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【一問一答】生物基礎のよく出る問題|共通テスト・センター試験過去問類似問題

類似過去問に挑戦

最大10年分の公立高校入試類似過去問70,487件収録

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大学入学共通テスト・センター試験の過去問を分析し、生物基礎でよく出るポイントを一問一答形式でまとめました。本ページでは 細胞と分子・代謝・遺伝情報とその発現・体内環境の維持・生態と進化 の頻出問題(全409問)を収録しています。選択肢から答えを選び、解説で知識を定着させましょう。共通テスト・定期テスト対策にご活用ください。

目次

生物基礎の一問一答(共通テスト・センター過去問)

細胞と分子(63問)の一問一答問題

センター試験(2020年)類似

細胞の化学組成

Q1 動物細胞の化学組成に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
水を除いた細胞の構成成分において、質量比で最も多いのはタンパク質である。
動物細胞の組成において、質量比で最大なのは水である。水を除いた成分(乾燥重量)に注目すると、細胞の骨格形成や代謝反応を担う酵素として機能するタンパク質が最も高い割合を占める。炭水化物や核酸、無機塩類はタンパク質よりも含有量が少なく、これらは細胞の機能維持に不可欠ではあるが、質量比の観点ではタンパク質が主成分となる。
共通テスト(2021年)類似

真核生物

Q2 真核生物の細胞構造に関する記述として、最も適当なものはどれか。
★ やさしい 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
真核生物は細胞内に核や細胞小器官を持つ。
真核生物は、細胞内に核膜に包まれた核や、ミトコンドリアなどの細胞小器官を持つ生物の総称である。一方、原核生物は核を持たず、DNAが細胞質中に存在する生物であり、乳酸菌、大腸菌、肺炎双球菌などの細菌類がこれに該当する。酵母菌は真菌類の一種であり、核を持つ真核生物である。
共通テスト(2024年)類似

細胞周期の阻害

Q3 細胞周期の進行を阻害する化合物Zを添加したところ、細胞のDNA量が2の状態で維持され、顕微鏡観察では染色体が凝縮した状態が継続して観察された。この現象から推測される化合物Zの作用として最も適切なものはどれか。
★★★ 標準 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
染色体の凝縮状態を維持させ、分裂期の進行を停止させている。
細胞周期においてDNA量が2の状態で停止していることは、DNA複製が完了した後の状態であることを示す。また、染色体が凝縮した状態が維持されていることは、細胞が分裂期に入っているものの、その後の過程が進行せずに停止していることを意味する。したがって、化合物Zは分裂期における染色体の凝縮状態を維持させることで、細胞周期の進行を阻害していると判断できる。
センター試験(2017年)類似

細胞周期の長さの算出

Q4 タマネギの根端細胞を観察したところ、全細胞数210個のうち、間期の細胞数が168個、分裂期の細胞数が42個であった。細胞周期の長さが20時間であるとき、この細胞の分裂期の長さは何時間か。
★★ 基本 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
4時間
細胞周期における各時期の長さは、その時期の細胞数比率に比例する。分裂期の細胞数比率は、42個 / 210個 = 0.2(5分の1)である。したがって、細胞周期全体の20時間にこの比率を乗じると、20時間 × 0.2 = 4時間となり、分裂期の長さは4時間と算出できる。
センター試験(2020年)類似

葉緑体

Q5 植物細胞に含まれる色素とその局在に関する記述として、誤っているものはどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
アントシアニンは葉緑体で合成され、その後ミトコンドリアへ輸送される。
アントシアニンはフラボノイドの一種であり、主に細胞内の液胞に蓄積される水溶性の色素です。葉緑体は光合成色素であるクロロフィルを含みますが、アントシアニンの合成や蓄積の場ではありません。また、ミトコンドリアは細胞呼吸を行う場であり、色素の輸送先や貯蔵場所としての役割は持ちません。したがって、アントシアニンが葉緑体で合成されミトコンドリアへ輸送されるという記述は誤りです。
センター試験(2018年)類似

細胞質基質

Q6 細胞質基質が細胞の生命活動において果たす役割として、最も適切なものはどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
解糖系などの代謝反応が進行する場となる。
細胞質基質は単なる充填物ではなく、多くの代謝経路が進行する重要な場である。例えば、グルコースをピルビン酸に分解する解糖系は、細胞質基質で行われる。遺伝情報の複製や転写は主に核内で行われ、タンパク質の分解は主にプロテアソームやリソソームが担う。細胞膜の透過性制御は膜タンパク質が主に担当する。
センター試験(2016年)類似

リンを構成元素として含む物質

Q7 生命活動において重要な役割を果たす物質であるATP、DNA、およびRNAのうち、その分子内にリンを構成元素として含む物質として、最も適切な組み合わせはどれか。
★ やさしい 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ATP、DNA、RNAのすべてである
ATPはアデノシン三リン酸の略称であり、その名の通り3つのリン酸基を持つ。また、DNA(デオキシリボ核酸)とRNA(リボ核酸)は、糖と塩基にリン酸基が結合したヌクレオチドを構成単位とする核酸である。したがって、これら3つの物質はすべてリン酸基を分子内に含んでおり、リンを構成元素として持っている。
センター試験(2015年)類似

真核生物

Q8 真核生物の特徴として最も適切な記述はどれか。
★ やさしい 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
核を持ち、細胞内に膜構造を持つ細胞小器官が存在する。
真核生物は、細胞内に核膜に包まれた核を持ち、ミトコンドリアや葉緑体などの膜構造を持つ細胞小器官が存在する生物群である。一方、大腸菌やネンジュモなどの原核生物は、核膜に包まれた核を持たず、膜構造を持つ細胞小器官も欠いている。真核生物は細胞分裂の際に核膜が消失し、染色体が凝縮する過程を経て遺伝情報を分配する。
共通テスト(2024年)類似

細胞周期の停止

Q9 細胞周期におけるチェックポイント機構の生物学的な意義として、最も適切な説明はどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
損傷したDNAが次世代の細胞に伝わるのを防ぐため
細胞周期のチェックポイントは、細胞分裂の各段階が正確に進行しているかを監視する制御機構である。特にG2期における停止は、DNA複製に誤りや損傷がないかを厳密に確認する役割を担う。もし損傷を抱えたまま分裂期へ移行すると、変異や染色体異常が生じるリスクが高まるため、この停止機構はゲノムの安定性を維持するために不可欠である。
センター試験(2017年)類似

細胞の共通構造

Q10 細胞の構造と構成成分に関する記述として、誤っているものはどれか。
★★ 基本 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
植物細胞の細胞壁の主成分であるセルロースは、すべての生物の細胞に共通して存在する。
セルロースは植物細胞の細胞壁を構成する多糖類であり、動物細胞や多くの原核生物の細胞には含まれない。アデノシン三リン酸(ATP)はエネルギーの受け渡しを行う物質として、水は生命活動の溶媒として、地球上のあらゆる細胞に共通して含まれている。したがって、セルロースがすべての生物に共通するという記述は誤りである。
共通テスト(2023年)類似

リパーゼの脂肪分解作用

Q11 リパーゼをあらかじめ加熱処理してからリトマスミルクと脂肪に加えた場合、反応液の色が変化しない理由として最も適切なものはどれか。
★★ 基本 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
加熱によってリパーゼの立体構造が変化し、酵素活性が失われるため
酵素はタンパク質から構成されており、特定の立体構造を持つことで基質と結合し反応を触媒する。高温で加熱すると、タンパク質の高次構造が崩れる「変性」が起こる。一度変性した酵素は基質である脂肪と結合できなくなるため、脂肪酸が生成されず、反応液のpHも変化しない。このため、リトマスミルクの色は変化せず、元の青色のまま維持される。
センター試験(2020年)類似

ミクロメーターによる測定

Q12 光学顕微鏡を用いて細胞内の微細構造を観察する際、接眼ミクロメーターの目盛りを校正する手順として最も適切なものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
対物ミクロメーターの目盛りと接眼ミクロメーターの目盛りが重なる箇所を探し、1目盛りあたりの長さを算出する
接眼ミクロメーターは接眼レンズ内に挿入されているため、対物レンズの倍率が変わると1目盛りあたりの実際の長さが変化する。そのため、観察ごとに必ず対物ミクロメーターを用いて校正を行う必要がある。対物ミクロメーターは実際の長さが刻まれているため、両者の目盛りを重ねて比較することで、接眼ミクロメーターの1目盛りが何マイクロメートルに相当するかを算出できる。
共通テスト(2022年)類似

細胞の大きさによる単位重量あたりの細胞数

Q13 一定の重量の組織からDNAを抽出する際、細胞の大きさと単位重量あたりの細胞数の関係として最も適切なものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
細胞の大きさが小さいほど、単位重量あたりの細胞数は多くなる。
細胞の大きさが小さい組織では、一定の重量の中に含まれる細胞の個数が多くなります。DNA抽出実験において、細胞数が多いことは抽出されるDNAの総量に影響を与える要因となります。核の大きさや染色体の凝縮状態は、細胞あたりのDNA量や抽出効率には関与しますが、単位重量あたりの細胞数そのものを決定する直接的な要因ではありません。
センター試験(2016年)類似

リンを構成元素として含む物質

Q14 生物の細胞内における物質の構造と構成元素に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
DNAとRNAは、いずれもリン酸基を構成単位として含んでいるため、リンを構成元素として持つ。
核酸であるDNAとRNAは、ヌクレオチドが鎖状に連なった構造をしており、各ヌクレオチドはリン酸、糖、塩基から構成される。このため、核酸はリンを必須の構成元素とする。一方、ATPもリン酸基を持つためリンを含み、これらは生命活動を維持する上でリンが不可欠であることを示している。
共通テスト(2024年)類似

原核細胞と真核細胞の共通点

Q15 原核細胞と真核細胞の構造や機能に関する記述として、誤っているものはどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
原核細胞は真核細胞と同様に、ミトコンドリアを用いて効率的にATPを生成する。
原核細胞にはミトコンドリアや葉緑体といった膜構造を持つ細胞小器官は存在しない。原核細胞もATPを生成するが、それは細胞質や細胞膜で行われる反応によるものであり、真核細胞のようなミトコンドリアを介した仕組みではない。したがって、ミトコンドリアの存在を共通点とする記述は誤りである。
センター試験(2017年)類似

細胞小器官の起源

Q16 真核細胞の進化過程を説明する細胞内共生説において、ミトコンドリアと葉緑体の起源として最も適切な組み合わせはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ミトコンドリアは好気性細菌、葉緑体は光合成細菌に由来する
細胞内共生説は、真核細胞の祖先的な細胞に、酸素を利用する好気性細菌が共生してミトコンドリアとなり、さらに光合成を行う細菌が共生して葉緑体となったとする説である。これらの小器官が独自のDNAを持ち、二重膜構造であることは、かつて独立した生物であったことを強く示唆する根拠となっている。
センター試験(2015年)類似

真核生物

Q17 次の生物のうち、すべて真核生物に分類される組み合わせとして最も適切なものはどれか。
★★ 基本 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
酵母菌、ゾウリムシ、カナダモ
酵母菌は真菌類、ゾウリムシは原生生物、カナダモは植物であり、いずれも核や細胞小器官を持つ真核生物である。対照的に、大腸菌は細菌類、ネンジュモはシアノバクテリアに分類される原核生物であり、核や膜構造を持つ細胞小器官を欠く。したがって、酵母菌、ゾウリムシ、カナダモの三者が真核生物のグループとして正しい。
共通テスト(2025年)類似

細胞の共通性と多様性

Q18 真核細胞である繊毛細胞と、原核生物である細菌の共通点として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
いずれも遺伝情報の本体であるDNAを細胞内に保持している
真核細胞と原核細胞の最大かつ最も基本的な共通点は、遺伝情報の本体であるDNAを保持し、それを複製・転写して生命活動を維持している点である。一方、ミトコンドリアや葉緑体などの膜構造を持つ細胞小器官は真核細胞特有のものであり、原核生物である細菌には存在しない。また、細胞壁の有無や細胞分裂の様式も細胞の種類によって大きく異なる。
センター試験(2020年)類似

葉緑体

Q19 植物細胞の構造と機能に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
葉緑体は光合成を行う細胞小器官であり、主にクロロフィルを含んでいる。
葉緑体は真核生物の植物細胞に見られる細胞小器官で、光エネルギーを化学エネルギーに変換する光合成の場です。ここにはクロロフィルなどの光合成色素が含まれます。一方、アントシアニンは水溶性の色素であり、主に液胞に蓄積されます。したがって、アントシアニンが葉緑体の主成分であるとする記述は誤りです。核は遺伝情報の保持、ミトコンドリアは細胞呼吸によるエネルギー産生を担います。
センター試験(2017年)類似

原核生物と真核生物の分類

Q20 生物の細胞構造に基づく分類において、原核生物と真核生物の組み合わせとして最も適切なものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
大腸菌が原核生物で、ゾウリムシが真核生物である
原核生物は核や膜構造を持つ細胞小器官を欠く生物群であり、大腸菌や乳酸菌、ネンジュモなどが含まれます。一方、真核生物は核やミトコンドリアなどの細胞小器官を持つ生物群であり、ゾウリムシ、ミドリムシ、オオカナダモなどが含まれます。したがって、大腸菌を原核生物、ゾウリムシを真核生物とする分類が正しいです。
センター試験(2016年)類似

ミトコンドリアの起源

Q21 ミトコンドリアがかつて独立した原核生物であったことを示唆する根拠として、最も適切な説明はどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ミトコンドリアは独自のDNAを持ち、二重膜構造であること
ミトコンドリアが独自のDNAを保持し、二重膜構造である点は、かつて独立した原核生物が細胞内に共生したという細胞内共生説の強力な根拠となっている。光学顕微鏡では内部の微細構造までは観察できず、また原核生物由来であるため核膜でDNAが囲まれているわけではない。また、ミトコンドリアは呼吸によってエネルギーを産生する場であり、デンプンを直接取り込むわけではない。
センター試験(2019年)類似

酵素の触媒作用の検証

Q22 過酸化水素を分解して酸素を発生させる実験において、生物由来の酵素であるカタラーゼの働きを検証する際、無機触媒である酸化マンガンを用いた実験と比較を行う理由として最も適切なものはどれか。
★★ 基本 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
酸化マンガンは酵素と同様に過酸化水素の分解を促進するが、生物由来ではないため比較対象として有効であるから
酵素は生体内で化学反応を促進する触媒として働く。過酸化水素の分解実験では、肝臓片に含まれるカタラーゼ(酵素)の働きを調べる際、無機触媒である酸化マンガン(MnO2)を用いることで、触媒としての共通の性質と、生物由来である酵素特有の性質を対照的に評価できる。酸化マンガンは無機物であり、酵素とは異なる物質であるが、過酸化水素を分解する触媒作用を持つため、実験の対照として適切である。
センター試験(2019年)類似

酵素の触媒作用の検証

Q23 過酸化水素水に肝臓片を加えた際に発生する気体が、酵素による触媒作用の結果であることを確認するために、最も適切な対照実験はどれか。
★★★ 標準 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
加熱して失活させた肝臓片を過酸化水素水に加える
酵素はタンパク質で構成されており、加熱によって立体構造が変化(変性)すると触媒としての機能を失う。そのため、加熱処理した肝臓片を過酸化水素水に加えても気体が発生しないことを確認することで、発生した気体が単なる物理的刺激や混入物によるものではなく、肝臓片に含まれる活性を持った酵素によるものであることを証明できる。
センター試験(2020年)類似

細胞の化学組成

Q24 一般的な動物細胞の構成成分を質量比で比較したとき、最も多く含まれる物質と、水を除いた成分の中で最も多く含まれる物質の組み合わせとして最も適当なものはどれか。
★ やさしい 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
水とタンパク質
動物細胞の質量比において、水は約70%から80%を占め、最も多い成分である。水を除いた乾燥重量ベースで比較すると、細胞の構造維持や酵素として働くタンパク質が最も大きな割合を占める。核酸や炭水化物、無機塩類はこれらに比べて含有量が少ない。したがって、水とタンパク質がそれぞれ最も多い成分となる。
共通テスト(2023年)類似

リパーゼの熱変性

Q25 リトマスミルクを用いた実験において、100度で加熱処理したリパーゼ溶液を脂肪に加えた場合、反応液の色調が変化せず薄い青色のままであった。この結果から導き出される結論として最も適切なものはどれか。
★★★ 標準 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
リパーゼは高温処理によって活性が失活し、脂肪の分解が進行しなかった
リパーゼは脂肪を脂肪酸とモノグリセリドに分解する酵素である。脂肪が分解されると脂肪酸が生じ、反応液のpHが低下するため、リトマスミルクの色調が青色から赤色へと変化する。加熱処理したリパーゼを用いた試験管で色調の変化が見られなかったことは、リパーゼが熱変性により失活し、脂肪の分解反応が起こらなかったことを示している。
共通テスト(2023年)類似

リパーゼの脂肪分解作用

Q26 リトマスミルクとリパーゼを含む反応液に、胆汁の粉末を加えた場合、胆汁が果たす役割として最も適切なものはどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
脂肪を乳化させて表面積を広げ、リパーゼによる分解反応を促進する
胆汁には胆汁酸塩が含まれており、これが脂肪を乳化させる働きを持つ。脂肪は水に溶けにくいため、リパーゼは脂肪の表面でしか作用できないが、胆汁によって脂肪が微細な粒子(乳化)になると、酵素が作用できる表面積が飛躍的に増大する。その結果、脂肪酸の生成速度が速まり、pH低下に伴うリトマスミルクの赤色への変化がより顕著になる。
共通テスト(2021年)類似

真核生物

Q27 次の生物のうち、原核生物に分類されるものはどれか。
★★ 基本 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
乳酸菌
原核生物は核を持たない生物であり、主に細菌類が該当する。選択肢のうち、乳酸菌は細菌類であり原核生物である。一方、酵母菌は真菌類、アメーバやゾウリムシは原生生物に分類され、いずれも細胞内に核を持つ真核生物である。
共通テスト(2026年)類似

細胞の共通構造

Q28 すべての生物の細胞に共通して保持されている構造や物質として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
RNAと酵素
すべての細胞は、遺伝情報の保持・伝達に関わるRNAと、生命活動に必要な化学反応を触媒する酵素を共通して持っている。一方、核やミトコンドリアは真核細胞特有の構造であり、細胞壁や葉緑体は特定の生物群にのみ見られる。また、無機物から有機物を合成する能力も、光合成を行う生物などに限定されるため、すべての細胞に共通する特徴ではない。
センター試験(2016年)類似

ミトコンドリアの起源

Q29 真核細胞の細胞小器官であるミトコンドリアの起源について、現在最も有力視されている説として最も適切なものはどれか。
★ やさしい 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
細胞内共生説
ミトコンドリアは独自のDNAを持ち、二重膜構造であることから、かつて独立した原核生物であった好気性細菌が、宿主となる細胞内に取り込まれ共生することで形成されたという細胞内共生説が提唱されている。この説は、ミトコンドリアの構造や遺伝情報の特性を説明する上で極めて重要な理論である。
センター試験(2019年)類似

真核細胞からなる単細胞生物

Q30 真核細胞からなる単細胞生物の特徴に関する記述として、誤っているものを次のうちから一つ選べ。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ネンジュモは真核細胞からなる単細胞生物である。
ネンジュモはシアノバクテリアの一種であり、核膜を持たない原核細胞からなる単細胞生物である。真核細胞は核膜に包まれた核を持ち、細胞小器官が発達している。ゾウリムシや酵母菌は真核細胞からなる単細胞生物であり、一つの細胞が個体として独立して生命活動を営む。したがって、ネンジュモを真核細胞とする記述は誤りである。
共通テスト(2022年)類似

酵素の細胞外での働き

Q31 細胞外で働く酵素の具体例として、最も適切なものはどれか。
★★★ 標準 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
消化管内に分泌され、食物中のタンパク質を分解するペプシン
ペプシンは胃腺から分泌される消化酵素であり、胃腔という細胞外の環境でタンパク質の分解を促進する。一方、ATP合成酵素、解糖系の酵素、DNAポリメラーゼは、いずれも細胞内の特定の小器官や細胞質基質において、細胞の生命活動を維持するための反応を触媒するものである。
共通テスト(2022年)類似

細胞の大きさによる単位重量あたりの細胞数

Q32 花芽と茎の組織を用いてDNA抽出実験を行う際、花芽の細胞が茎の細胞よりも小さい場合、同じ重量の材料を用いたときに生じる結果として最も妥当なものはどれか。
★★★ 標準 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
花芽の方が茎よりも多くの細胞を含むため、抽出されるDNAの総量が多くなる傾向がある。
細胞の大きさが小さい花芽は、同じ重量の茎と比較して細胞の密度が高く、単位重量あたりの細胞数が多くなります。DNAは細胞内の核に含まれるため、細胞数が多いほど抽出されるDNAの総量が多くなる要因となります。核のDNA密度や染色体の凝縮状態は、DNA抽出の成否や量に直接的な影響を与える主たる要因ではありません。
共通テスト(2024年)類似

細胞周期の阻害

Q33 細胞周期の制御に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
細胞周期はG1期、S期、G2期、M期の順に進行し、各期には厳密なチェックポイントが存在する。
真核生物の細胞周期は、DNA合成準備期のG1期、DNA合成期のS期、分裂準備期のG2期、そして分裂期のM期の順に進行する。各段階には細胞周期を正常に進めるためのチェックポイントが存在し、DNAの損傷や複製状況が監視されている。化合物Zのように特定の段階で細胞周期を停止させる物質は、細胞生物学の研究において各期の役割を解明するために利用される。
共通テスト(2021年)類似

細胞の構造と機能

Q34 真核細胞と原核細胞の構造に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
原核細胞は核を持たないが、DNAは細胞内に存在する。
細胞は生物の基本単位であり、原核細胞と真核細胞に大別される。原核細胞は核膜に包まれた核を持たないが、遺伝情報を担うDNAは細胞内に存在する。細胞壁は植物細胞だけでなく、細菌などの原核生物にも存在する構造である。シアノバクテリアは光合成を行う原核生物であるが、葉緑体という細胞小器官は持たず、細胞膜が発達した構造で光合成を行う。したがって、DNAの存在に関する記述が正しい。
センター試験(2017年)類似

原核生物と真核生物の分類

Q35 原核生物と真核生物の細胞構造の主な違いに関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
原核生物は核を持たないが、真核生物は核を持つ
原核生物と真核生物の最大の違いは、核膜に包まれた核の有無です。原核生物(大腸菌など)は核を持たず、DNAは細胞質中に存在します。一方、真核生物(ゾウリムシなど)は核膜に包まれた核を持ち、ミトコンドリアや葉緑体などの膜構造を持つ細胞小器官を備えています。
センター試験(2018年)類似

細胞質基質

Q36 真核細胞において、細胞小器官や核などの構造物以外の部分を占め、タンパク質や酵素などの様々な物質が溶け込んでいる液状の成分を何と呼ぶか。
★ やさしい 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
細胞質基質
細胞質基質は、細胞内の細胞小器官以外の空間を満たす液状の成分である。ここには水だけでなく、タンパク質、酵素、アミノ酸、糖類など、代謝に必要な多様な物質が含まれている。核は遺伝情報を保持する構造体であり、ミトコンドリアはエネルギー産生を行う細胞小器官、細胞壁は植物細胞などの外側を囲む支持構造であるため、本問の定義には当てはまらない。
共通テスト(2023年)類似

原核細胞と真核細胞の比較

Q37 原核細胞と真核細胞の共通点および相違点に関する記述として、最も適当なものを次のうちから一つ選べ。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
原核細胞と真核細胞はともにATPを合成するが、原核細胞にはミトコンドリアが存在しない。
原核細胞と真核細胞は、ともに生命活動のエネルギー通貨であるATPを合成する。真核細胞ではミトコンドリアがその主要な場となるが、原核細胞には膜構造を持つ細胞小器官(ミトコンドリアや葉緑体など)は存在しない。原核細胞であっても呼吸を行うものは存在し、核酸の塩基の種類は両者で共通している。また、代謝速度や細胞の大きさのみで両者を一概に比較することはできない。
センター試験(2017年)類似

細胞小器官の起源

Q38 細胞内共生説を支持する根拠として、ミトコンドリアや葉緑体が持つ特徴のうち、誤っているものはどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
核内のDNAと全く同一の塩基配列を持つ
ミトコンドリアや葉緑体は、独自のDNAを保持し、細胞分裂とは独立して増殖する能力を持つ。これらは細胞内共生した細菌由来であるため、そのDNAは核内のDNAとは起源が異なり、塩基配列も核のDNAとは一致しない。二重膜構造も、共生時に宿主細胞の膜に取り込まれたことに由来すると考えられている。
センター試験(2020年)類似

ミクロメーターによる測定

Q39 接眼ミクロメーターの20目盛りが、対物ミクロメーターの50マイクロメートルと一致した。このとき、接眼ミクロメーターの目盛りで4目盛り分と測定された細胞小器官の実際の長さは何マイクロメートルか。
★★★ 標準 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
10マイクロメートル
まず接眼ミクロメーターの1目盛りあたりの長さを求める。20目盛りが50マイクロメートルに相当するため、1目盛りは50÷20=2.5マイクロメートルとなる。測定対象が4目盛り分である場合、実際の長さは2.5×4=10マイクロメートルと計算できる。
センター試験(2015年)類似

細胞質基質

Q40 細胞の構造と成分に関する記述として最も適切なものはどれか。
★★ 基本 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
細胞質基質は、核やミトコンドリアなどの細胞小器官の間を満たしている。
細胞質基質は細胞内の液体成分であり、細胞小器官の間を埋める役割を担っています。細胞質という用語は、細胞質基質と細胞小器官の総称であるため、細胞質基質は細胞質に含まれます。アントシアニンは主に液胞内に存在し、細胞壁は細胞膜の外側にある構造体であるため、選択肢の記述は誤りです。
センター試験(2017年)類似

細胞の共通構造

Q41 地球上のすべての生物の細胞に共通して含まれる物質の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。
★ やさしい 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
アデノシン三リン酸と水
細胞はすべての生物の基本単位であり、エネルギーの通貨として機能するアデノシン三リン酸(ATP)と、生命活動の場である細胞質基質の主成分である水は、原核細胞・真核細胞を問わずすべての細胞に共通して含まれる。一方、クロロフィルは光合成を行う生物に、セルロースは植物細胞の細胞壁に、ヘモグロビンは脊椎動物の赤血球に特有の物質であり、すべての生物に共通するわけではない。
共通テスト(2024年)類似

細胞周期の停止

Q42 細胞周期の進行中に紫外線照射を受けてDNA損傷が生じた場合、細胞は分裂期への移行を一時的に停止させる。DNA量が2の状態(複製完了後)で細胞周期が停止しているとき、この細胞が停止している時期として最も適切なものはどれか。
★★★ 標準 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
G2期
細胞周期において、DNAの複製が完了した後のDNA量は、複製前の2倍の状態を維持している。この段階で分裂期(M期)に入る前に停止するという事象は、DNA複製が完了し、かつ分裂が開始される前のG2期におけるチェックポイント機能が働いていることを示している。この停止期間中にDNA修復が行われ、修復が完了した後に再び細胞周期が進行する。
センター試験(2017年)類似

細胞周期の構成

Q43 細胞周期の制御において、S期にDNA複製が行われる生物学的な意義として最も適切なものはどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
分裂後の娘細胞に親細胞と同一の遺伝情報を確実に受け継がせるため
細胞分裂の目的は、親細胞の遺伝情報を正確に娘細胞へ分配することです。そのため、分裂期に入る前の間期(S期)において、DNAを複製し、遺伝情報のコピーを作成しておく必要があります。この過程により、分裂期において染色体が分配された際、二つの娘細胞は親細胞と同一の遺伝情報を持つことが保証されます。
共通テスト(2025年)類似

細胞の共通性と多様性

Q44 気管の表面に存在する繊毛細胞と、細菌の構造上の違いに関する記述として、誤っているものはどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
細菌と繊毛細胞は、いずれも細胞内にDNAを保持していない
すべての細胞は遺伝情報の本体としてDNAを保持している。繊毛細胞は真核細胞であり、核膜に包まれた核やミトコンドリアなどの細胞小器官を持つ。対して細菌は原核細胞であり、核膜に包まれた核や膜構造を持つ細胞小器官を欠く。したがって、両者がDNAを保持していないという記述は誤りである。
センター試験(2018年)類似

細胞分裂

Q45 ヒトの細胞と大腸菌の細胞の構造上の違いに関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ヒトの細胞は細胞壁を持たないが、大腸菌は細胞壁を持つ。
ヒトは動物細胞であり、細胞膜の外側に細胞壁を持たない。一方、大腸菌は細菌(原核生物)であり、細胞膜の外側に細胞壁を持つ。ミトコンドリアは真核生物であるヒトの細胞には存在するが、原核生物である大腸菌には存在しない。また、両者とも遺伝情報としてDNAを持ち、細胞膜も備えているため、他の選択肢は誤りである。
センター試験(2017年)類似

細胞周期の長さの算出

Q46 細胞周期の長さの算出に関する記述として最も適切なものはどれか。
★ やさしい 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
細胞集団における各時期の細胞数比率は、その時期の長さに比例する。
細胞周期の各時期の長さは、その時期に要する時間に比例するため、ランダムに固定された細胞集団において、ある特定の時期にある細胞の割合は、その時期の長さに比例する。この原理を利用して、全細胞数に対する各時期の細胞数の割合から、細胞周期の各期間を推定することが可能である。
共通テスト(2026年)類似

細胞の共通構造

Q47 細胞の構造と機能に関する記述として、誤っているものはどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
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✅ 正解
すべての細胞は、核膜に包まれた核を必ず持っている。
原核生物の細胞には核膜に包まれた核が存在しないため、すべての細胞が核を持つという記述は誤りである。RNAと酵素は、原核生物・真核生物を問わず、すべての細胞が生命活動を維持するために不可欠な要素として保持している。細胞壁の有無やその成分は、植物、菌類、細菌などで異なり、細胞のタイプを区別する指標の一つとなる。
センター試験(2015年)類似

細胞質基質

Q48 真核細胞の内部構造において、核やミトコンドリアなどの細胞小器官の間を満たしている液体状の成分を何と呼ぶか。
★ やさしい 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
細胞質基質
細胞質基質は、細胞膜の内側で細胞小器官以外の空間を満たしている流動的な成分です。細胞質は細胞質基質と細胞小器官を合わせた領域全体を指すため、細胞質基質は細胞質の一部を構成する成分といえます。細胞壁は植物細胞などの細胞膜の外側にある構造であり、ミトコンドリアは細胞小器官の一種であるため、これらは細胞質基質とは区別されます。
センター試験(2018年)類似

細胞分裂

Q49 ヒトの細胞と大腸菌の細胞が共通して行う増殖様式として、最も適切なものはどれか。
★ やさしい 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
細胞分裂による増殖
ヒトのような真核生物と、大腸菌のような原核生物は、細胞の構造や大きさには大きな違いがあるが、どちらも細胞分裂を行うことで個体数を増やすという共通の増殖様式を持つ。細胞壁の有無や呼吸に関する細胞小器官の有無は生物群によって異なるが、細胞分裂という基本的な増殖の仕組みは、進化上の共通の祖先から受け継がれた生命の共通性を示す重要な特徴である。
センター試験(2017年)類似

細胞周期の構成

Q50 体細胞分裂を繰り返す細胞において、細胞周期の進行順序として最も適切なものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
G1期 → S期 → G2期 → 分裂期
細胞周期は、分裂期と間期に分けられます。間期はさらに三つの時期に区分され、DNA合成の準備を行うG1期、DNA複製を行うS期、分裂の準備を行うG2期の順で進行します。この間期が終わると分裂期に入り、細胞分裂が完了します。したがって、G1期、S期、G2期、分裂期の順序が正しい進行経路となります。
共通テスト(2024年)類似

原核細胞と真核細胞の共通点

Q51 原核細胞と真核細胞の共通する生命維持機構として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
細胞膜を介した物質の輸送とATPを利用したエネルギー代謝
すべての細胞は細胞膜を持ち、物質の出入りを制御している。また、異化などの代謝反応においてATPをエネルギー通貨として利用する仕組みは、原核細胞と真核細胞に共通する基本的な生命維持機構である。一方、ミトコンドリア、葉緑体、核などの膜構造を持つ細胞小器官は真核細胞に特有の構造であり、原核細胞には存在しない。
センター試験(2019年)類似

