速度を感知する。皮膚は接触や温度、痛みを感知するが、これらは化学受容とは異なるメカニズムに基づいている。
センター試験(2007年)類似
神経伝達物質
Q69
神経細胞間において、神経伝達物質が放出されることで情報が伝達される部位の名称として最も適切なものはどれか。
★ やさしい
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
シナプス
神経細胞(ニューロン)同士の接合部はシナプスと呼ばれ、電気信号が到達すると神経伝達物質が放出され、次の細胞へ情報が伝達されます。ニューロンは神経細胞そのものを指し、ランビエ絞輪は有髄神経繊維において髄鞘が途切れている部位を指すため、情報伝達部位の名称としては不適切です。
センター試験(2018年)類似
加重収縮
Q70
筋肉に対して最初の刺激を与えた際、その収縮が完全に終わる前に次の刺激を加えると、筋肉の長さの最小値が最初の刺激のみの場合よりも小さくなる現象を何と呼ぶか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
加重収縮
筋肉に刺激を与えると収縮が起こるが、最初の収縮が終了する前に次の刺激が加わると、前の収縮による張力や短縮が残っている状態で新たな収縮が重なる。この結果、筋肉の長さの最小値は単独の刺激による単収縮よりも小さくなる。この現象は加重収縮と呼ばれ、刺激の間隔が短いほど顕著に現れる。
センター試験(2005年)類似
根冠による重力屈性の制御
Q71
根の重力屈性に関する実験において、根冠を除去した根の挙動として最も妥当なものはどれか。
★★★ 標準
具体例
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
根冠を除去すると、根は重力を感知できなくなり、重力屈性を示さなくなる。
根冠は根における重力感知の主要な部位である。根冠を除去すると、重力刺激を受け取ることができなくなるため、根は重力方向を認識できず、重力屈性を示さなくなる。このことは、根冠が単なる成長の末端ではなく、環境刺激を感知し、成長の方向を決定するためのシグナル発信源であることを示している。
センター試験(2012年)類似
重力屈性におけるオーキシンの分布
Q72
植物の茎を水平に置いた際に生じる重力屈性について、オーキシンの分布と細胞の反応の組み合わせとして最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
下側にオーキシンが蓄積し、細胞伸長が促進されることで上向きに屈曲する
植物の茎を水平に置くと、重力の影響でオーキシンが茎の下側に輸送され、下側の濃度が高まります。茎においてオーキシンは細胞伸長を促進する働きがあるため、下側の細胞が上側の細胞よりも速く伸長します。その結果、茎は上向きに屈曲します。なお、根においてはオーキシン濃度が高いと逆に細胞伸長が抑制されるため、茎とは反対の屈曲反応が見られます。
センター試験(2004年)類似
神経系と行動
Q73
脊椎動物の神経系において、熱いものに触れた際に無意識に手を引っ込めるような反射行動の中枢として、最も適切な部位はどれか。
★ やさしい
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
脊髄
反射行動は、危険を回避するために意識的な判断を介さず、迅速に反応する必要がある。そのため、脳を経由せず脊髄が中枢となって反射弓を形成し、筋肉へ指令を送ることで素早い対応を可能にしている。一方、大脳皮質は高度な判断や知能行動を、小脳は運動の調節を、間脳は自律神経の調節を主につかさどる。
センター試験(2012年)類似
神経伝達物質
Q74
神経細胞の末端から放出され、隣接する細胞へ興奮を伝達する化学物質として、適切なものはどれか。
★ やさしい
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
アセチルコリン
神経伝達物質は、神経細胞の末端から放出され、次の細胞へ興奮を伝える化学物質である。アセチルコリンやノルアドレナリンは代表的な神経伝達物質として知られている。一方、鉱質コルチコイドは副腎皮質から分泌されるホルモンであり、チロキシンは甲状腺から分泌されるホルモン、パラトルモンは副甲状腺から分泌されるホルモンである。これらは血液を介して標的器官に作用するホルモンであり、神経伝達物質には分類されない。
共通テスト(2022年)類似
働きアリの行列形成
Q75
働きアリが餌場から巣へ戻る際に道標フェロモンを分泌し、他の個体がそれを追跡することで行列が形成される現象において、この行動を制御する仕組みとして最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
個体間の正のフィードバックによる経路の選択と強化
働きアリが分泌する道標フェロモンは、他の個体を誘引する効果を持つ。フェロモンが蓄積された経路を通るアリが増えるほど、さらにフェロモンが追加され、その経路が選ばれやすくなる。この仕組みは正のフィードバックと呼ばれ、複数の経路がある場合に、より効率的な経路へアリが集中する行列形成の原動力となる。
センター試験(2016年)類似
視覚・聴覚・平衡感覚の適刺激と受容器
Q76
ヒトの平衡感覚に関する記述として、正しいものはどれか。
★★★ 標準
具体例
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
体の傾きはうずまき管によって受容される。
ヒトの平衡感覚は内耳によって担われる。体の回転は半規管内のリンパ液の動きによって感知され、体の傾きや直線加速度は前庭器官の一部であるうずまき管(耳石器)によって感知される。コルチ器は聴覚の受容器であり、網膜は視覚の受容器であるため、これらは平衡感覚とは異なる。
センター試験(2019年)類似
暗所における視覚の適応
Q77
明るい場所から暗い場所へ移動した際、時間が経過するにつれて弱い光に対しても感度が高まり、視覚が適応する現象を何と呼ぶか。
★ やさしい
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
暗順応
暗順応とは、明るい場所から暗い場所へ移動した際に、網膜の光受容細胞の感度が徐々に高まり、暗い環境に適応する現象を指す。この過程では、主に暗所での視覚を担う桿体細胞の感度が上昇し、わずかな光量でも視覚情報を得られるようになる。一方、明順応は暗い場所から明るい場所へ移動した際に起こる適応現象である。
センター試験(2005年)類似
盲点の構造的理由
Q78
ヒトの眼球における盲点の構造的理由として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
視神経が眼球から出る部位には視細胞が存在しないため
眼球の網膜において、光を受容する視細胞は網膜の表面に分布しているが、視神経が束となって脳へ向かうために眼球の外へ出る部位(視神経乳頭)には、これらの視細胞が存在しない。そのため、この部位に光が当たっても視覚情報として変換されず、像として認識することができない。これが盲点が生じる構造的な理由である。
センター試験(2020年)類似
フィトクロムによる光環境応答
Q79
植物が持つ光受容体であるフィトクロムが、光環境に応答して調節する生理現象として最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
レタスの種子の発芽促進
フィトクロムは主に赤色光と遠赤色光を感知する光受容体であり、レタスの種子の発芽を促進することが古くから知られている。一方、茎の屈光性は主に青色光受容体であるフォトトロピンが関与する現象である。フィトクロムは光質を感知し、遺伝子発現やスプライシングの制御を通じて、植物の発芽や開花などの環境応答を調節する重要な役割を担っている。
センター試験(2017年)類似
フィトクロム
Q80
植物が光環境を感知する仕組みにおいて、赤色光と遠赤色光を吸収して可逆的に構造を変化させ、種子の発芽などを制御する光受容体タンパク質はどれか。
★ やさしい
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
フィトクロム
フィトクロムは植物の光受容体であり、赤色光を吸収すると活性型に、遠赤色光を吸収すると不活性型に変化する性質を持つ。この可逆的な構造変化により、植物は周囲の光環境を感知し、光発芽種子の発芽タイミングや茎の伸長などを調節している。ジベレリンやアブシシン酸は植物ホルモンであり、フロリゲンは花芽形成を誘導するシグナル物質であるため、これらは光受容体ではない。
センター試験(2005年)類似
ベニツチカメムシの帰巣行動
Q81
ベニツチカメムシの帰巣行動に関する説明として、生物学的な観点から最も妥当なものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
帰巣時の直線的な移動は、巣の位置を空間的に把握する定位能力によるものである。
ベニツチカメムシの帰巣行動は、単なる化学物質(フェロモン)の追跡や、光に対する反射的な反応(走光性)ではなく、巣の空間的な位置関係を把握する高度な定位能力によって制御されている。このため、実を発見した後は、探索時のような複雑な経路ではなく、巣へ向かって直線的に移動することが可能となる。
共通テスト(2022年)類似
細胞内成分の蓄積と凍結耐性
Q82
植物が低温環境にさらされる際、細胞内の糖やアミノ酸の濃度を上昇させることで凍結による細胞破壊を回避する現象として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
凍結回避
植物は低温にさらされる前に徐々に温度が低下する環境下で、細胞内の糖やアミノ酸などの溶質濃度を高めることで、細胞液の凝固点を下げたり、細胞膜を保護したりして凍結による破壊を回避する。この一連の適応現象を凍結回避と呼ぶ。急速な温度低下ではこれらの物質の蓄積が間に合わず、耐性を獲得できないことが多い。
共通テスト(2025年)類似
イネの種子発芽の仕組み
Q83
イネの種子発芽の過程において、胚で合成されたジベレリンが糊粉層に作用した結果、直接的に引き起こされる現象として最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
アミラーゼの合成が誘導される
イネの種子発芽では、胚で生成された植物ホルモンであるジベレリンが糊粉層へと移動します。このジベレリンが糊粉層の細胞に働きかけることで、デンプン分解酵素であるアミラーゼの合成が誘導されます。生成されたアミラーゼは胚乳へ分泌され、蓄えられたデンプンを分解してグルコースを生成します。このグルコースが胚の成長のためのエネルギー源として利用されることで、発芽が進行します。
センター試験(2004年)類似
学習行動
Q84
哺乳類に見られる学習行動の定義として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
経験をもとに見通しを立てて、新しい行動を獲得すること
学習行動とは、個体が経験を通じて行動を変化させたり、新しい行動を獲得したりすることを指す。これに対し、本能行動は遺伝的に決定されており、経験を必要とせず生後すぐに発現する。反射や生理的な反応は、個体の生存に直結する自動的な応答であり、学習とは区別される。
センター試験(2012年)類似
神経伝達物質
Q85
神経細胞の機能に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本
背景