真核細胞からなる単細胞生物

Q52 真核細胞からなる単細胞生物の組み合わせとして最も適当なものを、次のうちから一つ選べ。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ゾウリムシと酵母菌
生物は細胞を基本単位とし、単細胞生物と多細胞生物に大別される。ゾウリムシや酵母菌は核を持つ真核細胞から構成される単細胞生物である。一方、オオカナダモは多細胞生物であり、ネンジュモは核を持たない原核細胞からなる単細胞生物であるため、設問の条件には該当しない。真核生物と原核生物の分類、および細胞数の違いを正確に把握することが重要である。
共通テスト(2023年)類似

原核細胞と真核細胞の比較

Q53 原核細胞におけるATP合成の仕組みについて述べた文として、最も適当なものを次のうちから一つ選べ。
★★★★ 難問 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
細胞膜に存在するタンパク質などを利用して、細胞膜の内外でプロトン濃度勾配を形成しATPを合成する。
原核細胞にはミトコンドリアが存在しないが、好気性細菌などの原核細胞は細胞膜をミトコンドリアの内膜と同様の役割を果たす場として利用する。細胞膜を介してプロトン(H+)の濃度勾配を形成し、そのエネルギーを利用してATP合成酵素によりATPを合成する。これは真核細胞におけるミトコンドリアでのATP合成の進化的な起源とも考えられている。
共通テスト(2022年)類似

酵素の細胞外での働き

Q54 酵素の性質に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
酵素はタンパク質を主成分とする触媒であり、細胞外でも化学反応を促進する。
酵素はタンパク質を主成分とする生体触媒であり、細胞内で合成されるが、細胞外へ分泌されて機能するものも多い。例えば、消化管内で働く消化酵素は細胞外で食物の分解を促進する。酵素は反応の前後で自身は変化せず、繰り返し反応を促進する性質を持つため、細胞外では働かないという考え方は誤りである。
センター試験(2018年)類似

細胞質基質

Q55 細胞質基質に関する記述として最も適当なものはどれか。
★★ 基本 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
細胞質基質は、タンパク質などの様々な物質を含む液状成分である。
細胞質基質は、細胞内の構造物(細胞小器官)の間を満たす液状の基質である。ここには代謝反応に必要な酵素などのタンパク質が豊富に含まれている。DNAを保持するのは主に核やミトコンドリアであり、エネルギー産生を行うのはミトコンドリアである。リボソームはタンパク質合成を行う構造体であるが、細胞質基質そのものではない。
センター試験(2018年)類似

細胞分裂

Q56 ヒトの細胞と大腸菌の細胞におけるエネルギー代謝の共通性として、最も適切なものはどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
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✅ 正解
エネルギーの通貨としてATPを利用する。
ヒトと大腸菌は、進化上の起源が異なる部分もあるが、生命活動に必要なエネルギーの受け渡しには、共通してATP(アデノシン三リン酸)を利用する。ATPの構造は生物界で高度に保存されており、原核生物から真核生物に至るまで、エネルギー代謝の基本単位として機能している。光エネルギーの利用や細胞壁の分解は、すべての生物に共通するエネルギー獲得様式ではない。
共通テスト(2024年)類似

細胞周期の停止

Q57 細胞周期において、DNAの複製が完了した後、分裂期に入る前の期間を何と呼ぶか。また、この時期にDNA損傷などの異常が検知された場合、細胞周期の停止が起こる仕組みは重要である。この期間の名称として正しいものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
G2期
細胞周期は、DNA合成準備期のG1期、DNA合成期のS期、分裂準備期のG2期、そして分裂期のM期に分けられる。DNA複製が完了した直後の時期はG2期であり、この時期には細胞分裂を開始する前にDNAの損傷をチェックする機構が働く。損傷が確認されると細胞周期の停止が起こり、修復が行われることで、異常な遺伝情報が次世代の細胞へ受け継がれることを防いでいる。
共通テスト(2023年)類似

リパーゼの脂肪分解作用

Q58 リパーゼが脂肪を分解する反応において、反応液の色が青色から赤色に変化する理由として最も適切なものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
脂肪が分解されて生成された脂肪酸により、反応液のpHが低下するため
リパーゼは脂肪を脂肪酸とモノグリセリドに分解する酵素である。この反応によって生じた脂肪酸は酸性を示すため、反応液中の水素イオン濃度が高まり、pHが低下する。リトマスミルクはpH指示薬として機能し、中性から弱塩基性の青色から、酸性を示す赤色へと変色する。この現象は、酵素の活性と生成物の性質を直接的に示す指標となる。
センター試験(2017年)類似

細胞周期の長さの算出

Q59 細胞周期の計算において、分裂期の細胞数比率が全細胞数に対して占める割合が小さい場合、その生物学的背景として考えられる理由はどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
細胞周期全体に占める分裂期の時間が相対的に短い。
細胞集団における各時期の細胞数比率は、その時期の長さに比例する。したがって、分裂期の細胞数比率が小さいということは、細胞周期全体の中で分裂期が占める時間の割合が小さいことを意味する。一般に、多くの体細胞において分裂期は間期よりも大幅に短いため、分裂期の細胞数比率は低くなる傾向がある。
センター試験(2017年)類似

細胞周期の構成

Q60 細胞周期における間期の各時期と、その時期に行われる主要な生物学的プロセスの組み合わせとして正しいものはどれか。
★★ 基本 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
S期においてDNA複製が行われる
間期は三つの時期に細分化されます。G1期はDNA合成の準備を行う時期であり、S期は遺伝情報の複製であるDNA複製が行われる時期です。続くG2期は、分裂に向けた最終的な準備を行う時期です。DNA複製は必ず間期のS期に行われ、分裂期では複製されたDNAが分配されます。
センター試験(2017年)類似

細胞周期の長さの算出

Q61 タマネギの根端細胞を観察したところ、細胞周期の各時期にある細胞数は、間期が168個、分裂期が42個であった。細胞周期の全体時間を20時間と仮定した場合、分裂期の長さは何時間になるか。
★★★ 標準 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
4時間
細胞周期の各時期の長さは、その時期の細胞数に比例します。全細胞数は間期168個と分裂期42個の合計である210個です。分裂期の細胞数の割合は42/210=1/5となります。したがって、細胞周期全体が20時間であるとき、分裂期の長さは20時間×1/5=4時間と算出されます。
共通テスト(2023年)類似

リパーゼの熱変性

Q62 リパーゼなどの酵素が、高温処理によって触媒としての活性を失う現象について、その理由として最も適当なものを次から選べ。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
高温により酵素を構成するタンパク質の立体構造が変化し、基質と結合できなくなるため
酵素はタンパク質から構成されており、特定の立体構造を維持することで基質と結合し、反応を促進する。高温にさらされると、タンパク質の高次構造を維持する結合が切断され、立体構造が不可逆的に変化する。これを熱変性と呼び、構造が変化した酵素は基質と結合できなくなるため、触媒としての活性を失う。
共通テスト(2021年)類似

細胞の構造と機能

Q63 細胞の構造に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
★★★ 標準 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
シアノバクテリアは原核生物であり、葉緑体を持つことで光合成を行う。
シアノバクテリアは原核生物であり、真核細胞に見られる細胞小器官である葉緑体は持たない。光合成は細胞膜から発達したチラコイド膜で行われる。他の選択肢については、ミトコンドリアは真核細胞のエネルギー産生器官であり、植物細胞は核、ミトコンドリア、葉緑体、細胞壁をすべて持つ。また、細胞壁は植物細胞に特有の構造ではなく、細菌にも存在するため、この記述は正しい。

代謝(25問)の一問一答問題

共通テスト(2023年)類似

光合成のエネルギー変換

Q1 水槽内で水草が光合成を行っている際、エネルギーと物質の代謝について述べた文として誤っているものはどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
光合成において、有機物中に蓄えられたエネルギーは熱エネルギーとして放出される。
光合成の主目的は、光エネルギーを化学エネルギーとして有機物中に固定することである。光合成の反応自体が熱エネルギーを放出する過程ではない。一方、呼吸は有機物を分解して化学エネルギーを取り出す過程であり、その際に一部が熱エネルギーとして放出される。したがって、光合成の定義として「熱エネルギーを放出する」とする記述は誤りである。
共通テスト(2022年)類似

ミトコンドリア

Q2 細胞の呼吸に関する記述として最も適切なものはどれか。
★★ 基本 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ミトコンドリア内での呼吸により、有機物からATPが合成される。
細胞の呼吸は、主にミトコンドリアにおいて酸素を用いて有機物を二酸化炭素と水にまで分解し、その過程で放出されるエネルギーを利用してATPを合成する反応である。葉緑体は光合成を行う場であり、核は遺伝情報の制御を行う場であるため、呼吸によるATP合成の主要な場とはいえない。
共通テスト(2022年)類似

細菌数推定の前提条件

Q3 ATP量から細菌数を推定する際に、測定値の信頼性を著しく低下させる要因として最も適切なものはどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
試料中に細菌以外の生物由来のATPが多量に含まれていること
ATPを用いた細菌数推定では、測定されたATPがすべて細菌由来であることを前提としています。そのため、試料中に細菌以外の生物由来のATPが含まれていると、細菌数とATP量の相関関係が崩れ、推定値に大きな誤差が生じます。細菌によるATP消費は代謝の結果として常に起こる現象であり、測定条件を一定にすれば推定の障害にはなりませんが、他由来のATPは測定の前提そのものを覆す要因となります。
共通テスト(2022年)類似

細菌数推定の前提条件

Q4 ATP量を用いて細菌数を推定する手法において、その計算の妥当性を支える前提条件として最も適切なものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
個々の細菌に含まれるATP量がほぼ一定であること
ATP量から細菌数を推定する手法は、ATPが生物のエネルギー通貨として細胞内に一定量存在するという性質に基づいています。個々の細菌が持つATP量が一定であれば、抽出された全ATP量を個々のATP量で割ることで細菌数を算出できます。細菌の増殖温度やATPの消費速度は測定値に影響を与えますが、推定計算の根拠となる前提条件は、個体あたりのATP量の恒常性と、細菌以外の由来のATPが混入しないことです。
共通テスト(2022年)類似

陽葉と陰葉の光合成速度

Q5 ブナの個体において、昆虫の食害により葉の面積が減少した際、個体全体の二酸化炭素吸収速度に与える影響として最も適切なものはどれか。
★★ 基本 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
光合成を行う葉の面積が減少するため、個体全体の二酸化炭素吸収速度は低下する。
光合成は葉緑体を含む葉の組織で行われる。昆虫による食害で葉の面積が減少すると、光合成を行う組織の総量が減少することになる。その結果、個体全体として取り込める二酸化炭素の総量(二酸化炭素吸収速度)は減少する。これは植物の生産力や成長に直接的な負の影響を及ぼす。
センター試験(2019年)類似

同化

Q6 生物の代謝において、外界から取り入れた単純な物質を、生命活動に必要な複雑な物質へと合成する反応を何と呼ぶか。
★ やさしい 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
同化
代謝は、物質の合成と分解という二つの側面を持つ。単純な物質から複雑な物質を合成し、エネルギーを蓄える反応を同化と呼ぶ。一方、複雑な物質を分解してエネルギーを取り出す反応は異化と呼ばれる。光合成は同化の代表的な例であり、植物などが光エネルギーを利用して有機物を合成する過程を指す。
共通テスト(2026年)類似

光合成速度と環境要因

Q7 植物の光合成速度が環境要因によって変化する現象において、乾燥耐性が異なる種Mと種Tの特性に関する記述として最も適当なものはどれか。
★★ 基本 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
種Mは種Tに比べて乾燥の影響を受けにくく、乾燥した環境下でも光合成速度の低下が小さい。
光合成速度は光強度や温度だけでなく、水分供給量にも強く依存する。乾燥耐性が高い植物は、水不足の条件下でも気孔の閉鎖や代謝の維持によって光合成速度の低下を最小限に抑える適応を持つ。本件において、種Mは水やり回数が少ない条件でも光合成速度の低下が小さいことから乾燥に強く、逆に種Tは乾燥によって光合成速度が大きく低下するため乾燥に弱い性質を持つことがわかる。
センター試験(2019年)類似

同化

Q8 代謝に関する記述として最も適切なものはどれか。
★★ 基本 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
同化は、外界から取り入れた物質を生命活動に必要な物質へと合成する反応である。
同化はエネルギーを吸収して物質を合成する反応であり、異化は物質を分解してエネルギーを取り出す反応である。呼吸は異化の代表例であり、有機物を分解して生命活動に必要なエネルギーを得る過程を指す。光合成は同化の一種であるが、選択肢の記述は異化の説明と混同しているため誤りである。
センター試験(2018年)類似

炭酸同化

Q9 光合成における炭酸同化の過程に関する記述として最も適当なものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
光エネルギーを利用して無機物から有機物を合成する過程である。
炭酸同化は、光合成を行う生物が光エネルギーを吸収し、二酸化炭素や水といった無機物から、デンプンや糖などの有機物を合成する反応である。この過程は真核生物では葉緑体で行われるが、原核生物であるシアノバクテリアも細胞内の膜構造を利用して同様の炭酸同化を行う。化学エネルギーを利用して有機物を分解するのは呼吸の過程であるため、選択肢の記述には注意が必要である。
共通テスト(2022年)類似

ミトコンドリア

Q10 真核細胞において、有機物を分解してエネルギーを取り出し、ATP合成を行う主要な場として機能する細胞小器官はどれか。
★ やさしい 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ミトコンドリア
ミトコンドリアは真核細胞の呼吸の場であり、有機物を分解してエネルギーを取り出し、ATPを合成する役割を担う。核は遺伝情報の保持と発現を制御する中心であり、葉緑体は光合成によって光エネルギーを化学エネルギーに変換する場である。リボソームはタンパク質合成の場であり、ATP合成を主目的とする器官ではない。
共通テスト(2026年)類似

光合成と呼吸

Q11 緑色個体と白色個体の葉における気体交換の特性について、明条件および暗条件での二酸化炭素の出入りを比較した記述として最も適当なものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
緑色個体は明条件で二酸化炭素を吸収し、暗条件で放出する。
緑色個体の葉は、明条件下では光合成による二酸化炭素の吸収速度が呼吸による放出速度を上回るため、全体として二酸化炭素を吸収する。一方、暗条件下では光合成が行われず、呼吸のみが行われるため、二酸化炭素が放出される。白色個体は葉緑体を持たず光合成を行えないため、明暗に関わらず呼吸による二酸化炭素の放出のみが観察される。
共通テスト(2021年)類似

ATP合成とエネルギー代謝

Q12 真核細胞におけるエネルギー代謝に関して、光合成と呼吸の場所と役割の組み合わせとして最も適当なものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
葉緑体で光エネルギーを利用して有機物を合成し、ミトコンドリアで有機物を分解してATPを合成する。
真核細胞において、葉緑体は光エネルギーを吸収し、二酸化炭素と水から有機物を合成する光合成の場である。一方、ミトコンドリアは有機物を酸素を用いて分解し、その過程で放出されるエネルギーを利用してADPとリン酸からATPを合成する呼吸の場である。ATPは細胞内のエネルギー通貨として、生命活動に利用される。
共通テスト(2023年)類似

藻類と動物細胞の共生における代謝変化

Q13 藻類と動物細胞の共生関係において、動物細胞側で起こる遺伝子発現の変化とその理由の組み合わせとして正しいものはどれか。
★★★★ 難問 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
糖取り込みタンパク質の発現上昇は、外部供給源の効率的利用を促進するためである
共生によって細胞内に新たな糖の供給源が確保されると、動物細胞はエネルギー代謝を効率化させる必要があります。糖を取り込むためのタンパク質の発現を上昇させることは、供給された糖を細胞内に効率よく取り込み、利用するための適応的変化です。逆に、自ら糖を生成する代謝経路はエネルギーを消費するため、供給が十分であればその発現を抑制することで、細胞全体のエネルギー収支を改善します。
共通テスト(2026年)類似

光合成速度と環境要因

Q14 植物の光合成速度と乾燥耐性の関係について、その生物学的背景を説明した記述として最も適当なものはどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
乾燥耐性が高い種は、水不足の条件下でも光合成に必要な二酸化炭素を取り込むための気孔の開閉や代謝系を効率的に制御できる。
植物は乾燥ストレスを受けると、蒸散による水分損失を防ぐために気孔を閉じる。しかし、気孔を閉じると二酸化炭素の取り込みが制限され、光合成速度が低下する。乾燥耐性が高い種は、乾燥条件下でも細胞内の浸透圧調節や光合成関連酵素の安定化を図ることで、光合成速度の低下を抑える仕組みを備えている。これは種ごとの進化的な適応の結果であり、環境要因と光合成速度には密接な関係がある。
センター試験(2016年)類似

代謝経路における酵素の役割

Q15 代謝経路において、物質Aから物質B、物質Bから物質C、物質Cから物質Dへと順に変換される反応がある。各段階にはそれぞれ固有の酵素X、Y、Zが関与している。ある変異体が物質Bのみを培地に加えた場合にのみ生育できたとき、この変異体において欠損している酵素として最も適切なものはどれか。
★★★ 標準 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
酵素X
代謝経路において、ある酵素が欠損すると、その酵素が触媒する反応より下流の物質が合成されなくなる。変異体が物質Bのみを添加した培地で生育できるということは、物質Bから物質C、物質Dへの変換経路は正常に機能していることを示す。したがって、物質Aから物質Bへの変換を担う酵素Xが欠損していると判断できる。
センター試験(2015年)類似

同化

Q16 植物が光エネルギーを利用して、二酸化炭素と水という無機物から有機物を合成する代謝過程として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
光合成による同化
植物は光エネルギーを用いて、二酸化炭素と水からグルコースなどの有機物を合成する。この過程はエネルギーを蓄えるため同化に分類され、特に光エネルギーを利用するものを光合成という。動物が摂取した有機物を分解する消化や、有機物を分解してエネルギーを得る呼吸とは区別される。
センター試験(2015年)類似

同化

Q17 生物が体内で複雑な有機物を合成する「同化」という代謝過程において、エネルギーの出入りと物質の変化の組み合わせとして正しいものはどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
エネルギーを吸収し、単純な物質から複雑な有機物を合成する
同化は、外部から取り入れた単純な物質や無機物から、エネルギーを消費(吸収)して複雑な有機物を合成する過程である。この過程で蓄えられたエネルギーは、後の異化の過程で放出され、生命活動に利用される。エネルギーの吸収と物質の合成が同化の核心である。
共通テスト(2026年)類似

光合成と呼吸

Q18 白色個体の葉において、明条件および暗条件で共通して行われている代謝反応として最も適切なものはどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
有機物を分解してエネルギーを取り出す呼吸
白色個体は葉緑体を持たないため、光合成を行うことができない。しかし、個体を維持するために必要なエネルギーを得るための異化作用である呼吸は、明条件・暗条件を問わず常に行われている。呼吸では有機物を分解し、酸素を消費して二酸化炭素を放出することでATPを合成する。光合成に関連する反応は、光エネルギーを必要とするため白色個体では起こらない。
センター試験(2015年)類似

同化

Q19 生物の代謝過程において、単純な物質から複雑な物質を合成し、エネルギーを蓄える反応を何と呼ぶか。
★ やさしい 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
同化
代謝は、物質の合成と分解の過程に大別される。単純な物質からエネルギーを吸収して複雑な有機物を合成する過程を同化と呼び、光合成やタンパク質の合成がこれに該当する。一方、複雑な物質を分解してエネルギーを取り出す過程は異化と呼ばれ、呼吸などがこれに含まれる。
センター試験(2018年)類似

炭酸同化

Q20 光合成を行う生物とその細胞構造に関する記述として、正しいものはどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
シアノバクテリアは核を持たない原核生物であり、光合成を行う。
シアノバクテリアは光合成を行う代表的な原核生物である。原核生物には核膜で包まれた核や葉緑体などの細胞小器官は存在しないが、細胞膜が内側に陥入した構造や細胞内の膜系を利用して光合成色素を保持し、炭酸同化を行うことができる。したがって、シアノバクテリアを真核生物と分類したり、原核生物が光合成を行えないと判断したりするのは誤りである。
共通テスト(2022年)類似

陽葉と陰葉の光合成速度

Q21 陽葉と陰葉の光合成特性に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
陰葉は陽葉に比べて、強い光の下での光合成速度の飽和点が低い。
陽葉は強い光環境に適応しており、光が強くなるほど二酸化炭素吸収速度が増加し、高い値で飽和する。一方、陰葉は弱い光環境に適応しており、光が強くなっても比較的早い段階で光合成速度が飽和し、最大吸収速度も陽葉より低い。この特性により、陰葉は光の弱い林床などでも効率的に光合成を行うことができる。
センター試験(2016年)類似

代謝経路における酵素の役割

Q22 代謝経路における酵素の役割に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
酵素が欠損した変異体であっても、その酵素が触媒する反応の生成物を外部から供給すれば生育できる場合がある。
代謝経路は複数の段階的な化学反応から構成され、各反応にはそれぞれ特異的な酵素が関与している。特定の酵素が遺伝的変異などで欠損すると、その反応が進行せず、生成されるはずの最終産物が得られなくなる。この場合、その酵素より下流の物質を外部から供給することで、代謝経路の欠損を補うことが可能となる。
共通テスト(2023年)類似

藻類と動物細胞の共生における代謝変化

Q23 藻類が動物細胞内に取り込まれて共生する際、藻類から糖が供給されることで生じる動物細胞の代謝変化として最も適切なものはどれか。
★★★ 標準 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
糖を取り込むためのタンパク質の遺伝子発現が上昇し、自ら糖を生成するタンパク質の遺伝子発現が低下する
細胞内共生により、藻類が光合成産物である糖を供給するようになると、動物細胞は外部からの糖取り込みを優先するようになります。このため、糖輸送体などの取り込みに関与するタンパク質の遺伝子発現は上昇します。一方で、細胞内で自ら糖を生成する代謝経路の必要性は相対的に低くなるため、その経路に関与するタンパク質の遺伝子発現は低下し、代謝の最適化が図られます。
共通テスト(2021年)類似

ATP合成とエネルギー代謝

Q24 細胞内におけるATPの役割とエネルギーの変換について、誤っている記述はどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ミトコンドリアで行われる呼吸は、有機物を合成するためのエネルギーを供給する過程である。
呼吸は有機物を分解してエネルギーを取り出し、ATPを合成する過程である。有機物の合成は、光合成(葉緑体)や同化作用によって行われるものであり、呼吸の直接的な目的ではない。ATPはエネルギーの受け渡しを担う分子であり、その末端のリン酸結合が加水分解されることでエネルギーが放出され、筋肉の収縮や物質の合成などの生命活動に利用される。
共通テスト(2023年)類似

光合成のエネルギー変換

Q25 光合成の過程におけるエネルギー変換の記述として最も適切なものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
光エネルギーを化学エネルギーに変換し、有機物中に蓄える。
光合成は、植物などの独立栄養生物が光エネルギーを利用して、二酸化炭素と水から有機物(グルコースなど)を合成する同化作用である。この過程で、光エネルギーは有機物の化学結合の中に化学エネルギーとして変換・蓄積される。熱エネルギーへの変換や、有機物分解によるエネルギー放出は呼吸の過程で行われる現象であり、光合成の定義とは異なる。

遺伝情報とその発現(72問)の一問一答問題

センター試験(2018年)類似

形質転換とファージの実験

Q1 ハーシーとチェイスが行ったバクテリオファージを用いた実験において、ファージのDNAとタンパク質をそれぞれ放射性同位体で標識し、大腸菌に感染させた結果、次世代のファージ形成に寄与したのはどちらであったか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
DNAのみが細菌内に注入され、次世代のファージが形成された
ハーシーとチェイスは、DNAをリンの放射性同位体で、タンパク質を硫黄の放射性同位体で標識しました。実験の結果、細菌内に侵入したのはDNAのみであり、タンパク質は外側に残ることが確認されました。このことから、遺伝情報を次世代に伝える本体はDNAであることが明確に証明されました。
センター試験(2017年)類似

遺伝子の発現とタンパク質合成

Q2 遺伝子の発現とタンパク質合成に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
遺伝子の発現とは、DNAの塩基配列情報に基づいてタンパク質が合成される過程を指す。
遺伝子の発現とは、DNA上の遺伝情報がRNAに転写され、さらにタンパク質へと翻訳される一連の過程を指します。多細胞生物では、この過程が組織ごとに厳密に制御されており、例えば唾腺組織ではアミラーゼ、筋肉組織ではミオシンといった、その組織の機能に不可欠なタンパク質が選択的に合成されます。DNAの複製は細胞分裂の際に行われるものであり、タンパク質合成の直接的なメカニズムとは区別する必要があります。
共通テスト(2022年)類似

DNA分解酵素とRNA分解酵素の特異性

Q3 DNA分解酵素とRNA分解酵素が持つ「特異性」の定義として最も適切なものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
特定の種類の核酸分子のみを基質として認識し、分解反応を触媒する性質。
酵素の特異性とは、特定の基質に対してのみ作用する性質を指す。DNA分解酵素はDNAのホスホジエステル結合を特異的に切断し、RNA分解酵素はRNAに対して同様の作用を持つ。この特異性があるため、特定の核酸のみを選択的に除去することが可能であり、実験において特定の分子が光の発生に寄与しているかを判別する根拠となる。
センター試験(2020年)類似

相補的塩基対

Q4 DNAの塩基配列がATGTAであるとき、この配列を鋳型として転写されたRNAの塩基配列として正しいものはどれか。
★★★ 標準 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
UACAU
DNAからRNAが転写される際、DNAの塩基配列に対して相補的なRNA鎖が合成される。このとき、DNAのチミン(T)に対してはRNAのアデニン(A)が結合するが、DNAのアデニン(A)に対してはRNAにはチミンが存在しないため、ウラシル(U)が結合する。したがって、DNAのATGTAを鋳型とした場合、RNAの塩基配列はUACAUとなる。
センター試験(2020年)類似

形質転換

Q5 エイブリーらが行った実験において、形質転換を引き起こす物質を特定するために、加熱殺菌したS型菌の抽出液に特定の酵素を加えてR型菌と混合した。形質転換が起こらなくなる条件として適切なものはどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
DNA分解酵素を加えた場合
エイブリーらは、加熱殺菌したS型菌の抽出液からタンパク質やRNAなどを分解しても形質転換が起こることを確認しました。しかし、DNA分解酵素を加えてDNAを破壊した場合のみ形質転換が消失したことから、遺伝情報の本体がDNAであることを証明しました。
共通テスト(2022年)類似

DNA分解酵素とRNA分解酵素の特異性

Q6 DNAとRNAの両方に結合して光を発する試薬Yを用いた実験において、DNA分解酵素処理後に試薬Yを加えた場合と、RNA分解酵素処理後に試薬Yを加えた場合を比較した。酵素による分解の特異性に基づき、試薬Yを単独で加えた場合と比較した結果として最も適切なものはどれか。
★★★ 標準 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
DNA分解酵素処理後、RNA分解酵素処理後のいずれも、試薬Y単独の場合より光の強さが弱くなる。
DNA分解酵素はDNAを、RNA分解酵素はRNAをそれぞれ特異的に分解する。試薬YがDNAとRNAの両方に結合して光を発する場合、酵素処理によってそれぞれの核酸が分解されると、試薬Yが結合できる標的分子が減少する。その結果、どちらの酵素を用いた場合でも、処理前と比較して試薬Yによる光の強さは減少する。酵素の特異性は、特定の基質に対してのみ反応が進む性質を指す。
センター試験(2018年)類似

ヌクレオチド

Q7 核酸の構成単位であるヌクレオチドの構造に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ヌクレオチドは、塩基、糖、およびリン酸が結合した構造を持つ。
ヌクレオチドは、塩基、糖、リン酸が1対1対1の比率で結合した単位構造である。DNAとRNAの大きな違いは糖の種類と塩基の種類にあり、DNAの糖はデオキシリボース、RNAの糖はリボースである。アミノ酸が結合したものはタンパク質であり、ヌクレオチドとは構成成分が根本的に異なるため、選択肢の記述には注意が必要である。
共通テスト(2022年)類似

検量線を用いたDNA量の算出

Q8 あるDNA溶液4mLを用いて黄色光の強さを測定したところ0.6という値が得られた。検量線から算出されるDNA濃度が0.075mg/mLであるとき、この溶液に含まれるDNAの総量(mg)として最も適当なものはどれか。
★★ 基本 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
0.30
DNAの総量は、溶液の体積とDNA濃度の積によって算出される。本問では、溶液の体積が4mL、DNA濃度が0.075mg/mLであるため、0.075mg/mL×4mL=0.30mgとなる。検量線を用いて濃度を特定し、全体の液量から総量を求める手法は、生化学的な定量分析における基本的な手順である。
センター試験(2019年)類似

植物細胞からのDNA抽出

Q9 植物細胞からDNAを抽出する実験操作に関する記述として、最も適切なものを次から一つ選べ。
★★★ 標準 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
細胞壁を破壊するために、物理的な破砕や界面活性剤を用いる必要がある。
植物細胞は強固な細胞壁を持つため、DNAを抽出するにはまず細胞壁を物理的に破壊し、細胞膜や核膜を界面活性剤などで溶解して核を取り出す必要がある。DNAは核だけでなく、葉緑体やミトコンドリアにも含まれるが、液胞や細胞質基質はDNAの主要な貯蔵場所ではないため、これらを主対象とすることはない。
センター試験(2017年)類似

遺伝子の発現とタンパク質合成

Q10 多細胞生物の体細胞は、受精卵から細胞分裂を繰り返して生じたものであり、原則としてすべての細胞が同一の遺伝情報を持っている。それにもかかわらず、組織ごとに異なる機能が実現される理由として最も適切なものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
組織ごとに必要な遺伝子が選択的に発現し、特有のタンパク質が合成されるためである。
多細胞生物の体細胞は、発生過程での細胞分裂を経てすべて同じ遺伝情報(DNA)を保持しています。しかし、すべての遺伝子が常に働いているわけではなく、組織や細胞の種類に応じて必要な遺伝子のみが転写・翻訳される「遺伝子の発現」が制御されています。この選択的な発現により、組織特有のタンパク質が合成され、筋肉や神経といった多様な機能分化が実現されます。遺伝情報の複製や突然変異による説明は誤りです。
共通テスト(2026年)類似

DNAの半保存的複製

Q11 DNAの半保存的複製に関する記述として最も適当なものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
元の2本鎖DNAの各鎖が鋳型となり、それぞれに新しいヌクレオチドが結合して2本のDNA分子が生成される。
DNAの半保存的複製では、二重らせん構造を形成する2本の鎖がほどけ、それぞれの鎖が鋳型となって相補的なヌクレオチドが結合します。その結果、元の鎖を1本ずつ保持した2本の新しいDNA分子が生成されます。この仕組みにより、遺伝情報は正確に次世代へと受け継がれます。他の選択肢は保存的複製や分散的複製などの誤ったモデルを指しています。
共通テスト(2023年)類似

細胞周期の各時期におけるタンパク質発現

Q12 ある細胞集団において、タンパク質Xとタンパク質Yの発現状況を解析した。タンパク質Xが発現しており、かつタンパク質Yが発現していない細胞は、細胞周期のどの過程にあると判断できるか。
★★★ 標準 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
細胞分裂が完了した直後の過程
タンパク質Xは分裂終了直後に発現を開始し、DNA複製(S期)が始まると減少する。タンパク質YはS期に発現を開始する。このため、Xのみが発現している状態は、DNA複製が開始される前のG1期、すなわち細胞分裂が完了した直後の時期に相当する。S期やG2期、M期ではタンパク質Yの発現が関与するため、この条件には当てはまらない。
センター試験(2015年)類似

ゲノムの構造

Q13 ヒトゲノムの全塩基対数を約30億塩基対とし、そのうちタンパク質をコードする翻訳領域が1.5パーセントを占めると仮定する。このとき、翻訳領域の総塩基数は何塩基対になるか。最も適切なものを選べ。
★★ 基本 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
4500万塩基対
ヒトゲノムの全塩基対数である30億(3.0×10^9)に、翻訳領域の割合である1.5パーセント(0.015)を乗じることで算出できる。30億×0.015=4500万となり、翻訳領域の総塩基数は4500万塩基対となる。ゲノム全体に占める翻訳領域の割合は非常に小さく、大部分はタンパク質をコードしない領域である。
共通テスト(2024年)類似

形質転換の実験

Q14 肺炎双球菌の形質転換実験において、S型菌の抽出液に特定の処理を施してからR型菌に加える操作を行った。形質転換が阻害される条件として正しい組み合わせはどれか。
★★★ 標準 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
DNAを分解する酵素で処理する。
形質転換は、死んだS型菌から放出されたDNAがR型菌に取り込まれることで起こります。したがって、DNAを分解する酵素(DNase)を加えてDNAを破壊すると、R型菌はS型菌の形質を獲得できなくなります。一方、タンパク質やRNAを分解する酵素を加えてもDNAは無傷で残るため、形質転換は正常に進行し、S型菌が出現します。
共通テスト(2023年)類似

細胞周期の各時期におけるタンパク質発現

Q15 細胞周期の進行に伴うタンパク質発現の制御について、タンパク質XがDNA複製中に減少する理由として最も妥当なものはどれか。
★★★★ 難問 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
細胞周期の進行に伴い、次の時期へ移行するための制御機構として発現が抑制されるため
細胞周期は各時期に特有のタンパク質が厳密に制御されることで進行する。タンパク質Xのように特定の時期に発現し、次の段階(DNA複製期)で減少するタンパク質は、細胞周期の進行を制御するスイッチとしての役割を持つ。DNA複製が始まるS期にXが減少することは、G1期からS期への移行を正確に行うための分子的な制御機構の一部である。
共通テスト(2025年)類似

細胞周期におけるDNA量の変化

Q16 ある細胞集団において、G1期の細胞のDNA量を1としたとき、S期を終えてG2期にある細胞のDNA量として正しい数値はどれか。
★ やさしい 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
2
細胞周期はG1期、S期、G2期、M期から構成される。DNAの複製はS期に起こり、複製が完了したG2期の細胞は、複製前のG1期と比較して2倍のDNA量を持つ。したがって、G1期を1とすればG2期は2となる。
センター試験(2019年)類似

植物細胞からのDNA抽出

Q17 植物細胞からDNAを抽出する際、核以外にもDNAが含まれる細胞小器官の組み合わせとして、最も適切なものを次から一つ選べ。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
葉緑体とミトコンドリア
真核生物の細胞において、DNAは核内に存在するだけでなく、細胞内共生説の根拠ともなっている葉緑体やミトコンドリアにも独自の環状DNAとして含まれている。これらは核とは独立して複製を行う。一方、液胞や細胞質基質、細胞壁、細胞膜、リボソーム、ゴルジ体などはDNAを保持する構造ではない。
共通テスト(2025年)類似

ナンセンス変異によるタンパク質の合成停止

Q18 遺伝子の塩基配列において、本来はアミノ酸を指定するコドンが突然変異により終止コドンに変化する「ナンセンス変異」が生じた場合、タンパク質の合成過程でどのような現象が起こるか。最も適切なものを選べ。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
翻訳がその位置で早期に終了し、本来よりも短いタンパク質が合成される。
ナンセンス変異は、遺伝子の翻訳領域において、アミノ酸を指定するコドンが終止コドン(UAA, UAG, UGAなど)に置き換わる変異である。リボソームによる翻訳過程で終止コドンが認識されると、タンパク質の合成はそこで強制的に終了する。その結果、本来のタンパク質よりもアミノ酸鎖が短くなり、機能不全に陥る不完全なタンパク質が生成されることになる。
センター試験(2016年)類似

DNAとRNAの塩基の違い

Q19 ある生物の細胞内で合成されたRNAの塩基配列を解析したところ、ウラシルが含まれていることが確認された。このRNAがDNAの情報を転写して合成されたものであるとき、元のDNA鎖においてウラシルと対合していた塩基として正しいものはどれか。
★★ 基本 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
アデニン
DNAからRNAが合成される転写の過程では、DNAの塩基に対して相補的な塩基がRNAに取り込まれます。DNAのアデニン(A)に対しては、RNAではウラシル(U)が対合します。したがって、RNAに含まれるウラシルは、元のDNA鎖のアデニンと対合していたものとなります。
共通テスト(2021年)類似

タンパク質合成の検証

Q20 遺伝情報の発現過程において、DNAの塩基配列を写し取ったmRNAを鋳型として、アミノ酸が結合しタンパク質が合成される過程を何と呼ぶか。
★ やさしい 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
翻訳
遺伝情報の流れは、DNAからmRNAが合成される転写と、そのmRNAの情報を基にタンパク質が合成される翻訳の二段階で進む。転写は核内で行われ、翻訳は細胞質のリボソームで行われる。本問の過程は、mRNAの塩基配列がアミノ酸の配列へと変換されるため、翻訳と定義される。
共通テスト(2021年)類似

遺伝暗号

Q21 mRNAの塩基配列において、最初の2つの塩基が固定され、最後の3番目の塩基のみが未知である「XXC」という形式のコドンを考える。この形式のコドンによって指定されるアミノ酸の組み合わせの種類は最大でいくつ考えられるか。
★★★ 標準 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
4
コドンは3つの塩基の並びで構成される。最初の2つの塩基が「XX」と固定されている場合、変化するのは3番目の塩基のみである。塩基はアデニン、ウラシル、グアニン、シトシンの4種類であるため、3番目の塩基を入れ替えることで作られるコドンの種類は4通りとなり、指定されるアミノ酸の組み合わせも最大で4種類となる。
センター試験(2017年)類似

細胞の分化と遺伝子発現

Q22 多細胞生物において、同じ遺伝情報を持つ細胞が組織ごとに異なる機能を持つ理由として最も適切な説明はどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
細胞ごとに必要な遺伝子のみを選択的に発現させているから
多細胞生物の体細胞は、分化の過程でDNAの塩基配列が変化するわけではありません。細胞の機能の違いは、どの遺伝子が転写・翻訳されてタンパク質になるかという「遺伝子の発現調節」によって生じます。これにより、特定の組織で必要なタンパク質だけが効率よく合成される仕組みになっています。
共通テスト(2024年)類似

ゲノムと遺伝子の性質

Q23 多細胞生物の体細胞におけるゲノム情報の保持について、誤っている説明はどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
皮膚の細胞とすい臓の細胞では、保持しているゲノム情報は異なる。
多細胞生物の体細胞は、受精卵が体細胞分裂を繰り返して生じたものであるため、基本的にすべての細胞が同一のゲノム情報を持っている。細胞ごとに機能が異なるのは、ゲノム情報のうち発現する遺伝子が選択的に制御されているためである。ゲノムには転写・翻訳されない領域も存在し、配偶子形成時には減数分裂により染色体数が半減する。
センター試験(2015年)類似

DNA抽出の生物材料

Q24 DNA抽出実験において、細胞核を多く含む組織が材料として推奨される理由として最も適切なものを次の中から一つ選べ。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
細胞核は細胞内でDNAを保護し、高密度で保持しているため。
真核生物の細胞において、DNAの大部分は細胞核内に染色体として凝縮された状態で存在している。したがって、効率的にDNAを抽出するためには、細胞核を豊富に含む組織を選択することが不可欠である。細胞核はDNAを安定的に保持する役割を担っており、抽出操作の過程で核膜を破壊することで、内部のDNAを効率よく回収することが可能となる。
センター試験(2017年)類似

細胞の分化と遺伝子発現

Q25 ヒトの唾腺細胞において、デンプンを分解する酵素として盛んに合成されているタンパク質はどれか。
★★ 基本 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
アミラーゼ
ヒトの唾腺細胞では、消化酵素であるアミラーゼの遺伝子が選択的に発現しており、アミラーゼが大量に合成・分泌されています。一方、インスリンは膵臓のランゲルハンス島B細胞で、ヘモグロビンは赤血球で、フィブリンは血液凝固に関与するタンパク質として肝臓などで合成されるなど、組織ごとに発現する遺伝子は異なります。
センター試験(2017年)類似

細胞周期の構成

Q26 細胞周期において、G1期からS期へ移行する際に細胞がDNA複製を開始する意義として、最も適切なものはどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
分裂後の娘細胞が親細胞と同一の遺伝情報を持つことを保証するため。
細胞が分裂して増殖する際、親細胞の遺伝情報を正確に次世代の細胞へ引き継ぐ必要があります。S期におけるDNA複製は、分裂期において染色体を均等に分配するための前提条件です。もしDNA複製が不完全なまま分裂が進むと、娘細胞間で遺伝情報の欠損や重複が生じ、細胞の正常な機能が維持できなくなるため、このプロセスは細胞周期の進行において極めて重要です。
センター試験(2020年)類似

相補的塩基対

Q27 DNAの塩基配列がATGTAであるとき、これと相補的なDNA鎖の塩基配列として正しいものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
TACAT
DNAの二重らせん構造において、塩基はアデニン(A)とチミン(T)、グアニン(G)とシトシン(C)が特異的に結合する相補的関係にある。したがって、鋳型となるDNA鎖の塩基配列がATGTAであれば、それに対応する相補的なDNA鎖の塩基配列は、Aに対してT、Tに対してA、Gに対してC、Tに対してA、Aに対してTが対応するため、TACATとなる。
センター試験(2019年)類似

シャルガフの規則と翻訳

Q28 ある生物の二本鎖DNAにおいて、全塩基のうちアデニンの割合が20%であるとき、シトシンの割合として正しいものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
30%
シャルガフの規則により、二本鎖DNAではアデニン(A)とチミン(T)の割合が等しく、グアニン(G)とシトシン(C)の割合も等しい。Aが20%であればTも20%であり、合計40%となる。残りの60%をGとCで等分するため、Cの割合は30%となる。
共通テスト(2026年)類似

DNAの半保存的複製

Q29 標識されたヌクレオチドのみが存在する環境下で、標識を含まない2本鎖DNAを1分子用いてDNAの複製を1回行った。このとき生成されるDNA分子の状態として正しいものはどれか。
★★★ 標準 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
標識されたヌクレオチドを含む2本鎖DNAが2分子生成される。
半保存的複製では、元の2本鎖DNAがほどけて2本の鋳型鎖となります。標識されたヌクレオチドのみが存在する環境では、それぞれの鋳型鎖に対して標識されたヌクレオチドが結合するため、生成される2分子のDNAは、いずれも「元の鎖1本+標識鎖1本」という構成になります。したがって、標識を含む2本鎖DNAが2分子生成されることになります。
共通テスト(2021年)類似

タンパク質合成の検証

Q30 試験管内で転写と翻訳を行い、特定のタンパク質を合成する実験系において、翻訳の鋳型となるmRNAを分解する酵素を添加した場合、どのような結果が得られるか。
★★★ 標準 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
タンパク質は合成されず、緑色の光は確認されない
タンパク質合成には、転写によって生成されたmRNAが翻訳の鋳型として不可欠である。mRNAを分解する酵素を添加すると、翻訳の開始前に鋳型が破壊されるため、タンパク質は合成されない。したがって、タンパク質合成に伴う緑色の光も確認できなくなる。
共通テスト(2025年)類似

細胞周期におけるDNA量の変化

Q31 細胞周期におけるDNA量の変化に関する記述として最も適当なものを、次のうちから一つ選べ。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
G1期の細胞のDNA量を1としたとき、S期を経てG2期に達した細胞のDNA量は2である。
細胞周期において、DNAの複製はS期に行われる。G1期はDNA複製前の時期であり、DNA量を1と定義すると、S期で複製が完了した後のG2期には、DNA量はその2倍の2となる。細胞分裂の準備段階であるG2期において、核内のDNA量はG1期の2倍に維持されている。
センター試験(2018年)類似

染色体

Q32 遺伝子の本体に関する研究の歴史において、染色体がDNAとタンパク質から構成されているという知見に基づき、遺伝子の本体がDNAであることを強く示唆した根拠として最も適切なものはどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
DNAが遺伝情報を保持する化学的安定性と複製能を持つこと
染色体はDNAとタンパク質からなるが、遺伝子としての要件を満たすのはDNAである。DNAは塩基配列によって情報を保持し、相補的な塩基対形成によって正確に複製される能力を持つ。タンパク質は多様な機能を持つが、遺伝情報の複製という観点ではDNAが本体である。細胞膜や小胞体、炭水化物は遺伝子の本体とは直接的な関連がない。
共通テスト(2023年)類似

細胞周期におけるDNA量と物質Aの取り込み

Q33 細胞集団の解析において、DNA量が2であり、かつ物質Aの取り込み量が少ない細胞集団が示す細胞周期の時期として、最も適切なものはどれか。
★★★ 標準 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
G2期とM期
細胞周期において、DNA複製が完了した後の時期はG2期およびM期である。これらの時期ではDNA量は2倍の状態(2)となっている。物質AはDNA複製が行われるS期に取り込まれるため、複製が完了したG2期や、分裂過程にあるM期では、物質Aの取り込み量は少ない。したがって、DNA量が2で物質Aが少ない集団は、G2期とM期の細胞であると判断できる。
共通テスト(2022年)類似

検量線を用いたDNA量の算出

Q34 DNA濃度(mg/mL)をx、黄色光の強さをyとしたとき、xとyが原点を通る比例関係にある検量線において、x=0.05のときy=0.4であった。このとき、黄色光の強さが0.6と測定された溶液のDNA濃度(mg/mL)として最も適当なものはどれか。
★★ 基本 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
0.075
検量線が原点を通る比例関係にあるとき、y=axと表される。x=0.05のときy=0.4であるから、比例定数aは0.4/0.05=8となる。したがって、y=8xという関係式が成り立つ。黄色光の強さyが0.6のとき、0.6=8xを解くとx=0.075となり、DNA濃度は0.075mg/mLと求められる。
センター試験(2016年)類似

細胞によるタンパク質合成の調節

Q35 遺伝子の発現調節に関する記述として最も適切なものはどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
特定の組織や細胞において、必要なタンパク質を合成するために特定の遺伝子が発現する
遺伝子発現は、細胞が必要とするタンパク質を適切な時期と量で合成するための制御機構である。多細胞生物では、細胞の役割に応じて発現する遺伝子が限定されることで、組織特異的な機能が維持される。形質転換は外部DNAの導入を指し、通常の細胞内調節ではない。また、タンパク質はアミノ酸が連結して合成されるものであり、ヌクレオチドの連結は核酸の合成過程である。
センター試験(2015年)類似

遺伝子の発現

Q36 多細胞生物の体細胞において、神経細胞や肝臓の細胞のように異なる機能を持つ細胞へと変化する現象を何と呼ぶか。
★ やさしい 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
分化
多細胞生物の個体発生過程において、受精卵から分裂して生じた細胞が、特定の機能や形態を持つ細胞へと変化することを分化という。分化した細胞は、ゲノム情報のうち特定の遺伝子のみを選択的に発現させることで、その細胞特有のタンパク質を合成し、特定の役割を担うようになる。
共通テスト(2023年)類似

DNA複製の開始点

Q37 ヒトのゲノムにおける全塩基数を3かける10の9乗とし、1つの複製開始点から1回の細胞周期で複製される塩基対の数を1かける10の6乗と仮定した場合、全DNAを複製するために必要な複製開始点の最小数はいくつになるか。
★★★ 標準 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
3000
全DNAを複製するために必要な複製開始点の数は、全塩基数を1つの複製開始点から複製される塩基数で割ることで算出できる。計算式は (3かける10の9乗) ÷ (1かける10の6乗) となり、結果は3000となる。したがって、全ゲノムを効率的に複製するためには、少なくとも3000箇所の複製開始点が必要であると推定される。
共通テスト(2021年)類似

タンパク質合成の検証

Q38 細胞内におけるタンパク質合成の仕組みに関する記述として最も適切なものはどれか。
★★ 基本 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
転写によって合成されたmRNAは、翻訳の過程でアミノ酸配列の情報に変換される
真核生物において転写は核内で行われ、翻訳は細胞質のリボソームで行われる。mRNAはDNAの一部の遺伝領域を写し取ったものであり、その塩基配列は3つずつで1つのアミノ酸を指定するコドンとして機能し、タンパク質のアミノ酸配列を決定する。
センター試験(2015年)類似

DNA抽出の生物材料

Q39 DNAを抽出する実験において、材料として最も適しているものを次の中から一つ選べ。
★★ 基本 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ニワトリの肝臓
DNA抽出には、細胞核を豊富に含む組織が適している。ニワトリの肝臓は細胞密度が高く、核を多く含むためDNA抽出に適した材料である。一方、ニワトリの卵白は主にタンパク質であり細胞核をほとんど含まない。哺乳類の成熟した赤血球は核を欠いており、植物のクチクラ層は細胞を含まない保護層であるため、いずれもDNA抽出には適さない。
センター試験(2015年)類似

遺伝子の発現

Q40 多細胞生物の体細胞における遺伝子発現の仕組みに関する記述として最も適切なものはどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
すべての体細胞は、細胞の種類に関わらずゲノムの塩基配列が同一である。
多細胞生物の体細胞は、受精卵が体細胞分裂を繰り返して生じたものであるため、基本的に同一のゲノム情報を持っている。細胞ごとの機能の違いは、ゲノムが書き換わることによるのではなく、細胞の種類に応じて必要な遺伝子のみが選択的に発現(転写・翻訳)されることによって生じる。
共通テスト(2025年)類似

ナンセンス変異によるタンパク質の合成停止

Q41 あるタンパク質をコードする遺伝子において、翻訳開始コドンから数えて100番目のコドンが、突然変異により終止コドンに変化した。この変異によって合成されるタンパク質のアミノ酸数として、最も適切なものはどれか。なお、開始コドンはアミノ酸を1つ指定するものとする。
★★★ 標準 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
99個
タンパク質の翻訳は開始コドンから始まり、終止コドンが出現した時点で停止する。終止コドン自体はアミノ酸を指定しないため、100番目のコドンが終止コドンに変化した場合、翻訳されるのは1番目から99番目までのコドンである。したがって、合成されるタンパク質のアミノ酸数は99個となる。
共通テスト(2021年)類似

遺伝暗号

Q42 遺伝暗号において、3つの塩基で1つのアミノ酸を指定する理由として最も適切なものはどれか。
★★★★ 難問 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
塩基が2つではアミノ酸の種類をすべて指定できないから
生物が利用するアミノ酸は通常20種類である。もし塩基が2つの並びで1つのアミノ酸を指定すると仮定すると、4の2乗=16通りとなり、20種類のアミノ酸をすべて指定することができない。そのため、少なくとも3つの塩基の並び(4の3乗=64通り)が必要となり、この冗長性によって20種類のアミノ酸を過不足なく指定することが可能となっている。
センター試験(2015年)類似

ゲノムの構造

Q43 ヒトゲノムの構造に関する記述として、最も適切なものを選べ。
★ やさしい 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ヒトゲノムの全塩基対のうち、タンパク質をコードする翻訳領域が占める割合は約1.5パーセントである。
ヒトゲノムの全塩基対数は約30億塩基対であるが、その中で実際にタンパク質のアミノ酸配列を規定する翻訳領域(エキソン領域)は、ゲノム全体のわずか1.5パーセント程度に過ぎない。残りの大部分は、イントロンや調節領域、あるいは機能が不明な領域などで構成されている。
共通テスト(2024年)類似

形質転換の実験

Q44 肺炎双球菌を用いた形質転換の実験において、S型菌の抽出液をある酵素で処理した後にR型菌と混合したところ、S型菌への形質転換が起こらなかった。この実験結果から導き出される結論として最も適切なものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
形質転換を引き起こす物質はDNAである。
グリフィスの実験を継承したエイブリーらによる実験では、S型菌の抽出液を様々な酵素で処理し、形質転換の有無を調べました。タンパク質分解酵素やRNA分解酵素で処理しても形質転換は起こりましたが、DNA分解酵素で処理した場合のみ形質転換が阻害されました。このことから、遺伝情報を次世代に伝える物質の本体がDNAであることが証明されました。
センター試験(2019年)類似

遺伝情報の恒常性

Q45 ある生物の個体において、肝臓の細胞と皮膚の細胞を比較した際、両者の間で共通しているものとして最も適切なものはどれか。
★★★ 標準 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
保持しているDNAの全塩基配列
同一個体内の細胞は、受精卵の分裂によって生じるため、基本的に同一のDNAを保持している。一方で、細胞の種類によって発現する遺伝子が異なるため、転写産物であるRNAの種類や、それに基づいて合成されるタンパク質の種類は細胞ごとに大きく異なる。細胞の形状や細胞小器官の構成も、その細胞の機能的役割に応じて分化の過程で決定される。
共通テスト(2021年)類似

転写

Q46 真核生物の細胞内で行われる転写の過程に関する記述として最も適当なものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
DNAの塩基配列を鋳型として、RNAポリメラーゼがmRNAを合成する過程である。
転写とは、DNAの遺伝情報を写し取ってmRNAを合成する過程を指す。この反応にはRNAポリメラーゼという酵素が関与し、DNAのヌクレオチドではなくRNAのヌクレオチドを材料として用いる。DNAの複製はDNAポリメラーゼが行う過程であり、転写とは区別される。また、mRNAの情報をもとにタンパク質を合成する過程は翻訳と呼ばれる。
センター試験(2018年)類似

染色体

Q47 真核細胞の核内に存在し、遺伝情報の保持と伝達を担う染色体の主な構成物質として、最も適切な組み合わせはどれか。
★ やさしい 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
DNAとタンパク質
染色体は真核細胞の核内に見られる構造体であり、遺伝子の本体であるDNAと、それを折りたたんで収納するためのヒストンなどのタンパク質から構成されている。かつてはタンパク質が遺伝子の本体であるという説もあったが、ハーシーとチェイスの実験などにより、DNAこそが遺伝情報の本体であることが証明された。細胞膜や小胞体は染色体の構成成分ではない。
センター試験(2016年)類似

DNAとRNAの塩基の違い

Q48 DNAとRNAの構成成分に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★ やさしい 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
DNAにはチミンが含まれるが、RNAにはチミンの代わりにウラシルが含まれる。
DNAとRNAはともにアデニン、グアニン、シトシンを塩基として共通に持ちますが、4つ目の塩基が異なります。DNAはチミンを構成成分として持ちますが、RNAはチミンの代わりにウラシルを構成成分として持ちます。この塩基の違いは、遺伝情報の転写や翻訳の過程において重要な役割を果たしています。
センター試験(2016年)類似

細胞によるタンパク質合成の調節

Q49 多細胞生物において、同じ個体内の異なる組織や細胞間で、合成されるタンパク質の種類や量に違いが生じる主な理由はどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
細胞の種類によって発現する遺伝子が異なるため
多細胞生物の各細胞は、受精卵に由来する同一のDNAを保持している。しかし、細胞の分化に伴い、特定の組織や細胞で必要なタンパク質を合成するために、特定の遺伝子のみが選択的に発現する。この遺伝子発現の調節により、細胞ごとの機能分化が実現されている。他の選択肢は、DNAの恒常性やタンパク質合成の普遍的な仕組みに反する誤った記述である。
センター試験(2016年)類似

セントラルドグマ

Q50 生物の遺伝情報がDNAからタンパク質へと流れる一連の過程であるセントラルドグマにおいて、DNAの塩基配列がRNAに写し取られる過程と、そのRNAの情報に基づいてタンパク質が合成される過程の組み合わせとして正しいものはどれか。
★ やさしい 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
転写と翻訳
セントラルドグマは、遺伝情報の流れがDNAからRNA、そしてタンパク質へと一方向に進むという生物学の基本原則です。DNAの塩基配列を鋳型として相補的なRNA鎖が合成される過程を転写と呼び、細胞質のリボソームにおいてmRNAの塩基配列情報に基づきアミノ酸が連結されてタンパク質が合成される過程を翻訳と呼びます。これらは遺伝情報の伝達と発現において不可欠な段階です。
共通テスト(2023年)類似

細胞周期の各時期におけるタンパク質発現

Q51 細胞周期において、タンパク質Xは分裂終了直後に発現を開始しDNA複製中に減少する。タンパク質YはDNA複製開始とともに発現し分裂終了直後に減少する。このとき、タンパク質Xのみが発現し、タンパク質Yが発現していない状態の細胞が示す時期として最も適切なものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
G1期
細胞周期はG1期、S期、G2期、M期の順に進行する。タンパク質Xは分裂終了直後から発現し、DNA複製(S期)が始まると減少するため、S期以前のG1期に特異的に発現する。一方、タンパク質YはS期に発現を開始するため、G1期には発現していない。したがって、Xのみが発現している状態はG1期の特徴である。
センター試験(2019年)類似

遺伝情報の恒常性

Q52 多細胞生物において、同一のDNAを持ちながらも、組織や器官によって異なる機能を持つ細胞が形成される理由として最も適切なものはどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
細胞ごとに必要な遺伝子のみが選択的に発現しているから。
個体内のすべての細胞は同一の遺伝情報を持つが、細胞の分化に伴い、特定の遺伝子のみが転写・翻訳される「遺伝子の発現調節」が行われる。これにより、同じDNAを持ちながらも、細胞ごとに異なるタンパク質が合成され、多様な機能が実現される。DNAの欠損や書き換えは通常起こらず、遺伝情報の恒常性が維持されている。
センター試験(2019年)類似

植物細胞からのDNA抽出

Q53 植物細胞からDNAを抽出する際、細胞壁を破壊した後に、DNAが主に含まれる細胞小器官として最も適切なものを次から一つ選べ。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
真核生物である植物細胞において、DNAの大部分は核内に染色体として存在している。細胞壁はセルロースを主成分とする強固な構造であり、抽出時には物理的な破砕や洗剤による膜の溶解が必要となる。なお、葉緑体やミトコンドリアも独自のDNAを持つが、細胞内のDNAの大部分は核に由来する。液胞や細胞質基質はDNAの主要な貯蔵場所ではない。
センター試験(2017年)類似

細胞周期の構成

Q54 細胞周期の間期において、S期に起こる現象として最も適切な記述はどれか。
★★ 基本 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
DNAの複製が行われ、染色体数が2倍になる準備が整う。
S期(Synthesis phase)は、細胞周期においてDNAの複製が行われる時期です。この時期にDNA量を2倍に増やすことで、その後の分裂期において、複製されたDNAが各娘細胞に均等に分配されることが可能となります。なお、核膜の消失や染色体の凝縮は分裂期(M期)に起こる現象です。
センター試験(2019年)類似

シャルガフの規則と翻訳

Q55 300塩基対からなる二本鎖DNAの遺伝情報に基づき、タンパク質が合成されるとき、翻訳によって指定されるアミノ酸の最大数はいくつか。ただし、終止コドンは考慮しないものとする。
★★★ 標準 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
100個
DNAの二本鎖のうち、一方の鎖が鋳型となってmRNAが転写される。300塩基対のDNAから転写されたmRNAは300塩基からなる。mRNA上の3つの塩基の並び(コドン)が1つのアミノ酸を指定するため、300塩基を3で割った100個のアミノ酸が指定される。
センター試験(2018年)類似

ヌクレオチド

Q56 DNAとRNAのヌクレオチドの構成成分を比較したとき、DNAに特有の糖として含まれるものはどれか。
★★ 基本 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
デオキシリボース
核酸を構成する糖には、リボースとデオキシリボースの2種類がある。RNA(リボ核酸)はリボースを糖として持ち、DNA(デオキシリボ核酸)はデオキシリボースを糖として持つ。デオキシリボースはリボースの2位の炭素に結合しているヒドロキシ基(-OH)が水素原子(-H)に置き換わった構造をしており、この違いが核酸の安定性や機能に影響を与えている。
センター試験(2020年)類似

セントラルドグマ

Q57 DNAの塩基配列に生じた変異が、最終的にタンパク質の構造に影響を及ぼすまでの過程として最も適切なものはどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
DNAの変異が転写を経てRNAの塩基配列に反映され、翻訳によりアミノ酸配列が変化する。
遺伝情報はDNAからRNAへ転写され、RNAからタンパク質へ翻訳される。DNAの塩基配列に誤り(変異)が生じると、その情報は転写によってRNAに引き継がれる。RNAの塩基配列が変化すると、コドンとアミノ酸の対応関係に基づき、翻訳されるタンパク質のアミノ酸配列が変化し、タンパク質の機能や構造に影響を与える可能性がある。
共通テスト(2025年)類似

細胞周期におけるDNA量の変化

Q58 細胞周期におけるDNA量の変化の背景として、最も適切な説明はどれか。
★★ 基本 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
S期においてDNAの複製が行われるため、G2期のDNA量はG1期の2倍になる。
細胞周期のS期(合成期)は、核内のDNAが複製される期間である。この複製プロセスにより、細胞内のDNA量は2倍に増加する。そのため、S期を通過した後のG2期(分裂準備期)にある細胞は、G1期(分裂後・複製前)と比較して2倍のDNA量を保持している。
共通テスト(2023年)類似

DNA複製の開始点

Q59 ヒトの体細胞において、DNA複製が開始される部位である複製開始点に関する記述として最も適当なものを、次の中から選べ。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
DNA複製は、染色体上の特定の複製開始点からのみ始まり、全ゲノムを効率的に複製するために多数の開始点が配置されている。
真核生物のDNAは非常に長いため、1箇所から複製を開始すると完了までに膨大な時間を要する。そのため、染色体上に多数の複製開始点を配置し、そこから双方向に複製を進めることで、S期という限られた時間内に全ゲノムの複製を完了させている。この仕組みにより、細胞分裂の正確性と効率性が維持されている。
センター試験(2017年)類似

細胞周期の構成

Q60 真核生物の体細胞分裂における細胞周期の間期について、G1期、S期、G2期の正しい進行順序として最も適切なものはどれか。
★ やさしい 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
G1期 → S期 → G2期
細胞周期は分裂期と間期に大別され、間期はさらに3つの時期に分けられます。まずG1期でDNA合成の準備が行われ、次にS期でDNAの複製が行われます。その後、G2期で分裂に向けた最終的な準備が行われます。この順序は、遺伝情報を正確に複製し、次世代の細胞へ均等に分配するために厳密に制御されています。
共通テスト(2021年)類似

遺伝暗号

Q61 mRNAの塩基配列において、3つの塩基の並びが1つのアミノ酸を指定する遺伝暗号の仕組みがある。このとき、塩基の種類はアデニン、ウラシル、グアニン、シトシンの4種類である。この仕組みにおいて、理論上存在しうるコドンの総数はいくつか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
64
遺伝暗号はmRNA上の3つの塩基の並び(コドン)によって決定される。各位置に4種類の塩基が入る可能性があるため、組み合わせの総数は4の3乗となり、4×4×4=64通りとなる。このうち一部は終止コドンとして機能し、アミノ酸を指定しないものも含まれるが、コドン自体の総数は64である。
センター試験(2020年)類似

セントラルドグマ

Q62 遺伝情報の流れにおけるセントラルドグマの原則として、DNAからRNAへ情報が写し取られる過程を何と呼ぶか。
★ やさしい 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
転写
セントラルドグマとは、遺伝情報がDNAからRNAへ、そしてタンパク質へと一方向に流れるという生物学の基本原則である。DNAからRNAが合成される過程を転写、RNAの情報を基にタンパク質が合成される過程を翻訳という。なお、DNAからDNAが合成される過程は複製であり、これらは情報の流れの異なる段階を指す。
共通テスト(2023年)類似

細胞周期におけるDNA量と物質Aの取り込み

Q63 細胞周期におけるDNA量と物質Aの取り込みに関する記述として、最も適当なものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
S期にはDNA複製が行われるため、細胞内のDNA量が増加し、物質Aの取り込み量も増加する。
細胞周期において、S期はDNA合成期と呼ばれ、DNAの複製が行われる時期である。この際、DNAの材料となる物質Aが細胞内に取り込まれるため、S期の細胞では物質Aの量が多くなる。G1期はDNA複製前でDNA量は1、G2期とM期は複製後でDNA量は2となる。M期終了時には細胞分裂によりDNA量は元の量に戻るため、各時期の定義とDNA量の変化を正しく理解する必要がある。
センター試験(2020年)類似

形質転換

Q64 肺炎双球菌を用いた実験において、加熱殺菌したS型菌の抽出液をR型菌に加えた際、R型菌がS型菌の性質を獲得する現象を何と呼ぶか。
★ やさしい 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
形質転換
グリフィスの実験により、加熱殺菌したS型菌の抽出物に含まれる何らかの物質が、R型菌の遺伝的性質を変化させることが見出されました。この現象は形質転換と呼ばれます。後のエイブリーらの実験により、この変化を引き起こす物質の本体がDNAであることが特定されました。
センター試験(2019年)類似

遺伝情報の恒常性

Q65 同一個体内の異なる組織や器官から抽出した細胞について、保持されているDNAの遺伝情報に関する記述として最も適当なものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
個体内のすべての細胞は、基本的に同一のDNAを保持している。
多細胞生物の個体は、受精卵が体細胞分裂を繰り返すことで形成されるため、原則としてすべての体細胞は同一のDNAを保持している。細胞ごとに機能が異なるのは、DNAそのものが変化するのではなく、細胞の種類に応じて発現する遺伝子が選択的に制御されているためである。したがって、分化によって特定の遺伝子がDNAから消失することはない。
センター試験(2018年)類似

形質転換とファージの実験

Q66 肺炎双球菌を用いた形質転換実験において、形質転換を引き起こす物質がDNAであることを証明するために、抽出物に添加してその効果を消失させた酵素はどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
DNA分解酵素
グリフィスやエイブリーらによる実験では、形質転換を引き起こす抽出物にDNA分解酵素を加えると形質転換が起こらなくなることが示されました。これにより、形質転換の本体がDNAであることが証明されました。タンパク質分解酵素を加えても形質転換は阻害されなかったため、遺伝子の本体はタンパク質ではないことが結論付けられました。
センター試験(2016年)類似