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ノルアドレナリンは神経伝達物質として機能する。
神経伝達物質は神経細胞の末端から放出され、シナプス間隙を介して次の細胞に情報を伝える。ノルアドレナリンはこの代表例である。糖質コルチコイドは副腎皮質から分泌されるホルモンであり、神経伝達物質ではない。神経伝達物質は血液を介さず、シナプスという局所的な部位で作用する点がホルモンと大きく異なる。また、神経伝達物質は細胞体で合成された後、軸索を輸送されて末端に蓄えられる。
センター試験(2011年)類似
強縮
Q86
骨格筋に対する刺激頻度を徐々に高めていった際、最初の収縮が十分に弛緩する前に次の収縮が起こり、収縮が重なり合って持続的に強い収縮状態となる現象を何というか。
★ やさしい
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
強縮
筋肉に与える刺激の頻度が高まると、前の収縮による弛緩が完了する前に次の刺激が加わるため、収縮が加重されます。この加重が繰り返されることで、筋肉は弛緩することなく持続的に高い張力を維持する状態となり、これを強縮と呼びます。単収縮は単一の刺激に対する一過性の収縮であり、不応期は刺激に対して反応しない期間を指します。
共通テスト(2022年)類似
水深による温度保護
Q87
イネの茎頂分裂組織が低温から保護されるメカニズムに関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
水の比熱が空気よりも大きいため、水深を深くすると茎頂分裂組織周辺の温度変化が緩やかになる。
物質の比熱とは、1gの温度を1度上げるのに必要な熱量のことです。水は空気と比較して比熱が非常に大きいため、外部の気温が変化しても水温は急激には変化しません。この物理的特性を利用して、イネは水深を深くすることで、低温による花粉形成への悪影響を物理的に遮断しています。
共通テスト(2025年)類似
イネの種子発芽の仕組み
Q88
イネの種子発芽におけるジベレリンの役割について説明した文章として、最も適切なものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
胚で合成されたジベレリンは、糊粉層に作用してアミラーゼの合成を誘導する
イネの発芽プロセスにおいて、ジベレリンは胚で合成されるシグナル伝達物質として機能します。このホルモンが糊粉層へ移動し、特定の遺伝子発現を調節することでアミラーゼの合成を促進します。この仕組みにより、胚乳という外部の栄養貯蔵庫から効率的にエネルギーを取り出すことが可能となります。デンプンの合成やDNAの複製が直接の役割ではない点に注意が必要です。
生態と進化(103問)の一問一答問題
センター試験(2017年)類似
生きている化石
Q1
イチョウは裸子植物に分類されるが、他の多くの種子植物とは異なり、受精の際にどのような特徴を持つことで知られているか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
精子をつくり、それを用いて受精を行う
イチョウは裸子植物でありながら、精子をつくるという原始的な特徴を保持している。一般的な被子植物や多くの裸子植物は、花粉管の中で精細胞が形成され受精が行われるが、イチョウやソテツなどの一部の裸子植物は、花粉管の先端から精子が放出されて受精が行われる。この特徴は、進化の過程で水生環境から陸上環境へ適応する以前の祖先的な性質を残しているものと考えられている。
共通テスト(2022年)類似
分子時計と自然選択
Q2
分子時計の理論において、タンパク質のアミノ酸配列の差異が予測値よりも有意に小さい場合、そのタンパク質で生じている現象として最も適切なものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
機能維持のための負の自然選択が働いている
分子時計は、中立的な突然変異が一定の速度で蓄積することを前提としています。しかし、特定のタンパク質においてアミノ酸配列の差異が予測値よりも小さい場合、そのタンパク質は生命維持に不可欠な機能を担っていると考えられます。このとき、機能を変えてしまうような変異は生存に不利となるため、自然選択によって排除される「負の自然選択(精製選択)」が働いていると解釈されます。
センター試験(2005年)類似
立体視の獲得背景
Q3
立体視のメカニズムと生物学的意義に関する記述として最も適当なものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
両眼の視野を重ね合わせることで、対象物までの距離を正確に測定する。
立体視は、両眼の視野を一部重複させることで、左右の眼に映る像のわずかなズレ(視差)を脳が処理し、奥行きや距離を認識する仕組みである。これは獲物の捕獲や樹上での移動において極めて重要な役割を果たす。視野を広げることは主に草食動物に見られる適応であり、立体視とは異なる進化の方向性である。
センター試験(2005年)類似
生物濃縮性物質
Q4
環境中で分解されにくく、生物の脂肪組織に蓄積されやすい性質を持つ化学物質が、食物連鎖を通じて高次消費者の体内で濃度が高まる現象を何と呼ぶか。
★ やさしい
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
生物濃縮
生物濃縮とは、環境中に放出された難分解性かつ脂溶性の高い化学物質が、食物連鎖の過程で上位の栄養段階にある生物ほど体内に高濃度で蓄積される現象を指す。DDTやPCBなどが代表例であり、これらは代謝や排出がされにくいため、生態系全体に深刻な影響を及ぼす可能性がある。
共通テスト(2022年)類似
分子系統樹
Q5
生物の進化的な類縁関係を推定する手法の一つである分子系統樹において、タンパク質のアミノ酸配列の差異が小さいほど、進化的に近縁であると判断される。ヒトと他の霊長類とのアミノ酸配列の差異を比較した結果、ヒトと最も近縁であると考えられる生物の組み合わせとして最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ヒトとチンパンジー
分子系統樹は、DNAの塩基配列やタンパク質のアミノ酸配列の差異を解析することで作成される。アミノ酸配列の差異が小さいことは、共通の祖先から分岐してからの時間が短いことを意味する。ヒトとチンパンジーは、他の霊長類と比較してアミノ酸配列の相同性が極めて高く、進化的に最も近縁な関係にあることが分子生物学的な解析から明らかになっている。
センター試験(2004年)類似
ヒトの近縁種
Q6
ヒト(ホモ・サピエンス)が属する霊長類の中で、系統的に最も近縁な生物として適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
オランウータン
ヒトは霊長類に属し、進化の過程で他の霊長類と分岐してきた。分子系統学的な解析によると、ヒトはチンパンジーやゴリラと非常に近い関係にあるが、提示された選択肢の中ではオランウータンがヒトに最も近縁な生物である。メガネザル、キツネザル、ニホンザルは、ヒトとの系統的な分岐がより古く、近縁関係はオランウータンよりも遠い。
センター試験(2016年)類似
ハチの血縁度と利他的行動
Q7
ハチの性決定様式において、雌が二倍体、雄が半数体である場合、姉妹間での血縁度と、親が娘に対して持つ血縁度の組み合わせとして正しいものはどれか。
★★★★ 難問
具体例
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
姉妹間:0.75、親と娘間:0.5
ハチの雌は二倍体で、雄は半数体である。姉妹は父親から受け継ぐ遺伝子が同一であるため、血縁度は0.75となる。一方で、親(母親)から娘への遺伝子の伝達は減数分裂を経て行われるため、親と娘の血縁度は0.5となる。この血縁度の非対称性が、社会性昆虫における利他的行動の進化を説明するハミルトンの法則の基礎となっている。
センター試験(2016年)類似
ハチの血縁度と利他的行動
Q8
ミツバチなどの社会性昆虫において、ワーカー(働きバチ)が自ら繁殖せずに女王バチを助けて妹を育てる利他的行動が進化しやすい理由として、最も適切なものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
雌が二倍体、雄が半数体であるため、姉妹間の血縁度が自身の娘との血縁度よりも高くなるから
ハチの性決定様式は、雌が二倍体、雄が半数体である。このため、姉妹は父親から全く同じ遺伝子セットを受け継ぎ、母親からは半分を受け継ぐため、姉妹間の血縁度は0.75となる。一方、自身が産む娘との血縁度は0.5である。自身の遺伝子を次世代に残すという観点では、血縁度の高い妹を育てる方が効率的であり、これが利他的行動の進化を促す要因となっている。
センター試験(2018年)類似
窒素の構成元素
Q9
生物の体を構成する有機化合物のうち、窒素を構成元素として含まないものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ピルビン酸
タンパク質はアミノ酸が重合したものであり、アミノ基(-NH2)を持つため窒素を含む。核酸であるDNAやRNAは、塩基部分に窒素原子を豊富に含んでいる。一方、ピルビン酸は炭素、水素、酸素のみから構成される有機酸であり、窒素を含まない。窒素はアミノ酸や核酸塩基の合成に不可欠な元素である。
共通テスト(2023年)類似
最適縄張りサイズ
Q10
アユの縄張り維持に関する記述として、環境要因の変化と最適縄張りサイズの傾向の組み合わせとして最も適切なものはどれか。
★★★★ 難問
背景
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
藻類の量が少ない環境では、利益を確保するために最適縄張りサイズは大きくなる傾向がある
最適縄張りサイズは、利益曲線とコスト曲線の差が最大となる点である。藻類の量が少ない環境では、単位面積あたりの利益が低下するため、一定の利益を確保するためにはより広い面積を縄張りにする必要が生じ、結果として最適サイズは大きくなる。一方、個体群密度が高い環境では、他個体からの侵入頻度が増し、防衛コストが上昇するため、最適縄張りサイズは小さくなる傾向がある。
共通テスト(2021年)類似
生産構造図
Q11
植物群落における生産構造図の定義として最も適切なものはどれか。
★ やさしい
基礎
正答率 —
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✅ 正解
群落の高さごとの葉の乾燥重量と光量の分布を示したもの
生産構造図は、植物群落を高さ方向に層別に分け、各層における葉の乾燥重量と、その高さに到達する光量の分布を可視化したものである。これにより、群落内での光の利用効率や、どの層で光合成が活発に行われているかを把握することができる。他の選択肢は、個体群動態や物質生産の収支に関する記述であり、生産構造図の定義とは異なる。
センター試験(2019年)類似
3ドメイン説
Q12
3ドメイン説に基づく生物の系統関係として、最も適切な記述はどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
系統樹上では、古細菌と真核生物は細菌よりも近縁なグループとして位置づけられる。
3ドメイン説は、カール・ウーズらによって提唱された分類体系である。リボソームRNAの塩基配列解析に基づくと、生物は細菌、古細菌、真核生物の3つのドメインに大別される。この系統樹において、古細菌と真核生物は共通の祖先から分かれた姉妹群の関係にあり、細菌よりも互いに近縁であることが示されている。真核生物の細胞内小器官であるミトコンドリアや葉緑体は、それぞれ細菌由来の細胞内共生によって獲得されたものである。