セントラルドグマ

Q67 真核細胞内におけるタンパク質合成の過程について、最も適切な説明はどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
DNAの塩基配列を写し取ったmRNAが核外へ移動し、リボソームで翻訳が行われる。
真核細胞では、DNAは核内に保持されています。まず核内でDNAの情報を写し取ったmRNAが合成される転写が行われ、そのmRNAが核膜孔を通って細胞質へ移動します。細胞質ではリボソームがmRNAに結合し、mRNAの塩基配列を読み取って対応するアミノ酸を連結させる翻訳が行われることで、タンパク質が合成されます。この空間的な分離が真核生物の特徴の一つです。
共通テスト(2025年)類似

ナンセンス変異によるタンパク質の合成停止

Q68 ナンセンス変異によって生じる不完全なタンパク質が、細胞内で正常な機能を発揮できない主な理由として、最も適切なものはどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
本来の立体構造を形成するために必要なアミノ酸配列が途中で欠落しているため。
タンパク質は、特定のアミノ酸配列が折りたたまれることで特有の立体構造を形成し、その機能を発揮する。ナンセンス変異により翻訳が早期に終了すると、本来のタンパク質に必要な後半部分のアミノ酸配列が欠落する。これにより正しい立体構造が形成されず、酵素活性や構造維持などの本来の機能を果たせなくなる。
センター試験(2017年)類似

細胞の分化と遺伝子発現

Q69 多細胞生物の体細胞はすべて同じ遺伝情報を持つにもかかわらず、組織ごとに異なるタンパク質が合成される現象の名称として最も適切なものはどれか。
★ やさしい 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
遺伝子の発現
多細胞生物の各細胞は、受精卵から細胞分裂を繰り返して生じたものであり、原則として同一のDNA(遺伝情報)を保持しています。しかし、細胞の種類によって特定の遺伝子のみが読み取られ、対応するタンパク質が合成されることで、組織ごとの機能分化が実現されます。この過程を遺伝子の発現と呼びます。
共通テスト(2021年)類似

転写

Q70 転写の過程において、合成されるmRNAの材料となる物質と、その合成を触媒する酵素の組み合わせとして正しいものはどれか。
★★★ 標準 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
RNAのヌクレオチドとRNAポリメラーゼ
転写はDNAの塩基配列を鋳型としてRNAを合成する過程である。この過程では、RNAの構成単位であるRNAのヌクレオチドが材料として消費される。また、この反応を触媒する酵素はmRNAを合成する酵素であるRNAポリメラーゼである。DNAのヌクレオチドやDNAポリメラーゼは、DNA複製の際に用いられる物質や酵素であるため、転写の過程とは区別して理解する必要がある。
共通テスト(2024年)類似

ゲノムと遺伝子の性質

Q71 単細胞生物が細胞分裂によって2個体に増殖する際、生じた2個体の遺伝子情報について最も適切な説明はどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
2個体の遺伝子の種類と配列は、原則として同一である。
単細胞生物の細胞分裂は、DNAが複製された後に分配されるため、生じた2個体は親個体と同一の遺伝情報を受け継ぐ。DNAの塩基組成においてアデニンとチミン、グアニンとシトシンの数はそれぞれ等しくなる(シャルガフの規則)が、アデニンとグアニンの数が等しいとは限らない。また、細胞分裂において遺伝情報が半減することはない。
共通テスト(2022年)類似

検量線を用いたDNA量の算出

Q72 DNAの定量分析において検量線を作成する意義として最も適切なものはどれか。
★ やさしい 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
測定対象の物質量と検出される物理量との相関関係を明らかにするため
検量線は、既知の濃度の標準試料を用いて、測定対象の物質量(DNA濃度など)と、それに対応する物理量(吸光度や光の強さなど)との間の関係をグラフ化したものである。これにより、未知の試料から得られた物理量を代入することで、その試料中の物質量を正確に推定することが可能となる。

体内環境の維持(107問)の一問一答問題

共通テスト(2024年)類似

自然免疫

Q1 自然免疫に関する記述として、誤っているものはどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
自然免疫は、特定の病原体を識別して抗体を産生する反応である
自然免疫は、侵入した病原体に対して非特異的に働く初期の防御機構である。特定の病原体を識別して抗体を産生する反応は、獲得免疫(適応免疫)の特徴である。マクロファージなどの食細胞は、食作用によって病原体を排除し、生体防御の最前線で機能している。
センター試験(2017年)類似

毛細血管における物質交換

Q2 毛細血管における物質交換に関する記述として最も適当なものはどれか。
★★ 基本 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
血圧によって血しょうの一部が血管外へ押し出され、組織液となる。
毛細血管の壁は薄く、血圧により血しょう成分が組織液としてしみ出すことで物質交換が行われる。肺動脈は静脈血を運ぶため酸素濃度は低く、肝門脈は小腸から肝臓へ栄養分を運ぶ血管である。また、組織液の一部はリンパ管に回収されリンパ液となるため、選択肢の記述は誤りである。
共通テスト(2025年)類似

自律神経系

Q3 運動を開始した直後のヒトのからだにおいて、自律神経系が引き起こす生理的な反応として最も適切なものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
瞳孔の拡大と気管の拡張
運動開始直後には交感神経が活発に働き、からだを活動に適した状態にする。このとき、瞳孔は拡大して光を多く取り込み、気管は拡張して酸素摂取を効率化する。また、肝臓ではグリコーゲンが分解されて血糖値が上昇する。一方で、消化管の働きは抑制されるため、胃や腸のぜん動運動は低下する。したがって、消化管の働きを促進する記述や、グリコーゲンを合成する記述は誤りである。
共通テスト(2024年)類似

血液の成分

Q4 ヒトの血液の成分に関する記述として最も適当なものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
血液の有形成分には、赤血球、白血球、血小板が含まれる。
血液は細胞成分である有形成分と、液体成分である血漿に大別される。有形成分は赤血球、白血球、血小板の3種類からなる。血漿の主成分は水であり、タンパク質や無機塩類も含まれるが質量比では水が圧倒的に多い。赤血球は酸素運搬を担い、数も最も多い。白血球は免疫に関与し、血小板は血液凝固に関与する。老廃物の運搬は主に血漿の役割である。
センター試験(2018年)類似

興奮・緊張時の体内環境応答

Q5 興奮や緊張といった緊急時に分泌されるホルモンであるアドレナリンの働きとして、最も適切なものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
肝臓におけるグリコーゲンの分解を促進し、血糖濃度を上昇させる。
アドレナリンは交感神経の働きと協調して、緊急時にエネルギー源となるグルコースを血液中に供給する役割を担う。具体的には、肝臓に蓄えられたグリコーゲンを分解してグルコースを放出させることで、血糖濃度を上昇させる。グリコーゲンの合成を促進するのはインスリンであり、アドレナリンには合成を促進する働きはない。
共通テスト(2022年)類似

二次免疫応答

Q6 皮膚移植において、同一ドナーからの皮膚を二度移植した際に、初回よりも短期間で拒絶反応が起こる理由として最も適切なものはどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
初回移植時に獲得された免疫記憶により、二度目の移植片に対して迅速かつ強力な拒絶反応が誘導されるため。
移植片に対する拒絶反応は、主にT細胞による細胞性免疫が関与する。一度目の移植で抗原を認識したT細胞の一部がメモリーT細胞として体内に残り、同じ抗原(ドナーの組織抗原)が再侵入した際に、直ちに活性化して強力な攻撃を開始する。これが二次免疫応答の典型的な例であり、初回よりも拒絶までの期間が短縮される。
共通テスト(2021年)類似

二次免疫応答

Q7 抗原Aを初回注射し、一定期間後に抗原Aと抗原Bを同時に注射した際の抗体産生に関する記述として最も適切なものはどれか。
★★ 基本 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
抗原Aに対しては記憶細胞が働くため、抗体濃度は急激に上昇する。
二次免疫応答は、特定の抗原に対して記憶細胞が存在する場合にのみ起こる。抗原Aは初回注射済みであるため記憶細胞が形成されているが、抗原Bは初めての侵入であるため、一次免疫応答として緩やかな抗体産生が起こる。したがって、抗原Bの反応が抗原Aと同等に速くなることはない。
センター試験(2020年)類似

硬骨魚類の浸透圧調節能力

Q8 淡水魚であるコイと海水魚であるカレイの浸透圧調節に関する記述として、誤っているものを次のうちから一つ選べ。
★★★ 標準 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
コイとカレイの体液の塩類濃度を維持する能力は、外界の塩類濃度に関わらず完全に同一である。
淡水魚であるコイは低塩類濃度環境に適応し、海水魚であるカレイは高塩類濃度環境に適応している。両者はそれぞれ異なる浸透圧調節の仕組みを持っており、その維持能力や適応範囲は種によって異なる。したがって、両者の調節能力が外界の濃度に関わらず完全に同一であるとする記述は誤りである。
センター試験(2018年)類似

腎臓における尿生成の過程

Q9 腎臓における尿生成の過程として、最も適切な記述はどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
血しょう成分は糸球体からボーマンのうへろ過され、原尿が生成される。
腎臓のネフロンでは、まず糸球体で血液がろ過され、血球やタンパク質以外の成分がボーマンのうへ移動して原尿となります。その後、細尿管を通過する過程で、水やグルコースなどの必要な成分が周囲の毛細血管へ再吸収されます。集合管は再吸収の最終段階に関与しますが、ろ過を行う場所ではありません。この一連の働きにより、老廃物が濃縮され、体内の恒常性が維持されます。
センター試験(2017年)類似

抗体産生のしくみ

Q10 抗体産生の仕組みに関する記述として、誤っているものはどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
キラーT細胞は、B細胞を活性化させるために抗原提示を行う主要な細胞である。
キラーT細胞は、ウイルス感染細胞などを直接攻撃して排除する細胞であり、B細胞を活性化させる役割は主にヘルパーT細胞が担います。抗原提示を行う細胞としては、樹状細胞やマクロファージ、B細胞自身が知られています。B細胞は活性化後に形質細胞へと分化し、特異的な抗体を大量に産生して体液性免疫を担います。
センター試験(2017年)類似

毛細血管における物質交換

Q11 毛細血管において血しょうが血管外へしみ出す現象が生じる物理的な背景として、最も適切なものはどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
血管内の血圧が組織液の浸透圧よりも高いため。
毛細血管の動脈側では、心臓の拍動に由来する高い血圧が、組織液側へ向かうろ過圧として働く。この血圧が組織液の浸透圧による引き込み力に打ち勝つことで、血しょう成分が血管外へ押し出される。この過程により、細胞に必要な物質が組織液を介して供給される。
センター試験(2016年)類似

心臓の構造と血液循環

Q12 ヒトの血液循環系に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
左心室から送り出された動脈血は、大動脈を経て全身の組織へ酸素を供給する。
左心室は全身へ血液を送り出すポンプとして機能し、酸素を豊富に含む動脈血を大動脈へ送り出す。肺静脈は肺でガス交換を終えた酸素を多く含む血液を運ぶため動脈血である。リンパ管は組織液を回収し静脈に戻す経路であり、心臓のポンプ作用とは直接関わらない。アルブミンは血漿浸透圧の維持に働くタンパク質であり、血液凝固にはフィブリノーゲンなどが関与する。
共通テスト(2026年)類似

自然免疫

Q13 ヒトの自然免疫系において、侵入した細菌を細胞内に取り込み、消化・分解して排除する食作用を主に行う白血球として最も適切なものはどれか。
★ やさしい 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
好中球
自然免疫は、生体に侵入した異物を非特異的に排除する仕組みである。好中球やマクロファージなどの食細胞は、食作用によって細菌などの異物を細胞内に取り込み、リソソーム内の酵素を用いて分解・排除する。B細胞やT細胞は獲得免疫を担うリンパ球であり、赤血球は酸素の運搬を担うため、食作用による異物排除は行わない。
共通テスト(2026年)類似

自律神経系と内分泌系による恒常性維持

Q14 ヒトの体内環境が一定の範囲に保たれる恒常性の維持に関する記述として、最も適切なものを選べ。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
交感神経と副交感神経は、どちらも中脳、延髄、脊髄などの自律神経中枢から出ている。
自律神経系は中枢神経系から末梢の器官へ伸びる神経系であり、交感神経と副交感神経は中脳、延髄、脊髄から出ている。チロキシンの分泌は、視床下部や脳下垂体前葉に作用して自身の分泌を抑制する負のフィードバック調節を受けている。内分泌系はホルモンを血液中に放出して情報を伝達するため、神経系に比べて情報の伝達速度は遅いが、作用が持続的であるという特徴を持つ。
共通テスト(2026年)類似

深部体温の調節

Q15 運動開始に伴う深部体温の変化と環境温度の関係について、最も適切な説明はどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
気温が高い環境下では、気温が低い環境下と比較して深部体温が高くなる傾向がある。
運動時には筋肉の収縮によって多量の熱が産生されます。この熱を体外へ放出する際、周囲の気温が低いほど熱の放散は効率よく行われますが、気温が高い環境下では熱の放散が妨げられます。その結果、気温が高い環境下で運動を行うと、低い環境下で行う場合よりも深部体温がより高く維持される傾向があります。これは体温調節の限界に近い状態を示唆しています。
共通テスト(2021年)類似

キラーT細胞

Q16 獲得免疫の過程において、キラーT細胞がウイルス感染細胞を攻撃する際、その認識の鍵となる分子の組み合わせとして正しいものはどれか。
★★★★ 難問 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
T細胞受容体とMHCクラスI分子
キラーT細胞は、細胞表面のT細胞受容体(TCR)を用いて、感染細胞が提示するMHCクラスI分子上の抗原ペプチドを認識する。MHCクラスII分子は主にヘルパーT細胞が抗原提示を受ける際に利用される。抗体は体液性免疫において抗原と結合する分子であり、キラーT細胞の細胞表面受容体ではない。
共通テスト(2026年)類似

獲得免疫の仕組み

Q17 ヒトの獲得免疫において、樹状細胞が取り込んだ抗原をT細胞に提示する過程に関する記述として最も適当なものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
樹状細胞は抗原を提示することで、T細胞を活性化させる役割を担う。
獲得免疫の開始において、樹状細胞は病原体などの抗原を取り込み、その断片を細胞表面に提示してT細胞に情報を伝達する。この抗原提示により、T細胞が活性化され、免疫応答が開始される。ヘルパーT細胞は活性化後にキラーT細胞やB細胞を活性化する役割を持ち、細胞性免疫や体液性免疫の司令塔として機能する。B細胞も抗原提示能を持つが、樹状細胞は特に初期のT細胞活性化において重要な役割を果たす。
センター試験(2020年)類似

抗体産生における細胞間相互作用

Q18 B細胞が抗原の刺激を受けて抗体産生細胞へと分化する過程において、適切な説明として最も適当なものを次から選べ。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
B細胞の分化には、ヘルパーT細胞などの他のリンパ球との相互作用が不可欠である。
B細胞は抗原を受容するだけでは不十分であり、ヘルパーT細胞などの他のリンパ球から放出されるサイトカインなどのシグナルを受け取ることで、抗体産生細胞へと分化・増殖する。この細胞間相互作用は、獲得免疫における液性免疫の応答において極めて重要な役割を果たしている。実験的にも、B細胞単独よりも他のリンパ球を共存させた方が抗体産生細胞への分化が著しく促進されることが確認されている。
共通テスト(2021年)類似

バソプレシン

Q19 バソプレシンの作用機序に関する記述として最も適切なものはどれか。
★★ 基本 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
集合管における水の透過性を高め、尿量を減少させる。
バソプレシンは腎臓の集合管に作用し、水チャネル(アクアポリン)の配置を促すことで水の透過性を高める。これにより、原尿から毛細血管側への水の再吸収が促進され、結果として尿量が減少する。ナトリウムイオンの再吸収を主に促進するのはアルドステロンであり、細尿管ではなく集合管が主な作用部位である。
センター試験(2018年)類似

腎臓における尿生成の過程

Q20 腎臓の機能に関する記述として、誤っているものはどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
細尿管での再吸収が完了した後の液体は、最終的に腎静脈を通って排出される。
細尿管を通過して再吸収が行われた後の液体は、集合管を経て腎うへ集められ、尿として排出されます。腎静脈は、腎臓でろ過・再吸収が行われた後のきれいな血液が流れる血管であり、尿が流れる経路ではありません。グルコースは原尿中に含まれますが、健康な個体では細尿管でほぼ100%再吸収されるため、尿中には排出されません。
共通テスト(2025年)類似

心拍数と運動負荷

Q21 運動負荷と心拍数の変動に関する記述として、生理学的な観点から誤っているものを次のうちから一つ選べ。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
運動終了直前に心拍数の上昇率が最大となり、終了後もその値が維持される。
運動負荷に対する心拍数の応答は、運動の開始とともに上昇し、運動の終了とともに低下し始めるのが一般的である。心拍数の増加は、筋肉でのエネルギー代謝に必要な酸素や栄養素を供給し、二酸化炭素などの代謝産物を除去するための自律神経系による調節の結果である。したがって、運動終了後も心拍数が上昇し続けたり、高い値を維持したりするという記述は誤りである。
センター試験(2016年)類似

濃縮率

Q22 健康なヒトの腎臓における尿の生成過程において、濃縮率の定義として最も適切なものはどれか。
★ やさしい 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
尿中の物質濃度を血しょう中の物質濃度で割った値
濃縮率は、腎臓で尿が生成される過程で、特定の物質がどの程度濃縮されたかを示す指標である。定義上、尿中の濃度を血しょう中の濃度で除することで算出される。この値が大きいほど、その物質は再吸収されにくく、尿中に排出されやすいことを意味する。タンパク質やグルコースのように再吸収される物質は、健康なヒトでは尿中に含まれないため、この値は0となる。
センター試験(2016年)類似

心臓の構造と血液循環

Q23 哺乳類の心臓において、左心室の壁が他の心室や心房に比べて著しく厚くなっている生理学的な理由として最も適切なものはどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
全身の組織へ血液を循環させるために、高い圧力をかけて血液を送り出す必要があるから。
左心室は肺循環を経て戻ってきた血液を、体循環として全身の毛細血管まで行き渡らせる必要がある。そのためには、肺へ血液を送る右心室よりもはるかに高い圧力を発生させる必要があり、心筋が発達して壁が厚くなっている。他の選択肢は、リンパ系の役割や血漿成分の機能に関する誤った説明を含んでいる。
共通テスト(2025年)類似

延髄と自律神経系

Q24 ヒトの自律神経系による心拍調節の仕組みとして、正しい説明はどれか。
★ やさしい 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
延髄は自律神経系の中枢として、心拍数の増減を自動的に制御している。
延髄は生命維持に不可欠な呼吸や心拍などの機能を制御する中枢です。自律神経系は交感神経と副交感神経からなり、これらは延髄からの指令を受けて心臓の拍動を調節します。この調節は意識とは無関係に行われる不随意な反応であり、内分泌系よりも迅速な応答が可能です。大脳皮質による意識的な制御は受けません。
共通テスト(2023年)類似

脂肪の乳化と消化効率

Q25 胆汁による脂肪の消化促進の仕組みとして、最も適切な説明はどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
胆汁が脂肪を乳化して表面積を増大させることで、リパーゼが作用しやすくする。
胆汁に含まれる胆汁酸塩は、親油性部分と親水性部分を併せ持つ界面活性剤の役割を果たす。これにより、大きな脂肪の塊を微細な粒子として水中に分散させる「乳化」が起こる。リパーゼは水溶性の酵素であるため、脂肪と水が接する界面でしか反応できない。乳化によって脂肪の表面積が飛躍的に増大することで、リパーゼが脂肪分子に接触する機会が増え、結果として消化効率が向上する。
共通テスト(2024年)類似

自然免疫

Q26 ヒトの皮膚や血管が損傷し、病原体が体内に侵入した直後に働く防御反応として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
マクロファージが食作用によって病原体を取り込み排除する
自然免疫は、侵入した病原体に対して即座に働く非特異的な防御機構である。皮膚や血管の損傷直後には、マクロファージや好中球などの食細胞が傷口付近に集まり、食作用によって病原体を取り込み排除する。血小板は主に血液凝固に関与し、形質細胞による抗体産生やナチュラルキラー細胞の働きは、より特異的な免疫反応や別の防御機構に関連するものである。
共通テスト(2026年)類似

深部体温の調節

Q27 ヒトの安静状態において、頭部を除く全身を温めた際に生じる体温調節反応として最も適切なものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
発汗量が増加し、気化熱によって体温の上昇を抑えようとする。
ヒトの体温調節は、間脳の視床下部にある体温調節中枢によって制御されています。深部体温が上昇すると、自律神経系を介して皮膚の血管が拡張し、血流量を増やすことで熱を放散させます。同時に、汗腺からの発汗を促し、汗が蒸発する際の気化熱を利用して体温の上昇を抑制する反応が起こります。他の選択肢は、主に体温が低下した際に熱産生を高めたり、放散を抑えたりするための反応です。
センター試験(2017年)類似

毛細血管における物質交換

Q28 毛細血管において、血圧によって血管外へ押し出され、細胞を取り巻く環境を形成する液体を何と呼ぶか。
★ やさしい 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
組織液
毛細血管の壁は1層の細胞からなり、非常に薄い構造をしている。そのため、心臓の拍動による血圧が加わると、血しょうの一部が血管壁を通り抜けて細胞の隙間にしみ出す。これが組織液であり、血液と細胞の間で酸素や栄養分、二酸化炭素などの物質交換を仲介する重要な役割を担っている。
共通テスト(2021年)類似

キラーT細胞

Q29 ウイルス感染後の時間経過において、ウイルス量の増加に伴い活性化する細胞の働きについて、最も適切な説明はどれか。
★★★ 標準 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
キラーT細胞は、感染細胞の表面にある抗原を認識して直接攻撃を行う。
キラーT細胞は、MHCクラスI分子に提示されたウイルス抗原を認識し、パーフォリンやグランザイムを放出して感染細胞をアポトーシスに導く。ヘルパーT細胞は抗体産生やキラーT細胞の活性化を補助する役割を持ち、ナチュラルキラー細胞は抗原特異性を持たない自然免疫の細胞である。マクロファージは異物を貪食する能力を持つが、感染細胞の直接的な殺傷は主な役割ではない。
センター試験(2017年)類似

血液の成分と酸素運搬

Q30 ヘモグロビンが酸素と結合して酸素ヘモグロビンとなる反応が、肺胞で促進され、組織で抑制される主な要因として最も適切なものはどれか。
★★ 基本 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
周囲の酸素濃度の違い
ヘモグロビンと酸素の結合は、周囲の酸素分圧(濃度)に依存します。肺胞のように酸素濃度が高い環境では結合が進み酸素ヘモグロビンが生成されますが、酸素濃度が低い組織では結合が解け、酸素が放出されます。この可逆的な反応が、効率的な酸素運搬を可能にしています。他の選択肢は酸素運搬の直接的な要因ではありません。
センター試験(2018年)類似

自律神経とホルモンによる調節

Q31 視床下部から分泌される放出ホルモンが脳下垂体前葉に作用した際の結果として、最も適切なものはどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
副腎皮質刺激ホルモンの分泌が促進される。
視床下部は、特定の放出ホルモンを分泌することで脳下垂体前葉を刺激し、そこから副腎皮質刺激ホルモンなどの標的器官を制御するホルモンの分泌を促す。抗利尿ホルモンやオキシトシンは脳下垂体後葉から放出されるホルモンであり、放出ホルモンによる直接的な制御対象ではない。
センター試験(2017年)類似

血液の成分と酸素運搬

Q32 血液の成分のうち、肺胞などの酸素濃度が高い部位で酸素と結合し、酸素濃度が低い組織で酸素を解離することで、全身への酸素運搬を担うタンパク質はどれか。
★ やさしい 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ヘモグロビン
赤血球に含まれるヘモグロビンは、周囲の酸素濃度に応じて酸素と結合・解離する性質を持ち、酸素運搬の主役を担います。血しょうは酸素をほとんど運搬せず、フィブリンは血液凝固の過程で生成される繊維状のタンパク質です。血小板は止血に、白血球は生体防御に関与しており、酸素運搬の役割は持ちません。
センター試験(2016年)類似

肝臓の代謝機能

Q33 肝臓の代謝機能に関する記述として最も適当なものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
タンパク質の分解過程で生じる有害なアンモニアを、毒性の低い尿素へと変換する。
肝臓は体内の化学工場として、アミノ酸の代謝過程で生じる有害なアンモニアを、毒性の低い尿素へと変換する解毒作用を担っています。胆汁は肝臓で生成されますが、一時的に胆のうに蓄えられた後、十二指腸へ分泌されます。また、肝臓はグルコースをグリコーゲンとして貯蔵する機能も有しており、カタラーゼは主にペルオキシソームで働く酵素です。
共通テスト(2026年)類似

ワクチン接種と感染者数

Q34 ワクチン接種と感染症の流行に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ワクチン接種の回数が多いほど、累積患者数が少なくなる傾向がある。
ワクチン接種は、体内の免疫系を活性化させ、特定の病原体に対する抗体産生や記憶細胞の形成を促す。これにより、感染後の発症や重症化を抑制する効果がある。データ上、接種回数が多い集団ほど累積患者数が少なくなる傾向が確認されており、これは接種が患者数の推移に影響を与えていることを示している。なお、ワクチンは感染を完全に防ぐものではなく、また病原体を完全に排除することのみが予防効果の仕組みではない。
共通テスト(2025年)類似

心拍数と運動負荷

Q35 ヒトが運動を行う際の生理的反応として、心拍数と運動負荷の関係について最も適切な記述を次のうちから一つ選べ。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
運動の負荷が大きいほど、心拍数は増加する傾向があり、心拍数は運動負荷の指標となる。
ヒトのからだでは、運動によって筋肉での酸素消費量が増大すると、血液循環を促進するために心拍数や呼吸数が増加する。この反応は運動負荷の大きさに比例する傾向があり、心拍数は運動強度を評価する指標として広く用いられる。運動終了後は、酸素需要の低下に伴い心拍数は速やかに減少に転じるため、終了後に上昇し続けるという記述や、終了直前に低下するという記述は生理学的な事実に反する。
共通テスト(2022年)類似

血清療法の原理

Q36 致死性の毒素を注射したマウスに対し、血清療法を用いて生存させるためのメカニズムとして正しいものはどれか。
★★★ 標準 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
投与された抗体が毒素と特異的に結合し、毒素を無毒化する。
血清療法では、抗原である毒素に対して特異的に結合する抗体を投与する。抗体が毒素に結合することで、毒素が細胞の受容体に結合したり、細胞内に侵入したりすることを防ぐ「中和」という働きが生じ、毒素は無毒化される。この過程でマウス自身の免疫細胞が抗体を産生する必要はない。
センター試験(2017年)類似

二次免疫応答

Q37 一度感染した病原体が再び侵入した際に、記憶細胞の働きによって初回よりも速く、かつ大量の抗体が産生される現象を何と呼ぶか。
★ やさしい 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
二次免疫応答
二次免疫応答は、過去に侵入した病原体を記憶細胞が保持していることで生じる反応です。同じ病原体が再侵入すると、記憶細胞が速やかに増殖・分化し、初回よりも短期間で大量の抗体を産生します。これにより、病原体が体内で増殖する前に排除されるため、発症を抑えることが可能となります。
共通テスト(2026年)類似

体液の塩類濃度上昇に対する調節

Q38 激しい運動で多量に発汗した直後のヒトの体内において、腎臓での水の再吸収が促進される生理的意義として最も適切なものはどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
尿量を減少させることで、体液の塩類濃度を低下させ一定に保つため。
発汗によって水分が失われると、体液の塩類濃度(浸透圧)が上昇します。この状態を放置すると細胞の機能に悪影響を及ぼすため、体は腎臓の集合管における水の再吸収を促進し、尿量を減らすことで体内の水分保持量を増やそうとします。この結果、上昇した体液の塩類濃度を希釈し、正常な範囲に引き戻す調節が行われます。これは恒常性維持のための重要な反応です。
共通テスト(2024年)類似

血液の成分

Q39 ヒトの血液成分の機能に関する説明として誤っているものはどれか。
★★ 基本 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
血漿は、主に酸素を組織へ運搬する役割を担っている。
酸素の運搬は、赤血球内のヘモグロビンが担っている。血漿は、栄養分、老廃物、ホルモンなどを運搬する役割を持つが、酸素の運搬は主ではない。血小板は血液凝固の過程で重要な役割を果たし、白血球は食作用や抗体産生など免疫系において中心的な役割を果たす。
センター試験(2017年)類似

抗体産生のしくみ

Q40 生体内に侵入した異物に対し、獲得免疫が誘導される過程として最も適切なものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
樹状細胞が異物を分解して抗原を提示し、ヘルパーT細胞がそれを認識してB細胞を活性化させる。
獲得免疫の誘導には、抗原提示細胞である樹状細胞が不可欠です。樹状細胞は異物を食作用で分解し、その一部を抗原として細胞表面に提示します。これをヘルパーT細胞が認識して活性化し、活性化したヘルパーT細胞がB細胞に働きかけることで、B細胞は増殖・分化して抗体を産生する形質細胞へと変化します。血小板は止血に関与し、キラーT細胞は感染細胞を直接攻撃する役割を持つため、この過程とは異なります。
センター試験(2017年)類似

体液量の調節とバソプレシン

Q41 体液の浸透圧が上昇したとき、体内の水分量を調節する仕組みとして最も適切な記述はどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
脳下垂体後葉からバソプレシンが分泌され、腎臓の集合管での水の再吸収が促進される。
体液の浸透圧調節は、脳下垂体後葉から分泌されるバソプレシンが担っています。バソプレシンは腎臓の集合管における水の透過性を高め、再吸収を促進することで尿量を減少させます。これにより体液の浸透圧を下げ、水分量を維持します。他の選択肢にあるホルモンや分泌部位の組み合わせは誤りであり、特に鉱質コルチコイドはナトリウムイオンの再吸収に関与します。
共通テスト(2026年)類似

自律神経系と内分泌系による恒常性維持

Q42 甲状腺から分泌されるホルモンであるチロキシンの調節機構について、血液中のチロキシン濃度が上昇した際に起こる現象として正しいものを選べ。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
脳下垂体前葉からの甲状腺刺激ホルモンの分泌が抑制される。
チロキシンの分泌調節には負のフィードバックが働いている。血液中のチロキシン濃度が上昇すると、その情報は視床下部や脳下垂体前葉に伝わり、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモンや甲状腺刺激ホルモンの分泌を抑制する。これにより、甲状腺からのチロキシン分泌が抑えられ、濃度が一定に保たれる。この仕組みにより、過剰な分泌が防がれている。
共通テスト(2024年)類似

血液凝固の過程

Q43 ヒトの体内において、血管損傷が生じた際の止血反応の過程として最も適切な記述はどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
血小板が損傷部位に集まって血小板栓を形成し、その後フィブリンが生成されて血餅ができる。
血管が損傷すると、まず血小板が損傷部位に粘着・凝集して血小板栓を形成し、一時的な止血が行われます。その後、血液凝固因子が次々と活性化される一連の反応を経て、フィブリノーゲンから繊維状のタンパク質であるフィブリンが生成されます。このフィブリンの網目に赤血球や白血球などの血球成分が絡めとられることで、血餅と呼ばれる強固な塊が形成され、傷口が完全に塞がれます。
センター試験(2016年)類似

濃縮率

Q44 健康なヒトの腎臓において、タンパク質やグルコースが尿中に排出されない理由として最も適切なものはどれか。
★★ 基本 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
原尿から毛細血管へほぼすべて再吸収されるため
タンパク質やグルコースは、糸球体で原尿中にろ過されるものの、その後の尿細管での再吸収過程において、健康なヒトであればほぼすべてが毛細血管へ回収される。そのため、最終的な尿中にはこれらの物質はほとんど含まれない。一方、尿素などは一部が再吸収されるものの、水の再吸収に伴って濃縮され、尿として体外へ排出されることで体内環境の恒常性が維持されている。
センター試験(2018年)類似

自律神経とホルモンによる調節

Q45 自律神経系による消化管の活動調節に関する記述として、正しいものはどれか。
★★ 基本 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
副交感神経が活動すると、胃や腸のぜん動運動が促進される。
自律神経系において、交感神経は主に活動時やストレス時に働き、消化管の活動を抑制する。一方、副交感神経は休息時や食事の消化吸収時に働き、胃や腸のぜん動運動や消化液の分泌を促進する。この二つの神経系が拮抗的に働くことで、消化管の機能は適切に維持されている。
センター試験(2020年)類似

獲得免疫の仕組み

Q46 獲得免疫の開始過程において、抗原を取り込んだ抗原提示細胞がその情報を最初に伝達する相手として最も適切なものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ヘルパーT細胞
獲得免疫は、マクロファージや樹状細胞などの抗原提示細胞が抗原を取り込み、分解した断片を細胞表面に提示することから始まる。この情報をヘルパーT細胞が認識して活性化することで、キラーT細胞による感染細胞の破壊や、B細胞による抗体産生といった免疫応答が連鎖的に引き起こされる。ヘルパーT細胞は免疫応答の司令塔として機能する。
センター試験(2020年)類似

硬骨魚類の浸透圧調節能力

Q47 硬骨魚類の体液の塩類濃度と外界の塩類濃度の関係について、最も適切な記述を次のうちから一つ選べ。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
外界の塩類濃度が変化しても、硬骨魚類は体液の塩類濃度を一定の範囲内に維持する調節能力を持つ。
硬骨魚類は恒常性(ホメオスタシス)を維持する能力を持ち、外界の塩類濃度が変動しても、腎臓や鰓などの器官を通じて体液の塩類濃度を一定の範囲内に保つ。これは外界の濃度に追随する変温動物的な浸透圧調節とは異なり、能動的な調節が行われていることを示している。したがって、外界の濃度に比例したり、常に等しくなったりすることはない。
共通テスト(2024年)類似

腎臓の内部構造

Q48 腎臓の構造と機能に関する説明として、誤っているものはどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
腎臓の髄質には糸球体が集中しており、血液のろ過が主に行われる。
糸球体は皮質に多く存在し、ここで血液のろ過が行われる。髄質には主に尿細管や集合管が配置されており、原尿から水や必要な成分を再吸収し、尿を濃縮する役割を担っている。したがって、髄質に糸球体が集中するという記述は誤りである。
センター試験(2016年)類似

自律神経とホルモンによる調節

Q49 ヒトの体内環境の恒常性維持における内分泌系の働きについて、脳下垂体前葉から分泌される甲状腺刺激ホルモンが甲状腺に作用した結果として最も適切なものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
チロキシンの分泌が促進される
脳下垂体前葉から分泌される甲状腺刺激ホルモンは、甲状腺を標的器官として作用し、チロキシンの分泌を促進する。チロキシンは細胞の代謝を活発にするホルモンであり、血中の濃度が上昇すると、負のフィードバックによって脳下垂体前葉からの甲状腺刺激ホルモンの分泌が抑制される仕組みになっている。インスリンやグルカゴンは血糖値調節に関与するホルモンであり、本設問の経路とは異なる。
共通テスト(2021年)類似

食作用

Q50 生体防御における食作用に関する記述として最も適当なものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
好中球は食作用を行う白血球の一種であり、侵入した細菌などを取り込んで処理する。
食作用とは、白血球などが異物を細胞内に取り込み、消化・分解する働きを指す。好中球やマクロファージ、樹状細胞はこの食作用を担う代表的な細胞である。一方、リンパ球(B細胞やT細胞)は、抗体産生や感染細胞の直接的な攻撃といった獲得免疫の主役であり、食作用を主たる機能とはしない。食作用は自然免疫の重要なプロセスであり、異物の侵入に対して迅速に反応する。
共通テスト(2021年)類似

牛疫の根絶と免疫

Q51 ワクチン接種による感染症の根絶の原理について、正しい説明はどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
集団内の免疫を持つ個体の割合が増えると、ウイルスが感染可能な宿主に遭遇する確率が低下し、流行が終息する。
感染症の根絶は、宿主集団における免疫保持率を一定以上に高めることで、ウイルスの伝播連鎖を断ち切ることにあります。ワクチンは個体の免疫系を刺激して抗体産生などを促すものであり、ウイルスを直接破壊したり、宿主の遺伝的性質を変化させたりするものではありません。ウイルスは宿主の免疫系によって排除されるのであり、自己複製を停止するわけではありません。
センター試験(2018年)類似

血液の成分と循環

Q52 血液を試験管に入れて放置した際に生じる現象と、その結果として得られる上澄み液の名称として最も適当なものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
血液凝固が起こり、上澄みとして血清が得られる
血液を試験管に入れて放置すると、血液中の凝固因子が働き、フィブリンが生成されて血液凝固が起こります。このとき、血球成分がフィブリンの網目に絡め取られて沈殿し、残った上澄み液が血清です。抗凝固剤を加えて凝固を阻止した場合には、血球と血漿に分離しますが、放置した場合は血清が生じます。
共通テスト(2026年)類似

自然免疫

Q53 ヒトの免疫系に関する記述として、自然免疫の仕組みを正しく説明しているものはどれか。
★★ 基本 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
好中球は食作用により細菌を排除する。
自然免疫は、好中球やマクロファージなどの食細胞が食作用によって異物を排除する生体防御の第一線である。抗体は獲得免疫において特定の抗原と結合するものであり、自然免疫の直接的な構成要素ではない。また、樹状細胞は獲得免疫の起点としてT細胞に抗原提示を行うが、全ての白血球に提示するわけではない。
共通テスト(2024年)類似

腎臓の血管構造

Q54 ヒトの体内環境の維持において、腎臓に接続する血管の構造と機能に関する記述として最も適当なものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
腎動脈は心臓から腎臓へ血液を運び、高い血圧に耐えるために腎静脈よりも血管壁が厚い。
腎臓は血液中の老廃物をろ過し、尿を生成する器官である。心臓から送り出される血液は高い圧力を受けているため、腎臓へ血液を供給する腎動脈は、その圧力に耐えられるよう発達した厚い血管壁を持つ。一方、腎臓でろ過された血液は腎静脈を通って心臓へ戻るが、動脈に比べて血圧が低いため、血管壁は比較的薄い構造となっている。
共通テスト(2026年)類似

体液の塩類濃度上昇に対する調節

Q55 大量の発汗によって体液の塩類濃度が上昇した際、恒常性を維持するために起こる反応として最も適切なものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
間脳が塩類濃度の上昇を感知し、腎臓での水の再吸収を促進する。
ヒトの体液の恒常性は、主に間脳の視床下部が調節の中枢を担っています。発汗により体液の塩類濃度が上昇すると、間脳がこれを感知し、バソプレシンなどのホルモン分泌を介して腎臓での水の再吸収を促進します。これにより尿量を減少させ、体液の浸透圧を正常な範囲に戻そうとする調節が行われます。中脳や延髄は呼吸や眼球運動などの反射に関与しますが、体液濃度の調節の主役ではありません。
センター試験(2018年)類似

腎臓の機能と尿生成

Q56 健康なヒトの腎臓における尿生成の過程について、グルコースの挙動として最も適切な記述はどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
糸球体でろ過され、細尿管で全量が再吸収されるため、尿中には排出されない。
健康なヒトの腎臓では、血しょう中のグルコースは糸球体で原尿中にろ過されますが、細尿管を通過する過程で毛細血管へ全量が再吸収されます。そのため、健康な人の尿中にグルコースが検出されることはありません。糖尿病などで血糖値が著しく高い場合は、再吸収能力を超えて尿中に排出されることがあります。
共通テスト(2025年)類似

自律神経系

Q57 激しい運動を行う際、自律神経系による調節として肝臓で起こる代謝変化と、その生理的意義の組み合わせとして最も適切なものはどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
グリコーゲン分解の促進により、血糖値を上昇させる
運動時には筋肉でのエネルギー消費が激しくなるため、交感神経の働きによって肝臓でのグリコーゲン分解が促進される。これによりグルコースが血液中に放出され、血糖値が上昇することで、筋肉へ安定的にエネルギー源が供給される。この反応は、活動時にからだを適応させるための重要な調節機構の一つである。
センター試験(2015年)類似

肝臓への血液循環

Q58 肝臓への血液供給に関する記述として最も適当なものを、次のうちから一つ選べ。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
肝臓には、心臓から直接つながる肝動脈と、消化管や脾臓からつながる肝門脈の二系統から血液が流れ込む。
肝臓は、心臓から酸素を豊富に含む血液を供給する肝動脈と、消化管で吸収された栄養分や脾臓からの血液を運ぶ肝門脈という二系統の血管から血液を受け取る。この構造により、肝臓は全身の代謝の中心として、栄養分の調節や有害物質の解毒を行うことができる。肝門脈は消化管から肝臓へ向かう静脈系であり、腎臓や肝静脈とは異なる経路をたどる。
センター試験(2016年)類似

自律神経とホルモンによる調節

Q59 恒常性維持のフィードバック調節機構に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
チロキシンの血中濃度が過剰になると、脳下垂体前葉からの甲状腺刺激ホルモンの分泌が抑制される。
内分泌系では、標的器官から分泌されたホルモンが一定の濃度を超えると、上位の調節中枢に対して分泌を抑制する負のフィードバックが働く。甲状腺から分泌されるチロキシンも同様であり、血中濃度の上昇は脳下垂体前葉への抑制的に働く。他の選択肢については、血糖値調節は主に交感神経やグルカゴンが関与し、アドレナリンは心拍数を増加させる働きがあるため誤りである。
共通テスト(2024年)類似

血液凝固の過程

Q60 血液凝固の過程で生成される繊維状物質であるフィブリンの役割として、最も適切なものはどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
網目状の構造を形成し、赤血球などの血球成分を絡めとって血餅を作る。
血液凝固反応の最終段階では、トロンビンの作用によりフィブリノーゲンがフィブリンへと変化します。フィブリンは繊維状のタンパク質であり、損傷部位において網目状の構造を構築します。この網目に赤血球や白血球などの血球成分が絡めとられることで、血餅が形成され、傷口を塞ぐ役割を果たします。この過程は、血液の流出を防ぐ上で極めて重要です。
共通テスト(2021年)類似

ゾウリムシの収縮胞

Q61 淡水に生息するゾウリムシの収縮胞の働きに関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
周囲の塩類濃度が低くなるほど、収縮胞の収縮頻度は高くなる。
淡水環境はゾウリムシの細胞内よりも低張であるため、浸透圧により水が絶えず流入します。周囲の塩類濃度が低いほど、細胞内外の浸透圧差が大きくなり、流入する水の量が増加します。そのため、ゾウリムシは収縮胞の収縮頻度を高めることで、流入した過剰な水を効率よく体外へ排出しています。
共通テスト(2021年)類似

二次免疫応答

Q62 抗原Aを初回注射し、一定期間後に抗原Aと抗原Bを同時に注射した際、抗原Aに対する抗体濃度が初回よりも速く、かつ大量に産生される現象の名称として最も適切なものはどれか。
★ やさしい 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
二次免疫応答
過去に侵入した抗原が再び侵入した際、体内に残存していた記憶細胞が速やかに反応し、抗体を大量に産生する仕組みを二次免疫応答と呼ぶ。初回侵入時に形成された記憶細胞が、再侵入時に特異的に反応することで、一次免疫応答よりも短期間で高い抗体濃度に達する。
共通テスト(2026年)類似

自然免疫

Q63 自然免疫と獲得免疫の役割分担に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
自然免疫は食細胞による異物の非特異的な排除を担う。
自然免疫は、好中球やマクロファージなどが異物を非特異的に認識し、食作用によって排除する仕組みである。一方、獲得免疫はリンパ球が特定の抗原を認識し、抗体産生や細胞性免疫を通じて特異的に排除する。自然免疫は即時的に反応するのに対し、獲得免疫は抗原提示を経て活性化するため、反応開始までに時間を要する。
共通テスト(2022年)類似

血清療法の原理

Q64 血清療法と予防接種(能動免疫)の決定的な違いとして、最も適切なものはどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
血清療法は抗体そのものを投与するのに対し、予防接種は抗原を投与して免疫反応を誘導する。
血清療法は、抗体という完成された免疫物質を外部から補う受動免疫であり、即効性がある。一方、予防接種は、抗原を体内に導入して自身の免疫系(B細胞やT細胞)を活性化させ、抗体産生や免疫記憶を形成させる能動免疫である。両者は免疫の獲得過程が根本的に異なる。
共通テスト(2022年)類似

血清療法の原理

Q65 血清療法の原理に関する記述として、最も適当なものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
抗原に対する免疫反応を待たずに、抗体そのものを投与して即座に毒素を中和する。
血清療法は、毒素を無毒化する抗体を含む血清を外部から投与する治療法である。自身の免疫系が抗体を産生するのを待つ予防接種とは異なり、即効性があることが特徴である。T細胞やB細胞の活性化を待つ能動免疫ではなく、抗体を直接取り入れる受動免疫の一種である。
センター試験(2015年)類似

肝臓への血液循環

Q66 肝臓の機能と血液循環の仕組みに関して、誤っている記述を次のうちから一つ選べ。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
肝静脈は、肝臓で成分調節が行われた後の血液を、腎臓を経由させてから心臓へと戻す役割を担っている。
肝静脈は、肝臓で代謝や解毒が行われた後の血液を、直接下大静脈へ送り出し、心臓へと戻す血管である。腎臓を経由することはない。肝門脈は消化管から肝臓へ栄養分を運ぶ重要な血管であり、肝動脈は酸素供給を担う。肝臓内ではこれら二系統の血液が合流し、肝細胞が効率的に物質の処理を行えるようになっている。
共通テスト(2024年)類似

原尿と尿の成分

Q67 健康なヒトの腎臓における尿生成の過程に関する記述として最も適当なものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
原尿に含まれるグルコースやアミノ酸は、尿細管でほぼすべて再吸収される。
腎臓の糸球体では血液がろ過され、血球や大きなタンパク質以外の成分が原尿としてボーマン嚢へ入ります。この原尿にはグルコースやアミノ酸が含まれますが、これらは生命維持に必要な物質であるため、尿細管を通過する過程で毛細血管へ再吸収されます。一方、尿素などの老廃物は再吸収されにくいため、水の再吸収に伴って濃縮され、最終的に尿として排出されます。
共通テスト(2024年)類似

腎臓の血管構造

Q68 ヒトの身体構造において、腎臓の配置と血管の接続に関する説明として正しいものはどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
腎臓は腹腔内に位置し、腎動脈は心臓から直接血液を受け取る血管である。
ヒトの腎臓は、横隔膜の下の腹腔内、背側に左右一対存在する。腎動脈は腹大動脈から分岐して腎臓に血液を供給する血管であり、心臓から送り出された血液を直接受け取るため高い血圧がかかる。これに対し、腎静脈は腎臓から血液を排出して下大静脈へとつなぐ役割を担っており、腎動脈と腎静脈が直接接続することはない。
センター試験(2018年)類似

血液の成分と循環

Q69 血液の成分や循環に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★★ 標準 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
肺静脈を流れる血液は、肺動脈を流れる血液よりも酸素ヘモグロビンの割合が高い
肺でガス交換が行われるため、肺静脈には酸素を多く含んだ血液が流れます。一方、肺動脈は全身から戻ってきた酸素濃度の低い血液を肺へ送るため、肺静脈の方が酸素ヘモグロビンの割合が高くなります。動脈は高い血圧に耐えるため壁が厚く、リンパ液は鎖骨下静脈で血液に合流します。また、血球数は赤血球が圧倒的に多く、白血球はそれよりも少ないのが特徴です。
センター試験(2016年)類似

濃縮率

Q70 健康なヒトにおいて、尿素の尿中量が27g、原尿中の尿素量が51gであり、尿素の濃縮率が60であるとき、このヒトの1日あたりの尿量は何Lか。ただし、尿素の血しょう中濃度は0.3g/Lとする。
★★★ 標準 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
1.5 L
濃縮率は「尿中濃度 / 血しょう中濃度」で表される。尿素の濃縮率が60、血しょう中濃度が0.3g/Lであるから、尿中濃度は 60 × 0.3 = 18g/L となる。尿中量が27gであるとき、尿量は「尿中量 / 尿中濃度」の式により、27 / 18 = 1.5L と算出される。腎臓では原尿から水が再吸収されることで、尿素などの老廃物が濃縮され、尿として排出される。
共通テスト(2023年)類似

胆汁の脂肪消化促進作用

Q71 リパーゼによる脂肪の分解実験において、胆汁の粉末を添加した試験管の方が、リパーゼのみの試験管よりも反応液の色が濃い赤色を示した理由として最も適切なものはどれか。
★★★ 標準 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
胆汁が脂肪を乳化し、リパーゼによる脂肪酸の生成速度が向上したため。
リトマスミルクを用いた実験では、脂肪が分解されて脂肪酸が生じるとpHが低下し、指示薬の色が変化する。胆汁の粉末自体にはリトマスミルクを直接変色させる作用はない。実験結果で胆汁添加群の方がより濃い赤色(酸性化の進行)を示したのは、胆汁の乳化作用によって脂肪の表面積が広がり、リパーゼによる分解反応が効率よく進行したためである。これは胆汁が消化酵素の働きを補助する役割を持つことを示している。
共通テスト(2023年)類似

脂肪の乳化と消化効率

Q72 脂肪の乳化に関する実験において、蒸留水と食用油のみを入れた試験管と、そこに胆汁粉末を加えた試験管を比較した場合の観察結果として、最も妥当なものはどれか。
★★★ 標準 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
胆汁を加えた試験管では、油と水が混ざり合い、乳化した層が形成される。
水と油は本来混ざり合わないため、静置すると密度の違いにより層が分離する。胆汁粉末を加えると、界面活性作用により油が微細な粒子となって水中に分散し、白濁した乳化層が形成される。この乳化層は、リパーゼが作用するための広大な反応場を提供するため、消化実験において重要な役割を果たす。蒸留水のみでは界面活性剤が存在しないため、このような乳化は起こらない。
センター試験(2017年)類似

二次免疫応答

Q73 二次免疫応答において、初回免疫応答と比較して抗体産生が速く、かつ大量になる主な理由は何か。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
記憶細胞が病原体の情報を保持しており、再侵入時に速やかに増殖・分化するため
二次免疫応答の速さと強さは、初回感染時に形成された記憶細胞の存在に依存します。記憶細胞は特定の抗原に対して特異的な反応を記憶しており、再侵入時には抗原提示を待たずに素早く増殖し、形質細胞へと分化して大量の抗体を産生します。この仕組みが、感染症に対する免疫の獲得において重要な役割を果たします。
センター試験(2020年)類似

獲得免疫の仕組み

Q74 獲得免疫における記憶細胞の役割に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
同一の抗原が再侵入した際に、迅速かつ強力な免疫応答を引き起こす
獲得免疫では、一度侵入した抗原の情報が記憶細胞として体内に保持される。これにより、同じ抗原が再び侵入した際には、初回よりも速やかに、かつ大量の抗体産生や細胞性免疫が誘導される。これを二次応答と呼び、個体は感染症に対して強い抵抗性を持つようになる。記憶細胞は特定の免疫細胞が分化したものであり、全ての細胞がなるわけではない。
センター試験(2015年)類似

糖尿病の病態

Q75 糖尿病の病態に関する記述として最も適当なものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
インスリンの作用不足により、細胞内へのグルコースの取り込みが抑制される。
糖尿病は、インスリンの分泌不足や作用低下により、血液中のグルコースが細胞内に取り込まれにくくなる疾患である。その結果、血糖値が異常に高い状態が持続する。一方、グルカゴンやアドレナリンは肝臓でのグリコーゲン分解を促進し、血糖値を上昇させる働きがある。また、糖尿病状態ではインスリンの作用が弱いため、肝臓でのグリコーゲン合成はむしろ抑制される。
センター試験(2020年)類似

淡水魚の浸透圧調節

Q76 淡水魚が体液の塩類濃度を一定に保つための生理的な適応として、最も適切な記述はどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
周囲の環境よりも体液の塩類濃度が高いため、鰓から塩類を積極的に取り込み、多量の薄い尿を排泄する。
淡水魚は周囲の淡水よりも体液の塩類濃度が高いため、浸透圧により体内に水が流入し続けます。この過剰な水分を排出するために、淡水魚は多量の薄い尿を生成します。また、拡散によって失われる塩類を補うため、鰓にある塩類細胞を用いて外界から塩類を能動的に取り込むことで、体液の恒常性を維持しています。海水魚は逆に脱水を防ぐために海水を飲み、塩類を排出する適応をとります。
共通テスト(2022年)類似

好中球の遊走と食作用

Q77 マウスの腹腔内に大腸菌を注射した際、4時間後に腹腔内の好中球数が著しく増加する現象の背景にある生体防御の仕組みとして最も適切なものはどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
自然免疫による食作用を伴う排除
大腸菌のような細菌が体内に侵入した際、即座に反応して排除を行うのは自然免疫です。好中球は血管から組織へ遊走し、食作用によって異物を直接取り込んで処理します。これは特定の抗原を記憶する獲得免疫とは異なり、異物侵入に対して迅速に働く生体防御機構です。胸腺やリンパ節での反応は、主に獲得免疫に関わる過程であり、感染初期の好中球の動員とは区別されます。
共通テスト(2025年)類似

延髄と自律神経系

Q78 ヒトの心拍調節に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
心拍の調節は、内分泌系によるホルモンの分泌よりも神経系による調節の方が迅速に行われる。
心拍の調節は、中枢神経系である延髄が自律神経系を介して心臓に信号を送ることで行われます。自律神経系は意識的に調節できるものではなく、不随意に制御されます。また、内分泌系による調節はホルモンが血液を介して標的器官まで運ばれる必要があるため、神経系による電気信号を用いた調節と比較すると、応答までに時間がかかります。したがって、神経系による調節の方が迅速です。
共通テスト(2024年)類似

腎臓の内部構造

Q79 ヒトの腎臓を縦に切断した際の内部構造に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
腎臓の内部は外側の皮質と内側の髄質に分かれ、血液は皮質から髄質にかけて分布する。
腎臓は外側の皮質と内側の髄質に大別される。腎動脈から流入した血液は、皮質にある糸球体や髄質に伸びる尿細管を取り巻く毛細血管網へと運ばれる。そのため、腎動脈から注入された物質は、皮質から髄質にかけての領域に広く分布することになる。髄質のみや皮質のみに分布するわけではなく、腎盂は尿の通り道であるため、この分布の仕方が正しい。
共通テスト(2021年)類似

牛疫の根絶と免疫

Q80 牛疫の根絶に関する記述として、生物学的に最も適切なものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ワクチン接種により個体群内の免疫保持率が高まり、ウイルスの伝播が維持できなくなったためである。
牛疫の根絶は、ワクチン接種によって個体群全体に免疫を持つ個体が増加し、ウイルスが継続的に感染・増殖できる宿主がいなくなったことで達成されました。ワクチンは個体に免疫を付与するものであり、ウイルスそのものを無毒化するわけではありません。また、個体が獲得した免疫や抵抗性は次世代に遺伝するものではなく、集団免疫の形成が根絶の鍵となります。
センター試験(2016年)類似

組織液

Q81 ヒトの体内環境において、細胞を取り囲む組織液と組成が最も近い液体として、適切な組み合わせはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
血しょうとリンパ液
ヒトの体液は、血管内を流れる血液、細胞を取り囲む組織液、リンパ管内を流れるリンパ液から構成されます。組織液は、血液の成分である血しょうが毛細血管から組織の細胞間隙に染み出したものであり、血しょうやリンパ液と組成が非常に近いです。一方、細胞質基質は細胞内部の液体であり、海水は生物の体液とは組成が大きく異なるため、組織液と組成が近いものとしては血しょうとリンパ液の組み合わせが適切です。
共通テスト(2021年)類似

キラーT細胞

Q82 獲得免疫において、ウイルス感染細胞を直接認識し、細胞死を誘導することでウイルスを排除する役割を担うリンパ球はどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
キラーT細胞
キラーT細胞は、細胞表面に提示されたウイルス由来の抗原を認識し、感染細胞を直接攻撃して排除する獲得免疫の主要な細胞である。ヘルパーT細胞はサイトカインを放出して免疫応答を活性化し、ナチュラルキラー細胞は自然免疫において異常細胞を監視する。マクロファージは食作用により異物を処理する細胞であり、獲得免疫の主役ではない。
センター試験(2018年)類似

興奮・緊張時の体内環境応答

Q83 体内環境の維持に関する記述として、アドレナリンの作用と他のホルモンや神経の働きを比較した場合の誤りはどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
アドレナリンはグリコーゲンの合成を促進することで、血糖濃度を急激に低下させる。
アドレナリンはグリコーゲンの分解を促進して血糖濃度を上昇させるホルモンであり、合成を促進して血糖濃度を低下させる働きはない。血糖濃度を低下させるホルモンはインスリンである。他の選択肢にある交感神経による心拍数増加、糖質コルチコイドによる糖新生、チロキシンによる代謝亢進は、いずれも正しい生理学的記述である。
センター試験(2020年)類似

塩類細胞の機能

Q84 魚類の鰓に存在する塩類細胞の機能に関する記述として最も適当なものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ミトコンドリアで生成されたATPをエネルギー源として、塩類を能動輸送する。
塩類細胞は、魚類の体内環境の維持に不可欠な細胞である。この細胞にはミトコンドリアが豊富に含まれており、呼吸によって生成されたATPをエネルギー源として利用する。このエネルギーを用いて、濃度勾配に逆らって塩類を移動させる能動輸送を行うことで、淡水や海水といった異なる塩分濃度の環境下でも体液の塩類濃度を一定に保つ役割を担っている。
共通テスト(2021年)類似

食作用

Q85 食作用を行う細胞の組み合わせとして正しいものはどれか。
★★ 基本 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
好中球と樹状細胞
白血球のうち、好中球、マクロファージ、樹状細胞などは食作用によって異物を排除する能力を持つ。これらは主に自然免疫において中心的な役割を果たす。対照的に、リンパ球に分類されるB細胞やT細胞は、特定の抗原を認識して抗体を作ったり、感染細胞を攻撃したりする獲得免疫を担う細胞であり、食作用を主要な機能とはしていない。
共通テスト(2022年)類似

二次免疫応答

Q86 獲得免疫における二次免疫応答の説明として最も適切なものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
一度侵入した抗原に対して免疫系が記憶を持ち、二度目の侵入時に迅速かつ強力な拒絶反応を引き起こす現象。
二次免疫応答は、初回侵入時に形成されたメモリー細胞(記憶細胞)が関与する現象である。同じ抗原が再び侵入すると、これらの細胞が迅速に増殖・分化し、初回よりも短期間で大量の抗体産生や細胞性免疫が誘導される。皮膚移植の例では、初回よりも二度目の方が拒絶反応が速やかに起こることから、この免疫記憶の存在が確認できる。
共通テスト(2026年)類似

獲得免疫の仕組み

Q87 細胞性免疫の仕組みとして、キラーT細胞が感染細胞を攻撃する際の説明として最も適切なものはどれか。
★★★ 標準 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
キラーT細胞は、ウイルスなどに感染した細胞を特異的に認識して破壊する。
細胞性免疫は、ウイルスに感染した細胞やがん細胞など、異常が生じた細胞をキラーT細胞が直接認識して排除する仕組みである。キラーT細胞は、活性化したヘルパーT細胞からの刺激を受けて増殖・分化し、感染細胞の表面に提示された抗原を認識して攻撃する。抗体を産生するのはB細胞が分化した抗体産生細胞であり、キラーT細胞が抗体を放出することはない。
共通テスト(2022年)類似

好中球の遊走と食作用

Q88 細菌感染などの異物侵入が起こった際、血管から組織へ移動し、食作用によって異物を排除することで感染初期の防御を担う白血球はどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
好中球
好中球は血液中に最も多く存在する白血球の一種であり、細菌などの異物が体内に侵入すると、炎症部位の血管から組織内へ遊走します。好中球は食作用によって異物を取り込み、細胞内で分解・排除することで、初期の生体防御反応である自然免疫において中心的な役割を果たします。胸腺はT細胞の分化の場であり、リンパ節は免疫応答の場、ナチュラルキラー細胞はウイルス感染細胞などを攻撃する細胞です。
センター試験(2018年)類似

腎臓の機能と尿生成

Q89 腎臓の機能に関する記述として、誤っているものはどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
尿素は腎臓で合成され、細尿管から排出される。
尿素は腎臓ではなく、主に肝臓でアンモニアから合成されます。合成された尿素は血液によって腎臓へ運ばれ、糸球体でろ過された後に尿として排出されます。タンパク質は分子量が大きいため糸球体のろ過膜を通過できず、原尿には含まれません。
センター試験(2017年)類似

体液量の調節とバソプレシン

Q90 ヒトの体液の浸透圧が上昇した際、恒常性を維持するために脳下垂体後葉から分泌され、腎臓での水の再吸収を促進するホルモンはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
バソプレシン
体液の浸透圧が上昇すると、脳下垂体後葉からバソプレシンが分泌されます。バソプレシンは腎臓の集合管に作用し、水の再吸収を促進することで尿量を減らし、体液の浸透圧を低下させて正常な状態に戻す働きがあります。チロキシンは代謝を促進し、鉱質コルチコイドはナトリウムイオンの再吸収を促進するホルモンであり、それぞれ分泌部位や役割が異なります。
共通テスト(2024年)類似

原尿と尿の成分

Q91 ある健康なヒトにおいて、1日に生成される原尿の量が180 L、排出される尿の量が1.5 Lであるとき、尿素の濃縮率として最も近い値はどれか。ただし、尿素は尿細管で再吸収されないものとする。
★★★ 標準 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
120倍
濃縮率は、原尿の量と尿の量の比から求められます。尿素は尿細管で再吸収されないため、原尿に含まれていた尿素の全量が尿として排出されます。したがって、尿素の濃度は水の再吸収によって体積が減少した分だけ高まります。計算式は 180 L / 1.5 L = 120 となり、尿素は原尿の120倍の濃度に濃縮されることになります。
センター試験(2020年)類似

淡水魚の浸透圧調節

Q92 淡水魚の尿と体液の塩類濃度に関する記述として、正しいものはどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
淡水魚の尿の塩類濃度は、体液の塩類濃度よりも低い。
淡水魚は体内に流入する過剰な水分を排出する必要があるため、体液よりも塩類濃度が低い「薄い尿」を大量に排泄します。これにより、体液の塩類濃度を一定に保っています。一方、海水魚は体内の水分を保持するために、体液とほぼ等張な濃い尿を少量排泄する傾向があります。したがって、淡水魚の尿は体液よりも低張であり、海水魚の尿と比較しても塩類濃度は低い値となります。
共通テスト(2023年)類似

胆汁の脂肪消化促進作用

Q93 胆汁が脂肪の消化を促進する仕組みとして最も適切なものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
胆汁が脂肪を乳化して表面積を増大させ、リパーゼが作用しやすくする。
胆汁は肝臓で生成され、胆嚢を経て十二指腸に分泌される消化液である。胆汁自体には脂肪を分解する酵素は含まれていないが、胆汁酸塩が脂肪を乳化して微細な粒子に分散させる働きを持つ。これにより、水溶性の酵素であるリパーゼが脂肪と接触する表面積が飛躍的に増大し、脂肪の分解効率が著しく高まる。実験においてリトマスミルクの色が濃く変化するのは、分解によって生じた脂肪酸によりpHが低下した結果であり、胆汁が直接変色させるわけではない。
センター試験(2016年)類似

肝臓の代謝機能

Q94 肝臓の機能と生成物に関する組み合わせとして正しいものはどれか。
★★★ 標準 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
アンモニアの解毒:尿素の生成、脂肪の消化補助:胆汁の生成
肝臓は、タンパク質代謝の副産物であるアンモニアを尿素に変換して無毒化する重要な役割を果たしています。また、肝臓で生成される胆汁は、脂肪の乳化を促進し、消化酵素の働きを助ける役割を持ちます。アルブミンやフィブリンは肝臓で合成される血漿タンパク質ですが、脂肪の消化を直接助けるものではありません。
共通テスト(2021年)類似

ゾウリムシの収縮胞

Q95 淡水に生息するゾウリムシにおいて、細胞内に流入する過剰な水を体外へ排出する役割を担う細胞小器官はどれか。
★ やさしい 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
収縮胞
ゾウリムシなどの原生生物が淡水環境で生存するためには、浸透圧によって細胞内に流入し続ける水を能動的に排出する必要があります。この排出機能を担うのが収縮胞です。食胞は食物の消化、核は遺伝情報の保持、ミトコンドリアはエネルギー産生をそれぞれ主な役割としています。
センター試験(2015年)類似

肝臓の機能

Q96 肝臓の機能に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
胆汁を生成し、脂肪の消化を助ける。
肝臓は胆汁を生成する器官であり、胆汁は胆のうに蓄えられた後、十二指腸に分泌されて脂肪の乳化を促進し、消化を助ける役割を担う。他の選択肢について、尿素はアンモニアから肝臓で合成されるものであり逆ではない。また、ヘモグロビンの分解産物であるビリルビンは胆汁に含まれるが、グロブリンへの変換は肝臓の主要機能ではない。さらに、消化酵素やホルモンの分泌は膵臓などの役割である。
センター試験(2016年)類似