共通テスト(2026年)類似
ヤエヤマヒルギの窒素獲得と窒素固定
Q13
ヤエヤマヒルギの根における窒素固定に関する実験において、15Nを含むN2を供給した際、最も活発に窒素の同化が行われている部位として最も適切なものはどれか。
★★★ 標準
具体例
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
側根
実験データに基づくと、15Nの検出量と窒素固定速度を比較した際、根の各部位の中で側根において最も高い窒素固定速度が観測されます。これは、側根が窒素固定細菌の活動拠点として機能し、効率的に窒素の同化を行っていることを示唆しています。根の先端や皮目自体は窒素の取り込み口や成長点としての役割が主であり、同化の主戦場は側根にあります。
センター試験(2005年)類似
種数平衡モデル
Q14
大陸から非常に遠い島と、大陸に近い島を比較した場合の種数平衡モデルの考え方として最も適当なものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
大陸から遠い島は移入率が低いため、平衡種数は大陸に近い島よりも少なくなる。
移入率は大陸からの距離に依存し、距離が遠いほど新たな種が到達する確率が下がるため、移入率曲線は下方に位置する。このため、絶滅率曲線との交点である平衡種数は、大陸に近い島と比較して小さくなる傾向がある。
センター試験(2018年)類似
総生産量
Q15
植物の生産量に関する考察として、誤っているものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
総生産量は、植物の純生産量に消費者の成長量を加えることで算出できる。
総生産量は植物自身の光合成能力に関わる指標であり、純生産量と呼吸量の和で定義される。消費者の成長量は、生産者が生産した有機物が食物連鎖を通じて消費者に移行した結果であり、植物の総生産量の算出には直接関係しない。したがって、消費者の成長量を加えるという記述は誤りである。
共通テスト(2024年)類似
同化物の分配率の算出
Q16
ある植物において、地下茎の乾燥重量が2.0 g、地下茎を除く植物体全体の乾燥重量が8.0 gであるとき、地下茎への同化物分配率は何パーセントか。
★★★ 標準
具体例
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
20%
分配率は、特定の器官の乾燥重量を植物体全体の乾燥重量で割ることで算出される。この場合、植物体全体の乾燥重量は地下茎の2.0 gとそれ以外の8.0 gを合計した10.0 gとなる。したがって、分配率は2.0 g / 10.0 g = 0.2となり、パーセントに換算すると20%となる。
センター試験(2019年)類似
年齢ピラミッド
Q17
個体群における各年齢階級の個体数の構成比を示し、将来の個体数の増減を予測する指標として用いられるものを何というか。
★ やさしい
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
年齢ピラミッド
年齢ピラミッドは、個体群の年齢構成を視覚的に示したものであり、若齢個体の割合が高い場合は将来的に個体数が増加する拡大型、逆に若齢個体が少ない場合は減少していく老化型と判断されます。生存曲線は個体ごとの生存率を、個体群密度は単位面積あたりの個体数を示す指標です。
センター試験(2016年)類似
生物の進化史と大量絶滅
Q18
中生代末の大量絶滅期において、爬虫類の科の数が急激に減少する一方で、その後の新生代にかけて被子植物の科の数が急増した。この現象が示す生物進化の過程として最も適切な説明はどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
大規模な絶滅が既存の生態的地位を空け、生き残った生物群の適応放散を促進した。
大量絶滅は、それまで支配的だった生物群を排除することで、空いた生態的地位(ニッチ)を他の生物が利用可能にする。中生代末の大量絶滅後、哺乳類や被子植物は、それまで恐竜などが占めていた環境へ進出し、多様化する適応放散を起こした。これは進化史における重要な転換点であり、生物多様性の再構築プロセスである。
共通テスト(2021年)類似
ニッチの分割
Q19
種間競争が激しい環境において、複数の種が利用する資源や生活空間を分けることで共存を図る現象を何と呼ぶか。
★ やさしい
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ニッチの分割
ニッチの分割とは、同じ資源を巡って競争する種同士が、利用する空間や餌の種類、活動時間などを分けることで、競争を回避し共存する現象を指す。これにより、限られた環境下でも複数の種が安定して生息可能となる。
センター試験(2018年)類似
種分化と配偶者選択
Q20
同所的分布域において、近縁種との交配による雑種の繁殖力低下を避けるために、雌が自種と他種を識別して自種の雄を選択する好みが進化する現象を何と呼ぶか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
生殖隔離の強化
同所的分布域で近縁種が共存する場合、交雑による不適応な子孫の生産を回避する淘汰圧が働きます。その結果、雌が自種の雄を識別して選ぶ行動が進化し、種間の生殖隔離が強化される現象を「生殖隔離の強化(または強化的種分化)」と呼びます。これは種分化の過程において重要な役割を果たします。
センター試験(2015年)類似
地質時代と生物の大量絶滅
Q21
中生代末期の大量絶滅が、その後の生物進化に与えた影響として最も適切なものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
既存の支配的な生物群が絶滅することで、新たな環境に適応した生物群の適応放散が促進された。
大量絶滅は生物の多様性を一時的に大きく減少させるが、同時にそれまで支配的であった生物群が姿を消すことで、生存していた他の生物群にとってのニッチ(生態的地位)が解放される。これにより、哺乳類や被子植物のような生物群が急速に多様化する適応放散が起こり、進化の歴史における重要な転換点となった。
センター試験(2015年)類似
隠蔽効果
Q22
生物が周囲の環境と類似した模様や色を持つことで、捕食者から発見されにくくなる現象を何と呼ぶか。
★ やさしい
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
隠蔽効果
隠蔽効果とは、生物が背景と類似した体色や模様を持つことで、捕食者などの他者から見つかりにくくなる現象を指す。これに対し、擬態は他の生物に似せることで利益を得る現象であり、警告色は毒を持つことなどを周囲に知らせるための目立つ色を指す。本問の定義は隠蔽効果そのものである。
センター試験(2018年)類似
学名の分類階級
Q23
生物の分類において、リンネが提唱した二名法による学名の構成として正しいものはどれか。
★ やさしい
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
属名と種小名の二語で構成される
二名法は、生物の学名を属名と種小名の二つの単語を組み合わせて表記する命名法である。属名は分類上の属を示し、種小名は属の中でその種を特定するための名称である。この体系により、世界共通の名称として生物を分類・整理することが可能となっている。
センター試験(2019年)類似
自然選択
Q24
自然選択が生物集団に及ぼす影響について、誤っている記述を選べ。
★★★ 標準
背景
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
自然選択は、集団内の遺伝的変異を減少させる唯一の要因であり、他の要因は存在しない。
生物集団の遺伝的構成を変化させる要因は自然選択だけではありません。突然変異や遺伝的浮動、移入・移出なども重要な要因です。特に遺伝的浮動は、偶然によって遺伝子頻度が変化する現象であり、自然選択とは異なるメカニズムで集団の遺伝的多様性に影響を与えます。したがって、自然選択が唯一の要因であるという記述は誤りです。
センター試験(2020年)類似
光合成とオゾン層の形成
Q25
光合成とオゾン層の形成に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
光合成による酸素の放出が、オゾン層形成の直接的な要因となった。
光合成生物が放出した酸素は、大気中で紫外線と反応してオゾンを生成しました。このオゾン層が形成されたことで、地表に届く有害な紫外線が遮断され、生物が生存しやすい環境が整いました。化学合成は光エネルギーを利用しないためオゾン層形成とは直接関係なく、またエディアカラ生物群はオゾン層による保護が発達した環境下で多様化したと考えられています。
センター試験(2017年)類似
ハーディ・ワインベルグの法則
Q26
ある集団において、対立遺伝子Aの頻度をp、対立遺伝子aの頻度をqとする。ハーディ・ワインベルグの法則が成立しているとき、次世代における遺伝子型AAの頻度はどのように表されるか。
★★★ 標準
具体例
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
p^2
ハーディ・ワインベルグの法則に基づくと、対立遺伝子頻度がpとqであるとき、次世代の遺伝子型頻度は二項展開 (p+q)^2 = p^2 + 2pq + q^2 に従って分布する。ここで、p^2はホモ接合体AAの頻度、2pqはヘテロ接合体Aaの頻度、q^2はホモ接合体aaの頻度をそれぞれ示す。この関係は、集団が平衡状態にあることを示している。
共通テスト(2025年)類似
夏緑樹林の林床における光環境と植物の適応
Q27
夏緑樹林の林床における光環境と植物の適応に関する記述として、最も適当なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
夏緑樹林の林床に生育する植物は、樹冠の葉が茂る夏季よりも、春季の光環境を有効に利用して物質生産を行うものが多い。
夏緑樹林では、樹冠を構成する高木が葉を広げる前の春季に、林床まで十分な光が到達する。この時期は光環境が明るく、林床の植物にとって光合成に有利な期間となる。多くの春植物(スプリング・エフェメラル)などは、この短い期間に光合成を集中させ、効率的に物質生産を行うことで、その後の暗い林床環境での生存に適応している。
センター試験(2020年)類似
光合成とオゾン層の形成
Q28
原始地球において、酸素発生型の光合成を行う生物が出現したことで大気中の酸素濃度が上昇し、その結果として形成されたものはどれか。
★ やさしい
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
オゾン層
原始大気には酸素がほとんど存在しませんでしたが、シアノバクテリアなどの酸素発生型光合成生物の出現により酸素濃度が上昇しました。大気中の酸素分子が紫外線を吸収してオゾン分子が生成され、これが成層圏に蓄積することでオゾン層が形成されました。オゾン層は生物に有害な紫外線を遮断する役割を果たし、生物の陸上進出を可能にする重要な環境要因となりました。
センター試験(2019年)類似
カンブリア紀の生物進化
Q29