心臓の構造と血液循環

Q97 ヒトの心臓において、肺から戻ってきた酸素を多く含む動脈血を、大動脈を通じて全身へ送り出すポンプの役割を担う部位として最も適切なものはどれか。
★ やさしい 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
左心室
心臓は4つの部屋に分かれており、左心室は全身へ血液を送り出すための最も厚い筋肉壁を持つ部位である。肺から肺静脈を通って左心房に戻った酸素を多く含む血液は、左心室を経て大動脈へと拍出される。右心室は肺へ血液を送る役割を担い、心房は血液を受け入れる役割を持つため、全身への送血という機能から左心室が正解となる。
センター試験(2020年)類似

抗体産生における細胞間相互作用

Q98 ある実験において、B細胞と抗原のみを培養した場合と、B細胞、抗原、およびヘルパーT細胞を含むリンパ球を共存させて培養した場合を比較した。この結果から導かれる考察として最も適当なものを次から選べ。
★★★ 標準 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
リンパ球の共存は、B細胞の抗体産生細胞への分化を促進する相互作用に関与している。
実験結果において、B細胞と抗原のみの条件よりも、他のリンパ球を共存させた条件で抗体産生細胞数が大幅に増加することは、B細胞の分化に他のリンパ球が関与していることを示している。これは、ヘルパーT細胞が抗原提示を受けたB細胞に対してシグナルを送り、分化を誘導する相互作用が働いているためである。この相互作用は、生体内で効率的に抗体を産生するために不可欠なプロセスである。
センター試験(2020年)類似

塩類細胞の機能

Q99 塩類細胞が能動輸送を行うために必要なエネルギー供給源として、細胞内で特に発達している細胞小器官はどれか。
★ やさしい 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ミトコンドリア
塩類細胞は、外界と体内の塩分濃度の差を克服するために、塩類を能動的に輸送する必要がある。この輸送には多量のエネルギーが必要となるため、細胞内にはエネルギー通貨であるATPを効率よく生成するミトコンドリアが非常に多く存在している。リボソームはタンパク質合成、中心体は細胞分裂、液胞は物質の貯蔵や分解に関与するが、塩類輸送の直接的な動力源供給にはミトコンドリアが深く関わっている。
共通テスト(2026年)類似

ワクチン接種と感染者数

Q100 ワクチン接種が感染症の流行に与える影響について、生物学的な観点から述べたものとして最も適切なものはどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ワクチン接種は、獲得免疫の仕組みを利用して、特定の病原体に対する二次応答を迅速化させる。
ワクチンは、病原体の抗原成分を体内に導入することで、獲得免疫の記憶細胞を形成させる。これにより、実際に病原体が侵入した際、免疫系が迅速に反応して抗体を大量に産生する二次応答が起こり、発症や重症化が抑えられる。これは病原体を完全に排除するものではなく、感染後の症状を軽減させる効果が主である。自然免疫の強化や体細胞分裂の促進とは異なる。
共通テスト(2022年)類似

パルスオキシメーターの原理

Q101 パルスオキシメーターの測定原理に関する記述として、誤っているものはどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
赤外光の透過量は血中の酸素飽和度の変化に依存せず一定である
パルスオキシメーターでは、赤色光(約660nm)と赤外光(約940nm)の2種類の波長を用います。酸素ヘモグロビンとヘモグロビンは、これらの波長域でそれぞれ異なる吸収特性を示します。赤外光の吸収率も酸素飽和度によって変化するため、両者の透過量の比率を計算することで酸素飽和度を推定します。したがって、赤外光の透過量が一定であるという記述は誤りです。
センター試験(2018年)類似

自律神経とホルモンによる調節

Q102 脊椎動物の体内環境の恒常性維持において、自律神経やホルモン分泌を統合的に制御する中枢として最も適切な器官はどれか。
★ やさしい 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
視床下部
視床下部は間脳の一部であり、自律神経系と内分泌系の両方の調節中枢として機能する。体温調節や血糖値の維持など、恒常性維持に不可欠な情報を統合し、適切な指令を出す。小脳は運動の調節や平衡感覚を司り、脳下垂体後葉は視床下部で生成されたホルモンを放出する部位であり、調節の中枢ではない。
共通テスト(2021年)類似

バソプレシン

Q103 ヒトの体液の恒常性維持において、血液中の塩類濃度が上昇した際に脳下垂体後葉から分泌され、腎臓の集合管における水の再吸収を促進するホルモンはどれか。
★ やさしい 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
バソプレシン
バソプレシンは、体内の水分が不足し血液の浸透圧(塩類濃度)が上昇した際に、脳下垂体後葉から分泌されるホルモンである。このホルモンは腎臓の集合管に作用して細胞膜の水の透過性を高め、原尿からの水の再吸収を促進することで、尿量を減少させ体内の水分量を保持する役割を担っている。
共通テスト(2022年)類似

酸素解離曲線による酸素濃度の推定

Q104 ある環境下において、動脈血の酸素飽和度が80%であり、組織における酸素飽和度が40%であるとき、組織で解離された酸素の割合として最も適切なものはどれか。
★★★ 標準 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
40%
組織で解離された酸素の割合は、動脈血が運んできた酸素飽和度から、組織に到達した時点での酸素飽和度を差し引くことで算出できる。本問では80%から40%を引いた値が、組織においてヘモグロビンから離れて細胞へ供給された酸素の割合となるため、計算結果は40%となる。
センター試験(2016年)類似

組織液

Q105 組織液の生成と体内環境の維持に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
組織液は血しょう成分が毛細血管から染み出したものであり、細胞への物質供給の仲介役を担う。
組織液は、血液の血しょう成分が毛細血管の壁を通過して細胞の周囲に染み出したものです。この液体を介して、血液中の酸素や栄養分が細胞へ供給され、細胞から排出された二酸化炭素や老廃物が血液やリンパ管へと回収されます。このように、組織液は細胞と血液との間で物質交換を行うための重要な媒体として機能しており、体内環境の恒常性維持に不可欠な役割を果たしています。
共通テスト(2022年)類似

酸素解離曲線による酸素濃度の推定

Q106 酸素解離曲線において、酸素濃度とヘモグロビンの酸素飽和度の関係を説明する記述として最も適当なものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
酸素濃度が高くなると、ヘモグロビンは酸素と結合しやすくなり、酸素飽和度は上昇する。
ヘモグロビンは酸素濃度が高い肺などの環境では酸素と結合し、酸素濃度が低い組織などの環境では酸素を解離する性質を持つ。この性質により、酸素解離曲線はS字状のカーブを描き、酸素濃度の上昇に伴って酸素飽和度が高まる関係を示す。この仕組みが効率的な酸素の運搬を可能にしている。
共通テスト(2022年)類似

パルスオキシメーターの原理

Q107 パルスオキシメーターが動脈血中の酸素飽和度を測定する原理として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ヘモグロビンと酸素ヘモグロビンが特定の波長の光を吸収する度合いの差を利用している
パルスオキシメーターは、酸素と結合した酸素ヘモグロビンと、結合していないヘモグロビンが、赤色光および赤外光に対して異なる光吸収特性を持つことを利用しています。この吸収率の差を解析することで、動脈血中の酸素飽和度を非侵襲的に測定します。なお、脈拍の頻度は、心拍動に伴う血管内の血流量変化による光の透過量の時間的変動を解析することで得られます。

生態と進化(142問)の一問一答問題

共通テスト(2025年)類似

日本の自然植生

Q1 日本の山地において、標高の上昇に伴う気温低下により、照葉樹林から夏緑樹林へと植生が変化する現象の背景にある原理として、最も適切なものはどれか。
★★★★ 難問 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
垂直分布における気温の低下が、植物の光合成速度や生育期間を制限するため。
植物の分布は気温と密接に関係しており、標高が100m上昇するごとに気温は約0.6度低下する。この気温低下は植物の代謝速度や生育期間に影響を及ぼす。照葉樹林を構成する常緑広葉樹は温暖な環境に適応しているが、気温が低下すると生育が困難になるため、より低温に耐性のある夏緑樹林や針葉樹林へと植生が入れ替わる。
共通テスト(2023年)類似

指標Nによる植生の季節変動解析

Q2 温帯に位置する落葉広葉樹林において、指標Nの季節変動を観測した際に見られる現象として最も適当なものはどれか。
★★★ 標準 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
夏期には光合成が活発に行われるため指標Nの値は上昇し、冬期には落葉により指標Nの値は低下する。
落葉広葉樹林は季節による環境変化が大きく、春から夏にかけて葉を展開して光合成を活発に行う。指標Nは葉の量や活性を反映するため、この時期に値が上昇する。冬期には葉を落とすため、地表からの反射特性が変化し、指標Nの値は低下する。熱帯多雨林のような常緑樹林とは異なり、明確な季節変動を示すのが特徴である。
センター試験(2016年)類似

バイオーム

Q3 赤道に近い高温多湿な地域に形成される、常緑広葉樹を主体とするバイオームとして最も適切なものはどれか。
★ やさしい 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
熱帯多雨林
バイオームの分布は、主に気温と降水量によって決定されます。赤道付近の高温多湿な環境では、一年を通じて植物の成長に適した条件が整っているため、常緑広葉樹を主体とする熱帯多雨林が発達します。一方、それより高緯度で季節変化がある地域では、同じく常緑広葉樹であっても、葉の表面にクチクラ層が発達した照葉樹林が分布します。硬葉樹林は地中海性気候のような乾燥帯に、常緑針葉樹林はより寒冷な地域に見られます。
センター試験(2015年)類似

バイオームの分布

Q4 年平均気温と年降水量の関係からバイオームを分類する際、気温が低く降水量が少ない領域に位置するバイオームの特性に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★★ 標準 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
砂漠では、乾燥に適応した多肉植物や一年生植物が多く見られる。
砂漠は極端な乾燥と気温の変動が特徴であり、植物は乾燥に耐えるための多肉植物や、雨季に短期間で成長・結実する一年生植物が適応している。ツンドラは寒冷で樹木が育たず、地衣類やコケ植物が主である。針葉樹林は冷涼な気候に適応した森林であり、サバンナは熱帯・亜熱帯の降水量が少ない地域に成立する草原である。
共通テスト(2026年)類似

外来生物の駆除と生態系への影響

Q5 外来生物の駆除が生態系に与える影響について、最も適切な記述を次のうちから一つ選べ。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
捕食・被食関係において、外来生物が特定の在来種を抑制していた場合、その駆除によって別の在来種が競争で排除される可能性がある。
生態系は複雑な捕食・被食関係や競争関係で成り立っている。例えば、外来魚が特定の在来種を捕食している場合、その外来魚を駆除すると、捕食圧から解放された在来種が急増し、その結果、別の在来種との資源競争が激化して、かえってその在来種が減少する事態が起こり得る。したがって、駆除を行う際は単一の種への影響だけでなく、生態系全体の相互作用を考慮した慎重な評価が不可欠である。
センター試験(2016年)類似

雨緑樹林の樹種

Q6 雨緑樹林の環境特性と分布する樹種の関係について、誤っているものを一つ選べ。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
スダジイは雨緑樹林の代表的な樹種として広く分布している。
スダジイは照葉樹林を代表する常緑広葉樹であり、雨緑樹林の構成樹種ではない。雨緑樹林は季節的な乾燥に適応した落葉広葉樹が優占する森林であり、チークはその代表例である。照葉樹林は温帯で比較的降水量が多い地域に成立するため、雨緑樹林とは環境条件が大きく異なる。
共通テスト(2022年)類似

下水処理における窒素除去

Q7 下水処理の脱窒過程において、脱窒菌が果たす役割として正しいものはどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
硝酸イオンを還元して窒素ガスを生成し、大気中へ放出する。
脱窒とは、酸素の少ない環境下で脱窒菌が硝酸イオンや亜硝酸イオンを電子受容体として利用し、窒素ガスへと還元する反応です。この過程により、水中に溶存していた窒素化合物が気体となって大気中に放出され、水質浄化が行われます。アンモニウムイオンを硝酸イオンに変えるのは硝化菌の働きであり、窒素固定は窒素ガスをアンモニア等に変換する反応であるため、これらとは区別する必要があります。
センター試験(2016年)類似

個体数変動の要因

Q8 ある草原におけるヤチネズミの個体数変動に関する記述として、負のフィードバックの仕組みを正しく説明しているものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
個体数が増加すると、捕食者の増加や資源不足による死亡率の上昇が生じ、個体数が減少する。
生物の個体数は、環境収容力に近い範囲で一定に保たれる傾向がある。これは負のフィードバックによる制御である。個体数が増えると、捕食圧の増大や食物などの資源不足により、出生率の低下や死亡率の上昇が起こり、個体数は減少に転じる。逆に個体数が減ると、資源の利用効率が改善し、出生率が高まることで個体数は回復する。他種の侵入や資源の枯渇は個体数変動の要因となり得るが、負のフィードバックの直接的な説明としては不適切である。
センター試験(2016年)類似

雨緑樹林

Q9 雨緑樹林の生態的特徴に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★ やさしい 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
乾燥に適応して、乾季になると一斉に落葉する
雨緑樹林は、降水量が著しく減少する乾季を持つ地域に成立する。この環境下では、植物は水分を保持するために、乾燥期に葉を落とすという適応を示す。多肉植物が優占するのは砂漠などの乾燥地帯であり、草本が主体となるのは草原などである。雨緑樹林はあくまで森林であり、季節的な落葉がその名称の由来となっている。
共通テスト(2022年)類似

標高とバイオームの分布

Q10 気温の垂直的な変化がバイオームの分布に与える影響に関する記述として、最も適当なものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
標高が高くなるほど気温が低下するため、標高500メートル付近の夏緑樹林から、より寒冷な環境に適した針葉樹林へと植生が変化する。
バイオームの分布は主に気温と降水量によって決定されます。山岳地帯では標高が100メートル上がるごとに気温が約0.6度低下するため、標高差に伴う気温の変化が植生の垂直分布を生み出します。一般に標高500メートル付近では夏緑樹林が成立しますが、標高1500メートル付近まで上昇すると気温が低下し、より寒冷な環境に適応した針葉樹林へとバイオームが変化します。
センター試験(2015年)類似

日本のバイオーム

Q11 日本のバイオームにおける樹木の特性と分布に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★★ 標準 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
照葉樹林は常緑樹が優占し、夏緑樹林は落葉樹が優占する。
日本のバイオームにおいて、照葉樹林は常緑広葉樹が優占する森林であり、葉の表面が光沢を持つのが特徴である。一方、夏緑樹林は季節による気温変化が明確な地域に分布し、冬期に落葉する落葉広葉樹が優占する。針葉樹林はさらに冷涼な地域に分布し、常緑針葉樹が優占することが多い。
センター試験(2017年)類似

雨緑林と硬葉樹林の有機物生産量比較

Q12 雨緑林と硬葉樹林の生態系における年間有機物生産量を比較したとき、その傾向として最も適切なものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
雨緑林の有機物生産量は、硬葉樹林の有機物生産量よりも大きい。
有機物生産量は、地域の気候条件、特に気温と降水量に大きく依存する。雨緑林は雨季と乾季が明瞭な熱帯・亜熱帯地域に分布し、生育期間中の高い気温と十分な降水により高い生産量を示す。一方、硬葉樹林は地中海性気候など、夏に乾燥し冬に湿潤な地域に分布するため、乾燥ストレスにより年間を通じた生産量は雨緑林よりも低くなる傾向がある。
共通テスト(2024年)類似

湖沼の遷移と生態系

Q13 湖沼における遷移の過程に関する記述として最も適当なものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
湖沼の遷移において、水深が浅くなるにつれて沈水植物から抽水植物へと植生が変化する。
湖沼の遷移は、流入する土砂の堆積により水深が浅くなることで進行します。この環境変化に伴い、水底に沈む沈水植物から、水面から茎を出す抽水植物、そして湿生植物へと植生が順次入れ替わり、最終的には陸上植物による森林へと遷移します。動物プランクトンは消費者であり、生産者ではありません。
共通テスト(2025年)類似

死体の有機物分解

Q14 埋められた死体に含まれる有機物の分解過程とエネルギーの行方について、誤っている記述はどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
埋められた有機物は、分解者の活動に関わらず、すべて大気中に放出される。
有機物の分解は、分解者の生命活動(呼吸など)を伴う生物学的なプロセスです。燃焼させた場合は急速に無機物となって大気中に放出されますが、埋められた場合は土壌微生物の代謝を経て、無機物として土壌中に蓄積されたり、植物に再吸収されたりして生態系内で循環します。したがって、すべてが大気中に放出されるという記述は誤りです。
共通テスト(2026年)類似

一次遷移

Q15 一次遷移における土壌の形成と層状構造の発達について、その背景にある生態学的変化として最も適切なものはどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
植物の枯死体や微生物の働きにより、土壌中の有機物量が増加する。
一次遷移において土壌が形成される主な要因は、植物の枯死体や排出物が微生物によって分解され、有機物として蓄積されることである。この有機物の蓄積が土壌の肥沃度を高め、より多様な植物の生育を可能にする。風化作用も重要だが、生物的な有機物の供給が層状構造の発達には不可欠である。
センター試験(2020年)類似

バイオームの生産者

Q16 熱帯・亜熱帯の地域において、雨季と乾季がはっきりと分かれている環境で形成される雨緑樹林の代表的な生産者として最も適当なものはどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
チーク
雨緑樹林は、乾季に落葉して乾燥をしのぐ樹木が優占するバイオームであり、チークがその代表例である。イネのなかまはステップの草本、ヒルギ類はマングローブを形成する塩生植物、ブナは夏緑樹林の代表的な生産者である。バイオームの分布は、主に気温と降水量の年変化によって決定される。
共通テスト(2023年)類似

硝化細菌による窒素化合物の変換

Q17 硝化細菌が関与する窒素循環のプロセスにおいて、アンモニウムイオンから硝酸イオンへ変換される反応の化学的な性質として、最も適切なものはどれか。
★★★★ 難問 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
この反応は酸化反応であり、硝化細菌はアンモニウムイオンを酸化することで得られるエネルギーを利用している。
硝化細菌は化学合成独立栄養生物であり、アンモニウムイオンを酸化して亜硝酸イオンや硝酸イオンにする過程で放出される化学エネルギーを利用して、二酸化炭素から有機物を合成します。これは光合成とは異なり、光を必要としない独立栄養の形態です。窒素固定は窒素分子をアンモニウムイオン等に変換する反応であり、本問のプロセスとは異なります。
共通テスト(2025年)類似

日本の自然植生

Q18 日本の植生分布に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★★ 標準 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
針葉樹林は、主に亜高山帯や北海道などの冷涼な地域に分布する。
日本のバイオームは気温の勾配に沿って垂直的・水平的に変化する。標高の高い亜高山帯や、緯度が高い北海道などの冷涼な地域では、耐寒性の高い針葉樹林が優占する。照葉樹林は低地帯に分布し、標高が上がると夏緑樹林へと移行する。植生分布は降水量だけでなく、年平均気温が決定的な要因となっている。
共通テスト(2025年)類似

分解速度

Q19 ある森林生態系において、気温の低下により土壌中の細菌や菌類の代謝速度が著しく低下した。このとき、生態系内で起こる現象として最も適切なものはどれか。
★★★ 標準 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
遺骸の分解速度が低下し、有機物の蓄積が進む
分解者の代謝速度が低下すると、遺骸から無機物への分解プロセスが滞ります。その結果、分解されずに残る有機物(リターなど)が土壌中に蓄積しやすくなります。これは寒冷地や湿地などで分解速度が遅い場合に顕著に見られる現象であり、生態系における物質循環の停滞を示しています。
共通テスト(2022年)類似

下水処理における窒素除去

Q20 下水処理場において、水中の窒素化合物を除去するプロセスに関する記述として最も適当なものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
微生物の働きにより、有機態窒素を無機窒素化合物へ変換した後に脱窒を行う。
下水処理における窒素除去は、まず微生物による有機態窒素の分解・酸化を経てアンモニウムイオンや硝酸イオンといった無機窒素化合物が生成される過程から始まります。その後、酸素の少ない環境下で脱窒菌が硝酸イオンなどを窒素ガスに還元する脱窒過程を経て、水中の窒素が除去されます。窒素固定は空気中の窒素を取り込む反応であり、本プロセスとは逆の働きを指します。
共通テスト(2024年)類似

外来生物の影響

Q21 外来生物が導入された際、在来種の生存を脅かす要因として最も不適切なものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
外来生物が在来種の生息環境を改善し、生物多様性が向上する。
外来生物の影響は、主に在来種との競合、捕食、病原体の持ち込みなど、生態系のバランスを崩す負の側面が強調されます。外来生物の侵入は、特定の種を排除したり生態系を単純化させたりすることが一般的であり、生物多様性を向上させることは通常ありません。なお、クズが北米で樹木を覆い枯死させる事例などは、植物間での競合や被覆による悪影響の代表例です。
共通テスト(2024年)類似

外来生物の管理

Q22 外来生物が侵入し、在来の生態系に悪影響を及ぼしている状況において、根絶が現実的に困難な場合にとるべき最も適切な管理手法として、最も適当なものを次から選べ。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
定期的な除去作業を行い、個体数を低密度に維持して生態系への影響を最小限に抑える
外来生物の管理において、根絶が困難な場合は、定期的な除去を継続して個体数を低密度に維持することが、在来種への被害を軽減する現実的かつ有効な手段である。天敵の導入は新たな外来種問題を引き起こすリスクがあり、放置や駆除の先送りは外来生物の定着・拡大を助長し、生態系をより深刻な状況に追い込むため不適切である。
センター試験(2015年)類似

地球温暖化の原因

Q23 地球温暖化の原因に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
メタンは二酸化炭素と比較して、分子あたりの温室効果が非常に高い。
地球温暖化は温室効果ガスの増加によって引き起こされる。二酸化炭素が主要な原因であるが、メタンも強力な温室効果を持つガスであり、その増加は温暖化を促進する要因となる。酸素や窒素は温室効果にほとんど寄与せず、オゾン層の減少は主に紫外線透過量の増加に関わる現象であり、温暖化の直接的な原因とはみなされない。
共通テスト(2021年)類似

バイオームの分布と気候

Q24 バイオームの分布を決定する主要な気候要因として、年平均気温と年降水量が挙げられる。森林が成立するための境界線Pよりも年降水量が少ない領域において、一般的に見られる植生の特徴として最も適当なものを次から選べ。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
降水量が極めて少なく、樹木が生育できない
バイオームの分布は、年平均気温と年降水量という2つの気候要因によって大きく規定される。森林が成立するためには一定以上の降水量が必要であり、境界線Pよりも降水量が少ない領域では、樹木の生育に必要な水分が不足するため、森林は成立せず、砂漠や草原などのバイオームが形成される。したがって、樹木が生育できないという記述が適切である。
センター試験(2017年)類似

バイオームの有機物生産量

Q25 バイオームの有機物生産量と気候条件の関係について、最も適切な記述を次のうちから一つ選べ。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
年平均気温が同じ条件であれば、一般に年降水量が多いバイオームほど有機物生産量は大きくなる。
バイオームの有機物生産量は、主にその地域の気候条件である年平均気温と年降水量に強く依存する。植物の光合成速度や成長速度は、水分の供給量に大きく影響を受けるため、気温が一定であれば、降水量が多いほど植物の生産活動が活発になり、有機物生産量は増大する傾向にある。したがって、乾燥した地域よりも湿潤な地域の方が、一般的に高い生産量を示す。
センター試験(2016年)類似

人間活動と生態系

Q26 人間活動が地球環境に与える影響について、化石燃料の大量消費と地球温暖化の関係を説明する記述として最も適切なものはどれか。
★★ 基本 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
化石燃料の燃焼により放出された二酸化炭素が温室効果を高め、地球温暖化を促進する。
化石燃料(石炭、石油、天然ガス)は炭素を主成分としており、燃焼によって大量の二酸化炭素を排出します。二酸化炭素は温室効果ガスの一種であり、大気中の濃度が上昇することで地表からの熱放射を吸収し、地球全体の平均気温を上昇させる地球温暖化の原因となります。
共通テスト(2026年)類似

絶滅の危機と生態系

Q27 生態系において、食物網の上位に位置し、その存在が他の多くの生物種の生存に決定的な影響を与える種を何と呼ぶか。
★ やさしい 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
キーストーン種
キーストーン種は、生態系においてその個体数は多くなくても、食物網の構造や生物多様性の維持に極めて大きな役割を果たす生物種を指す。この種が絶滅すると、捕食関係のバランスが崩れ、連鎖的に他の多くの種が減少したり、生態系全体の構造が変容したりする。生物多様性の保全において、これらの種の保護は特に重要視されている。
共通テスト(2022年)類似

食物連鎖における栄養段階

Q28 生態系における栄養段階の定義に関する説明として、最も適切なものはどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
栄養段階とは、食物連鎖においてエネルギーが転送される段階的な位置関係を指す
栄養段階(トロフィックレベル)は、食物連鎖における生物の食性に基づいた段階的な位置付けです。生産者を第1段階とし、そこからエネルギーを得る一次消費者、二次消費者と順に高次へ進みます。この概念は、生態系内での物質循環やエネルギーの流れを理解するための基本的な枠組みであり、個体数やバイオマス量そのものとは区別されます。
共通テスト(2025年)類似

津波の時間空間スケール

Q29 自然現象の時間スケールと空間スケールの関係において、津波の特性として最も適切な記述はどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
空間スケールは数百キロメートルに及ぶが、時間スケールは数分から数時間程度である。
津波は地震に伴う地殻変動によって発生し、その波長は数百キロメートルに達する広大な空間スケールを持つ。一方で、その伝播速度は速く、発生から到達までの時間スケールは数分から数時間と非常に短い。これは、数日から数週間にわたって影響を及ぼす台風や、数年単位で変動するエルニーニョ現象と比較して、極めて短い時間で推移する現象である。
センター試験(2017年)類似

熱帯多雨林の有機物分解

Q30 熱帯多雨林において、土壌中の有機物量が少ない理由を説明する論理として最も適切なものはどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
分解速度が供給速度を上回るため、有機物が蓄積される前に無機化されるから。
生態系における有機物量は、供給量と分解量のバランスで決まります。熱帯多雨林では、植物の生産量も多いですが、それ以上に高温多湿な環境下での分解者の活動が極めて活発です。分解速度が供給速度を大幅に上回るため、土壌中に有機物が留まる時間が短く、結果として有機物量は少ない状態に保たれます。
センター試験(2016年)類似

雨緑樹林の樹種

Q31 雨緑樹林に関する記述として最も適当なものを、次のうちから一つ選べ。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
雨緑樹林は、乾季に落葉する樹木からなる森林であり、代表的な樹種としてチークが挙げられる。
雨緑樹林は、熱帯や亜熱帯の地域で、雨季と乾季がはっきりしている場所に成立するバイオームである。乾季には乾燥に適応して落葉する樹木が多く、その代表的な樹種がチークである。ガジュマルは亜熱帯多雨林、シラビソは亜高山帯の針葉樹林、ヒルギはマングローブを形成する樹種であり、それぞれ分布する環境が異なる。
共通テスト(2026年)類似

絶滅の危機と外来生物

Q32 生物多様性が低下することによって生じる影響として、最も適切なものを選べ。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
生態系サービスが損なわれ、人間の生活や社会にも悪影響が生じる。
生物多様性は、食料供給、水質浄化、気候調節など、人間が生存するために不可欠な恩恵である「生態系サービス」の基盤である。多様性が低下すると、これらの機能が維持できなくなり、結果として人間の生活基盤も脅かされる。食物網の単純化は、環境変化に対する脆弱性を高め、生態系の安定性を低下させるため、生物多様性の保全は極めて重要である。
センター試験(2020年)類似

温室効果ガス

Q33 地球温暖化に関連する温室効果ガスの性質に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
温室効果ガスは、地表から放射される赤外線を吸収し、再び放出することで気温を上昇させる。
温室効果ガスは、地球が太陽から受け取ったエネルギーを宇宙へ放出する際、その一部である赤外線を吸収・再放射することで熱を大気中に留める役割を持つ。この濃度が人間活動により上昇すると、熱の保持量が増え、地球温暖化が進行する。フロンは強力な温室効果ガスであり、メタンも二酸化炭素より分子あたりの温室効果が高い。
共通テスト(2026年)類似

光合成速度と環境適応

Q34 植物の光合成速度と環境適応に関する記述として最も適当なものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
乾燥耐性が高い種は、水やり回数が少ない条件でも光合成速度が低下しにくい傾向がある。
植物の光合成速度は、光強度や温度だけでなく、水分の利用可能性にも大きく依存する。乾燥耐性が高い種は、水不足の環境下でも気孔の開閉調節や代謝の維持を通じて光合成速度の低下を抑制する適応を持っている。一方、乾燥に弱い種は水不足により気孔が閉鎖し、二酸化炭素の取り込みが制限されるため、光合成速度が著しく低下する。この特性の違いが、特定の環境下での優占種を決定する要因となる。
共通テスト(2021年)類似

生態系における個体数と環境要因の相互作用

Q35 生態系において、草食動物であるヌーの個体数が急増した際、森林面積の維持に寄与する要因として最も適切なものはどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
草本の現存量が減少し、乾季の火災の発生頻度が低下することで樹木の焼失が抑制される。
ヌーのような草食動物の個体数が増加すると、餌となる草本の現存量が減少します。草本は乾季に枯れると火災の燃料となりますが、草本が減少することで火災が広がりにくくなります。火災は樹木の幼木を焼失させる主要な要因であるため、火災の発生頻度が低下することは、結果として森林面積の維持や拡大に寄与するという生態系内の相互作用が働いています。
共通テスト(2024年)類似

外来生物の管理

Q36 外来生物の管理に関する記述として、生態系の保全の観点から最も妥当なものを次から選べ。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
外来生物の除去は、生態系への影響を考慮し、継続的かつ計画的に実施する必要がある
外来生物の管理では、侵入初期の迅速な対応が重要であり、放置は被害の拡大を招く。根絶が困難な場合でも、継続的な除去によって低密度に抑えることで、在来種の生存空間を確保できる。一度に大量の除去を行うことは、生態系に急激な変化を与え、かえって不安定化させる可能性があるため、計画的な管理が求められる。
共通テスト(2021年)類似

地球温暖化によるバイオームの変化

Q37 地球温暖化に伴うバイオームの遷移において、植物の分布が変化する生物学的な理由として最も適切なものを一つ選べ。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
各植物種には生育に適した気温や降水量の範囲があり、気候の変化がその範囲を移動させるため
植物は移動できないため、気候変動に対しては種子散布による分布域の拡大と、適応できない環境での枯死というプロセスを経てバイオームが遷移する。各植物種は生理学的に生存・繁殖可能な気候条件(ニッチ)を持っており、温暖化はその条件を満たす地理的範囲を極地や高標高側へ押し上げるため、バイオームの分布もそれに追随して変化する。
共通テスト(2021年)類似

地球温暖化によるバイオームの変化

Q38 ある寒冷な地域において、地球温暖化によって年平均気温が数度上昇したとする。このとき、現在「落葉広葉樹林」が広がっている地点のバイオームは、将来的にどのようなバイオームへ遷移する可能性が高いか。最も適切なものを一つ選べ。
★★★ 標準 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
常緑広葉樹林
バイオームの分布は気温と降水量によって決まる。落葉広葉樹林は温帯の比較的冷涼な地域に分布するが、温暖化により気温が上昇すると、より温暖な気候を好む常緑広葉樹林の分布域が拡大し、既存の落葉広葉樹林と置き換わる遷移が進むと考えられる。常緑針葉樹林やツンドラはより寒冷な環境に適応したバイオームである。
共通テスト(2025年)類似

日本の自然植生

Q39 日本の自然植生において、九州から関東にかけての低地帯に広く分布し、シイ類やカシ類などの常緑広葉樹が優占するバイオームはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
照葉樹林
日本の自然植生は気温の南北差や標高差に強く影響を受ける。九州から関東にかけての温暖な低地帯では、光沢のある葉を持つ常緑広葉樹が優占する照葉樹林が発達する。これより冷涼な地域では落葉広葉樹を中心とする夏緑樹林が、さらに寒冷な山地帯や北海道では針葉樹林が分布する。亜熱帯多雨林は主に南西諸島などのより温暖な地域に限定される。
共通テスト(2025年)類似

人為起源の地球温暖化の時間空間スケール

Q40 人為起源の地球温暖化が持つ時間スケールと空間スケールの特徴として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
数十年から百年単位の時間スケールで、地球規模の空間スケールを持つ。
人為起源の地球温暖化は、温室効果ガスの蓄積に伴い、数十年から百年という長期的なスパンで進行する現象です。その影響は特定の地域にとどまらず、大気循環を通じて地球規模の空間スケールで現れます。台風や局地的な気象現象はこれよりもはるかに短い時間・空間スケールで発生するため、温暖化のような長期的かつ広域的な現象とは明確に区別されます。
共通テスト(2023年)類似

水槽からの窒素除去操作

Q41 閉鎖的な水槽生態系において、水中の窒素化合物を系外へ効率的に取り除くための最も適切な操作はどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
窒素を吸収して成長した水草を物理的に水槽から取り出す
水槽のような閉鎖系では、窒素は炭素と異なり大気中へ放出される経路が限られています。水草は光合成を通じて水中の窒素を取り込み、自身の体内に有機窒素として蓄積します。この水草を水槽から物理的に除去することで、初めて窒素を系外へ排出することが可能です。魚を増やすことは窒素の排出源を増やすことになり、光量の調整だけでは窒素は系内に留まるため、除去にはつながりません。
共通テスト(2025年)類似

人為起源の地球温暖化の時間空間スケール

Q42 自然現象や人為起源の現象を時間スケールと空間スケールで比較したとき、人為起源の地球温暖化が他の現象と比べて際立っている点はどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
エルニーニョ現象よりも時間スケールが長く、空間スケールも大きい。
地球温暖化は、数十年から百年単位の非常に長い時間スケールと、地球規模の空間スケールを持つ現象です。数年周期で発生するエルニーニョ現象や、数日単位の台風、数分から数時間の津波と比較しても、温暖化は時間的・空間的に極めて大きな広がりを持っています。このスケールの大きさこそが、地球環境全体に及ぼす影響の深刻さと対策の難しさを象徴しています。
センター試験(2017年)類似

熱帯多雨林の有機物分解

Q43 熱帯多雨林の土壌環境において、落葉・落枝が供給された直後の変化として適切なものはどれか。
★★★ 標準 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
分解者による代謝が活発に進み、有機物から無機物への変換が短期間で完了する。
熱帯多雨林では、高い気温と十分な水分が微生物の代謝を促進します。このため、植物遺体である落葉・落枝は急速に分解されます。この過程で有機化合物は無機物へと分解され、植物が再び利用可能な状態になります。このサイクルが非常に速いため、土壌中に有機物が蓄積されにくいのが特徴です。
共通テスト(2021年)類似

硬葉樹林の特徴

Q44 地中海性気候の特徴として、夏季の降水量が少なく冬季の降水量が多い地域に成立するバイオームはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
硬葉樹林
硬葉樹林は、夏に乾燥し冬に比較的温暖で雨が多い地中海性気候に適応したバイオームである。オリーブやコルクガシなどが代表的で、乾燥した夏に耐えるために葉が硬く小さく進化している。一方、雨緑樹林は雨季と乾季が明瞭な熱帯・亜熱帯に分布し、乾季に落葉する特徴がある。
共通テスト(2021年)類似

バイオームの分布と気候

Q45 バイオームの分布と気候の関係において、森林が成立する条件として正しい記述を次から選べ。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
年平均気温と年降水量がともに一定の基準を超えると森林が成立する
バイオームの分布図において、森林が成立する領域は、年平均気温と年降水量の両方の値が一定の基準を満たす範囲に限定される。気温が低すぎると樹木の成長が阻害され、降水量が少なすぎると乾燥に耐えられないため、森林は成立しない。この境界線Pは、森林が成立するために必要な最低限の気温と降水量の組み合わせを示している。
センター試験(2018年)類似

一次遷移と二次遷移の比較

Q46 一次遷移と二次遷移の比較に関する記述として誤っているものはどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
二次遷移は、土壌が形成される過程を必須とするため、一次遷移よりも進行速度が遅い。
二次遷移は既に土壌が存在する場所から始まるため、土壌形成の過程を待つ必要がなく、一次遷移と比較して進行速度が速い。選択肢の記述は、一次遷移と二次遷移の進行速度の比較および土壌形成の必要性について逆の説明をしているため誤りである。一次遷移は土壌がゼロから形成される必要があるため、長い時間を要する。
共通テスト(2026年)類似

一次遷移

Q47 溶岩流などの裸地から始まる一次遷移において、遷移が進行する過程で土壌が形成され、層状構造が発達する。この過程に関する記述として最も適当なものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
遷移の初期に現れる先駆種は、栄養の乏しい土壌でも生育できる高い耐性を持つ。
一次遷移は、土壌が存在しない裸地から始まる。初期に侵入する先駆種(パイオニア種)は、栄養分が乏しく乾燥しやすい環境でも生育できる高い耐性を持つ。植物の枯死体や微生物の分解活動により、徐々に土壌が形成され、有機物量が増加することで層状構造が発達する。この過程で生育可能な植物種は多様化し、生態系は複雑化していく。
センター試験(2018年)類似

極相林の特徴

Q48 遷移が進行し、最終段階である極相に達した森林の特徴として最も適切なものを次の中から一つ選べ。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
種の構成が全体として大きく変化せず、安定した状態が維持される。
遷移の最終段階である極相(クライマックス)では、その環境条件に適した種が安定して存在し続けるため、森林全体の種の構成は大きく変化しなくなります。極相林では陰樹が優占し、林床は暗くなるため、陽樹の稚樹は成長しにくく、陽樹から陰樹へと優占種が交代する遷移のプロセスは停止したように見えます。この安定した状態が極相の特徴です。
共通テスト(2021年)類似

硬葉樹林の特徴

Q49 硬葉樹林の樹木が持つ適応的な特徴として最も適切なものはどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
乾燥した夏季に備えて葉が硬く小さく発達している
硬葉樹林が成立する地中海性気候では、夏季に高温乾燥となり、降雨が蒸発しやすいため水分保持が重要となる。そのため、オリーブなどの硬葉樹林を構成する樹木は、蒸散を抑えるために葉が硬く小さく、クチクラ層が発達した形態をとることで乾燥に適応している。
共通テスト(2025年)類似

自然現象の時間空間スケール

Q50 横軸に空間スケール(km)、縦軸に時間スケール(年)をとった両対数グラフにおいて、台風が位置する領域の説明として最も適切なものはどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
時間スケールが短く、空間スケールが比較的大きい領域に位置する
台風は、時間スケールが約1日(10のマイナス2乗から10のマイナス1乗年)であり、空間スケールは100から1000kmに及ぶ。この位置関係をグラフ上で確認すると、時間軸では下方に位置し、空間軸では右側に位置することになる。したがって、他の長期間にわたる気候変動現象と比較して、台風は時間スケールが短く、かつ空間スケールが比較的大きい領域にプロットされることがわかる。
共通テスト(2026年)類似

森林限界

Q51 標高が高くなるにつれて気温が低下し、樹木が生育できなくなる境界線である「森林限界」に関する記述として、最も適当なものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
森林限界よりも標高が高い場所は、一般に高山帯と呼ばれる。
森林限界は、気温の低下により樹木の生育が制限される境界線です。この境界より上部は高山帯と呼ばれ、主に低木や草本植物が生育します。地球温暖化で気温が上昇すれば、樹木の生育可能な範囲が拡大するため、森林限界の標高は高くなります。また、高緯度にある北海道は本州中部よりも気温が低いため、森林限界の標高は低くなります。なお、高山帯は森林限界より上の領域を指すため、森林限界より低い場所の区分としては不適切です。
センター試験(2020年)類似

エネルギーの熱放散

Q52 生態系におけるエネルギーの流れに関する記述として最も適当なものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
食物連鎖を通じて移動するエネルギーは、最終的に熱エネルギーとなって生態系外へ放出される。
生態系におけるエネルギーは、太陽光から生産者の光合成によって化学エネルギーとして取り込まれます。その後、食物連鎖を通じて各栄養段階へ移動しますが、その過程で生物の呼吸や代謝活動に伴い、エネルギーの一部が熱として放出されます。物質は生態系内を循環しますが、エネルギーは最終的に熱として生態系外へ失われるため、循環することはありません。
共通テスト(2025年)類似

死体の有機物分解

Q53 生態系における分解者の役割として、死体に含まれる有機物の変化を説明するものとして最も適切なものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
有機物は微生物によって分解され、無機物へと変換される。
生態系において、死体や排出物に含まれる有機物は、土壌中の微生物や小動物などの分解者によって段階的に分解されます。この過程で、有機物中の炭素や窒素などの元素は無機物へと変換され、再び植物などが利用可能な状態になります。この循環は生態系の物質収支を維持する上で不可欠なプロセスです。
共通テスト(2026年)類似

絶滅の危機

Q54 生物多様性が失われることによって、人間が自然環境から受ける恩恵である生態系サービスが低下する現象に関する記述として、最も適当なものを次から選べ。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
生物多様性の低下は、食料生産や水質浄化といった生態系サービスの供給能力を減少させる。
生態系サービスとは、生態系が提供する食料、水、気候調節、精神的充足などの恩恵を指す。生物多様性が高いほど生態系は安定し、これらのサービスが持続的に供給される。現代の急速な絶滅は、生息地の破壊や環境汚染といった人間活動が主因であり、多様性の喪失は生態系の機能を損ない、結果として人間の生存基盤を脅かすことになる。
共通テスト(2026年)類似

捕食と回避行動

Q55 捕食者と被食者の関係における回避行動の重要性について、次の記述のうち最も適切なものはどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
被食者が捕食を回避する行動は、捕食者との共進化の結果として発達した適応的な形質である。
捕食と回避行動の関係は、長期間にわたる進化の過程で形成された適応の結果である。捕食者はより効率的に獲物を捕らえる能力を進化させ、それに対抗して被食者は隠れる、逃げる、あるいは毒を持つなどの回避行動を進化させてきた。この相互作用は共進化と呼ばれ、生態系における生物の多様性を維持する重要なメカニズムの一つである。回避行動は生存率を高めるために遺伝的にプログラムされた適応的形質といえる。
共通テスト(2021年)類似

硬葉樹林の特徴

Q56 ローマやロサンゼルスのような気候区分において、硬葉樹林が成立する理由として最も適切なものはどれか。
★★★ 標準 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
夏に乾燥して降雨が蒸発しやすいため、乾燥に適応した樹木が優占する
ローマやロサンゼルスは地中海性気候に属し、夏季の降水量が少なく乾燥する。この環境下では、植物は水分を保持し蒸散を抑制する必要がある。硬葉樹林は、このような乾燥した夏を乗り切るために、葉を硬くして乾燥に適応した植物群落であり、オリーブなどがその代表例である。
共通テスト(2023年)類似

硝化細菌による窒素化合物の変換

Q57 水槽内の窒素循環において、魚の餌に含まれる有機窒素化合物が水草に利用されるまでの過程として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
有機窒素化合物がアンモニウムイオンに分解され、さらに硝化細菌の働きで硝酸イオンに変換されて水草に吸収される。
水槽内の窒素循環では、まず有機窒素化合物が分解されてアンモニウムイオンが生じます。次に、硝化細菌(亜硝酸菌や硝酸菌など)がアンモニウムイオンを酸化して硝酸イオンへと変換します。この硝酸イオンは植物の栄養源として適しており、水草に吸収されることで窒素が循環します。窒素分子を直接利用する植物はごく一部の窒素固定を行うものに限られます。
センター試験(2017年)類似

バイオームの分布

Q58 年平均気温が0度付近で、年降水量が500mmから1000mm程度の地域に分布するバイオームとして最も適切なものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
針葉樹林
バイオームの分布は、主に年平均気温と年降水量によって決定される。年平均気温が低く、降水量が少ない地域には針葉樹林が成立する。ツンドラはさらに気温が低く、樹木の生育が困難な地域に分布する。亜熱帯多雨林は高温多雨な地域、夏緑樹林は温帯の比較的温暖な地域に分布するため、本問の条件には当てはまらない。
共通テスト(2026年)類似

絶滅の危機

Q59 現代において生物多様性が急速に失われている主な要因と、その結果として生じる事態の組み合わせとして、最も適当なものを次から選べ。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
要因:人間活動による生息環境の破壊 結果:生態系サービスの低下
現代の絶滅危機は、開発や環境汚染といった人間活動が主な要因である。生物多様性が失われると、生態系が提供する物質的・精神的な恩恵である生態系サービスが低下する。生態系は本来、多様な生物の相互作用によって機能しており、種が減少することはその機能の劣化を意味する。したがって、人間活動による環境破壊とサービスの低下という因果関係が正しい。
共通テスト(2023年)類似

バイオームの気候条件による区分

Q60 年平均気温が高く、年降水量が比較的多い地域に成立するバイオームとして、常緑広葉樹林が挙げられる。このバイオームの分布に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
気温と降水量の条件が適しており、照葉樹林などが代表例である。
常緑広葉樹林は、比較的温暖で降水量の多い地域に分布するバイオームである。日本における照葉樹林(シイやカシ類など)がその典型例であり、厚く光沢のある葉を持つことが特徴である。一方、降水量が少なく気温が高い地域にはサバンナやステップなどの草原バイオームが形成され、極端に乾燥した地域には砂漠バイオームが成立する。
共通テスト(2024年)類似

外来生物の影響

Q61 外来生物が生態系に与える影響に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
外来生物による捕食や競合は、在来種の絶滅リスクを高める要因となる。
外来生物が本来の生息地から移動させられると、その地域に適応した在来種との間で、餌や生息場所をめぐる競合が発生します。また、天敵がいない環境では爆発的に増加し、在来種を捕食したり、未知の病原体を持ち込んだりすることで、在来種の個体群を減少させ、絶滅の危機に追い込むことがあります。これは生態系の保全における重大な課題です。
センター試験(2015年)類似

硬葉樹林

Q62 硬葉樹林が成立する気候条件と、そこに生育する植物の適応に関する記述として最も適切なものはどれか。
★★ 基本 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
夏に乾燥する気候に適応し、葉が硬い常緑樹が優占する。
硬葉樹林は、地中海性気候のように夏に乾燥する地域に分布する。この環境下で植物は、乾燥による水分の損失を最小限に抑えるため、クチクラ層が発達した硬い葉を持つ常緑樹へと進化した。砂漠の多肉植物や、熱帯の常緑広葉樹とは異なる適応戦略である。
共通テスト(2026年)類似

外来生物の駆除と生態系への影響

Q63 外来生物である魚類Cが、ウシガエルとツチガエルのおたまじゃくしを捕食する環境において、魚類Cを駆除した際に起こり得る生態学的な変化として、最も妥当な推論はどれか。
★★★★ 難問 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
魚類Cが好んで捕食していたウシガエルのおたまじゃくしが急増し、その結果、ツチガエルとの競争が激化してツチガエルの個体数が減少する。
魚類Cがウシガエルのおたまじゃくしを強く捕食している場合、魚類Cの駆除はウシガエルの生存率を著しく向上させる。ウシガエルは繁殖力や競争力が強い場合が多く、個体数が急増することで、同じ餌資源を利用するツチガエルとの競争に勝ち、結果としてツチガエルを追い出す可能性がある。このように、特定の種の駆除が間接的に他の在来種に負の影響を与える現象は、生態系管理において留意すべき重要な点である。
センター試験(2018年)類似

池の遷移と環境変化

Q64 池の遷移において、植物種が次々と入れ替わる主な要因として最も適切なものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
生物の作用によって非生物的環境が変化し、その環境に適した種が優占するようになるため
池の遷移は、植物の枯死体が底に堆積することで水深が浅くなり、光環境や栄養状態といった非生物的環境が変化することで進行します。この堆積物の蓄積は、植物自身の枯死という生物の作用によって引き起こされるものです。環境が変化すると、その新しい環境条件に適応した植物種が新たに侵入・定着し、既存の種と入れ替わることで遷移が進みます。
共通テスト(2022年)類似

標高とバイオームの分布

Q65 ある山岳地帯において、標高500メートル付近で夏緑樹林が成立しているとき、標高1500メートル付近で観察される可能性が最も高いバイオームはどれか。
★★ 基本 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
針葉樹林
バイオームの垂直分布は気温に強く依存します。標高が上がるにつれて気温は低下するため、低標高域の夏緑樹林から、より低温に耐性を持つ針葉樹林へと植生が遷移します。したがって、標高500メートルから1500メートルへと移動するにつれ、夏緑樹林から針葉樹林へとバイオームが変化することが予測されます。
センター試験(2016年)類似

雨緑樹林

Q66 雨緑樹林が分布する地域における環境条件と、そこに生育する樹木の適応に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
雨季と乾季が交互に訪れるため、乾燥期に落葉して水分損失を抑制する
雨緑樹林の成立には、雨季と乾季の明確な交代が不可欠である。この環境では、乾季の乾燥ストレスが植物の生存を脅かすため、蒸散を抑えるための落葉が重要な適応となる。冬期の低温による落葉は夏緑樹林の特徴であり、雨緑樹林とは成立要因が異なる。また、多肉化は極端な乾燥地への適応であり、雨緑樹林の主要な特徴ではない。
センター試験(2020年)類似

エネルギーの熱放散

Q67 生態系内でのエネルギーの変換と移動について、熱力学的な観点から説明した記述として最も適切なものはどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
食物連鎖の各段階において、エネルギーの一部は生命活動に伴う熱として失われるため、上位の栄養段階ほど利用可能なエネルギー量は減少する。
エネルギーは食物連鎖を通じて移動する際、各栄養段階の生物が呼吸や運動などの生命活動を行うために消費されます。この過程でエネルギーの一部は熱エネルギーとして散逸し、生態系外へ放出されます。そのため、上位の栄養段階へ移動するエネルギー量は、下位の段階よりも少なくなります。このエネルギーの損失があるため、生態系におけるエネルギーの流れは循環せず、一方通行となります。
共通テスト(2026年)類似

菌類との共生

Q68 菌類と共生する植物において、光合成を行えない白色個体が、生育に必要な有機物を菌類から得て生活する関係についての記述として最も適当なものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
白色個体は生育の全段階を通じて、有機物の供給を菌類に依存している。
白色個体は葉緑体を持たず光合成を行えないため、生育に必要な有機物を自ら生産することができません。そのため、共生する菌類から炭素源となる有機物の供給を受ける必要があります。この依存関係は、芽生えから成熟に至るまでの生育の全段階を通じて維持されており、緑色個体のように成長に伴って光合成による自給率が高まることはありません。
共通テスト(2026年)類似

絶滅の危機と外来生物

Q69 人間活動による生息環境の破壊や外来生物の持ち込みが、在来生物の減少や絶滅を招くことに関する記述として、最も適切なものを選べ。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
食物網の上位に位置するキーストーン種が絶滅すると、生態系全体に大きな影響が及ぶ。
生物の絶滅は地質時代を通じて自然に発生してきたが、現代では人間活動による急速な環境変化が主因となり、絶滅の速度が著しく高まっている。特に、生態系の構造を維持する上で重要な役割を果たすキーストーン種が失われると、食物網のバランスが崩れ、生態系全体が大きく変容する。生態系の復元力には限界があり、生物多様性の低下は生態系サービスを損なう要因となる。
共通テスト(2026年)類似

外来生物の駆除と生態系への影響

Q70 外来生物の駆除が生態系に与える影響として、最も適切なものはどれか。
★★★★ 難問 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
外来生物を駆除すると、捕食圧から解放された種の個体数が増加し、競合関係にある他種の個体数を間接的に減少させる可能性がある。
生態系は複雑な捕食・被食関係や競争関係で成り立っている。外来生物を駆除すると、その種による捕食圧が低下し、被食者であった種の個体数が増加する。しかし、その種が他の在来種と資源を巡って競合している場合、個体数が増加した種が競合相手を圧倒し、結果として競合関係にある在来種の個体数を間接的に減少させるという、予期せぬ負の影響が生じる可能性がある。
センター試験(2020年)類似

二酸化炭素濃度の季節変動

Q71 大気中の二酸化炭素濃度の季節変動に関する記述として、最も適当なものを次のうちから一つ選べ。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
高緯度地域では植物の光合成を行う期間が短いため、二酸化炭素濃度の季節変動は大きくなる。
大気中の二酸化炭素濃度は、植物の光合成による吸収量と、呼吸や分解による放出量の季節的なバランスによって変動する。高緯度地域では、夏季には光合成が活発に行われて二酸化炭素が吸収されるが、冬季には光合成がほとんど行われないため、光合成を行う期間が短いことが、季節による濃度変化の振幅を大きくする要因となっている。
共通テスト(2025年)類似

分解速度

Q72 生態系における生物の遺骸の分解速度を決定する要因として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
細菌や菌類の代謝速度
生態系における遺骸の分解は、主に細菌や菌類などの分解者によって担われています。これらの分解者の代謝速度は、温度や湿度などの環境要因に大きく依存し、分解速度を決定する直接的な要因となります。光合成を行う生物の総量は、生産量には影響しますが、遺骸の分解速度そのものを直接決定する要因ではありません。
センター試験(2018年)類似

極相林の特徴

Q73 極相林における光環境と植物の適応に関する記述として、最も適当なものを次の中から一つ選べ。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
極相林の林床は光が遮られて暗いため、光補償点が低い陰樹が優占する。
極相林では、背の高い樹木が林冠を覆うため、林床には光が届きにくくなります。このような暗い環境では、少ない光でも光合成量が呼吸量を上回る(光補償点が低い)陰樹が有利となり、次世代へと更新されていきます。一方、陽樹は光補償点が高いため、林床の暗い環境では生育できず、極相林内では定着しにくいという特徴があります。
センター試験(2015年)類似

バイオームの分布

Q74 バイオームの分布は、その地域の気候条件に強く依存する。年平均気温が低く、かつ年降水量が非常に少ない地域に成立するバイオームとして最も適切なものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
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✅ 正解
砂漠
バイオームの分布は、主に年平均気温と年降水量によって決定される。一般に、年平均気温が低く年降水量が極めて少ない地域は砂漠に分類される。ツンドラは気温が極めて低いが降水量は砂漠より多く、針葉樹林は冷涼だが一定の降水量がある。サバンナは熱帯で乾季と雨季がある地域に成立する。したがって、提示された気候条件に合致するのは砂漠である。
センター試験(2018年)類似

バイオームの分布

Q75 バイオームの成立条件に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
年平均気温が約10℃以上で年降水量が約500mmの地域には、草原が分布する。
バイオームは気温と降水量の組み合わせによって決まる。年降水量が500mm程度の地域は、森林を維持するのに十分な水分が得られないため、樹木よりも草本が優占する草原となる。他の選択肢は、降水量や気温とバイオームの対応関係が実際の生態学的な知見と矛盾している。
センター試験(2017年)類似

雨緑林と硬葉樹林の有機物生産量比較

Q76 雨緑林と硬葉樹林の有機物生産量の違いが生じる主な要因として、最も妥当な説明はどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
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✅ 正解
雨緑林の分布域は硬葉樹林の分布域よりも年間を通じて降水量が多く、植物の光合成に適した期間が長いため。
生態系の純生産量は、総生産量から植物の呼吸量を差し引いたものである。雨緑林が分布する地域は、硬葉樹林が分布する乾燥の厳しい地域と比較して、植物が活発に光合成を行える期間が長く、水資源の利用可能性が高い。この気候条件の差が、植物のバイオマス蓄積速度や年間有機物生産量の違いを決定づける主要な要因となっている。
センター試験(2015年)類似

日本のバイオーム

Q77 日本のバイオームにおいて、気温が高く降水量が多い領域に分布し、シイ類やカシ類などの常緑広葉樹が優占する森林はどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
照葉樹林
日本のバイオームは気温と降水量によって決定される。照葉樹林は、比較的温暖で降水量が多い地域に成立し、クチクラ層が発達した光沢のある葉を持つ常緑広葉樹が優占する。夏緑樹林は落葉広葉樹が優占し、針葉樹林はより冷涼な地域に分布する。本問の条件である高温かつ多雨な環境は、照葉樹林の特徴と一致する。
共通テスト(2026年)類似

外来生物の駆除の影響

Q78 ある生態系において、外来種の捕食者Aと捕食者Bが、共通の被食者である在来種Cを捕食している状況を考える。このとき、捕食者Aのみを重点的に駆除した結果、在来種Cの個体数が減少した。この現象を説明する最も適切な考え方はどれか。
★★★★ 難問 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
捕食者Aの減少により、捕食者Bの個体数が増加し、結果として在来種Cへの捕食圧が高まった。
生態系における種間相互作用は複雑であり、特定の捕食者を駆除すると、その捕食者と競合関係にあった別の捕食者の個体数が増加することがある。これを「解放」と呼ぶ。その結果、被食者に対する捕食圧が全体として高まり、かえって被食者の個体数が減少するという間接的影響が生じることがある。単一の種を駆除するだけでは生態系のバランスを崩すリスクがあるため、総合的な評価が不可欠である。
共通テスト(2024年)類似

草原の維持管理

Q79 草原の維持管理において、火入れと刈り取りを併用することが生物多様性の保全に寄与する理由として、最も適切な説明はどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
火入れと刈り取りの併用は遷移を抑制し、光環境を改善して多様な草本の共存を可能にするから
草原の希少な草本植物の多くは、背の高い植物や低木が繁茂すると光競争に敗れて衰退する。火入れは地表の有機物を分解して栄養塩を供給し、刈り取りは物理的に植物の高さを抑えることで、光環境を改善する。両者を組み合わせることで、遷移の進行を抑制し、光を好む小型の草本植物が定着・生育しやすい環境が長期間維持されるため、高い種多様性が保たれる。
共通テスト(2026年)類似

遷移

Q80 遷移の過程における土壌の変化と植物の関わりについて述べた文として、最も適当なものを次の中から一つ選べ。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
遷移の初期段階では、土壌が未発達であるため、栄養の乏しい環境でも生育可能な先駆種が侵入する。
遷移の初期には、土壌がほとんど形成されていない荒地から始まります。そのため、栄養の乏しい環境でも光合成を行い生育できる先駆種が定着します。これらの植物が枯死して有機物が供給されることで土壌が発達し、より多くの栄養を必要とする植物が侵入できるようになります。この過程で土壌の層状構造が徐々に形成されます。
共通テスト(2025年)類似

津波の時間空間スケール

Q81 自然現象の時間スケールと空間スケールを両対数グラフ上にプロットした際、津波が位置する領域の説明として正しいものはどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
台風と比較して、時間スケールが小さく、空間スケールは同程度からやや大きい領域。
津波の空間スケールは数百キロメートルであり、台風の規模(数百キロメートル)と同等かそれ以上である。しかし、津波の持続時間は数時間以内であるのに対し、台風は数日から数週間持続するため、時間スケールは台風よりも明らかに小さい。このため、グラフ上では台風よりも下側の領域にプロットされる。
共通テスト(2026年)類似

絶滅の危機と生態系

Q82 生物の絶滅と生態系に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
キーストーン種の絶滅は、生態系全体の構造や生物多様性に大きな影響を及ぼす。
生物の絶滅は過去の地質時代にも自然現象として繰り返されてきたが、現代では人間活動による急速な環境変化が原因で絶滅速度が加速している。キーストーン種が失われると、その種に依存していた生物や、その種によって個体数が抑制されていた生物に影響が及び、生態系全体のバランスが崩壊するリスクがある。
センター試験(2016年)類似

人間活動と生態系

Q83 里山の雑木林において、人間による草刈りや伐採などの管理が長期間停止された場合、植物の遷移が進行して最終的に優占するようになる樹木の種類として最も適切なものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
陰樹
里山の雑木林は、人間による適度な攪乱(管理)によって陽樹などが維持されている半自然的な環境です。管理が放棄されると、光の弱い環境でも生育可能な陰樹が次第に優占するようになり、極相林へと遷移が進みます。陽樹は光の強い場所を好むため、遷移の初期段階で優占します。
センター試験(2017年)類似

バイオームの分布

Q84 バイオームの分布を決定する要因として、年平均気温と年降水量が重要である理由を説明したものとして最も適切なものはどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
植物の光合成速度や蒸散量は気温と水分供給量に大きく依存するため
植物の生育は、光合成に必要なエネルギー源である気温と、代謝や構造維持に不可欠な水分の供給量に強く制約される。気温が低いと酵素活性が低下し、水分が不足すると気孔を閉じる必要があるため光合成が抑制される。このため、気温と降水量の組み合わせが、その地域に定着できる植物種とバイオームの構造を決定する主要な要因となる。
共通テスト(2026年)類似

捕食と回避行動

Q85 捕食者と被食者の関係において、被食者が捕食を回避するためにとる行動や能力の差に関する実験結果として、ウシガエルのおたまじゃくしがツチガエルのおたまじゃくしと比較して、魚類による捕食率が高く、かつ水草のある側に留まる時間が短いことが示された。この結果から導き出される考察として最も適切なものはどれか。
★★ 基本 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ウシガエルのおたまじゃくしは、ツチガエルよりも捕食を回避する行動が不十分であるため、捕食されやすい。
実験結果において、ウシガエルのおたまじゃくしはツチガエルよりも捕食率が高く、かつ隠れ家となる水草側に留まる時間が短いことが示されている。このことは、ウシガエルのおたまじゃくしがツチガエルに比べて、捕食者から身を守るための回避行動が不十分であることを示唆している。生物の生存戦略において、このような行動の差は捕食圧に対する適応度の違いを生み、結果として野外における個体群密度や分布に影響を与える要因となる。
共通テスト(2026年)類似

外来生物の影響

Q86 人間活動によって本来の生息地から別の場所へ持ち込まれた外来生物が、在来生物に及ぼす影響として最も適切なものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
捕食や競合を通じて在来生物の個体数を減少させ、生物多様性を低下させる。
外来生物の移入は、在来生物に対する捕食、餌や生息場所を巡る競合、病原体の持ち込みなどを引き起こします。これにより、在来生物の個体数が減少し、最悪の場合は絶滅に至ることで、地域の生物多様性が損なわれます。これは生態系サービスを不安定化させる要因となり、自然保護の観点から大きな問題となっています。
共通テスト(2025年)類似

バイオームの分布

Q87 バイオームの成立要因に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
針葉樹林は、冷涼な気候に適応した樹種が優占するバイオームである。
針葉樹林は主に亜寒帯に分布し、短い夏と厳しい冬という冷涼な気候に適応したマツ類やトウヒ類などの常緑針葉樹が優占する。砂漠は降水量が極端に少ない地域に成立し、サバンナは熱帯多雨林よりも降水量が少なく雨季と乾季が明瞭な地域に成立する。熱帯多雨林は年間を通じて高温多雨であり、常緑広葉樹が優占する。
センター試験(2015年)類似

硬葉樹林

Q88 地中海沿岸などの気候帯に成立し、乾燥した夏に耐えるために葉が硬く小さい常緑樹が優占するバイオームとして、最も適切なものはどれか。
★ やさしい 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
硬葉樹林
硬葉樹林は、地中海沿岸など、夏に乾燥し冬に雨が降る気候に適応したバイオームである。乾燥した夏を乗り切るため、植物は葉を硬く小さくし、蒸散を抑える構造を持つ常緑樹が優占する。熱帯雨林は高温多雨な地域、サバンナは熱帯の乾季がある地域、針葉樹林は冷涼な地域にそれぞれ成立する。
センター試験(2018年)類似

バイオームの分布

Q89 世界の陸上のバイオームの分布は、主に年平均気温と年降水量によって決定される。年平均気温が約10℃以上で、森林が成立するには降水量が不足する年降水量約500mm程度の地域に成立するバイオームとして最も適当なものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
草原
バイオームの分布は、気温と降水量の条件に強く依存する。年平均気温が10℃以上であっても、降水量が少ない地域では樹木の生育が制限され、草原が優占する。照葉樹林や夏緑樹林は、より多くの降水量を必要とする森林バイオームであり、この条件には当てはまらない。
共通テスト(2021年)類似

地球温暖化によるバイオームの変化

Q90 地球温暖化が進行し、ある地域の平均気温が上昇し続ける場合、その地域のバイオームは一般的にどのような変化をたどると予測されるか。最も適切なものを一つ選べ。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
気温の上昇に伴い、より温暖な気候に適したバイオームへと遷移する
バイオームは気温や降水量といった気候条件に強く依存して決定される。地球温暖化により気温が上昇すると、その地域の気候条件はより温暖な地域のものに近づくため、植生もそれに適応した種へと置き換わる遷移が起こる。具体的には、落葉広葉樹林から常緑広葉樹林へといった変化が予測される。
共通テスト(2023年)類似

指標Nによる植生の季節変動解析

Q91 植物の光合成活動を評価するために用いられる指標Nについて、その原理と季節変動に関する記述として最も適当なものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
指標Nは葉緑体が赤色光を吸収し赤外線を反射する特性を利用しており、光合成が活発な時期に値が高くなる。
指標Nは、植物の葉緑体に含まれるクロロフィルが光合成のために赤色光を吸収し、一方で細胞構造が赤外線を強く反射する性質を利用して算出される。この値は葉の量や光合成活性と正の相関があるため、落葉広葉樹林のように夏期に葉が茂り光合成が活発になる環境では夏に高く、冬には低くなる。一方、熱帯多雨林のような常緑樹が多い環境では、年間を通じて高い値を維持する。
共通テスト(2024年)類似