約5.4億年前から始まるカンブリア紀に起こった、現生の動物の主要な門が短期間に相次いで出現した現象として最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
カンブリア爆発
カンブリア紀の初期には、現生動物の主要な門の多くが化石記録として突如として現れる。この急速な多様化は、生物進化の歴史においてカンブリア爆発と呼ばれている。オルドビス紀の大量絶滅は後の時代の出来事であり、脊椎動物の陸上進出はさらに後のデボン紀以降に本格化した。真核生物の誕生は、カンブリア紀よりもはるか以前の先カンブリア時代に遡る。
共通テスト(2022年)類似
分子時計と自然選択
Q30
分子時計の概念に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
中立的な突然変異が一定の速度で蓄積することを利用して進化時間を推定する
分子時計は、タンパク質やDNAの塩基配列における中立的な変異が、長い時間スケールで見ると一定の速度で蓄積するという仮説に基づいています。この速度を利用することで、生物種間の分岐年代を推定することが可能です。選択圧が強いタンパク質では変異が排除されるため、分子時計の予測値よりも実際の差異は小さくなります。
センター試験(2016年)類似
役割分担の決定要因
Q31
ハチのワーカーの役割分担に関する実験において、羽化後一定日齢のワーカーを単独飼育した場合と、他のワーカーと共に飼育した場合で役割分担が異なる現象が観察された。この結果から導き出される結論として、最も妥当なものはどれか。
★★ 基本
具体例
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ワーカーの役割は、個体間の相互作用によって決定される要素が含まれる。
単独飼育と集団飼育での行動変化は、個体間の相互作用が役割分担の決定に不可欠であることを示しています。もし役割が日齢のみで決まるのであれば、飼育環境に関わらず同じタイミングで役割が変化するはずですが、実際には周囲の個体からの影響を受けるため、社会性昆虫の行動は柔軟に調整されます。
センター試験(2004年)類似
硫黄酸化物と酸性雨
Q32
人間活動によって排出される硫黄酸化物が大気中で水と反応し、酸性雨を引き起こす過程において、最終的に生成される酸の化学式として最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
H2SO4
硫黄酸化物(SOx)は、工場や火力発電所などの化石燃料の燃焼に伴い排出されます。これらは大気中で酸素や水と反応し、最終的に硫酸(H2SO4)となります。硫酸は強い酸性を示すため、雨水に溶け込むことでpHを低下させ、酸性雨の原因となります。他の選択肢であるHNO3は窒素酸化物から生じますが、本問の主眼である硫黄酸化物由来の生成物は硫酸です。
センター試験(2016年)類似
密度効果と間接効果
Q33
捕食者と被食者の関係において、個体群密度が相互作用の強度を左右し、食物網を介して直接的な捕食関係にない生物種にも影響が及ぶ現象を何と呼ぶか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
密度効果と間接効果
生物群集において、捕食者の個体群密度が被食者の生存率や行動に影響を与えることを密度効果と呼び、その結果として食物網を介して他の生物種に波及する影響を間接効果と呼ぶ。これらは生物群集の構造を維持する重要な相互作用であり、単なる食物連鎖の概念を超えて、複雑な食物網全体に影響を及ぼす仕組みである。
センター試験(2005年)類似
生物濃縮性物質
Q34
生物濃縮が起こりやすい化学物質が持つ物理化学的な性質として、最も適切な説明はどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
脂溶性が高く、自然界で分解されにくい
生物濃縮を引き起こす物質は、水に溶けにくく脂肪に溶けやすい(脂溶性が高い)という特徴を持つ。これにより、摂取された物質が生物の脂肪組織に蓄積され、分解酵素による代謝や排泄を受けにくくなる。この性質と、環境中での化学的安定性が組み合わさることで、食物連鎖を通じた濃縮が進行する。
センター試験(2004年)類似
指数関数的成長
Q35
生物の個体重量が指数関数的に増大する成長様式に関する記述として最も適当なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
個体重量の増加量は、現在の個体重量に比例して増大する。
指数関数的成長では、単位時間あたりの増加量(成長速度)がその時点での個体重量に比例する。つまり、個体が大きくなるほど、同じ成長率であっても1日あたりの絶対的な重量増加量は大きくなる。これは生物の初期成長段階や、資源が十分に存在する環境下での個体群成長によく見られる現象である。
センター試験(2020年)類似
社会性昆虫
Q36
社会性昆虫のコロニーにおけるワーカー(働きアリなど)の一般的な特徴として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
一生を通じて生殖能力を持たない個体が多い
社会性昆虫は、女王とワーカーに分業されたコロニーを形成する。ワーカーは多くの場合、一生を通じて生殖能力を持たず、女王の産卵を助けたり、巣の維持や餌の収集を行ったりすることで、コロニー全体の存続と効率的な繁殖に貢献する。これは、繁殖を一時的に控えるヘルパー個体とは異なり、個体としての生殖能力が恒久的に抑制されている点が特徴である。
共通テスト(2026年)類似
ハーディ・ワインベルグの法則
Q37
ハーディ・ワインベルグの法則が成り立つ集団において、遺伝子頻度が変化しないための条件として誤っているものはどれか。
★★ 基本
背景
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
特定の表現型を持つ個体が選択的に生存すること
ハーディ・ワインベルグの法則は、自然選択、突然変異、遺伝的浮動、移入、非ランダム交配がない理想的な集団で成立する。特定の表現型が生存や繁殖に有利であると、その対立遺伝子の頻度が変化するため、自然選択が働かないことが前提条件となる。
センター試験(2018年)類似
総生産量
Q38
植物の生産量に関する記述として最も適切なものはどれか。
★ やさしい
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
総生産量は、純生産量に植物の呼吸量を加えた値である。
植物が光合成によって取り込んだ有機物の総量を総生産量と呼ぶ。このうち、植物自身の生命維持活動(呼吸)によって消費されるエネルギー量を呼吸量といい、残りの有機物量が純生産量となる。したがって、総生産量は純生産量と呼吸量の和として定義される。
センター試験(2017年)類似
攪乱
Q39
生態系において、台風、火災、あるいは人為的な開発などの外部要因によって、既存の生物群集や環境が破壊される現象を何と呼ぶか。
★ やさしい
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
攪乱
生態系における攪乱とは、外部からの物理的・化学的要因によって、既存の生物群集やその生息環境が破壊される現象を指す。攪乱は、その後の遷移の出発点となり、種の組成や多様性を大きく変化させる要因となる。一方、種間競争は資源を巡る生物同士の相互作用であり、共生は異なる種が利益を得る関係、適応進化は環境に適応して形質が変化する過程を指すため、本問の定義とは異なる。
共通テスト(2023年)類似
窒素固定のエネルギーコスト
Q40
根粒菌による窒素固定のエネルギーコストに関する記述として、最も適切なものはどれか。
★ やさしい
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
窒素固定には多量のエネルギーを要するため、窒素が豊富な環境では共生のコストが利益を上回る
根粒菌は植物と共生する従属栄養生物であり、植物から有機物を受け取ることで窒素固定に必要なエネルギーを確保している。窒素固定反応は非常に多くのエネルギーを消費するため、植物にとって窒素が土壌から容易に得られる環境では、根粒菌を維持するためのコストが窒素獲得による利益を上回る。したがって、植物は環境に応じて共生関係を制御している。
共通テスト(2023年)類似
種間競争
Q41
異なる種間で同じ資源を利用する際に生じる「種間競争」に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
種間競争は、利用する食物の大きさが異なることで緩和されることがある。
種間競争は、限られた資源を複数の種が同時に利用しようとする際に生じる相互作用である。しかし、各個体が利用する食物のサイズや種類が分化(ニッチの分化)していれば、資源を巡る競合が減少し、競争は緩和される。移動能力の有無や群れの大きさ、捕食者の存在は競争の発生条件そのものではなく、資源の競合という本質的な定義とは異なる。
センター試験(2018年)類似
純生産量
Q42
植物の生産量に関する記述として最も適当なものを、次のうちから一つ選べ。
★★ 基本
基礎
正答率 —
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✅ 正解
総生産量は、純生産量に植物の呼吸量を加えた値である。
植物が光合成によって生産した有機物の総量を総生産量といい、そのうち植物自身の呼吸によって消費される分を呼吸量という。総生産量から呼吸量を差し引いた残りが純生産量であり、これは植物体の成長や枯死、被食に回されるエネルギー量に相当する。したがって、総生産量は純生産量と呼吸量の和として表される。
センター試験(2005年)類似
種数平衡モデル
Q43
島における種数平衡モデルに関する記述として最も適当なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
島における種数は、大陸からの移入率と島内での絶滅率が等しくなる平衡状態で決定される。
マッカーサーとウィルソンが提唱した種数平衡モデルでは、島への新たな種の移入率と、島内での種の絶滅率が釣り合う点において、その島の種数が平衡状態に達すると考える。移入率は大陸からの距離が遠いほど低くなり、絶滅率は島の面積が小さいほど高くなるという特性がある。
センター試験(2015年)類似
役割分担の決定要因
Q44
社会性昆虫であるハチのワーカーにおける内役と外役の役割分担の決定要因として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
個体間の相互作用によって影響を受ける
社会性昆虫のワーカーにおける役割分担は、単なる日齢の経過だけでなく、周囲の個体との相互作用によって動的に調整される。例えば、若いワーカーや老いたワーカーの存在が、特定の役割への分化を抑制または促進するシグナルとして機能する。このため、個体間の相互作用は役割分担を決定する重要な要因であり、単独飼育と集団飼育では役割分担の進行速度やパターンに明確な差が生じることが知られている。
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遺伝的浮動と集団サイズ
Q45
集団内で新しく生じた突然変異の運命と、遺伝的浮動の影響に関する記述として最も適当なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
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✅ 正解