森林のバイオーム分布

Q92 森林限界より高い標高において、森林が成立しにくい理由として最も適切なものはどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
気温が低く、樹木の成長に必要な積算温度が不足するため
森林限界は、樹木の成長に必要な最低限の気温が維持できない境界線である。高標高地では気温が低く、樹木が成長して越冬するためのエネルギーを確保できないため、森林が成立しない。この限界線は、気温の低下という環境要因によって決定される。
センター試験(2020年)類似

炭素循環

Q93 生態系における炭素循環の仕組みにおいて、大気中の二酸化炭素が再び放出される主な生物学的プロセスとして、最も適切なものはどれか。
★★ 基本 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
すべての段階の生物が行う呼吸
炭素循環において、大気中の二酸化炭素は生産者の光合成によって有機物に取り込まれる。その後、食物連鎖を通じて生産者、一次消費者、二次消費者へと炭素が移動する。これらの生物はすべて生命活動を維持するために呼吸を行っており、その過程で有機物を分解し、二酸化炭素を大気中に放出することで炭素循環が完結する。
共通テスト(2022年)類似

食物連鎖における栄養段階

Q94 ある森林生態系において、ブナの葉を食べるブナオ、そのブナオを捕食するクロカタビロオサムシ、さらにその蛹を栄養源とするサナギタケが存在する。この食物連鎖における栄養段階の記述として最も適切なものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ブナオは一次消費者、クロカタビロオサムシは二次消費者、サナギタケは三次消費者である
生態系における栄養段階は、生産者(植物など)を起点として順に消費者が位置します。植物であるブナの葉を直接食べるブナオは一次消費者、その一次消費者を捕食するクロカタビロオサムシは二次消費者となります。さらに、その蛹を栄養源とするサナギタケは、この系譜において三次消費者の役割を担います。栄養段階はエネルギーの転送順序に基づき決定されます。
共通テスト(2023年)類似

バイオームの気候条件による区分

Q95 ある地域において、年平均気温が高いにもかかわらず年降水量が著しく少ない場合、どのようなバイオームが形成される可能性が高いか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
サバンナや砂漠
バイオームの分布は気温と降水量のバランスで決まる。気温が高くても降水量が少なければ、樹木の生育に必要な水分が不足するため、森林は成立しにくい。このような環境では、乾燥に適応したイネ科の草本が優占するサバンナや、さらに乾燥が進んだ砂漠バイオームが形成される。降水量が十分であれば熱帯多雨林が成立するが、降水量の不足が植生を大きく制限する。
センター試験(2018年)類似

池の遷移と環境変化

Q96 水深が深く沈水植物が見られる新しい池から、堆積物が厚く積もり浮葉植物が水面を覆う古い池へと変化する過程において、起こっている現象として最も適切なものはどれか。
★★★ 標準 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
植物の枯死体が堆積することで水深が浅くなり、光環境や栄養状態が変化している
池の遷移では、植物が成長し枯死することを繰り返す過程で、その遺骸が池の底に蓄積されます。これにより水深が物理的に浅くなり、水中の光の届き方や栄養塩類の濃度といった非生物的環境が変化します。この環境の変化に伴い、沈水植物から浮葉植物、さらには抽水植物へと、その環境に適した植物種が交代していくのが遷移の典型的なプロセスです。
センター試験(2016年)類似

個体数変動の要因

Q97 個体数変動の要因に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
個体数が環境収容力を超えると、資源不足により死亡率が上昇し、個体数が減少する。
個体群のサイズは、その環境が供給できる資源量(環境収容力)によって制限を受ける。個体数が増加しすぎると、個体間の競争が激化し、栄養不足や病気の蔓延などにより死亡率が上昇する。また、捕食者の存在も個体数を抑制する重要な要因である。捕食者は被食者の個体数に応じてその数を増減させるため、被食者個体群の急激な増加を抑え、生態系全体のバランスを維持する役割を果たす。
共通テスト(2026年)類似

外来生物の駆除と生態系への影響

Q98 外来生物の駆除を行う際に考慮すべき生態学的な要因として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
種間の捕食・被食関係や、各生物の生息場所の選好性などの相互作用。
外来生物の駆除は、単にその種を排除すればよいという単純なものではない。生態系内では、捕食・被食関係や生息場所の選好性(好む環境)など、多様な生物間相互作用が働いている。駆除によってこれらのバランスが崩れると、意図しない種が急増したり、逆に保護すべき在来種が減少したりするリスクがあるため、生態系全体への影響を慎重に評価する必要がある。
共通テスト(2026年)類似

遷移

Q99 ある場所の植生が時間とともに変化していく現象である遷移に関する記述として、最も適当なものを次の中から一つ選べ。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
遷移が進行すると、植物の遺骸が供給されることで土壌中の有機物量が増加し、土壌の層状構造が発達する。
遷移とは、ある場所の植生が時間とともに変化する現象です。遷移の初期には、栄養の乏しい環境でも生育できる先駆種が侵入します。植物の遺骸が蓄積されることで土壌が形成され、有機物量が増加し、土壌の層状構造が発達します。この土壌環境の改善により、より多くの種が生育可能となり、植物種数は増加する傾向にあります。
共通テスト(2025年)類似

栄養段階

Q100 生態系における栄養段階に関する記述として最も適当なものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
最上位の栄養段階に属する動物は、個体数が少なくなる傾向がある。
生態系において、生産者から消費者へとエネルギーが受け渡される際、各段階で呼吸や熱としてエネルギーが失われるため、上位の栄養段階ほど利用可能なエネルギー総量は減少する。このエネルギーピラミッドの構造により、最上位の栄養段階に属する動物は、生存に必要なエネルギーを確保するために広い行動圏を必要とし、結果として個体数が少なくなる傾向がある。
共通テスト(2024年)類似

森林のバイオーム分布

Q101 日本列島における森林のバイオーム分布を決定する主要な要因として、最も適切なものはどれか。
★ やさしい 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
年平均気温
日本列島の森林バイオームの分布は、主に年平均気温によって決定される。緯度や標高の変化に伴う気温の低下が、植生の変化に直接的な影響を与えるためである。降水量も重要だが、日本国内の広域的なバイオームの水平・垂直分布を説明する際には、気温の勾配が最も支配的な要因となる。
センター試験(2017年)類似

熱帯多雨林の有機物分解

Q102 熱帯多雨林の生態系における土壌中の有機物量と、その分解過程に関する記述として最も適当なものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
高温多湿な環境により分解速度が速いため、土壌中の有機物量は少ない。
熱帯多雨林は高温多湿な気候条件にあり、土壌中の細菌や菌類などの分解者の活動が極めて活発です。そのため、供給された落葉や落枝は速やかに分解され、無機物へと還元されます。結果として、土壌中に有機物として蓄積される量は少なく、養分は植物によって素早く再吸収されるという循環構造を持っています。
共通テスト(2025年)類似

分解速度

Q103 生態系における分解速度が、特定の環境下で遅くなる理由として最も適切な説明はどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
分解者の代謝を制限する環境要因が存在するため
分解速度は、分解者である細菌や菌類の代謝活動に依存します。低温、乾燥、酸素不足などの環境要因は、これらの分解者の酵素活性や代謝を抑制するため、結果として分解速度が低下します。遺骸を消費する生物の総量が少ないことも要因となりますが、代謝の制限は分解プロセスそのものを物理化学的に遅延させる主要な背景です。
センター試験(2020年)類似

炭素循環

Q104 生態系における炭素の移動と放出に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
二次消費者は、呼吸によって有機物中の炭素を二酸化炭素として放出する。
炭素循環において、生物は有機物を摂取し、呼吸を行うことでその一部を二酸化炭素として大気中に放出する。生産者は光合成で二酸化炭素を固定するが、窒素を取り込むわけではない。また、分解者は有機物を分解する過程で呼吸を行い、二酸化炭素を放出する。脱窒は窒素循環における過程であり、炭素循環とは異なる。
共通テスト(2026年)類似

森林限界

Q105 地球温暖化が進行した場合の森林限界の変化について、最も妥当な説明はどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
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✅ 正解
気温の上昇により、森林限界の標高は現在よりも高くなる
森林限界は気温条件によって決定されるため、地球温暖化によって気温が上昇すれば、これまで低温のために樹木が生育できなかった高標高域でも生育が可能になる。その結果、森林限界の境界線はより高い標高へと移動すると予測される。これは気候変動が生態系に与える影響の一例である。
センター試験(2017年)類似

バイオームの有機物生産量

Q106 ある地域のバイオームにおいて、年平均気温が一定であると仮定したとき、年降水量の増加が有機物生産量に与える影響として最も妥当なものはどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
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✅ 正解
光合成に必要な水が十分に供給されることで、有機物生産量は増加する。
植物の有機物生産量は、光合成によって生成される有機物量から、植物自身の呼吸によって消費される量を差し引いた純生産量として定義される。十分な降水は、植物の気孔を開かせ、光合成に必要な二酸化炭素の取り込みを促進する。気温が一定の条件下では、水分不足による光合成の制限が緩和されるため、降水量の増加は有機物生産量の増加に寄与する。
共通テスト(2024年)類似

森林のバイオーム分布

Q107 日本列島における森林限界の標高について、北海道と本州中部地方を比較した記述として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本 具体例 正答率 —
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✅ 正解
北海道の方が本州中部地方より低い標高で見られる
森林限界の標高は、気温が低い地域ほど低くなる。北海道は本州中部地方よりも高緯度に位置し、年平均気温が低いため、より低い標高で森林の生育が制限され、森林限界が見られるようになる。これは気温の低下が植物の成長に及ぼす影響を端的に示している。
センター試験(2018年)類似

日本の森林バイオームと自然植生

Q108 日本の森林バイオームと自然植生に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
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✅ 正解
照葉樹林の分布域は、他のバイオームと比較して自然植生が残存している割合が比較的高い。
日本の植生調査において、照葉樹林帯は比較的自然植生が残存している傾向がある。夏緑樹林帯の自然植生を代表する優占種はブナであり、伐採後の代償植生ではミズナラが優占することが多い。また、自然植生が占める割合が最も低いのは針葉樹林の分布域である。したがって、照葉樹林に関する記述が適切である。
共通テスト(2026年)類似

森林限界

Q109 ある山岳地帯において、気温の減率が標高100m上昇につき0.6度であるとする。現在の森林限界が標高2000mにあるとき、地球温暖化により平均気温が1.2度上昇した場合、森林限界の標高は理論上何mになると予想されるか。
★★★ 標準 具体例 正答率 —
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✅ 正解
2200m
気温の減率が100mにつき0.6度であるため、1.2度の気温上昇分を標高に換算すると、1.2度 ÷ 0.6度 × 100m = 200mとなります。気温が上昇すると、これまで樹木が生育できなかった標高の高い場所でも生育が可能になるため、森林限界の標高は現在の2000mから200m上昇し、2200mになると予想されます。
共通テスト(2022年)類似

植生の消失と河川の窒素濃度

Q110 森林の植生が消失した後に回復する過程において、河川水の窒素濃度がどのように変化するかを説明した記述として最も適切なものはどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
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✅ 正解
植生の回復に伴い、窒素の吸収量が増加するため、河川水の窒素濃度は低下する
植生が消失した直後は、窒素の吸収源がなくなるため河川への流出量が増加するが、植生が再び定着し成長を始めると、植物は土壌中の窒素を積極的に吸収するようになる。この吸収機能の再開により、河川へ流出する窒素の量が減少するため、河川水の窒素濃度は低下し、生態系が安定した状態へと戻っていく。
共通テスト(2022年)類似

植生の消失と河川の窒素濃度

Q111 森林の植生が大規模な伐採によって消失した際、河川水の窒素濃度が上昇する主な理由として最も適切なものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
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✅ 正解
植生による窒素の吸収・保持機能が失われ、土壌中の窒素が流出するから
森林の植生は、根から土壌中の窒素を吸収し、自らの体内に保持することで物質循環を維持している。植生が消失すると、この吸収機能が停止するため、土壌中に蓄積されていた窒素が雨水などとともに河川へ流出し、結果として河川水の窒素濃度が上昇する。植生が回復すれば、再び窒素が吸収・保持されるようになり、濃度は低下して元の水準に戻る。
共通テスト(2025年)類似

栄養段階

Q112 ある安定した生態系において、生産者から高次消費者へエネルギーが移動する際、上位の栄養段階ほど個体数が少なくなる理由として最も適切なものはどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
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✅ 正解
食物連鎖の各段階でエネルギーが熱などとして失われ、上位段階に供給されるエネルギーが減少するため。
生態系におけるエネルギーの流れは、生産者が取り込んだ太陽エネルギーが食物連鎖を通じて上位の栄養段階へと受け渡される過程である。しかし、各段階で生物の生命維持活動(呼吸など)に伴いエネルギーの一部が熱として系外へ放出されるため、上位の栄養段階に到達するエネルギー量は段階的に減少する。このエネルギーの制約が、個体数や生物量のピラミッド構造を決定づける要因となっている。
センター試験(2020年)類似

バイオームの生産者

Q113 世界のバイオームとその代表的な生産者の組み合わせとして最も適当なものを一つ選べ。
★★ 基本 基礎 正答率 —
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✅ 正解
ステップ:イネのなかま
バイオームは気候条件に応じて特徴的な植生が形成される。温帯の乾燥地域であるステップでは草本が優占し、イネのなかまが代表的な生産者である。一方、地中海沿岸などの暖温帯に分布する硬葉樹林ではオリーブが、熱帯・亜熱帯で乾季がある雨緑樹林ではチークが代表的な生産者として知られている。サボテン類は乾燥帯の砂漠バイオームに適応した植物である。
センター試験(2017年)類似

生産者の機能

Q114 生態系における生産者の機能に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
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✅ 正解
生産者は光合成によって無機物から有機物を合成し、自ら合成した有機物を用いて呼吸も行う。
生産者は光合成によって二酸化炭素や水などの無機物から有機物を合成する独立栄養生物である。しかし、合成された有機物は自身の生命維持のためのエネルギー源としても利用される。したがって、生産者も他の生物と同様に、有機物を分解してエネルギーを取り出す呼吸を行っている。生産者が呼吸を行わないという考えは誤りである。
センター試験(2015年)類似

地球温暖化の原因

Q115 地球温暖化を促進させる温室効果ガスとして、二酸化炭素以外に挙げられる物質として最も適切なものはどれか。
★ やさしい 基礎 正答率 —
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✅ 正解
メタン
地球温暖化は、大気中の温室効果ガスが地表から放出される赤外線を吸収し、再放射することで気温が上昇する現象である。二酸化炭素が最も大きな影響を与えているが、メタンも二酸化炭素よりも分子あたりの温室効果が非常に高いガスとして知られている。一方、酸素や窒素は地球の大気の大部分を占めるが、赤外線を吸収する性質がほとんどないため、温室効果には寄与しない。
共通テスト(2021年)類似

生態系における個体数と環境要因の相互作用

Q116 ある草原生態系において、草食動物の個体数と環境要因の関係に関する記述として誤っているものはどれか。
★★ 基本 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
草食動物の個体数が増加すると、火災の延焼面積は増加する。
草食動物の個体数が増加すると、餌である草本が大量に消費されます。草本は火災時の燃料となるため、草本が減少すれば火災の延焼面積はむしろ減少します。したがって、草食動物の増加が火災の延焼面積を増加させるという記述は誤りです。生態系では、個体数の増減が食物連鎖や物理的環境を通じて複雑なフィードバックを生んでいます。
センター試験(2015年)類似

生態系におけるエネルギーの流れ

Q117 生態系におけるエネルギーの流れに関する記述として、最も適切なものはどれか。
★ やさしい 基礎 正答率 —
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✅ 正解
光エネルギーは生産者によって化学エネルギーに変換され、最終的に熱エネルギーとして放出される。
生態系におけるエネルギーの流れは、太陽からの光エネルギーを生産者が光合成によって有機物中の化学エネルギーに変換することから始まります。その後、生物の呼吸や分解過程を経て、エネルギーは最終的に熱として系外へ放出されます。エネルギーは物質と異なり、生態系内を循環せず、一方向に流れて減少していくのが特徴です。
センター試験(2016年)類似

雨緑樹林

Q118 雨緑樹林が分布する地域において、乾季に一斉に落葉する適応戦略をとる主な目的として最も適当なものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
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✅ 正解
乾燥した季節に蒸散を抑え、体内の水分を保持するため
雨緑樹林は、雨季と乾季が明確に分かれる地域に分布する森林である。乾季になると、樹木は水分不足による枯死を防ぐため、蒸散の場となる葉を一斉に落とす適応戦略をとる。これにより、限られた水分を維持し、過酷な乾燥環境を乗り越えることができる。常緑樹とは異なり、季節的な環境変化に合わせた生理的反応が特徴である。
センター試験(2015年)類似

日本のバイオーム

Q119 日本のバイオームの分布において、夏緑樹林から針葉樹林へと移行する主な要因として、最も適切なものはどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
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✅ 正解
気温の低下
日本のバイオーム分布は、主に気温と降水量によって決定される。夏緑樹林は温帯に分布するが、標高が高くなるか北上して気温が低下すると、より寒冷な環境に適応した針葉樹林へと変化する。降水量も重要だが、夏緑樹林と針葉樹林の境界を規定する主要な環境要因は気温の勾配である。
センター試験(2018年)類似

一次遷移と二次遷移の比較

Q120 遷移に関する記述として最も適当なものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
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✅ 正解
二次遷移は土壌や種子が既に存在する場所から始まるため、一次遷移よりも進行速度が速い。
遷移は開始地点の環境によって分類される。溶岩台地のような土壌が全くない場所から始まるのが一次遷移であり、土壌が形成されるまでの時間がかかるため進行は遅い。一方、森林伐採跡地のように既に土壌や種子、地下茎などが残っている場所から始まるのが二次遷移であり、これらが利用可能なため一次遷移よりも速く進行する。したがって、土壌の有無が進行速度の差を決定づける重要な要因となっている。
共通テスト(2024年)類似

湖沼の遷移と生態系

Q121 湖沼の遷移と生態系の特徴に関する説明として誤っているものはどれか。
★★ 基本 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
湖沼の生態系における動物プランクトンは、光合成によって有機物を合成する生産者として重要な役割を果たす。
生態系において、光合成を行い無機物から有機物を合成する生物を生産者と呼びます。湖沼では植物プランクトンや水生植物がこれに該当します。一方、動物プランクトンは他の生物を捕食して栄養を得る消費者であり、生産者ではありません。湖沼の陸地化は、堆積物による水深の減少が主な要因です。
センター試験(2020年)類似

二酸化炭素濃度の季節変動

Q122 大気中の二酸化炭素濃度が年々上昇している主な要因と、その増加速度の傾向について述べた文として最も適当なものを一つ選べ。
★★ 基本 基礎 正答率 —
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✅ 正解
化石燃料の燃焼により濃度は上昇しており、その増加速度は近年大きくなっている。
産業革命以降、人類は石炭や石油などの化石燃料を大量に消費し、その燃焼によって生じた二酸化炭素が大気中に放出され続けている。この人間活動による排出量の増大に伴い、大気中の二酸化炭素濃度は年々上昇しており、その増加速度自体も過去と比較して近年大きくなっていることが観測データから明らかである。
共通テスト(2025年)類似

自然現象の時間空間スケール

Q123 自然現象や人為起源の現象を、その継続時間と影響範囲(空間スケール)で分類した際、台風の一般的な特徴として最も適切なものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
時間スケールが約1日、空間スケールが数百キロメートル程度である
自然現象は、その継続時間と影響範囲によって分類される。台風は、発生から消滅までの時間が概ね1日程度であり、影響を及ぼす空間的な広がりは数百キロメートルに達する。これに対し、地球温暖化のような人為起源の現象は数十年以上の長い時間スケールを持ち、エルニーニョ現象は数ヶ月から数年単位の時間スケールで変動する。現象ごとの時間と空間の特性を把握することは、気象や環境の変化を理解する上で重要である。
共通テスト(2023年)類似

バイオームの気候条件による区分

Q124 バイオームの分布を決定する主要な気候要因として、最も適切な組み合わせはどれか。
★ やさしい 基礎 正答率 —
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✅ 正解
年平均気温と年降水量
バイオーム(生物群系)の分布は、その地域の気候条件に強く依存する。特に気温と降水量は、植物の生育期間や水分の利用可能性を決定づける最も重要な環境要因であり、これら二つの指標を軸として各バイオームの分布範囲が整理される。光合成の効率や蒸散量もこれらによって左右されるため、植生構造を決定する主要な因子となる。
共通テスト(2024年)類似

草原の維持管理

Q125 日本の半自然草原において、希少な草本の種数を最も高く維持するために最も効果的な管理手法として、生態学的に適切なものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
火入れと刈り取りの両方を定期的に行う
半自然草原は、人間による適度な攪乱が維持されることで成立する生態系である。火入れは枯死した植物体を除去し、刈り取りは優占種による光の独占を防ぐ効果がある。これらを組み合わせることで、特定の種が優占するのを防ぎ、多様な草本植物が共存できる環境が維持される。管理を放棄すると低木や高木が侵入し、希少な草本種は消失する。
共通テスト(2026年)類似

外来生物の駆除の影響

Q126 外来生物の駆除が生態系に与える間接的影響に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★★ 標準 基礎 正答率 —
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✅ 正解
特定の外来捕食者を駆除すると、その捕食者に食べられていた複数の被食者の個体数が、連鎖的に増加または減少する可能性がある。
生態系は食物網によって複雑に繋がっている。そのため、特定の種を駆除することは、直接的な捕食関係だけでなく、競争関係や共生関係を通じて他の生物に波及する。特に外来生物が複数存在する場合、ある種の駆除が他の外来種の増加を招くなど、予期せぬ間接的影響が生じることがあり、生態系管理においては慎重な予測とモニタリングが求められる。
センター試験(2020年)類似

炭素循環

Q127 生態系における炭素循環の過程において、大気中の二酸化炭素が有機物として固定される最初の段階を担う生物群として、最も適切なものはどれか。
★ やさしい 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
生産者
生態系において、大気中の二酸化炭素を取り込み、光合成によって有機物へと変換する生物は生産者である。生産者が合成した有機物は、食物連鎖を通じて一次消費者、二次消費者へと受け渡される。この過程で生物は呼吸を行い、有機物の一部を二酸化炭素として再び大気中に放出することで、炭素の循環が維持されている。
センター試験(2016年)類似

バイオーム

Q128 熱帯多雨林と照葉樹林の分布に関する記述として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
熱帯多雨林は照葉樹林よりも赤道に近い高温多湿な地域に分布する。
バイオームの分布は気温と降水量に強く依存します。熱帯多雨林は赤道付近の高温多湿な環境に成立し、高い生産性を維持します。これに対し、照葉樹林は熱帯多雨林よりも高緯度で、気温がやや低く季節変化がある地域に成立します。どちらも常緑広葉樹を主体としますが、気候条件の違いにより植生や構成種が異なります。選択肢のうち、他のものは気候条件や樹種に関する記述が誤っています。
センター試験(2017年)類似

バイオームの分布

Q129 年平均気温が低く年降水量が少ない地域に分布するバイオームの特徴として、日本の地域区分との関連で正しい記述はどれか。
★★★ 標準 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
北海道の低地にはこのバイオームが卓越している
年平均気温が低く乾燥した気候条件に対応するバイオームは、日本国内では北海道の低地や本州の高山帯に分布する針葉樹林が該当する。沖縄は亜熱帯に属し、関東や四国、九州の平野部は主に照葉樹林や夏緑樹林の分布域であるため、これらの地域に当該バイオームが広く分布することはない。
共通テスト(2026年)類似

光合成速度と環境適応

Q130 ある環境において、種Mと種Tの光合成速度を水やり回数が多い条件と少ない条件で比較した。水やり回数が多い条件での光合成速度を100としたとき、水やり回数が少ない条件での相対値が、種Mでは80、種Tでは40であった。この結果から導かれる考察として最も適当なものはどれか。
★★★ 標準 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
種Mは種Tに比べて、乾燥環境下での光合成速度の維持能力が高い。
光合成速度の相対値が高いほど、その環境ストレスに対する耐性が高いことを示す。種Mは水やり回数が少ない条件でも相対値が80と高く維持されているのに対し、種Tは40まで低下している。このことから、種Mは乾燥に対してより強い耐性を持ち、環境変化に対しても光合成機能を維持しやすい特性を備えていると判断できる。生態系において、このような生理的特性の違いが種の分布や被度に影響を及ぼす。
共通テスト(2026年)類似

森林限界

Q131 森林限界が形成される主要な要因として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
標高の上昇に伴う気温の低下による樹木の生育制限
森林限界とは、高木が生育できなくなる境界線を指す。標高が高くなるにつれて気温が低下し、樹木の生理的な成長や生存に必要な熱量が不足するため、森林を形成することが困難になる。これが森林限界を決定する主要な要因である。光合成や土壌の流出も影響しうるが、温度条件が最も支配的である。
センター試験(2018年)類似

日本の森林バイオームと自然植生

Q132 夏緑樹林帯における植生の遷移と構成種に関する記述として、正しいものはどれか。
★★★ 標準 具体例 正答率 —
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✅ 正解
夏緑樹林の自然植生を代表するブナは、伐採後の代償植生においてミズナラに置き換わることがある。
夏緑樹林帯では、本来の自然植生であるブナ林が伐採されると、その後の二次遷移の過程でミズナラなどが優占する代償植生が形成されることが多い。針葉樹林は自然植生の残存割合が最も低いバイオームであり、照葉樹林の優占種はシイ類やカシ類であるため、他の選択肢は誤りである。
共通テスト(2025年)類似

エルニーニョ現象の時間空間スケール

Q133 空間スケールと時間スケールの両対数グラフにおいて、エルニーニョ現象が位置する領域の説明として正しいものはどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
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✅ 正解
台風や津波と比較して、時間スケールと空間スケールの双方が大きい領域に位置する。
自然現象を時間スケールと空間スケールで分類すると、台風は数日から1週間程度で数千キロメートルを移動し、津波は数時間以内に数千キロメートルを伝播する。これに対し、エルニーニョ現象は数年単位で持続し、太平洋赤道域という数千キロメートルにわたる広大な範囲で海面水温が変化する。したがって、グラフ上では台風や津波よりも時間・空間の両面で大きなスケールを持つ領域にプロットされる。
センター試験(2020年)類似

温室効果ガス

Q134 大気中に存在し、地球から放射される赤外線を吸収して地表付近の温度を上昇させる性質を持つ気体として、最も適切な組み合わせはどれか。
★ やさしい 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
二酸化炭素、メタン、フロン
温室効果ガスとは、地球から宇宙へ放出される赤外線を吸収し、そのエネルギーを再び地表方向へ放射することで気温を維持する気体である。二酸化炭素のほか、メタンやフロンなどが代表的である。なお、大気の主成分である窒素や酸素は、赤外線をほとんど吸収しないため温室効果ガスには該当しない。
共通テスト(2025年)類似

エルニーニョ現象の時間空間スケール

Q135 エルニーニョ現象が持つ時間スケールと空間スケールの特徴として、最も適切なものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
時間スケールは数年単位であり、空間スケールは数千キロメートルに及ぶ。
エルニーニョ現象は、太平洋赤道域の海面水温が平年より高くなる気候変動現象である。この現象は、数年単位という比較的長い時間スケールと、数千キロメートルという広大な空間スケールを持つことが特徴である。台風のような短期間かつ局所的な現象や、津波のような突発的な現象と比較して、長期間にわたり広範囲に影響を及ぼす点が、気候システムにおける大きな特徴となっている。
共通テスト(2025年)類似

バイオームの分布

Q136 地球上のバイオームの分布は、緯度に応じた気候条件によって大きく左右される。赤道付近から北極圏に向かって移動する際、一般的に見られるバイオームの順序として最も適切なものはどれか。
★★ 基本 基礎 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
熱帯多雨林、サバンナ、砂漠、針葉樹林
バイオームの分布は、主に気温と降水量という気候的要因によって決定される。赤道付近の高温多雨な地域には熱帯多雨林が成立し、緯度が上がるにつれて雨季と乾季が明瞭なサバンナ、降水量が極めて少ない砂漠、さらに中緯度のステップや落葉広葉樹林を経て、冷涼な高緯度地域には針葉樹林が分布するという規則性がある。この分布は地球規模の気候帯と密接に関連している。
共通テスト(2026年)類似

菌類との共生

Q137 ある植物の緑色個体と白色個体について、生育段階が進むにつれて菌類から得た炭素の割合がどのように変化するかを比較した。この観察結果から導かれる考察として最も適当なものはどれか。
★★★ 標準 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
緑色個体は成長に伴い自らの光合成による有機物生産の割合が増加する。
緑色個体は葉緑体を持つため、成長して葉が展開し光合成面積が増えるにつれて、自ら生産する有機物の割合が増加します。その結果、相対的に菌類から得た炭素の割合は低下します。一方、白色個体は光合成を行えないため、生育の全段階で菌類からの有機物供給に依存し続けており、依存の割合は一貫して高いまま推移します。
共通テスト(2026年)類似

外来生物の影響

Q138 ある池における野外調査の結果、ツチガエルの密度は、ウシガエルや魚類がいない池で最も高く、ウシガエルと魚類がいる池で最も低くなることがわかった。この結果から読み取れる考察として最も適切なものはどれか。
★★★ 標準 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
ウシガエルや魚類は、ツチガエルに対して生存を阻害する負の影響を与えている。
調査結果において、外来生物であるウシガエルや魚類が存在する環境下でツチガエルの密度が低下していることは、それらの外来生物がツチガエルを捕食したり、餌や産卵場所を奪い合う競合関係にあったりすることを示唆しています。したがって、外来生物の存在がツチガエルの生存に対して負の影響を及ぼしていると結論付けられます。
共通テスト(2023年)類似

水槽からの窒素除去操作

Q139 水槽生態系における窒素循環の特性として、炭素循環と比較した場合の記述として最も適切なものはどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
窒素は炭素と異なり、系外へ放出される経路がほとんどないため、生物体としての除去が必要である
炭素は呼吸や光合成を通じて二酸化炭素として大気と水槽の間を循環しやすいですが、窒素は水槽内において主にアンモニウムイオンや硝酸イオンとして存在し、大気中へ放出される経路が極めて限定的です。そのため、水草が吸収した窒素を系外へ出すには、水草そのものを物理的に回収する操作が不可欠となります。
センター試験(2017年)類似

生産者の機能

Q140 ある生態系において、生産者が光合成によって合成した有機物の総量を総生産量と呼ぶ。この総生産量と生産者の呼吸量、および純生産量の関係を示す式として正しいものはどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
総生産量 = 純生産量 + 呼吸量
生産者が光合成によって得た総生産量は、自身の生命活動のために消費される呼吸量と、成長や貯蔵に回される純生産量に分けられる。この関係から、総生産量は純生産量と呼吸量の和として表される。生産者も呼吸を行うため、総生産量から呼吸量を差し引いた分が、植物体としての純生産量となる。
センター試験(2020年)類似

バイオームの生産者

Q141 地中海沿岸などの暖温帯に分布し、乾燥した夏に適応した硬葉樹林の代表的な生産者として最も適当なものはどれか。
★★ 基本 具体例 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
オリーブ
硬葉樹林は、夏に乾燥し冬に雨が多い気候条件に適応したバイオームである。葉が硬く小さく、乾燥に耐える構造を持つオリーブなどが代表的である。チークは雨緑樹林の代表種であり、タブノキは照葉樹林の代表種、トドマツは針葉樹林の代表種である。それぞれのバイオームの気候特性と植生の関係を整理しておくことが重要である。
センター試験(2015年)類似

生態系におけるエネルギーの流れ

Q142 生態系におけるエネルギーの変換過程において、生物の呼吸に伴うエネルギーの変化として正しいものはどれか。
★★★ 標準 背景 正答率 —
💡 答えを確認
✅ 正解
有機物中の化学エネルギーが分解され、一部が熱エネルギーとして放出される。
生物の呼吸は、光合成によって蓄えられた有機物中の化学エネルギーを取り出し、生命活動に利用する過程です。この過程でエネルギーの一部は生命活動(筋肉の収縮や物質合成など)に用いられますが、その多くは最終的に熱エネルギーとして系外へ放出されます。エネルギーは変換されるたびに一部が熱として失われるため、栄養段階が上がるごとに利用可能なエネルギー量は減少します。

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