遺伝的浮動の影響は、集団サイズが小さいほど顕著に現れ、対立遺伝子の頻度が偶然によって変動しやすい。
遺伝的浮動は、配偶子のサンプリング誤差など、偶然の要因によって次世代の遺伝子頻度が変化する現象である。この影響は集団サイズが小さいほど強く現れ、対立遺伝子が固定または消失しやすくなる。一方、集団サイズが大きいほど偶然の影響は緩和される。また、ある対立遺伝子が集団に固定されることは、その集団の全個体がその遺伝子を持つ共通の祖先に由来することを意味する。
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種子生産数と個体の乾燥重量の関係
Q46
植物の個体サイズと種子生産の関係において、乾燥重量が増加しても種子生産数の増加が鈍化または飽和する生物学的な理由として最も適切なものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
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✅ 正解
個体サイズが大きくなるほど、成長や維持に費やすエネルギーコストも増大するため
植物は光合成産物を成長、維持、繁殖に分配します。個体が大きくなると光合成産物の総量は増えますが、同時に自身の体を維持するための呼吸量や構造維持コストも増大します。そのため、繁殖投資に回せる資源の限界が近づき、種子生産数の増加率は飽和傾向を示します。
センター試験(2017年)類似
哺乳類の系統関係
Q47
哺乳類の系統関係を推定する際に、DNAの塩基配列が利用される理由として最も適切なものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
DNAの塩基配列の変異は蓄積しやすく、生物種間の分岐時期や近縁関係を定量的に評価できるから。
分子系統学において、DNAの塩基配列は進化の記録として利用される。中立的な変異は一定の確率で蓄積するため、塩基配列の類似度を比較することで、分岐からの経過時間を推定し、系統樹を作成することが可能である。形態的な特徴のみでは収斂進化の影響で誤った分類をすることがあるが、DNA解析はより客観的な近縁関係を示す。
センター試験(2004年)類似
共生窒素固定のエネルギーコスト
Q48
ある植物において、生産した有機物のうち成長(有機物の蓄積)に回される割合が65%から50%に低下し、新たに共生窒素固定に20%の有機物が消費されるようになった場合、この植物が窒素固定を行うことによる成長への配分減少分は、通常の植物と比較して何%か。
★★★ 標準
具体例
正答率 —
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✅ 正解
15%
通常の植物の成長への配分は65%であり、共生窒素固定を行う植物の成長への配分は50%です。この差を計算すると、65% – 50% = 15%となります。共生窒素固定を行う植物は、生産した有機物の20%を固定プロセスに消費していますが、成長への配分減少分は、固定に消費された分と、その他の代謝変動を含めた結果として15%の低下となっています。
共通テスト(2021年)類似
ニッチの分割
Q49
種間競争が激しい環境下でニッチの分割が生じる生物学的な意義として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本
背景
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
限られた資源を効率的に利用し、種間の競争を緩和して共存するため。
ニッチの分割は、競争排除則が働くような状況下で、資源の利用範囲を調整することで競争の強度を下げ、複数の種が同一環境内で共存するための戦略である。これは生態系の多様性を維持する上で重要な役割を果たしている。
共通テスト(2021年)類似
繁殖干渉
Q50
近縁種間で生じる繁殖干渉が個体群に与える影響として最も適切なものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
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✅ 正解
繁殖効率の低下を招き、競争排除を引き起こす可能性がある
繁殖干渉は、求愛行動の失敗や繁殖機会の損失を招くため、個体群の成長率を低下させる。この影響が強い場合、より繁殖効率の高い種によって他種が排除される競争排除が生じることがある。したがって、繁殖干渉は種間の共存を困難にする要因であり、進化的に抑制される傾向がある。
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生産構造図
Q51
早春から初夏にかけて優占種Pが伸長し、群落上層の葉が増加した際、群落内部の光環境の変化として最も妥当なものはどれか。
★★ 基本
具体例
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
上層の葉による遮光が進み、群落内部への光の透過が減少する
植物が伸長して上層の葉が増加すると、上層の葉が光を吸収・反射するため、群落内部や下層に到達する光量は減少する。これは群落内での光の垂直分布が変化したことを意味し、上層の光合成が活発になる一方で、下層の光合成は制限される要因となる。光の透過量は、葉の密度や配置に強く依存する。
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種子生産数と個体の乾燥重量の関係
Q52
植物の個体において、乾燥重量の増加と個体当たりの種子生産数の関係を示す近似曲線として最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
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✅ 正解
乾燥重量の増加に伴い、種子生産数は増加するが、重量が大きくなると増加率が低下し飽和する関係
植物の個体サイズと繁殖投資の関係では、個体が大きくなるほど光合成産物が増え、種子生産に回せる資源量も増大します。しかし、ある程度のサイズに達すると、成長や維持に必要なエネルギーコストも増大するため、種子生産数の増加率は低下し、グラフ上では右肩上がりの飽和曲線として表現されます。
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ニッチの分割
Q53
ブラウンアノールが導入された環境において、もともと生息していたグリーンアノールがより高い位置の幹を利用するようになった。この現象に関する説明として最も適切なものはどれか。
★★★ 標準
具体例
正答率 —
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✅ 正解
グリーンアノールが示した変化は、成長過程における表現型の可塑性によるものである。
この現象は、遺伝的な進化による形態変化ではなく、個体が環境に応じて表現型を変化させる可塑性によるものである。ブラウンアノールとの種間競争を避けるため、グリーンアノールは利用する生活空間を垂直方向にシフトさせることで共存を実現している。
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純生産量の算出方法
Q54
生態系における植物の純生産量の定義として、最も適切なものはどれか。
★ やさしい
基礎
正答率 —
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✅ 正解
総生産量から植物自身の呼吸量を差し引いた値
純生産量は、植物が光合成によって生産した有機物の総量である総生産量から、植物自身が生命維持のために消費した呼吸量を差し引いたものである。この値は、植物の成長量や、枯死して分解者に供給される量、および消費者に摂食される量の合計に相当する。植物のエネルギー収支を考える上で、自身の代謝活動による損失分を考慮することが不可欠である。
センター試験(2018年)類似
対立遺伝子の頻度
Q55
マラリアが流行している地域と流行していない地域を比較した際、ヘモグロビンベータ鎖の特定の対立遺伝子頻度が異なる理由として、生物学的に最も妥当な説明はどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
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✅ 正解
マラリア抵抗性を持つ個体の生存率が高いため、自然選択が働いたから
自然選択は、環境要因(この場合はマラリア)に対して生存や繁殖に有利な形質を持つ個体が、集団内で相対的に高い頻度で次世代に遺伝子を残すプロセスである。マラリア流行地域では、ヘモグロビンベータ鎖の特定の対立遺伝子が生存上の利点となるため、自然選択の結果としてその頻度が高く維持される。
センター試験(2004年)類似
脊椎動物の類縁関係
Q56
脊椎動物の進化系統樹において、魚類であるアユよりもさらに基部(分岐の早い段階)に位置し、四肢を持ちながらも水辺での生活を主とする両生類として適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ヒキガエル
脊椎動物の進化の過程で、魚類から最初に陸上へ進出したグループが両生類である。系統樹においてアユ(魚類)の隣に位置し、より原始的な陸上脊椎動物の性質を持つ生物として、両生類であるヒキガエルが該当する。ヤモリは爬虫類、ツバメは鳥類、イルカは哺乳類であり、これらは両生類よりも後に分岐したグループである。
センター試験(2016年)類似
生物の進化史と大量絶滅
Q57
地質時代において、短期間に地球規模で多くの種が絶滅する現象を大量絶滅と呼ぶ。古生代末のペルム紀末に発生した大量絶滅において、特に壊滅的な打撃を受け、それまで古生代の海で繁栄していたが完全に姿を消した生物群として最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
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✅ 正解
三葉虫類
古生代末のペルム紀末には、地球史上最大規模の大量絶滅が発生した。この時期、古生代の海を代表する節足動物であった三葉虫類は完全に絶滅した。アンモナイト類は中生代末の大量絶滅で絶滅し、無顎類は現在もヤツメウナギなどが現存している。哺乳類は中生代に起源を持ち、大量絶滅後に適応放散したグループである。
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遷移
Q58
ある場所の植生が時間とともに変化していく過程である遷移において、窒素が乏しい環境で優占種となり、土壌を肥沃にすることで後続の植物の侵入を助ける役割を果たす植物群として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
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✅ 正解
窒素固定植物
遷移の初期段階では、土壌中の窒素分が極めて少ないため、根粒菌などと共生して大気中の窒素を固定できる窒素固定植物が優占種となります。これらの植物が枯死して分解されると、土壌に窒素が供給され、他の植物が生育可能な環境へと変化します。このプロセスは特に一次遷移の初期において重要な役割を果たします。
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同化物の分配率の算出
Q59
植物の炭素固定産物である同化物の分配率を算出する際、植物体の各器官の重量を測定するにあたって、最も適切な指標はどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
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✅ 正解
乾燥重量
植物体における同化物の分配を定量化するには、水分含量の個体差や環境による変動の影響を排除する必要がある。生の重量には水分が多く含まれ、焼却後の灰分は無機成分のみを示すため、炭素固定産物の蓄積量を反映する指標としては、水分を除去した乾燥重量を用いるのが最も適切である。
センター試験(2020年)類似
植物の成長能力と被食防御
Q60
富栄養土壌と貧栄養土壌における植物の適応戦略に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
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✅ 正解
富栄養植物は、成長能力が高い一方で被食防御能力が低く、植食者の影響を受けやすい傾向がある。
植物の生存戦略にはトレードオフが存在する。富栄養土壌では資源が豊富なため、成長能力が高い種が光や空間を独占して優占するが、これらは防御への投資が少ないことが多い。一方、貧栄養土壌では資源獲得が困難なため、成長速度を犠牲にしてでも被食防御能力を高めることで、植食者による損失を抑える種が生存に有利となる。したがって、富栄養植物は防御が弱く、貧栄養植物は防御が強いという特性が一般的である。
センター試験(2018年)類似
種分化と配偶者選択
Q61
マダラヒタキとシロエリヒタキの例において、同所的分布域でマダラヒタキの雄が黒型から茶型へと変化している理由として最も適切なものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
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✅ 正解
他種と似た外見を持つ雄を雌が避けることで、雑種形成を回避するため
異所的分布域では他種と接触しないため、雄の外見が似ていても問題になりませんが、同所的分布域では他種と誤認されると雑種が生まれるリスクがあります。雑種の適応度が低い場合、他種と似た外見の雄を避ける雌が有利となり、結果として自種特有の形質を持つ雄が選択されることで、形質の分化が生じます。
センター試験(2005年)類似
拇指対向性の獲得背景
Q62
拇指対向性の獲得と関連する進化の背景に関する記述として、誤っているものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
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✅ 正解
拇指対向性は、地上生活へ完全に移行した後に初めて獲得された。
拇指対向性は、樹上生活における移動や安定した把持のために獲得された形質であり、地上生活への移行後に獲得されたものではない。ヒトの祖先が地上生活へ移行する以前から、既にこの構造は備わっていた。道具の使用は、この既存の構造が後の進化段階で高度に活用された例である。
センター試験(2006年)類似
生態系における物質循環
Q63
生態系における物質循環において、生産者が光合成を行う際に無機環境から取り込み、呼吸を行う生物が放出する物質として最も適切なものはどれか。
★ やさしい
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
二酸化炭素
生態系において、生産者は光合成を通じて無機環境から二酸化炭素を取り込み、有機物を合成する。一方、生産者を含むすべての生物は呼吸を行い、有機物を分解してエネルギーを得る過程で二酸化炭素を放出する。この循環により、炭素は無機環境と生物の間を絶えず移動している。
センター試験(2020年)類似
節足動物の身体構造
Q64
節足動物の身体構造に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
体は体節に分かれており、環形動物と共通する特徴をもつ。
節足動物は、環形動物と同様に体が体節に分かれているという特徴をもつ。胚発生における原口の運命については、節足動物は旧口動物であり、原口が将来の口になる。一方、棘皮動物などは新口動物であり、原口が肛門になる。したがって、体節構造をもつという点が環形動物との共通点として挙げられる。
センター試験(2020年)類似
遺伝子型頻度の計算
Q65
ハーディ・ワインベルグの法則が成立する集団において、劣性ホモ接合体(ww)の頻度が0.09であるとき、対立遺伝子wの頻度として正しいものはどれか。
★★★ 標準
具体例
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
0.3
ハーディ・ワインベルグの法則において、劣性ホモ接合体(ww)の頻度は、劣性対立遺伝子wの頻度qの二乗(qの二乗)に等しい。したがって、qの二乗 = 0.09という条件から、q = 0.3と求められる。この法則は、進化の要因が働かない平衡状態にある集団を考える際の基準として重要である。
センター試験(2005年)類似
窒素の無機化
Q66
窒素循環における窒素の無機化に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本
背景
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
有機物中の窒素が分解され、アンモニウム塩や硝酸塩として放出される過程である。
窒素の無機化は、有機態窒素が微生物の分解作用を経て無機態窒素(アンモニウム塩や硝酸塩)に変換される現象である。選択肢にある「窒素ガスの直接取り込み」は窒素固定、「窒素ガスとしての放出」は脱窒を指すため、無機化の説明としては誤りである。この過程により、植物は再び窒素を利用可能となる。
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表現型の可塑性
Q67
あるトカゲの個体群において、野外採集個体では導入区と非導入区で指先裏パッドの表面積に差があるが、人工環境で飼育した個体ではその差が見られない場合、この現象の説明として最も適切なものはどれか。
★★★ 標準
具体例
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
指先裏パッドの表面積は、成長過程における環境の影響を受けて変化する表現型の可塑性によるものである。
野外で差があるにもかかわらず、人工環境下で飼育すると差が消失するという事実は、その形質が遺伝的な固定によるものではなく、成長過程で環境要因に応答して変化したことを示唆している。このように環境に応じて形態が変化する性質は表現型の可塑性と呼ばれる。
センター試験(2004年)類似
硫黄酸化物と酸性雨
Q68
酸性雨が森林生態系に与える影響として、最も妥当な説明はどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
土壌中のアルミニウムイオンが溶出し、樹木の根の成長を阻害する。
酸性雨が降下すると土壌のpHが低下し、酸性条件下でアルミニウムイオンが溶出しやすくなります。このアルミニウムイオンは植物の根に対して毒性を示し、養分や水分の吸収を阻害するため、森林の衰退を招きます。酸性雨は土壌を酸性化させるため、pHの上昇や栄養塩類の増加を引き起こすことはありません。
センター試験(2017年)類似
中規模攪乱説
Q69
中規模攪乱説において、攪乱の頻度や強さが中程度である環境で種の多様性が最も高くなる理由として、最も適切なものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
攪乱が適度であることで、種間競争に強い種と、攪乱後に素早く侵入する種がモザイク状に共存できるため
中規模攪乱説によれば、攪乱がほとんどない環境では競争に強い種が優占して他の種を排除し、逆に攪乱が激しすぎる環境では定着が困難になります。中程度の攪乱がある環境では、競争に強い種と、攪乱後に素早く侵入するパイオニア的な種が空間的・時間的に共存できるため、種の多様性が最大化されます。この現象はサンゴ礁や森林のギャップなど、多くの自然環境で見られる生態学的な原理です。
センター試験(2005年)類似
拇指対向性の獲得背景
Q70
ヒトの進化の過程において、拇指対向性が獲得された主な要因として最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
樹上生活において枝をしっかりと掴むため
拇指対向性は、親指が他の指と向かい合う構造を指す。この特徴は、霊長類が樹上生活を送る中で、枝を確実に握り、安定して移動するために進化した適応形質である。道具の使用や火の利用は、この構造が獲得された後の段階で、その器用さが転用された結果として生じたものである。
共通テスト(2024年)類似
森林の農耕地転換による炭素循環への影響
Q71
森林から農耕地への転換が炭素循環に与える影響について、誤っている記述はどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
森林の伐採直後から、土壌中の有機物分解速度は低下し、炭素の蓄積が促進される。
森林を農耕地に転換すると、地表が露出して地表温度が上昇し、土壌微生物の活動が活発化するため、有機物の分解速度はむしろ加速します。したがって、伐採直後から炭素の蓄積が促進されるという記述は誤りです。炭素循環において、土壌は重要な貯蔵庫ですが、農耕地化はその貯蔵量を減少させる方向に働きます。
センター試験(2005年)類似
立体視の獲得背景
Q72
ヒトが獲得した立体視の能力は、進化の過程においてどのような環境への適応として発達したと考えられているか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
樹上生活において枝から枝へ飛び移る際の距離感の把握
立体視は、左右の眼が異なる角度から対象を見ることで得られる視差を利用し、脳内で対象物までの距離を正確に算出する能力である。この能力は、複雑な立体構造を持つ樹上環境において、枝から枝へ正確に飛び移るために不可欠な適応として発達した。地上生活や道具の使用、火の利用といった行動は、立体視の獲得よりも後の時代や異なる適応圧に関連する事象である。
共通テスト(2021年)類似
種間競争と個体群密度
Q73
アノールトカゲの導入区において、ブラウンの個体群密度が急増し、グリーンの個体群密度が減少した現象の解釈として最も妥当なものはどれか。
★★★ 標準
具体例
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ブラウンとグリーンの間で資源を巡る種間競争が生じている
導入区においてブラウンの密度が急増し、それと入れ替わるようにグリーンの密度が減少していることは、両種が同じ資源を巡って競争していることを示唆する。ブラウンの増加は資源利用の優位性によるものであり、種内競争の促進ではない。また、合計個体数は安定せず変動するため、種間競争による個体群密度の変化と捉えるのが妥当である。
センター試験(2017年)類似
哺乳類と鳥類の出現時期
Q74
中生代の地質年代区分と生物の進化に関する記述として、誤っているものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
哺乳類と鳥類は、中生代の終了とともに同時に出現した。
哺乳類は三畳紀、鳥類はジュラ紀に出現しており、中生代の終了(約6600万年前)よりも遥か以前から存在していた。中生代の終了は、多くの恐竜が絶滅した時期であり、その後、空いた生態的地位を埋めるように哺乳類と鳥類が爆発的に多様化した。したがって、両者が中生代の終了と同時に出現したという記述は誤りである。
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細胞内共生説
Q75
真核生物の細胞小器官であるミトコンドリアと葉緑体の起源に関する細胞内共生説において、それぞれの起源となったと考えられる生物の組み合わせとして最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ミトコンドリア:好気性細菌、葉緑体:シアノバクテリア
細胞内共生説は、真核生物の細胞小器官が、かつて独立した原核生物であったものが他の細胞内に共生することで成立したとする説である。ミトコンドリアは酸素を利用して効率よくエネルギーを生産する好気性細菌が、葉緑体は光合成を行うシアノバクテリアが、それぞれ宿主細胞に取り込まれたことに由来すると考えられている。これらは独自のDNAを持ち、二重膜構造であることなどから強く支持されている。
センター試験(2015年)類似
種間競争
Q76
ゾウリムシXとゾウリムシYを混合培養した際、ゾウリムシYの個体数が減少する理由として最も適切なものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
両種が同じ資源をめぐって種間競争を行っているため
単独培養で両種とも個体数が増加して安定することから、ゾウリムシYの減少は捕食や寄生によるものではない。混合培養においてのみ個体数が減少する事実は、両種が生存に必要な共通の資源を奪い合っており、その結果として種間競争が生じていることを示唆している。競争的排除の原理に基づき、資源利用の面で劣る種が排除される。
共通テスト(2024年)類似
同化物の分配率の算出
Q77
植物が長日条件から短日条件へ移行した際に、地下茎への同化物分配率が変化する生物学的な意義として最も適切なものはどれか。
★★★★ 難問
背景
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
環境変化に対する生存戦略として、地下茎への貯蔵を優先させるため
植物は環境条件の変化を感知し、光合成産物の分配先を柔軟に切り替える。特に短日条件への移行は、冬などの厳しい環境への備えを促すシグナルとなることが多く、地下茎などの貯蔵器官へ同化物を優先的に分配することで、次世代への生存や翌春の再成長に向けたエネルギー蓄積を行う戦略をとる。
センター試験(2016年)類似
密度効果と間接効果
Q78
捕食者と被食者の関係が食物網の中で複雑に構成されている理由として、最も適切な説明はどれか。
★★★★ 難問
背景
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
捕食者が複数の被食者を食べることで、個体群密度に応じた相互作用が網状に広がるため
自然界の食物網は、単一の鎖状ではなく、多くの捕食者が複数の被食種を選択的に利用することで網状に構成されている。この構造により、特定の種の個体群密度の変化が、密度効果を通じて他の多くの種に間接効果を及ぼし、群集全体の安定性や多様性が維持されている。
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最適縄張りサイズ
Q79
アユの縄張り行動において、個体が維持すべき「最適縄張りサイズ」が決定される原理として最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
縄張りから得られる利益と維持にかかるコストの差が最大となるサイズ
生物の縄張り行動において、縄張りを維持するには防衛やパトロールといった労力(コスト)が必要となる。一方で、縄張り内からは餌資源などの利益が得られる。個体にとって生存や繁殖に有利なのは、単に利益やコストの絶対値ではなく、利益からコストを差し引いた純利益が最大化されるサイズである。この最適化戦略により、環境に応じた適切な縄張りサイズが維持される。
共通テスト(2023年)類似
縄張り行動
Q80
アユの縄張り行動の性質について、実験結果から導かれる考察として最も適切なものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
縄張り個体を除去しても、群れ個体から新たに縄張り個体が生じるため、縄張り行動は固定的なものではない。
実験において、縄張り個体を除去した水路でも、1ヶ月後には再び縄張り個体が観察された。このことは、縄張りを持つか群れで生活するかという行動様式が、個体ごとに固定されたものではなく、環境条件や個体間の相互作用によって柔軟に変化しうることを示している。縄張り面積は個体数に応じて変化し、総面積が一定であるという根拠はない。
センター試験(2005年)類似
アカイエカの生態
Q81
アカイエカの生活史と食性に関する説明として、誤っているものはどれか。
★★★ 標準
具体例
正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
アカイエカの幼虫は、ボウフラと呼ばれ、水中で吸血行動を行う。
アカイエカの幼虫(ボウフラ)は水中で生活し、水中の微生物や有機物を摂食して成長する。吸血行動を行うのは成虫のメスのみであり、幼虫が吸血することはない。他の選択肢は、メスの吸血の目的やオスの食性に関する正しい記述である。
センター試験(2020年)類似
突然変異の集団内での広まり
Q82
生存や繁殖に影響しない突然変異が集団内で広まる過程に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
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✅ 正解
遺伝的浮動によって、偶然に遺伝子頻度が変動し集団中に広まることがある。
中立的な突然変異は、生存や繁殖に有利・不利な影響を与えないため、自然選択の対象にはならない。しかし、配偶子の組み合わせや次世代への受け渡しという過程における偶然の偏り(遺伝的浮動)により、遺伝子頻度が変動し、結果として集団内に定着したり消失したりする。これは進化における重要なメカニズムの一つである。
センター試験(2004年)類似
遷移
Q83
遷移の進行過程において、窒素固定植物が果たす生態学的な役割に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
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✅ 正解
土壌中の窒素を固定して蓄積し、後続の植物が侵入しやすい環境を整える。
窒素固定植物は、大気中の窒素をアンモニア等に変換して利用できるため、栄養塩類が乏しい裸地や溶岩流跡地などの一次遷移の初期段階で優占種となります。彼らが供給する窒素は、その後の植物相の多様化を促す土壌環境の改善に寄与します。これは遷移を進行させるための重要な生物的要因の一つです。
センター試験(2006年)類似
ヒトの脳の進化と直立二足歩行
Q84
ヒトの進化の過程における身体的特徴の変化について、化石証拠から明らかになっている事実として最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
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✅ 正解
直立二足歩行の獲得は、脳の大型化よりも先行して生じた。
ヒトの進化史において、アウストラロピテクスなどの化石証拠から、脳容量が現代のヒトに比べて著しく小さい段階で、すでに骨盤や大腿骨の構造から直立二足歩行を行っていたことが判明している。したがって、脳の大型化が直立二足歩行を促したのではなく、二足歩行という形質が先に定着し、その後の環境適応や社会性の発達に伴って脳の容量が増大していったと考えられている。
共通テスト(2026年)類似
人間活動による生態系への影響
Q85
海洋の沿岸部において、農地や生活排水から流入する窒素やリンなどの栄養塩類が過剰に供給されることで引き起こされる現象として、最も適切なものはどれか。
★ やさしい
基礎
正答率 —
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✅ 正解
富栄養化
富栄養化とは、水域に窒素やリンなどの栄養塩類が過剰に供給される現象を指します。これが進行すると植物プランクトンが異常増殖し、赤潮の発生や水生生物の大量死を招く原因となります。生物濃縮は有害物質が食物連鎖を通じて上位の生物に蓄積される現象であり、遺伝的多様性の低下は個体数減少などが原因で生じるため、本問の現象とは異なります。
センター試験(2017年)類似
遺伝子頻度が変化する要因
Q86
ある生物集団において、遺伝子頻度が変化する要因として誤っているものはどれか。
★★ 基本
背景
正答率 —
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✅ 正解
集団内での自由な交配
集団内の遺伝子頻度は、自然選択、突然変異、個体の移入出によって変化する。一方、集団内の個体が自由に交配を行うことは、遺伝子頻度を変化させる要因にはならない。これはハーディ・ワインベルグの法則が成立するための前提条件の一つであり、交配の様式自体は遺伝子頻度の維持に直接的な影響を与えない。
センター試験(2005年)類似
エネルギーピラミッド
Q87
生態系におけるエネルギーの流れに関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
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✅ 正解
エネルギーは食物連鎖を通じて一方通行で流れ、上位の栄養段階ほど利用可能なエネルギー量は減少する。
生態系において、エネルギーは生産者から消費者へと食物連鎖を通じて受け渡されますが、その過程で各生物の生命維持活動(呼吸など)に伴い、大部分が熱エネルギーとして系外へ放出されます。そのため、上位の栄養段階へ移行するにつれて利用可能なエネルギー量は段階的に減少します。物質は生態系内を循環しますが、エネルギーは循環せず一方通行で流れるという点が重要な特徴です。
センター試験(2006年)類似
生態系の栄養段階
Q88
生態系における物質循環の観点から、分解者の役割を説明したものとして最も適切なものはどれか。
★★ 基本
背景
正答率 —
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✅ 正解
有機物を無機物に分解し、生産者が再利用可能な形で環境中に戻す。
生態系はエネルギーの流れと物質の循環から成る。生産者が無機物から合成した有機物は、消費者の摂食を通じて移動するが、最終的には生物の遺体や排出物として残る。分解者はこれら有機物を分解して二酸化炭素や水、無機塩類などの無機物に戻す。このプロセスにより、生産者が再び光合成に利用できる物質が環境中に供給され、物質の循環が成立している。
センター試験(2004年)類似
根粒菌
Q89
マメ科植物が根粒菌と共生して行う「共生窒素固定」の生物学的な意義に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本
背景
正答率 —
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✅ 正解
大気中の窒素を直接利用して、植物の窒素源を確保する
共生窒素固定とは、根粒菌がニトロゲナーゼという酵素を用いて、植物が利用できない大気中の窒素分子をアンモニウムイオンに変換する過程を指す。植物はこのアンモニウムイオンを取り込むことで、窒素源を確保する。この共生関係により、マメ科植物は窒素の乏しい土壌環境でも生育が可能となる。他の選択肢は脱窒や光合成、分解者の働きに関する説明であり、本現象とは異なる。
センター試験(2016年)類似
種間競争
Q90
同じ資源を利用する異なる種が、互いの個体数増加を抑制し合う関係を何と呼ぶか。
★ やさしい
基礎
正答率 —
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✅ 正解
種間競争
種間競争とは、限られた資源を複数の種が利用する際に、互いの個体数増加を抑制し合う関係を指す。一方、相利共生は双方が利益を得る関係、捕食・被食は一方が他方を食べる関係、片利共生は一方が利益を得て他方が影響を受けない関係であり、本問の定義とは異なる。
共通テスト(2024年)類似
遺伝的浮動と集団サイズ
Q91
集団内における突然変異の定着と遺伝的浮動の関係について、誤っている記述はどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
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✅ 正解
集団の個体数が増加するほど、遺伝的浮動による対立遺伝子の固定や消失の影響は大きくなる。
遺伝的浮動の影響力は集団サイズに反比例する。個体数が多い集団では、偶然による遺伝子頻度の変動(サンプリング誤差)が小さくなるため、遺伝的浮動の影響は相対的に小さくなる。したがって、集団の個体数が増加するほど、遺伝的浮動による固定や消失の影響は小さくなるのが正しい。
センター試験(2018年)類似
総生産量
Q92
ある植物群落において、純生産量を測定したところ年間で1000g/m^2であった。この群落の総生産量を算出するために、純生産量以外に測定が必要な項目として最も適切なものはどれか。
★★ 基本
具体例
正答率 —
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✅ 正解
植物の呼吸量
総生産量は、植物が光合成で生産した全有機物量を示す。純生産量は、総生産量から植物自身が呼吸によって消費したエネルギー量を差し引いたものである。そのため、純生産量から総生産量を求めるには、呼吸量を測定し加算する必要がある。消費者のデータは生産量の算出には直接関与しない。
センター試験(2019年)類似
群れの形成
Q93
動物が群れを形成する際のコストと利益に関する記述として、誤っているものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
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✅ 正解
群れを大きくすることは、常に個体にとっての生存率を最大化させる。
群れの形成には利益だけでなくコストも伴う。例えば、餌の競合や感染症の拡大リスク、あるいは群れが大きすぎることで逆に捕食者に見つかりやすくなる可能性もある。そのため、生物は環境条件に応じて群れの大きさを最適化しており、常に群れを大きくすることが生存率の最大化につながるわけではない。
センター試験(2020年)類似
相利共生
Q94
ヒアリとアブラムシが相利共生の関係にある環境において、ヒアリを完全に駆除した場合に生態系内で起こる変化として最も適切なものはどれか。
★★★★ 難問
背景
正答率 —
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✅ 正解
アブラムシの天敵が減少し、アブラムシによる植物の食害が増加する
ヒアリはアブラムシの天敵であるテントウムシなどを攻撃・排除することで、アブラムシを捕食から守っている。そのため、ヒアリを駆除するとアブラムシの天敵による捕食圧が低下し、アブラムシの個体数が増加する。結果として、アブラムシによる植物への食害が拡大することになる。これは生物間の相互作用が植物の生育にまで影響を及ぼす一例である。
センター試験(2015年)類似
適応放散
Q95
適応放散の具体例として最も適切なものはどれか。
★★ 基本
具体例
正答率 —
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✅ 正解
ガラパゴス諸島のフィンチが餌環境に応じてくちばしの形を分化させたこと
適応放散は、共通祖先を持つ生物が新しい環境へ進出し、それぞれの環境に適応して多様な種に分かれる現象である。ガラパゴス諸島のフィンチは、島ごとに異なる餌資源を利用するためにくちばしの形態が多様化した典型的な適応放散の例である。一方、寄生生物と宿主の進化は共進化、個体の反応は順応、DNAの蓄積は分子進化のプロセスであり、適応放散の定義とは異なる。
センター試験(2016年)類似
捕食回避
Q96
被食者が捕食回避の適応を進化させる背景にある生物学的な原理として、最も適切なものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
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✅ 正解
捕食者による捕食圧が、生存率を高める形質を持つ個体を自然選択し、世代を経て適応が定着する。
生物の適応は、自然選択によって生じる。捕食者による捕食圧(生存を脅かす要因)が存在する環境下では、回避能力が高い個体ほど生存して繁殖する確率が高まる。このプロセスが繰り返されることで、形態的、行動的、化学的な捕食回避の形質が種内に定着し、適応として進化する。
センター試験(2005年)類似
生物濃縮
Q97
食物連鎖を通じて、特定の化学物質が生物体内に取り込まれ、上位の栄養段階にある生物ほどその濃度が高くなる現象を何というか。
★ やさしい
基礎
正答率 —
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✅ 正解
生物濃縮
生物濃縮とは、環境中に放出された難分解性かつ脂溶性の高い化学物質が、食物連鎖を通じて上位の捕食者に移行する過程で、体内に高濃度で蓄積される現象を指す。PCBやDDTなどが代表的な物質として知られており、食物連鎖の上位に位置する生物ほど、その影響を強く受けるリスクがある。
センター試験(2018年)類似
学名の分類階級
Q98
生物の学名において、種小名が果たす役割として最も適切なものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
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✅ 正解
属の中で特定の種を識別する
二名法における種小名は、属名と組み合わさることで、その属に含まれる個々の種を区別するために用いられる。属名はより広い分類階級である属を指し、種小名は属名とセットになることで初めて特定の種を指し示すことができる。科や目といったより上位の分類階級は、学名の構成要素とは直接関係しない。
センター試験(2015年)類似
種間競争
Q99
2種のゾウリムシを同じ容器で混合培養した際、一方の種が他方の種を排除するように個体数が減少する現象を何と呼ぶか。
★★ 基本
基礎
正答率 —
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✅ 正解
競争的排除
種間競争において、2つの種が同じ資源をめぐって競合する場合、資源利用効率の高い種が他方を排除し、最終的に一方の種が絶滅に至る現象を競争的排除と呼ぶ。ガウゼの実験が有名であり、単独培養では両種とも生存できるにもかかわらず、混合培養で一方が減少することは、種間競争による個体数への影響を明確に示している。
センター試験(2005年)類似
分解者
Q100
海洋生態系における物質循環において、生物の遺体や排出物に含まれる有機物を分解し、無機物へと還元する役割を担う生物群として最も適切なものはどれか。
★ やさしい
基礎
正答率 —
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✅ 正解
細菌類
生態系において、生物の遺体や排出物に含まれる有機物は、細菌類や菌類などの分解者によって無機物に分解されます。この過程で生じた無機物は、再び植物プランクトンなどの生産者によって利用され、物質循環が維持されます。甲殻類や魚類は主に消費者として機能し、原生動物も多くは捕食者として振る舞うため、分解者としての役割を主とするのは細菌類です。
センター試験(2004年)類似
共生窒素固定のエネルギーコスト
Q101
共生窒素固定を行う植物が、通常の植物と比較して成長(有機物の蓄積)への配分が減少する主な理由として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本
背景
正答率 —
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✅ 正解
窒素固定を行う根粒菌との共生関係を維持するために、多量の有機物をエネルギー源として消費するから
共生窒素固定は、大気中の窒素をアンモニアに還元する過程で、莫大なエネルギーを必要とします。植物は光合成で得た有機物(糖など)を根粒菌に供給することでこのエネルギーを賄うため、結果として植物体自身の成長や蓄積に回せる有機物の割合が低下します。これは窒素獲得という生存戦略上のコストであり、成長への配分を犠牲にして窒素利用効率を高めるトレードオフの関係にあります。
共通テスト(2024年)類似
同化器官と非同化器官の生物量分布
Q102
森林の垂直構造と光環境の関係について、相対照度と生物量の分布に関する説明として最も適切なものはどれか。
★★★ 標準
背景
正答率 —
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✅ 正解
森林内では高さに応じて相対照度が変化し、それに適応して同化器官と非同化器官の生物量分布が決定される。
森林内では、上層の葉によって光が遮られるため、高さが下がるにつれて相対照度は急激に低下します。植物はこの光環境の垂直的な変化に対応し、光合成を行う同化器官を上層に配置し、支持や輸送を担う非同化器官を下層に配置することで、効率的な個体維持を行っています。この構造は、森林の生産性と物質循環を理解する上で重要な指標となります。
共通テスト(2021年)類似
ハーディ・ワインベルグの法則
Q103
ハーディ・ワインベルグの法則が成立するための条件として、集団において当てはまらないものを次から選べ。
★★ 基本
背景
正答率 —
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✅ 正解
特定の表現型を持つ個体が選択的に生存すること
ハーディ・ワインベルグの法則は、自然選択、突然変異、遺伝的浮動、移入、非ランダム交配が存在しない理想的な集団において成立する。特定の表現型が選択的に生存することは自然選択にあたり、遺伝子頻度が変化するため、この法則が成立する条件には含まれない。
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